【Caution!】

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★エロし ★★いとエロし!
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木ノ葉の里には古来から獣人と呼ばれる、人の姿を持ちながらも獣の姿を併せ持つ者達がいた。
彼らは人間に紛れ、時には交わり、決して珍しい存在ではなかったけれど、人とは異なる生き物である事には変わりなかった。
人外である彼らは、忍びとしての能力も高く、必然的に高難易度任務に就く者が多い。
特に過酷な裏の任務を請け負う暗部の構成員は、ほぼ100%の確率で獣人の血を引く者だった。そんな彼らの中において、一人だけ例外がいた。
「テンゾウ」
元上官であり暗部の先輩であるカカシに名を呼ばれて、テンゾウは表情を変えた。
「なぁ~に怖い顔してるの?」
「いえ、別に。そんなに怖い顔していますか?」
「してる、してる」
カカシは胡散臭いと言いたげに眉を潜めたけれど、「ま、いっか」と勝手に一人で納得して、店の奥に消えてゆく。
テンゾウはその後ろ姿をぼんやりと見つめながら、店の入り口でカカシが戻るのを待っていた。
二人の姿は火の国の首都から程ない田舎町にあって、そこそこ繁栄しているその町で、任務帰りつかの間の休憩をしているところだった。
まだほんの僅かだが、血の臭いが残っている気がする。
獣人ならば気がつくだろうが、人間には分かる筈もない微かな物だ。
周囲には獣人の気配もなく、誰もテンゾウの姿を気にする様子はなかった。
しばらくして店の奥から出てきたカカシは、大きな紙袋に入ったコートを手に機嫌が良さそうだった。
大方彼の伴侶へのお土産なのだろう。
目にこそ見えないが、テンゾウにはカカシの背に隠された大きな尻尾が、ブンブン喜びに揺れている様が想像できた。
「悪趣味ですね」
言葉に出して言うつもりはなかったのだが、つい本音が零れてしまったのは、仕方が無いだろう。
カカシはテンゾウの言葉に、顔色を変えた。
「どういう意味?」
先程までの機嫌の良さは何処に行ってしまったのか。一気に不機嫌になったカカシに、テンゾウは厳しい顔をして口を開く。
「それをあげるのは止めた方が良いと思いますよ。結婚したばかりなのに、離婚なんて事になったら、大変ですから」
テンゾウがカカシを真面目に心配しているのだと伝わったのだろう。
「お前には言ってなかったね」
「何を?」と問い返す間もなく、カカシは小さく嘆息した。
「これはあの人が欲しがってる物だから、心配には及ばないよ」
「欲しがってる?」
カカシの言葉にテンゾウは怪訝な顔を浮かべる。
「人狐が毛皮を?流石にそれは無いでしょう?」
狐の獣人である人狐が、仲間の皮を剥いで作られた毛皮のコートを欲しがるなんて。
信じられないと、テンゾウは大きな目を見開く。
「何を勘違いしてるのか想像付くけど、お前が思ってるような意味で欲しがってるわけじゃないから」
僕が思っている意味ではないのだとすると、どういう意味なんだ?
何とも釈然としないけれど、カカシはそれ以上教えてくれる様子もなく、テンゾウは口を噤むことにした。


カカシとの任務の数日後、テンゾウの姿は火影執務室にあった。
三代目火影猿飛ヒルゼンは、いつになく落ち着かない様子で、キセルを何度も燻らせては吐きを繰り返している。
火影ともあろう人物が、こんなに落ち着かない姿を見せるのは、初めてではなかろうか?
珍しい物を見たと思いながらも、表情は全て獣面に隠し、暗部装束のテンゾウは恭しく佇む。
三代目はウムと小さく頷くと、おもむろに口を開いた。
「お主、カカシとは懇意にしていると聞いておる。カカシは最近どうじゃ?」
最近どうとは?
テンゾウは首を傾げながらも、言葉を選ぶ。
「先輩はとても元気そうです。先日も任務に同伴しましたが、相変わらずの技の切れ味で」
「いや、そうではなく。その……あれじゃ。私生活とでも言うかの?日常について何か言っておらんかったか?」
「私生活……ですか?」
カカシは元々自分の事はあまり語らない男なのだが。
「そう言えば、結婚……されましたね。先輩」
「そう、結婚じゃ!何か言っておらんかったか?」
三代目の声が弾む。
どうやら三代目はカカシの結婚生活について知りたいらしい。
テンゾウは暫し考えて、口を開く。
「そう言えば……先日の任務帰りに、お土産を買っていましたよ」
「土産?もちろんイルカにか?」
「おそらく。ただ……差し出がましいようですが、あの品物はどうかと」
狐の獣人であるイルカが欲しがったと言う黒狐のコートを思い出して、テンゾウの顔が曇る。
テンゾウの様子に、ヒルゼンもまた渋い表情を浮かべた。
「黒狐の毛皮か……イルカはまだ諦めてなかったか」
ヒルゼンは大仰なため息をついた。
「お主に一つ頼みがある」


夕刻テンゾウの姿は、木ノ葉の里の中心街から少し離れた住宅街の中にあった。
雑多な建物が建ち並ぶ細い路地から、テンゾウは二階建ての木造アパートを見つめる。
アパートの一室にはカカシの伴侶であるイルカが住んでいて、新居が決まるまでカカシはそこに一緒に住むのだと聞いていた。
テンゾウはおもむろに大きなため息をつく。
何故僕がこんな事を。
新婚夫婦の生活をのぞき見るような趣味はないのだが、里長からの頼みとあっては断ることも出来なかった。

「イルカの様子を見てきてはくれぬか?お主にしか出来ぬ事じゃ」

そうヒルゼンは言ったけれど、カカシの目を盗んでイルカに接触するのは至難の業だ。
だが――
「確かに、僕にしか出来ないな」
テンゾウは自らのヘッドギアを外す。
髪の隙間から天に向けて立ち上がったのは、大きな猫の耳だった。
そして臀部からは、細長くしなやかな黒い尾が揺れていた。
人の姿を残しながらも、獣の特徴が現れるこの姿を、獣人達は半獣化と呼ぶ。
獣としての能力を引き出し、人としての理性を保つにはこの姿までが限界で、通常獣人はこれ以上の力の解放をする事はない。
しかしテンゾウの姿はさらに変化していく。
身体は小さくしなやかに丸くなり、瞬く間のうちに完全な猫の姿に変わる。
猫になるのは久しぶりだな。
金色の目を煌めかせながら、黒猫になったテンゾウはひょいと塀の上に飛び上がった。
誰も僕が人間だなんて、気づかないだろうな。
チャクラを使った変化でもなく、完全な獣の姿を取りながら理性を保つのは、テンゾウにしか出来ない事だった。
それもそのはず、テンゾウは純粋な獣人ではなかった。
里の闇とも言うべき子供を使った人体実験で、初代火影の遺伝子と猫の獣人の遺伝子を後天的に植え付けられた、ロストチャイルドの一人だった。
実験から生還した唯一の人間でもある。
人間のままで、獣の力を最大限に引き出せるのは、テンゾウにしか出来ない事だった。
テンゾウは塀の上を音も無く移動すると、アパートの前に飛び降りる。
そのまま何食わぬ顔でアパートの外階段の手すりに飛び上がると、二階に移動した。
後は手すりから屋根に大きく飛び上がり、屋根瓦の上を歩いてイルカの部屋の真上に移動すると、しなやかな体躯でとんとベランダに飛び降りた。
テンゾウはそのままエアコンの室外機の上で丸くなる。
カーテンの開かれた掃き出し窓から、部屋の中がよく見えた。
テンゾウは「フアァ~」と猫らしい大きなあくびをすると、家主の帰りを待つことにした。


辺りがすっかり暗くなった頃、家主であるイルカが帰ってきた。
アカデミー教師と受付の掛け持ちをしているイルカは、家に帰るなり封印符を貼ってしまった。
おそらく人狐である事を隠す為だと思うが、これでは中の様子が覗えない。
どうするか?と、室外機の上から窓際に移動したときだった。
突然窓が開いたのだ。
思わぬ事態にテンゾウは、全身の毛を膨らませ、目をまん丸に見開いたまま固まる。
イルカもまた驚いたのか、額宛を押し上げ髪の間だから黒い狐の耳がピンと立ち上がった。
「猫か!カカシさんかと思った」
イルカはアワアワと額宛を締め直して、可愛い狐の耳を隠している。
この隙に逃げるか?
そう一瞬考えて、テンゾウは踏みとどまった。
いやダメだ。先輩とこの人が上手くやっているかちゃんとこの目で確認しないと!
三代目へ報告する為には、もっとイルカの側に近寄る必要がある。
「にゃ~ん」
テンゾウはここぞとばかりに可愛い声を上げた。
そしてイルカの足に身体をスリスリとすり寄せる。
イルカの瞳が大きく見開かれ、キラキラと輝き出す。
しゃがみ込んだイルカが、テンゾウのふわふわした黒い毛をなで始めた。
「うわ~初めてだ。猫に触れた!お前、俺が怖くないのか?」
イルカはひょいとテンゾウを抱き上げる。
「こんな猫初めてだ」
テンゾウを抱くイルカは余程嬉しいのか、そのまま部屋の中に連れ込まれてしまった。
「俺が人狐だって分からないのかな?可愛いなぁ。普通の猫は逃げちゃうのに」
犬や猫といった動物は人間とは違い匂いで獣人に感づくため、通常自分と同じ種類の獣人以外避ける傾向があった。
狐に近づく猫はいなかったのだろう。
「そうだ。良い物がある」
何かを思いついたのか、イルカがテンゾウを抱いたまま居間に向かった。
テンゾウを座布団の上に下ろすと、イルカは部屋の隅から小さな赤いシュシュを取り出す。
アカデミーの少女が好みそうな髪留めだ。
流石に立派な成人男性である、イルカが身につけるとは思えないが。
「お、似合うな。うん」
油断していたところ頭からシュシュを被せられ、まるで首輪のようにされてしまった。
「可愛いな」
先程から「可愛い」を繰り返すイルカは、余程テンゾウが気に入ったのだろう。
再び伸びてきたイルカの腕に、テンゾウは抱きかかえられてしまった。
こんな人が仲間の毛皮を欲しがるなんて、ちょっと信じられないな。
思わずテンゾウが「ゴロゴロ」と喉を鳴らすと、イルカが喉の下を撫でてくれた。
「その髪留めはお前にあげるよ」
そうイルカが微笑んだときだった。
突然部屋の外のベランダから物音がして、テンゾウは耳をピンと立ち上げる。
マズい、先輩が帰ってきた!!
「あっ、おい!」
テンゾウは大慌てでイルカの腕から逃げ出すと、TVの後ろに身を隠す。
窓が開く音がして、カカシがベランダから部屋の中へと入ってきた。
「ただいま!」
カカシはイルカに飛びつくと、頬に唇を寄せながら、スンスンと鼻を鳴らす。
「お帰りなさい。早かったですね」
イルカも嬉しそうに抱き返してやっている。
ああ、先輩。尻尾と耳が見えてますよ。
フサフサとした大きな尾が、ブンブンと激しく揺れている。
イルカの顔中にキスをするカカシは、勢いのままイルカを床に押し倒す。
「こら、やめろ。くすぐったい」
身をよじり笑うイルカと深く唇を合わせる様を見せつけられて、テンゾウは慌てて目を逸らした。
「んっ」
鼻から抜ける小さな声と、唇が触れあう甘い音に、テンゾウは身を縮める。
三代目の心配は杞憂だな。お二人は相思相愛のようだ。これで僕の任務は終わりだ。
あとはここから脱出するだけ。
そう思いテンゾウは隙を窺う。
しかし二人の抱擁は終わることがなく、テンゾウは次第に焦りはじめてきた。
衣擦れの音が聞こえ、ベストのジッパーを引き下ろす音がする。
小さく蕩けるような二人の息づかいが聞こえてきて、テンゾウは完全に脱するタイミングを逃してしまった。
まさか、まさか!先輩!そこでやるんですか!?
本格的にやるなら寝室へ移動して欲しい!!
テンゾウの願いが通じたのか、カカシが半裸のイルカを抱き上げ寝室に運ぶ足音が聞こえた。
パタンという寝室のドアが閉まる音が聞こえる。
ほっとしたテンゾウは、大きく伸びをすると、慎重に周囲を伺いながら、テレビの後ろから出てきた。
その時だった。
「ここに隠れてたのか」
のんびりとした声が頭上から聞こえ、思わず見上げると、いつの間にか目の前にカカシが立っていた。
先輩!!
「フー!」
全身の毛を逆立たせ、テンゾウは目をまん丸に見開く。
マズい、このままでは掴まる!!
テンゾウは一目散に駆け出すと、ベランダ目掛けて突進する。
「あ、おいっ」
カカシが慌てた声を上げたが、構うことなくガラス窓に体当たりすると、派手な音を立てて窓ガラスが砕け散った。
先輩すみません!窓ガラスの修理費用は、三代目に請求してください!
脱兎のごとく黒猫テンゾウの姿は、月明かりの住宅街に消えた。


三代目にイルカの様子と、二人の仲は円満であると報告した数日後、テンゾウは任務帰りのカカシと共に、暗部御用達の居酒屋に来ていた。
「それで野良猫を家に入れちゃダメってあの人に言ったのよ。窓ガラスは割られちゃうし、せっかくイルカ先生にあげた髪留めも持って行かれちゃうし」
あの髪留め、先輩があげた物だったのか。
カカシの話を聞きながら、テンゾウは冷や汗をかく。
まさか僕が持ってるなんて、言えないよな。
なんだかんだと言いながらもカカシはとても満ち足りた顔をしていて、テンゾウはフッと笑みを浮かべる。
「何よ?」
「いえ、優しい人と出会えて良かったですね」
「お前にはあげないよ?」
「大丈夫ですよ。僕は猫ですからね、群れは必要ないですし。それに、恋人にするなら人間の女性にします」
カカシはテンゾウの言葉に納得がいかないと言いたげに、杯を煽る。
「お前もさ、人間に固執する必要は無いんじゃないの?俺が言えた義理ではないけどさ」
今でもテンゾウの中では、人間である自分と植え付けられた獣の血が、完全に混じり合うことはない。
人間という自我を守るため、ことさら人であろうとしていたことも確かだった。
でも――
「獣人も悪くないものですね」
「デショ?」




÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷

猫テンゾウ~~~~~!ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ♥
好きだ!!!!!!!

今回は『猫なテンゾウ、人でも完全な猫でも』というリクをお願いしたんだけど、獣人です!
しかも猫テンゾウもセットで!
この『理性を保ったまま完全な猫になれるのはテンゾウだけ』って設定がすっっっっっごく良くないですか⁉カッコいい!
テンゾウが不憫じゃないよ⁉カッコいい~!
ヘッドギア外すと耳が出てくるの最高_:(´ཀ`」 ∠):_

これね、種は違うけど黒狐イルカ先生と黒猫テンゾウで、黒毛同士なんですよ。
並べたら絶対かわいい!!!!

ところで不憫じゃないって言ったけど、先生に抱っこされて可愛がられてるし、シュシュは貰っちゃってるしで、これカカシさんにバレたらマジ殺されるね(*´-`)
全殺しまでは任務に支障が出るから大丈夫だけど、8割はやられるね(*´-`)
合掌………

はやおさん、まさに猫テンゾウのお話!ホントにありがとう~!

はやおさん家はこちら→ 最果て倉庫
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