【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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囲炉裏の周りにはい草の丸い座布団や大きなクッションが置かれ、様々なカカシの手料理が盆に乗せて並べられていた。
酒宴に合わせたのかご飯ものというよりは肴に近かったが、この短時間で作ったとは思えないほどの出来にイルカは素直に感嘆の声を上げた。
てっきり囲炉裏を使った料理が提供されるのかと思ったら、自在鉤に高めに掛けられた鍋には徳利が入れられている。

「この酒はぬる燗が旨いんだよね。さぁ、イルカ先生も腹減ったでしょ」

カカシの声に大和が徳利を取り出し、酒を注ぎ回した。
本日はお疲れさまでしたの簡単な挨拶にイルカも唱和して猪口に口を付けると、程よい人肌に温まった酒がじんわりと沁みていく。時折ヒルゼンの晩酌のご相伴に与るイルカには、銘柄は分からなくともこれは良い酒だということが舌で感じられた。
その間にもカカシが小料理屋の女将よろしく、銘々の前に置かれた膳のイルカの取り皿を山盛りにしていく。若いイルカの腹を気遣ったのか、最初から手羽元のオーブン焼き等の肉類と白米に肉を挟んだ焼肉バーガーなど、重いものを盛ってくれていた。

「うお、これもうまいですね! 畠さんは頭もいいけど料理も上手いんだなぁ」
「頭は関係ないでしょ。あとカカシ。畠さんじゃなくてカカシって呼んで」

カカシはいつの間にかマスクを外し、イルカをじっと見つめた。
腹も脹れ、ほろ酔いで気が大きくなったイルカは、「なんですか、顔まで綺麗なんてズルい!」とカカシの口に豚トロのサラダ菜巻を突っ込んだ。
大和はこの食事スタイルにもカカシの素顔も慣れているのか、勝手に取り分けて舌鼓を打っている。
とりあえず腹が満たされたのか、大和が先ほど買ってきたツマミの袋を開けて並べ出した。スルメを串に刺して囲炉裏に突き立てると、程なくして独特の芳ばしい香りが漂う。

「よく男のアレは烏賊臭いっていうけど、スルメは別物ですよね」

酔いの回った赤ら顔の大和が下世話なことを呟いた。
最初からビールではなく日本酒を呑んだせいか、イルカも友達同士の呑みの席のように遠慮なく返してしまう。

「スルメ様とアレを同列に語っちゃダメじゃないですかぁ!」
「なんで? 同じ烏賊じゃないの」

カカシがスルメを裏返して反対側も炙る。
純粋に疑問だというカカシの口調に、イルカは囲炉裏からスルメを一本引っこ抜いてカカシの顔の前で振りかざした。

「ほら、よく嗅いでみて下さいよ、この芳しいスルメ様の香り! 全然違うでしょうが!」

カカシは素直に匂いを嗅ぐと首を傾げる。

「う~ん、そりゃ違うけど、精液だって濃い時と薄い時と違うでしょ? そもそも烏賊とスルメは原材料と加工品の関係であって……」
「だーかーらー、そういうことじゃなくて! 食いもんとアレを同列にしたらダメだって話をしてるんですよぅ!」
「じゃあ烏賊と精液の匂いは似てるって言ってもいけないの?」

二人の噛み合わない会話を手酌で呑みながら聞いていた大和が、程よく炙られたスルメを取りながら割り込んできた。

「違いと言えば、自慰と手コキって全然違いますよね。同じ人の手なのに、なんであんなに違うんだろう……」
「あー、それね。自分でするのに、人にやってもらってるみたいになるやり方があんのよ」
「何ですかそれ、教えて下さいよ。あ、でも僕も一つ知ってますよ。会社の先輩が言ってたんですけど……」

同世代の男三人が集まって酒が回るとこうなるという見本のように、話はいつの間にか猥談へと流れていった。
普段イルカは友人との呑みでは、胸の大きさや形がどうこう等もっと下世話な話しかしない。
まるで何かの研究発表のように淡々と交わされる自慰のやり方の話に、イルカはスルメをくわえたまま聞き入ってしまった。

「……ね、だから利き手と反対側で握ると、他人にされてる感覚が味わえるんですよ」

大和が左手を宙で上下させた。
するとカカシも猪口を膳に置き、自来也師匠の伝手でその道の玄人さんに教わったという方法を説明しながら実演する。

「でさ、それを更に進化させたのがあるんだよね。手の向きを上下逆にするの。初めは筋を違えそうで違和感あるけど、慣れると断然こっちのがイケるよ」
「いやそれ本当に筋を違えそうじゃないですかね」

カカシが左手を筒状に丸め、小指側じゃなく親指側を下にして上下させた。
イルカはカカシが実演する手に釘付けになってしまった。
白く艶かしい指が、架空の性器を握って上下に動いている。

「これでね、時々小指をこう動かして……」


――もし。


もしもあの丸く細長い空間に握られているのが、自分のモノだったら。


コクリ、と喉が鳴った。
じっと見すぎている。
それを分かっているのに、目が逸らせない。
二人の会話が草原を流れていく風のようにイルカの耳を通り過ぎていく。
カカシの指と、鼻腔に届くくわえたままのスルメの匂いだけが、今のイルカの現実で。


ブーッブーッブーッとバイブ音が響き、イルカはびくっと体を揺らし我に返った。
大和がスマホを取り出して立ち上がり、縁側に面した廊下へと移動しながら話している。
時折「ええっ」「いやぁ、それはまずいでしょう」などと声が洩れる辺り、会社の方でなにかトラブルがあったのかもしれない。
案の定スマホをしまった大和が、渋い顔をしながら囲炉裏端に戻ってきた。

「すみません、ちょっと社に戻らなきゃならなくなりまして……お誘いしたのは僕なのに申し訳ないです」

とイルカに向かって頭を下げると、カカシに「タクシーを呼んだので僕はこの辺で」と荷物をまとめ始めた。
初対面の相手と二人きりは失礼だろうとイルカも腰を浮かせると、軽く袖を掴まれる。

「イルカ先生は明日休みって言ってたよね? よかったら泊まっていってよ」
「あ、それがいいですよ。これから塾に戻って自転車で帰るの面倒ですよね。あとはお二人でゆっくり呑んで下さい」

袖を掴んでいるカカシの指が目に入り、先ほどの不埒な思いが甦ったイルカは動揺して固まってしまった。その間にも大和は鞄を持って玄関へと向かってしまう。

「それではお先に失礼しますね」
「はいはい、またね~」
「あ……っ、大和さん、今日はありがとうございました!」

大和がバタバタと忙しなく去っていくと、しんと場が静まり返った。
座ったままのカカシと、中途半端に腰を浮かせたままのイルカと。
不意に囲炉裏でぱちりとはぜる音がして、イルカは我に返った。

「あー、その、タクシーって……あ、あの入口の鎖はどうするんですか?」
「たいした距離じゃないから、門の所まで歩いてくんじゃない? イルカ先生は気付かなかったかもしれないけど、ちゃんと脇の柱にインターホンもあるよ」
「そうですか、へぇ」

他愛のない会話が途切れると、また沈黙が二人の間に横たわる。
カカシはまるでイルカの落ち着かない様子を楽しむかのように、酒でほんのり桜色に染まった頬に薄く笑みを浮かべたままだ。

「あ、あの……そうだ、大和さんはいつも泊まっていかれるんですか?」
「いつもって訳じゃないけど、けっこうあるかな……ところでイルカ先生」

掴んだままだったカカシの指が、更に強く袖を引く。
イルカがその顔を見ると、この場に不似合いなほど妖艶な笑みを浮かべた。
思わず見惚れていると、その見目良い唇の両端がきゅっと持ち上がり、口元のほくろもその動きに合わせて丸い粒が歪に形を変える。

「……勃ってるでしょ」


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