【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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【目指せ!伝説の三変態】第1弾


(テーマ)如月

『チェンジ』『Ifの世界』
カカシとイルカの立場を丸ごと入れ替えて出逢いから。
最初は出逢わなくてもいいけど、暗部・上忍師イルカと戦忍・教師カカシは必須で。




÷÷÷÷÷ 1.はやおさん ÷÷÷÷÷


 Ifの世界 ~白銀の師・漆黒の獣面~


出会いは一瞬。
刹那の邂逅に――見惚れた。

雨が降り続いていた。
ザーザーと激しい雨音と、ドロにぬかるむ山道を、カカシは血を流し意識を失った同胞を背負って、
敵の追撃をかわし続けていた。
何が俺の仲間は誰も死なせやしないよ、だ。
ヒュンヒュンと風切り音を立てて、乱れ飛ぶクナイを飛び退けると、木立に大きく跳躍し、息を整える。
親指をかじり、忍犬を召喚すると、回収してきた巻物と、血に塗れた認識票を二つ託した。
ワンと一吠えすると、忍犬は煙を上げて消え失せる。
これで任務自体は成功した。あとはこの窮地をどう脱するかだ。
救援の式は送った。しかし木の葉から遠く離れたこの場所に、救援が来るとは到底思えない。
何が写輪眼のカカシだ。
背後から巨大な風魔手裏剣が襲いかかってくる。
飛び退けようと跳躍したところで、目の前で起爆符の付いたクナイが爆ぜる。
ボンという爆音と、爆風に、地面に叩き付けられて、地を転がった。
視界の隅に、地に横たわる同胞の姿があった。
俺は結局、誰も守ることは出来ないのか?
簡単な任務のはずだった。上忍であるカカシを筆頭に、新人の中忍3人のフォーマンセル。
まだ下忍から昇格したばかりの中忍達は、血気盛んで、戦忍としてこれからだっただろうに。
一瞬の判断ミスが、仲間を失わせることとなった。
密書の奪還に、裏があったことに気が付いた時には、手遅れだった。
経験の浅い若い中忍達が、戦況を顧みず、突っ走ったのだ。若さ故の過ち。退くと言う選択肢を選ばせる事が出来なかった、カカシの責任だった。
「くっ」
カカシは泥水の中立ち上がると、事切れた仲間の元へ片足を引き釣りながらも歩を進める。
先程の爆発で地面に叩き付けられた時に、足を折られていた。
「くそっ」
俺はまた、失うのか?
自らの弱さ故、この手から取りこぼしてきた命を思い、ぎりりと奥歯を噛みしめた。
目の前を上忍とおぼしき忍びが四人、空から舞い降りる。
「写輪眼か」
にやりと嘲笑う顔に反吐が出そうだ。
仲間を失い、この目まで奪われるのか?
「……そうはさせな~いよ」
カカシは不敵に笑うと、懐から起爆符を取り出した。
お前らもまとめて道連れにしてやる!
そう思った時だった。
目の前を鮮血が舞い散り、一瞬にして4人の敵忍は事切れていた。
何が……起こった?
呆然と佇むカカシの前に、一人の男が姿を現した。
獣面をかぶり、長い鍵爪から血を滴らせた男は、無言でカカシに歩み寄ると、カカシの手から起爆符を奪い取った。
「あ……」
綺麗な男だと思った。艶やかな長い黒髪に、赤い髪紐が映えて、降り続ける雨に塗れても、凜とした美しさを保つ男。
「あんた……」
男は何も言わず、跳躍すると、木立の中に消えた。

雨が降り続けていた。
降り続ける雨の中、息をしているのはカカシだけだった。
周囲に転がるのは、ただの骸となった、今はもう命の鼓動を失った物だけだった。
一瞬の邂逅だった。その一瞬のうちに、心を奪われた。

その後夜更けと供にカカシは救援に駆けつけた木の葉の一小隊によって、助けられた。
あの暗部の男によって命を救われたカカシは、現役の戦忍から退き、アカデミーの教師として後進の育成に心血を注ぐ事になる。
また再びあの男に出会うと知らぬまま。

「ふ~ん、それで、その男がナルトの担当教官になるわけですか」
カカシは火影執務室で、三代目火影猿飛ヒルゼンから手渡された上忍師候補者のリストを眺めながら、不満たっぷりに口を開く。
「このうみのイルカって男……暗部だったんでしょ?何も暗部を引退させてまで、上忍師にさせることはないんじゃないんですか~?だってこの男、今まで一人も合格者出してないんでしょ?下忍候補生の」
「何じゃカカシ。ずいぶん不満たらたらじゃな」
「当たり前ですよ。ミナト先生から預かった大事な教え子を、こんな男に潰されたくないですからね!なんなら、代わりに俺が上忍師になりましょうか?」
カカシの軽口に、三代目火影猿飛ヒルゼンは大きくため息をつくと、キセルでカカシの頭をぽこんと叩いた。
「あ、痛」
「アカデミーはどうするんじゃ?アカデミーは。馬鹿な事言うとらんで、さっさと戻らんか」
シッシッと追い立てられるように、カカシは火影執務室を出ると、大きくため息をついた。
「分かってな~いね。三代目は」
そのまま懐からイチャパラを取り出すと、歩き出す。
サクラはともかく、ナルトと、サスケはね。俺じゃないとダメなのよ。あの二人だけは。
「は~」
どうやって三代目を説得すれば良いのやら。得体の知れない元暗部になんか、渡してやらな~いよ。
カカシは本部棟の渡り廊下を歩きながら、思案し続けていた。

「カカシ先生!俺ってばっ俺ってば受かったってばよ~!」
ナルトが吉報を抱えてカカシの元へ報告に来たのは、任務受付所で任務報告書を提出している時だった。
現役の戦忍を引退したからと言って、人手不足の昨今、凄腕の上忍を一人遊ばせておくはずがなく、アカデミーが休みの時はこうして任務に借り出されることがあった。
とは言っても、カカシの任務は単独任務に限られていた。
もうこれ以上目の前で仲間を失いたくない。そんな思いから、単独任務以外は受け付けず、それを三代目もまた黙認していた。
「お主の好きにやれ」
あの狸じじいもああ見えて、自分を可愛がってくれているのだと、カカシは理解していた。
「なぁなぁ、凄いだろ?カカシ先生ってば!」
じゃれついてくるナルトの頭を撫でながらも、カカシは胸の中のもやもやとした気分を拭うことが出来なかった。
本当はこの手で育てたかったのだ。上忍師として。今回の選抜試験だって、絶対に落ちると思っていたのに。
「あ~よかったね。ナルト」
気のない返事でそう返せば、子供にだって分かるのだろう。
「何だよ、カカシ先生ってば。面白くなさそうだってばよ」
「いやいや、そんなことな~いよ?」
ぶーぶー文句をたれるナルトを宥めていると、任務受付所に見慣れない男が入ってきた。
上忍なのか?支給服姿の男は、カカシには見慣れぬ男だった。
長い黒髪を一つに結わえて、健康的な肌色の男は、朗らかそうで、およそ忍びとは似つかわしくない。鼻筋を通る横一文字の傷跡も、痛々しいと言うよりも、愛嬌があった。
この男、どこかで見たような?
カカシが首をひねっていると、ナルトが「イルカ先生!」と声を上げた。
イルカ先生?
「カカシ先生、紹介するってばよ!これがイルカ先生だってばよ!」
照れくさそうに笑う男は、礼儀正しく「はじめまして」と口にした。
あー思い出した。この男。例の上忍師か。
「あ~、はじめまして。はたけカカシです。こいつのこと、よろしくお願いします」
カカシは手を差し出すと、気まずさをごまかすように、後頭部をガシガシと掻き上げた。
「こちらこそよろしくお願いします」
そう言ってイルカもまた手を差し出す。カカシはその手を握りしめた。
握手を交わし、さてお開きと思ったところで、ナルトが「イルカ先生と一楽に行くんだってばよ。カカシ先生も一緒に行こうってばよ」と声をかけてくる。
今、俺、そんな気分じゃないんだよね~
「あ、カカシ先生もよろしかったら。俺、おごりますから」
そう言って笑う男の姿を見ていると、断るのも悪い気がして、カカシは思わず頷いてしまう。
なんだか調子狂うよね。この人といると。
ま、いっか。
カカシはナルトに手を引かれて、イルカと供に一楽ののれんをくぐった。


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