【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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例の付喪神カカシで久々のコラボです!
山田さんが付喪神のスケアとカカシという神設定を考えてくれました!褌はよんさんの大サービスありがてぇ!!
m1さんがエロ法螺貝の絵茶招集に応えてくださり、めちゃくちゃ豪華メンバーのエロ茶になりましたよやったね!

設定と配役を頼まれたのですが、イルカ先生は神職にしたかったんですよね。
男巫女という響きがもうえろい…これしかないだろ!と即決。
ちなみに男巫女は本当にいるそうですよ☆

それでは成人向けお伽話風スケカカイルをお楽しみくださいませ~!




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 二人の付喪神と男巫女イルカ



 ある晴れた日の昼下がり、木ノ葉村の田圃のど真ん中に雷が落ちました。
 幸いにして怪我人はいなかったのですが、なんということでしょう。雷の直撃によって、九十九年村を見守り続けてきた案山子様が真っ二つに裂けてしまったのです。
 その案山子は九十九年前、不作が続き村が飢饉で全滅寸前の時に豊穣祈願の人身御供代わりに作られ、神に捧げられた物でした。
 村人たちはこれは何と恐ろしい、また日照りと鳥害や虫害による不作で飢饉になる前触れではないかと囁き合いました。
 その声は木ノ葉神社の神主である猿飛ヒルゼンの元にも届きます。
 ヒルゼンは息子のアスマを呼び、田圃から布に包んで運んできた案山子様を前に相談しました。
 案山子様は雷の直撃で頭から真っ二つに裂け、少しでも動かすと藁がぱらぱらと散るような有様です。
「こりゃもう、作り直すしかねぇんじゃないか」
 アスマのもっともな言葉にヒルゼンは唸りました。
 というのも、この案山子様はただの案山子ではないのです。
 その昔、飢饉の時に木ノ葉村を訪れていた千手柱間という修験者が、神の託宣を受けたと村の子供たちの手で藁を集めさせて三日三晩祈り続けて霊力を籠めたという、特別な案山子だったのです。藁と布の集まりであるはずの案山子が九十九年も無事でいたことが、何よりもその証でしょう。
 その際の覚え書きの帳面を繰りながら二人で頭を突き合わせていると、ヒルゼンの手がある頁で止まりました。
 そこには案山子を奉納する時に、籤引きで選ばれた処女が巫女舞を奉納したと書かれていたのです。
「これじゃ! 新たに作り直すことはできんが、巫女舞で案山子様を鎮めることはできるじゃろう」
「でもよ、籤引きで選ぶ処女って誰を候補にするんだ? 年齢的にサクラとかヒナタ辺りか」
 神前で籤引きを行うために、村の少女たちの名前を紙に書き写して短冊状に切っていたその時、二人の元に窓から一陣の風が吹き込みました。
 室内だというのにあまりにも強い突風で、ヒルゼンとアスマが腕を上げて目を庇うと、風は唐突に止みました。
「何だったんだ……」
 強風で二人が作っていた紙は全て散らばってしまったのか、どこにも見当たりません。
 ただ、机の上には一枚だけ、古びた和紙が残っていました。
 そこには流麗な手蹟で人の名が書かれています。

『うみのいるか』

「いるかって、うちのイルカか?」
 イルカは正確には猿飛家の家族ではないのですが、幼い頃に両親を亡くしたのを引き取り、家族同様に過ごしてきた青年でした。
「……これは御託宣ってやつかのう」
 ヒルゼンの呟きにアスマが困り顔を向けました。
「イルカは男だぞ」
「じゃが、この通りご丁寧なるご指名じゃ。イルカに頼むしかなかろう」
 こうして案山子様に奉納する巫女舞を、イルカが舞うことになりました。
 イルカは村の小さな学校で、子供たちに勉強を教える先生をしています。巫女舞など村の祭で見たことはあっても、もちろん舞ったことなどありません。
 舞を案山子様に奉納する日まで、イルカの猛特訓が始まりました。



 さてさて奉納当日、イルカは禊を済ませると本殿に足を踏み入れました。
 木ノ葉神社は小さな村の神社なので、立派な神楽殿や拝殿などありません。質素な祭壇の前に裂けた案山子様を置き、その前で巫女舞を奉納することになります。
 白衣(はくえ)に空色の袴を着けて白無地の千早を羽織り、鈴の付いた榊を手にしたイルカが緊張した面持ちで祭壇の前に立ちました。
 背後に控えたアスマが笛を鳴らすと、両の手をすいと挙げて舞い始めます。
 それは一人神楽に一人巫女舞という、華やかさとは程遠い神事でしたが、イルカの真剣さが静謐な空気を生み出していました。
 凛と張り詰めた中、笛としゃんしゃんという鈴の音をイルカの舞う衣擦れが追います。
 結い上げた黒髪が黒揚羽蝶の羽ばたきのように不規則な揺れを描き、ぴんと伸ばした指先が宙を指しました。
 伏せた眼差しを上げると、眦にうっすら朱を入れた黒い瞳にきらりと光が宿ります。
 笛を聴きながら無我夢中で舞っていたイルカは、ふと笛の音が途切れていることに気付きました。
 動きを止めることなく辺りを見渡すと、狭い板の間だったはずの部屋が薄靄の漂う不思議な空間になっているのです。
 不意に藁の乾いた甘さを含む匂いが強くなり、榊を持つ手に誰かの手が触れました。
 そして反対側の手も誰かの手が重ねられます。
 いつの間にかイルカは、市女笠を目深に被った二人の者に挟まれていました。
「あなたたちは……?」
「俺はカカシ」
 右側の男が笠を上げ、柔らかく囁きかけました。
「僕はスケアっていうんだ。よろしくね、イルカ」
 左側の男が指を絡め、甘く囁きかけました。
 突然現れた不思議な装束の男たちに、イルカは戸惑いながら呼びかけます。
「あの、すみません、今大事な神事の最中なので、部外者の方は遠慮してもらえるでしょうか」
 すると二人はイルカを挟んで顔を見合わせ、含み笑いを交わしました。
「それなら大丈夫。俺たちは案山子の付喪神だから、立派な当事者だよ」
「真っ二つに裂けちゃったから、僕たち二人で付喪神なんだよね」
 イルカが左右を順繰りに見ると、顔の下半分を布で覆っているとはいえ、なるほど確かに二人はそっくりな顔立ちをしています。
 この二人が案山子様の付喪神と名乗ったことで、イルカは自分の役割を思い出しました。
「あの、俺、巫女じゃないんですけど舞い手に選ばれまして! 一生懸命舞うので、どうかこれからも木ノ葉村に豊かな実りをお願いします!」
 イルカの必死な願いに、二人はまたしてもイルカを挟んで顔を見合わせました。
「うーん、そう言われても、俺たちは付喪神になっちゃったからねぇ。神だけど妖だから」
「そんな……っ」
 この巫女舞は無駄だったというのでしょうか。
 男にも関わらず案山子様を鎮め慰めるという大役を授かったというのに、また子供の頃から聞かされてきたあの恐ろしい飢饉が村を襲うのかと思うと、イルカは自分の不甲斐無さに思わず泣きそうになりました。
 でもまだ自分にも何かできる事があるかもしれないと、気丈にもぐっと涙を堪えます。
「あの! 俺でもお役に立てる事はないでしょうか! 木ノ葉村の人はみんな、両親を亡くした俺を育ててくれたいい人たちなんです。俺だって何か返したいんです……何でもします!」
 イルカがカカシの胸元に必死に縋り付くと、口布の下でカカシの薄い唇が笑みを浮かべました。
「そうだなぁ。イルカが人身御供になってくれたら、その力で神になれるよ」
「僕らは神になるのにあと一年足りなかったから。イルカの命でその一年を購えば、神として村を守れるよ」
「人身、御供……」
 イルカはその言葉の重さに身を震わせました。
 でも何でもと言ってしまった手前、今さらできないとは言えません。ましてや村の平穏がかかっているのです。
「分かりました。俺でよければなります。人身御供に」
 イルカの真摯な眼差しに、カカシの目が柔らかく細められました。
 スケアがイルカの羽織る千早を肩からするりと落とします。
「イルカ、僕たちのお嫁さんになってくれる?」
「はい! ……えっ、嫁ですか⁉」
「そ、お嫁さん。人身御供は生贄として捧げられるものでしょ? それなら俺はイルカをお嫁さんとしてもらいたいの」
 カカシとスケアがなぜ男の自分を嫁に欲しいなどと言い出したのか、イルカにはさっぱり分かりません。
 でも人身御供でも嫁でも、二人に身を捧げることに変わりはないならば、どちらでも一緒だと腹を括りました。
「はい、じゃあ、えっと……俺をお嫁さんにしてください!」
「喜んで。ふふ、求婚されちゃった」
「これでイルカは僕らのものだよ」
 スケアの目が妖しい光を帯びました。
 顔を寄せると口布越しにイルカの頬に唇が触れ、熱い吐息と共に囁きが落とされます。
「イルカは処女だよね。綺麗ないい匂い」
「イルカはお日様の匂いがする。お日様に愛されてる匂いだ」
 カカシの手がイルカの胸元に滑り込み、張りのある胸を撫で回しました。
 指先に胸の尖りを引っかけてはくるくると転がし、粒を詰まんできゅっと押し潰します。
 しゅしゅっと衣擦れの音がするのは、スケアが袴の紐を解いて引き下げたからでしょう。小麦色の素肌のすべらかさを愉しむように腿を撫で、白衣の裾を割ると脚を大きく開かせました。
 二人の不埒な手つきに、イルカは戸惑いながらも身を任せます。
 ふと、首筋に這う柔らかい熱に顔を向けると、カカシの素顔が目前にありました。
 スケアも顔を覆っていた布を落とし、イルカの耳朶をやんわりと含み食んでいます。
「俺の顔を見て」
「僕らの素顔を見られるのは伴侶だけ」
「俺の顔を覚えて」
「僕らの体も」
「俺の全部を見て、知って」
「イルカの無垢な魂に僕たちを刻んで」
 二人に代わる代わる囁かれながら、それぞれの十指に嬲られながら、二人の口元で妖しく動く黒子をイルカはぼうっと眺めました。
「これ……かかし、さまと、おんなじ」
 不意に零れたイルカの言葉で、カカシの手が止まりました。
 イルカの指先がカカシの口元へと伸び、そうっと黒子に触れます。
 昔イルカがまだ幼かった頃、猿飛家で優しく迎えられてもどうにもならない寂しさで家をそっと抜け出したことがありました。月夜の田圃に独り立つ案山子様の姿は、やはり独りのイルカを慰めてくれるようで。
 案山子様の傍で膝を抱えて話しかけていた時の、あの見上げたへのへのもへじの顔にあった二つの点。『へ』の字の下にぽつりと描かれていた黒い点と同じ場所に、カカシとスケアの黒子があったのです。
「そうだよイルカ、寂しい子よ。俺があの時寄り添っていた案山子だよ」
「もう寂しくないよ。これからは僕らと一緒だからね」
 イルカの胸に、初めて心から二人を受け入れる気持ちが満ちました。
 どこか強張っていた口元がようやく緩み、カカシとスケアの頭を両の腕で抱き寄せます。
「カカシ様、スケア様。どうぞイルカを嫁として貰ってくださいませ」
 改めて請い願うイルカに、二人が優しく微笑みました。
「人の身で俺を受け入れるのは大変だろうけど」
「できるだけ悦くしてあげるからね」
 スケアの桔梗色に染められた指爪が、兆し始めたイルカの雄を布の上からゆるゆるとなぞります。
 イルカの肌によく映える真白い布は禊の後に用意されていた六尺褌でした。普通の褌より薄地なせいか、肉の色がうっすらと透けて二人の目を愉しませます。
 それをスケアが掌で包むように覆うと、肉茎の形を確かめるように扱きました。
「や、それ……ん、だめで、す……っ」
「誰かにこんな風に触られるのは初めて? 大丈夫、恐くないよ」
 カカシがあやすように囁きかける間も、スケアの手は止まりません。時折爪を立て、括れを撫でさすり、追い上げるかの如く徐々に動きを早めていきます。
 イルカは体中の熱が集まってくるような感覚に怯えるのですが、でももっとしてほしいような、これ以上は怖いような、いろいろな気持ちでいっぱいになってカカシに縋り付きました。
「恐がらないで、何があっても俺がいるから。ね、気持ちいいでしょ?」
「きもち、いい……」
「そう。ほらね、もうこんなにびしょびしょに濡らして。ここが気持ちいいって」
 褌の真っ白だった布地は、イルカの零す先走りで濡れて色を変え、ぴたりと張り付いて雄の形を露わにしています。
「こんなに大きくなって苦しそう。可哀相だから出してあげようね」
 スケアがぴっちりと張った布の横から、イルカの育ちきった雄を引っ張り出しました。
「っひ、あ……っ」
 その擦れる感触さえ今のイルカには刺激が強すぎて、こみ上げてくる何かに耐え切れず前を弾けさせてしまいました。
 それは二人の墨色の衣にも飛び、白い模様を描いています。
「あ……ごめんなさ……」
 カカシはその精を掬うと、ぺろりと舐め取りました。
「いいよ、嬉しい。気持ちよかったんでしょ?」
「ねぇ、僕のことも気持ちよくして?」
 スケアが衣の前を割ると、イルカの手を取って自分の中心に導きました。
 そこはとても熱く火傷しそうなほどで、イルカはその熱と大きさに怯えます。
「こんなおっきくて、あついのが……んぁっ?」
 信じられないことに、カカシの指がイルカの雄の更に奥のすぼみに入ってきたのです。
 カカシの傍若無人な指はイルカの中まで触れ、ぐちぐちと探りながら道を広げようと動き回りました。
「熱くて柔らかいなぁ。ここは誰も、俺しか知らない秘密の場所だよね?」
「ちゃんと僕のを握って? 恐がらないで。イルカを欲しがる僕の熱を感じて」
 右のカカシがイルカを暴き、左のスケアがイルカに暴かせ。
 それはイルカの知らなかった世界で、イルカまで左右二つに分かれてしまうのではないかと怯えました。
 その熱と混乱の時間が永遠に続くのかと思い始めた頃、カカシも衣の前を広げました。
 隆々と勃ち上がるそれはイルカを求めてはしたなく涎を垂らし、重たげに頭を揺らしています。

 ――ああ、俺はこれに貫かれて死ぬんだ。

 きっと、それが人身御供になるということなのだと、イルカは確信しました。
 尊い行為なのだから、畏れを抱いて当然なのだと。
「……イルカ」
 掠れた声に目を上げると、カカシが苦しそうな息遣いで顔を歪めています。
 妖が美しい顔をこんなにも歪めて、それでもイルカを欲しいと伝えてくることに胸がいっぱいになりました。
 恐ろしいのに、どこか必死で哀れみすら誘うカカシの姿を目の当たりにして、いつの間にか震えは止まっています。
「カカシ様。どうぞ、俺を貰ってください」
 するとスケアの腕が伸びてきて、イルカの体を自分の方に向けさせると口づけをしました。
 ぬるり、ぴちゃりと舌を混ぜ交わし、意識がとろりと蕩けてきたところに、カカシの方に向けた下半身が持ち上げられました。そして緩んだ褌の布をずらした尻の間(あわい)に一際熱い塊が押し付けられ、イルカの体の中を恐ろしいほどの質量がぐぶり、ぐぶりと押し広げていきました。
「んんっ、ぐぅ、うう……っ」
「大丈夫だよイルカ、ゆっくり息をして」
 唇を合わせながら囁くスケアの声も遠く、滲む涙もそのままにイルカは呻き声を上げています。
 その背にはカカシの熱い吐息が重なり、時折切なげなイルカという呟きが混じりました。
「辛そうだね、可哀相に。こっちを弄ってあげるからね」
 スケアの手がイルカの萎えてしまった雄に触れ、優しく揉みながら頬に落ちる涙を舐めてくれます。
 その間にもカカシの熱塊はイルカの中を進み、不意に尻にふわふわとしたものが触れました。
「……入ったよ、全部」
 カカシのさも嬉しげな声を背に聞き、イルカはようやくこの時間が終わるとほっとしました。
 これで人身御供として自分は生を終えると、村の皆のために役立つことができたと。
 するとイルカの中でじっとしていた熱塊が、ずりゅりと動き出しました。そしてあろう事か、ゆるゆると抽挿を始めたのです。
 カカシの雄肉はだんだんと遠慮なく動き、イルカの肉壁をまといながら奥を穿ち、浅きを嬲りました。カカシの形は動く度にイルカの中を変え、ざわめき蠢く肉を味わいます。
 その熱に引きずられるように、内側から何かがじわじわと生まれ出でくることにイルカは気付きました。
 カカシが腰を引くと特にそれは大きくなり、押し込むと痺れるような感覚が襲ってくるのです。
 未知の感覚に思わず逃げようとする腰をカカシはしっかと掴み、ぐいと持ち上げると繋がったまま自分の腿にイルカを乗せました。
「ひぁんっ!」
 自重で深々と穿たれ、あまりの衝撃に悲鳴を上げると、スケアがイルカの前に膝を突きました。
「ぱくりと咥え込んで、可愛い……イルカ、すっごく可愛いよ」
 スケアは二人の繋がった処を覗き込み、うっとりと呟きました。そしてまた力を取り戻したイルカの雄に自分の雄を重ね、両手で包んだのです。
 二本の雄はお互いの零す淫液でぬらりと光っていて、スケアの白い指先がそれを塗り込めるように先端をくるくると撫で回しました。
「っは、あ、ぁあ……んあ」
「やっと俺に馴染んできたねぇ」
 イルカの甘さを帯びた喘ぎがだらしなく開いた口から零れ、それを二人が蕩けるような淫靡な笑みで見つめています。
 カカシはイルカの両腿の裏から手を回し、上下に揺すり上げました。はだけたカカシの胸とイルカの汗ばんだ背の肌が擦れ合い、繋がった処からもぐちぐちと湿った音を立てます。
 スケアの握った二本の雄もその動きで擦れ合い、お互いの括れがぐりゅぐりゅと愛撫し合いました。
 前と中の両方から執拗に追い上げられ、イルカはひたすら愉悦の極みを目指していきます。
 目の裏でちかちかと星が瞬き、勢いよく背筋を駆け上がったものが迸った、その時。
「イルカ、俺の精を受けて」
 カカシの切羽詰まった声と共に、身の内にじゅわりと熱が広がった感覚を覚えながら、イルカは真っ白な闇に包まれました。

 くたりと体を預けたイルカを、息を荒げたカカシが抱きしめると、不意にイルカがぽっかりと目を開けました。
 でもその黒い瞳は宙を見つめ、二人を写してはいません。
「イルカ……?」
 気遣わしげにスケアが声をかけると突然、イルカの口から抑揚のない言葉が紡がれました。

「うみのイルカを娶り、案山子はこれより田畑の神となりて此の地を護らん。末永く常世に睦まじくあれ」

 依り代たる巫女の、神からの御託宣でしょうか。
「ああ……」
「……イルカ」
二人のひそりとした呟きは、スケアの姿が薄れゆきカカシに重なって。
「愛してるよ……これからずっと一緒だね」
 重なりゆくその声が、一人だけのものとなりました。

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