【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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洗濯




イルカは最後の洗濯物を干すと、両手の平で挟んでパンパンと叩いた。
こうしておくとアイロンがけしたように、とはいかなくとも、そこそこ見苦しくない程度にはシワが伸びる。
支給服は薄手でストレッチ性が高いくせに、何の素材だか知らないが頑丈な生地でできているので、普通に干すとけっこう洗濯ジワが残ってしまう。
本来ならアイロンがけかクリーニングに出すべきだが、面倒だし薄給の身にはキツい。この手アイロンを教えてくれた下忍時代の上官にはホントに感謝だ。

戦地での洗濯は当然下忍の仕事だ。
上忍や中忍の分の洗濯をする上で、あまりにシワだらけだったり血痕の残る支給服だと、気持ちも荒んで士気が下がるからと、雑用係をまとめていた上官が血染みの抜き方や手アイロンを教えてくれたのだ。
そういう心遣いが前線に立つ戦忍を支えてるんだなぁ、と当時は感心したものだった。
…まぁ、まさか戦忍をやめても上忍の衣類を洗濯するとは思ってもみなかったが。


そこでふと思いつく。
そろそろカカシさんの帰還予定日だから、布団も干しておこう。今週中には帰れると思うって言ってたもんな。それからビールも一本開けちまおう。ホントはビールじゃなくて発泡酒だけど、そこは気分ってヤツだ。
そうと決まれば行動は早い。
イルカは寝室から布団を運んできてフェンスにどさりと干すと、冷蔵庫からよく冷えた缶を取り出してベランダにとって返した。
こんな天気のいい日は、お天道さまを浴びながら呑むに限る。

堂々と呑める歳になってからしばらくしてカカシと付き合うようになり、アパートに泊まっていく事が増えた。
そのためイルカは、冷蔵庫にビールや発泡酒のストックを切らさないようにしていた。カカシもよくビールや地酒などを差し入れしてくれる。
まだ酒の味はよく分からないが、炭酸の喉ごしは気に入っていた。
それに…夜カカシと向かい合って呑む時間が好きだった。それぞれ別々の時間が終わり、二人だけの時間が始まる合図のようで。

プルタブに指をかけて手前に引くと、プシュッと炭酸が弾ける。自分から缶の方へお迎えに行くと、ゴクゴクと音を立てて一気に半分近く呑んだ。

プハァーーーッ

労働の後の一杯が身体中に染み渡る。

はためく洗濯物。
干された布団。
ぬけるような青空。

それから、もうすぐ帰ってくるだろう、カカシさん。

野営か簡素な寝床続きで、多分ろくに寝てないはずだ。
任務中はそれが当たり前とはいえ、やっぱり布団でちゃんと寝るのは格別だろう。それが干したてふかふか布団なら、なおさら。
その幸せを与えてあげられることに、イルカはしみじみと喜びを噛みしめた。

「早く帰ってこいよ…じゃないとふかふか布団を独り占めしちまうぞ」

この青い空の下、どこかで任務に従事するカカシを想いながら、イルカは独りごちた。



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