【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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たまには黒っぽいカカシさんとイルカ先生も書きたいなって。
※開幕早々モブくノ一が登場します
「きまぐれですよ」
アカデミーの裏庭の、さらに奥まった人気のない木立の奥。
そこにイルカは立っていた。
美女揃いの木ノ葉と絶賛されるに相応しいくノ一の前に。
だがその美貌は歪んだ笑みで台無しになっている。イルカを責めるのに夢中な当人は気付いていないようだが。
「あんたみたいな冴えない中忍がはたけ上忍と付き合えるなんて、おかしいと思ってたのよね。彼、言ってたわよ」
ここで最大限の効果を狙うように、くノ一は口をつぐんで綺麗な紅に彩られた唇の両端を吊り上げた。
「……ただのきまぐれだよ、って」
暴力的な言葉を投げ付けてイルカの反応を待つくノ一の瞳がぎらぎらと輝く。
それに対し、イルカは片眉をぴんと跳ね上げただけ。
ショックを受けたにしてはささやかすぎるが、脳が拒絶反応を起こして理解を拒んでいるのかと思い直す。誠実な恋人だと思っていた男の裏切りは、この真面目そうな中忍にはさぞ衝撃だろうから。
その証拠にイルカは片手で口を覆い、肩を震わせ始めた。
「……っふ、くくく」
おかしな泣き方をする男だと。いや、これは笑っているのだとくノ一は怪訝な顔になる。ショックで感情の制御が壊れたのか、なんにせよ思い通りの展開になったのだから長居は無用だときびすを返そうとすると。
「それ、俺があの人に言った台詞ですよ」
笑い混じりに返されたイルカの言葉に、思わず振り返る。
イルカは笑っていた。
にこにこと、邪気のない笑顔で。
「先日ちょっとした意見の食い違いがありましてね。つい思ってもないことを言ってしまったんですよ。まさかこんな風に自分に返ってくるなんて」
堪えきれないとばかりに、くくく、と声を漏らす。
「あー、すみません。私たちの私的な諍いに巻き込んでしまいましたね。あの人は本当に子供っぽくて、そんなところも可愛いんですが。まぁ、そろそろ許してあげようかと思ってたところなので、後はどうぞお気遣いなく」
それでは、となおも嬉しげに肩を揺らしながら立ち去ろうとするイルカに、呆気にとられていたくノ一は眦を決した。
「待ちなさい! 上忍の私を馬鹿にしてんの⁉」
イルカの態度は階級的にも許されるものではなかった。たとえ恋愛沙汰の、しかもくノ一が自ら仕掛けたものであっても。
くノ一としての、そして上忍としてのプライドを傷付けるには十分すぎるイルカの対応に、くノ一は無意識にクナイを握る。
「馬鹿になどしてませんよ。だからそれはしまってください。でないと私も相応の対処をしなくてはいけなくなります。例えば……」
イルカがくるりと振り返る。
静かな、それでいて逆らい難い黒い瞳を真っ直ぐくノ一に向けて。
「あなたの先日の任務でも、経費が僅かに多く申請されていたこと、とか」
くノ一はびくりと体を揺らした。
任務先の街で先シーズンに買い逃した化粧品が売られていたのを衝動買いし、こっそり経費に混ぜて申請したのだ。ほんの五百両だしくノ一の必需品だからと、何度もやってきたように、今回も。
そういえばこのアカデミー教師は受付も兼任してるんだったと、今さらながら思い当たる。
そしてイルカの口振りに、今まではささやかな横領を見逃されていたのだということも。
黙り込んだくノ一に、話は終わりだとイルカが微笑みかける。
「カカシさんとのこと、ご心配頂いてありがとうございました。それでは」
「……あんまり調子に乗らないことね」
自分でも陳腐な捨て台詞だと思いながらも、何かは言ってやりたくて一言だけ返したくノ一は姿を消した。
温厚で凡庸な中忍だと見誤っていたことを、心の片隅で悔やみながら。
「ということで、仲直りでもします?」
宙に向かってイルカが声をかけると、木立の中からカカシが姿を現した。
「……気配は断ってたんだけど」
「消そうと思ってるあんたの気配なんか分かりませんよ。あの女性にあんなこと言わせるなら、当然様子を見に来てるだろうって思っただけです」
朗らかに話しかけるイルカの目は笑っていない。
対するカカシは、気まずそうに目を逸らしている。それを覗き込むようにイルカが顔を傾けた。
「俺とのこと、きまぐれなんですか?」
「先生こそどうなのよ」
口布で分かりにくいが、僅かに口が尖っている。
たいした諍いではなかった。
お互い、少しむきになってしまっただけの小さなすれ違いだった。
ふう、とため息をつくイルカに、片方だけ露わになったカカシの目が揺れる。
「きまぐれは言いすぎました。ごめんなさい」
潔く頭を下げるイルカに、カカシも慌ててイルカの手をとってぎゅうっと握る。
「俺こそごめん! 俺だってきまぐれなんかじゃないから。ずっとずっと好きなままだから!」
くノ一の思惑にまんまと躍らされるのが悔しくてつい強い対応をしてしまったが、カカシの意趣返しは実はけっこう効いた。
それだけ傷付けることを言ってしまったのだと反省を込めて、イルカは先に謝って誠意を見せる。
「あんまり意地悪しないでくださいよ」
「うん。……ごめん」
上忍のくノ一の不興を買うのは、仲直りのきっかけには高くついたが。
それでもこの手をやっと繋げたことで、イルカの頬に本物の笑みが浮かんだ。
※開幕早々モブくノ一が登場します
「きまぐれですよ」
アカデミーの裏庭の、さらに奥まった人気のない木立の奥。
そこにイルカは立っていた。
美女揃いの木ノ葉と絶賛されるに相応しいくノ一の前に。
だがその美貌は歪んだ笑みで台無しになっている。イルカを責めるのに夢中な当人は気付いていないようだが。
「あんたみたいな冴えない中忍がはたけ上忍と付き合えるなんて、おかしいと思ってたのよね。彼、言ってたわよ」
ここで最大限の効果を狙うように、くノ一は口をつぐんで綺麗な紅に彩られた唇の両端を吊り上げた。
「……ただのきまぐれだよ、って」
暴力的な言葉を投げ付けてイルカの反応を待つくノ一の瞳がぎらぎらと輝く。
それに対し、イルカは片眉をぴんと跳ね上げただけ。
ショックを受けたにしてはささやかすぎるが、脳が拒絶反応を起こして理解を拒んでいるのかと思い直す。誠実な恋人だと思っていた男の裏切りは、この真面目そうな中忍にはさぞ衝撃だろうから。
その証拠にイルカは片手で口を覆い、肩を震わせ始めた。
「……っふ、くくく」
おかしな泣き方をする男だと。いや、これは笑っているのだとくノ一は怪訝な顔になる。ショックで感情の制御が壊れたのか、なんにせよ思い通りの展開になったのだから長居は無用だときびすを返そうとすると。
「それ、俺があの人に言った台詞ですよ」
笑い混じりに返されたイルカの言葉に、思わず振り返る。
イルカは笑っていた。
にこにこと、邪気のない笑顔で。
「先日ちょっとした意見の食い違いがありましてね。つい思ってもないことを言ってしまったんですよ。まさかこんな風に自分に返ってくるなんて」
堪えきれないとばかりに、くくく、と声を漏らす。
「あー、すみません。私たちの私的な諍いに巻き込んでしまいましたね。あの人は本当に子供っぽくて、そんなところも可愛いんですが。まぁ、そろそろ許してあげようかと思ってたところなので、後はどうぞお気遣いなく」
それでは、となおも嬉しげに肩を揺らしながら立ち去ろうとするイルカに、呆気にとられていたくノ一は眦を決した。
「待ちなさい! 上忍の私を馬鹿にしてんの⁉」
イルカの態度は階級的にも許されるものではなかった。たとえ恋愛沙汰の、しかもくノ一が自ら仕掛けたものであっても。
くノ一としての、そして上忍としてのプライドを傷付けるには十分すぎるイルカの対応に、くノ一は無意識にクナイを握る。
「馬鹿になどしてませんよ。だからそれはしまってください。でないと私も相応の対処をしなくてはいけなくなります。例えば……」
イルカがくるりと振り返る。
静かな、それでいて逆らい難い黒い瞳を真っ直ぐくノ一に向けて。
「あなたの先日の任務でも、経費が僅かに多く申請されていたこと、とか」
くノ一はびくりと体を揺らした。
任務先の街で先シーズンに買い逃した化粧品が売られていたのを衝動買いし、こっそり経費に混ぜて申請したのだ。ほんの五百両だしくノ一の必需品だからと、何度もやってきたように、今回も。
そういえばこのアカデミー教師は受付も兼任してるんだったと、今さらながら思い当たる。
そしてイルカの口振りに、今まではささやかな横領を見逃されていたのだということも。
黙り込んだくノ一に、話は終わりだとイルカが微笑みかける。
「カカシさんとのこと、ご心配頂いてありがとうございました。それでは」
「……あんまり調子に乗らないことね」
自分でも陳腐な捨て台詞だと思いながらも、何かは言ってやりたくて一言だけ返したくノ一は姿を消した。
温厚で凡庸な中忍だと見誤っていたことを、心の片隅で悔やみながら。
「ということで、仲直りでもします?」
宙に向かってイルカが声をかけると、木立の中からカカシが姿を現した。
「……気配は断ってたんだけど」
「消そうと思ってるあんたの気配なんか分かりませんよ。あの女性にあんなこと言わせるなら、当然様子を見に来てるだろうって思っただけです」
朗らかに話しかけるイルカの目は笑っていない。
対するカカシは、気まずそうに目を逸らしている。それを覗き込むようにイルカが顔を傾けた。
「俺とのこと、きまぐれなんですか?」
「先生こそどうなのよ」
口布で分かりにくいが、僅かに口が尖っている。
たいした諍いではなかった。
お互い、少しむきになってしまっただけの小さなすれ違いだった。
ふう、とため息をつくイルカに、片方だけ露わになったカカシの目が揺れる。
「きまぐれは言いすぎました。ごめんなさい」
潔く頭を下げるイルカに、カカシも慌ててイルカの手をとってぎゅうっと握る。
「俺こそごめん! 俺だってきまぐれなんかじゃないから。ずっとずっと好きなままだから!」
くノ一の思惑にまんまと躍らされるのが悔しくてつい強い対応をしてしまったが、カカシの意趣返しは実はけっこう効いた。
それだけ傷付けることを言ってしまったのだと反省を込めて、イルカは先に謝って誠意を見せる。
「あんまり意地悪しないでくださいよ」
「うん。……ごめん」
上忍のくノ一の不興を買うのは、仲直りのきっかけには高くついたが。
それでもこの手をやっと繋げたことで、イルカの頬に本物の笑みが浮かんだ。
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