ヘタレ上忍＆男前先生の王道はいつでもよいものですね。
台詞だけで短いです。


÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷


「ねぇ先生、好きだって言ってみて」
「ええ～……」
「いいから言ってみてよ」
「はぁ、じゃあ。『俺は混ぜご飯が好きだ』」
「どう、そんな気がしてこない？」
「いやいやいや、そんな単純なもんじゃないでしょう」
「人間の脳なんてけっこう単純よ？　暗示だって洗脳だって、基本的には耳から聞こえた言葉を信じちゃうじゃない」
「それは相応のテクニックを伴うからであって」
「うん、でもたとえ自分の発した言葉でも、一旦耳を経由すると脳は外部からの音声として認識するのよ。自己暗示の基本でしょ？」
「でも混ぜご飯は好きになってないですよ」
「毎日声に出して言ってたら、そのうち好きになるんじゃない？」
「そんなもんですかねぇ……」
「ははっ、でもせっかくなら、違う言葉を言ってほしいなぁ」
「違う言葉？」
「そう。毎日言うんでしょ？　それならそうだなぁ……『俺はカカシさんが好きだ』、……とか」
「……っ」
「な～んてね」
「俺はカカシさんが好きだ」
「え」
「好きですよ、カカシさんのこと」
「あの……。…………えっ？」
「毎日言い聞かせるまでもなく好きだって言ってるんですよ、カカシさんのこと」
「え、あ……の、はい。俺も……です」
「まったく、こんな回りくどい口説き方せんでも直球で言ってくれりゃいいんですよ」
「すみません……」
「ふふ、そういうところも好きですけどね」