【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old (カテゴリ内↓new ↑old)
※2Hマッチなので2時間で書けた所で一旦切ってあります


 『夜這い勝負』



限界ぎりぎりまで呼吸を抑える。
俺は空気だ。
この中忍アパートの俺の部屋を漂う塵だ。
ベッドの傍らにしゃがみ込んで、俺の部屋の俺のベッドで健やかな寝息を立てる男の閉じられた両瞼をもう一度確認すると、右腕だけを布団の中にそうっと差し入れた。
熱のこもる布団の中を、地雷原を進むが如くじりじりと右腕を動かす。
スウェットのズボンの生地にようやく指先が触れた。
――今日こそイケるかも。
期待に震えそうな手を叱咤し、ここからは躊躇いは負けだとウエストのゴムから一気に手を突っ込み……よし、パンツに触ったぞ! あと一息、

「はぁい、そこまで~。今夜も残念でした~」

間延びした声に反して、がっしりと掴まれた腕はぴくりとも動かない。
詰めてた息を吐きながらゆっくり右側に目線をずらすと、カカシさんが寝起きとは思えないほど爽やかな笑みを浮かべて俺を見下ろしていた。



俺とカカシさんはちゃんと恋人同士だ。
それなのに俺が夜な夜なこっそり襲うような真似をしてるのには、立派な理由がある。
付き合ってからいわゆる『どっちが上か問題』で、カカシさんの方が戦忍だし年上だしとなぁなぁにしてたことを、酒の勢いを借りてはっきり言ってみたのだ。

「この際言わせてもらいますが、俺も男なのでカカシさんを抱きたいです。あなたの愛くるしいピンクの乳首は抱かれるためにある」

卓袱台の前で背を丸めてたカカシさんは、唇の端からゲソをぶら下げたまま、ぽかんと俺の顔を見る。
くそ、ゲソぶら下げてても可愛いな。やっぱりあんたは抱かれる側でもあると思う。うんうん。

「なぁに、俺のセックスが不満?」
「そういう訳じゃありません。あなたとのセックスは大変気持ちいいし別世界を見てしまった感が尋常じゃないし抱かれたくない訳じゃないですが、俺の雄としての性が叫ぶのです。カカシさんを男として愛したい、カカシさんに突っ込みたいとッ」

ゲソを振り回しながら語る俺の熱い演説に聞き惚れてたのか、しばらく俺の顔を眺め続けていたカカシさんが、おもむろににやりとした。

「そうねぇ……俺に夜這いが成功できたら抱かれてもいいよ」
「本当ですか⁉ 男に二言はないですね⁉」
「うん」
「よっしゃああああああああ! あ、上忍だからって幻術とかその眼ぐるぐるとか無しですよ! 忍術禁止!」
「いいよ。でもイルカ先生もだからね」
「もっちろんです!」

興奮してる俺を、カカシさんはゲソをしゃぶりながらにこにこ見てたけど、中忍舐めんなよ? いやいつもあちこち舐められてるけども! 気持ちいいけども!
俺だって絶対にカカシさんに突っ込んでやる。そしてあんあん言わせてやるからな!

といってもお互い忙しい忍の身だから、睡眠時間の確保は最重要なのでルールを細かく決めた。
まず夜這い成功の条件だが、『カカシさんのスウェット、更にパンツに手を突っ込んで、ちんこを触ったら俺の勝ち』だ。
そして言うまでもないが、任務帰りの疲労困憊なところを襲うのは禁止。
俺が抱かれた後はとてもじゃないがそんな余裕はないので、禁止というか無し。
釘を刺されたこともあって忍術の使用は禁止。
以上の条件を鑑みて、基本的にカカシさんがスウェットを穿いて寝てるなら夜這いOKよ♡の印である。
夜這いOKならすぐに抱かせてくれても良さそうなもんだが、これはゲームだ。ゲームはルールを守った上で勝つのが楽しい。
まぁ、なんとなく上手くかわされた気もするが、カカシさんも男だ。卑怯な真似をするような奴なら即刻別れるし、要は俺が勝てばいいだけの話だからな。

「楽しそうだねぇ」

相変わらずにこにことしてるカカシさんに、余裕ぶっていられるのも今のうちだぞと笑顔を返した。



油断してるのか何なのか、その夜から早速スウェットを穿いておやすみ~と早々寝室に消えたカカシさんを、半ば呆気に取られて見送ったが。
これは案外カカシさんもノリノリなんじゃ? と期待してすぐに追っかけてスウェットを掴んだ手は阻まれた。

「はい、アウト~」

そしてそのまま体勢をぐるんとひっくり返され、あんあん言わされたのは俺の方だった。
くそう、やられた! 期待しちゃったじゃねぇか!
いや気持ち良かったけども!
まんまと罠に嵌められ、ちんこも嵌められて悔しさ倍増の夜這いゲームスタートとなった。
いや気持ち良かったけども!
それから何度も何度も何度もチャレンジしてるが、その度に手を掴まれてゲームは終了となる。
あれ、忍術禁止ってもしかして自分の首を絞めたか? と思ってももう遅い。
夜這いはひたすら連敗記録を更新し続け、なかなか夜這いに適した夜も少ないこともあってとうとう半年が過ぎてしまった。
明日は久しぶりにカカシさんの休みと俺の午後出が重なってるので、お互いみっちりねっとりやるかという空気だったのだが。
カカシさんはなぜかスウェットを穿いて上半身裸で布団に潜り込んだ。
あれ、誘われてる? いやいやいや騙されないぞと思いながらも、半信半疑で俺も隣に潜り込んだ。
横向きになったカカシさんが、俺をじっと見つめている。
いやいやいや騙されないぞ。でも可愛いから、ちゅうはしちまおう。
身を寄せて合わせた唇が、すぐに深く重なる。
舌を絡める合間に深い灰青色を覗き込むと、緩く細められた。
これは――。
もう一度唇を合わせ、そのまま首筋に滑らせる。しっかりとした腱を辿り、張りのある胸に下りてもつんと尖ったピンクの乳首を含んでも、カカシさんは何の抵抗もせず受け入れている。

「あの、……いい、んですか?」
「うーん、どうだろ。イルカ先生はどうだった?」

これは何だろう、なんとなくだが今の状況について聞かれてるんじゃない気がする。
もしかして、俺が初めて抱かれた時のことを聞いてるのか?

「えっと……やっぱりちょっと恐かったですね。男に抱かれるのは初めてだったから」
「だよねぇ」
「カカシさんも恐い?」

するとカカシさんは、俺を抱き寄せてふふふと含み笑いをした。

「恐いねぇ。自分が受け入れる方になるなんて、想像もしてなかったから。でもね、恐いけど、不思議と嫌だなとは思わなかったんだよね。イルカ先生もこんな気持ちで俺を受け入れてくれたの?」

――ああ、そうだったのか。
夜這いゲームなんて言ってたけど、カカシさんはこうやって時間をかけて俺の気持ちを追体験しようとしてくれたんだ。
なんとなくなぁなぁで決まった上下だったけど、本当にちゃんと繋がったのは三ヶ月くらい経ってからだった。
俺がなかなか覚悟が決まらなかったから。
カカシさんは当然のように俺を抱く側に立ったけど、ビビってた俺の気持ちも尊重してくれた。
そういう人だから、抱かれようって腹を括ったんだよな。

「好きだから受け入れたい。結局そこが一番でしたね」
「うん、分かる」
「カカシさんも、好きだから受け入れてもらいたいっていう気持ちだったんですねぇ」
「そうだねぇ」
「どうします? 俺は受け入れたい気持ちも今まで通りですよ?」
「うーん、せっかくだから、しよ?」

ゆるゆるな許可だけど、せっかくらしいから有り難く頂くことにした。
俺よりも傷痕の多い肌を、慈しむように唇を当てていく。
傷痕は全て、かつてはぱっくりと開いて血を流していた所だ。それがちゃんと塞がってることに安堵し、労りを込めて撫でながら舌を這わせる。
そしてカカシさんがいつもしてる手順でローションを手に広げて温め、いつも俺にしてくれたように優しく丁寧に身体を開く。
やっぱり最初だからか、なかなか馴染まないけど少なくとも受け入れてはくれた。少しずつ揺らしながら奥を目指すと、ようやく全部収まって二人で息をつく。

「せんせぇの抱き方は優しいね」
「全部あなたが教えてくれたんですよ。愛しい男を愛する抱き方を」
「…………そっかぁ」

ふわりと微笑んだ目尻の皺がまた愛しくて、そこにキスを落とす。
その動きのせいで深く抉ってしまったみたいで、小さな呻きが上がった。

「痛かったですか?」
「ううん、気持ちいい」

初めてでそんなはずはないのに、あまりにも嬉しげに笑うから、俺も自然と笑みを浮かべてしまった。

「カカシさんの中、気持ちいい」
「うん、俺も」


※※※※(タイムアップ)※※※※


好きな男の中で好きな男の身体に包まれるって、こんなに幸せなんだな。
あー、好きだカカシさん、愛してる。
そうか、カカシさんもいつもこんな気持ちで俺を抱いてたのかな。
これは幸せだなぁ。カカシさんも気持ちいいのかな。
ゆらゆら、ふわふわとした思いはどんどん膨らみ、いつしか男の本能のままに腰を打ち付けていた。





結局夜這いゲームでは勝ってないが、カカシさんを抱くことができて俺は満足だった。
この波に乗って軽く提案してみると、カカシさんは小首を傾けて考え込む。

「どうですか、たまにはまた交代しませんか」
「うーん、そうねぇ」

おっ、これは色よい返事を貰えるのか?
前のめりになって答を待つと、カカシさんがにやりと笑う。

「俺に夜這いが成功できたら抱かれてもいいよ」



【完】

スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。