【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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猿飛川のほとりにレジャーシートを敷いて、イルカ先生の作ったお弁当を食べた。
今日はナルトもなしで二人っきりだし、和食中心のお弁当はおいしかったし、天気もいいし、膝枕なんかしてもらってるし…
のどか過ぎてうっかり忘れそうなところだけど、視界の隅にある謎の風呂敷包みと酒がチラチラと存在をアピールしてくる。
まだエイプリルフールは発動してないのか、それとももう術中に嵌まっているのか。

俺の視線に気付いたイルカ先生が、俺の頭をそっとどけると足をキッチリした正座に直して「カカシさん」と呼びかけてきた。
うわ、スゴい真面目な顔。…いよいよか。
俺も受けて立つために起き上がり、正座をして向かい合う。

「これから大事なお話をしますが、その前にここに結界を張ってもらえますか」

半径五メートルで視界・音声遮断の結界を、と言うので指定通りの結界を手早く張る。
そして先生の向かいに戻って正座すると、意を決した表情でイルカ先生が話し始めた。

「こんな事信じてもらえるか分かりませんけど…実は俺、海神様を始祖とする海の一族の者なんです」

今度こそ来たーーーーーー!!!

しかも前置きが直球。
よりによって今日、信じてもらえるかどうかなんて言っちゃうの?!それに海の一族って……まんまじゃん!
内心の数多のツッコミを隠し、とりあえず真摯に頷いて先を促す。

「それでですね、今日は二人の人生における大事な儀式を行うので、カカシさんにもご協力願いたいんです」

儀式って!
海の一族といい、今年はずいぶんと凝ってるというか、懲りすぎて逆に胡散臭いというか…
俺は必死に真面目な顔を作って、なんとか頷いた。

「本当は海に出向いて行うべきなんですけど、木の葉から遠いですからね。川も海につながってるので、緊急措置として許されてるんですよ」

それではこれから海乃一族に伝わる縁固めの儀式を執り行います。

そう厳かに宣言するとイルカ先生は立ち上がり、川のすぐそばに正座して両手を揃え、水面に向かって深々と頭を下げる。
それからおもむろに川縁に手をつくと、いきなりバシャンと顔を突っ込んだ。

「ちょ、え?どうしたの先生!」

慌てて駆け寄って肩をつかんで引き戻すと、

「カカシさん、今大事な儀式の最中なんです。海神様に報告するところなので邪魔しないで下さい」

とあごからボタボタと水を垂らしながら、しごく真面目な顔で怒られてしまった。

(びしょぬれでキリっとしたイルカ先生…カッコいい!)

ボーッとみとれてたら、先生はまたバシャンと川に顔を突っ込んでしまった。
何してるのか横から覗き込んでみると、水面に泡がぽこぽこ浮いてくる。水中で何か喋っているようだ。
頭の中を???でいっぱいにしながら見守ってると、ザバっとしぶきをあげてイルカ先生が顔をあげた。
懐から手ぬぐいを出して渡すと、ありがとうございますと顔を拭きながら厳粛な顔で俺に告げる。

「お待たせしました。海神様にご報告と縁固めの盃の儀式を行う御許しを頂いてました。それではこれから本儀式を行いますが、カカシさんよろしいでしょうか」

ただならぬ空気に俺は息を呑み、コクコクと頷いた。
するとイルカ先生は先ほどの謎の風呂敷包みを広げ、中から貝殻を取り出した。
…いや、これは貝殻と言ってもいいのだろうか。
大人の両手の平をいっぱいに広げたほどの大きさの貝は分厚くゴツゴツして、内側は黒っぽく表面がオーロラのようにきらめいている。
これってさ…黒蝶貝ってヤツじゃないの?
黒真珠の養殖に使われる貝で、確か南国の海にしか生息してないはずだ。
貝自体も高級な装飾品の素材として使われ、細工師の間では高値で取り引きされている。
特に和の国の螺鈿細工物なんて、大名や国主クラスじゃないと持ってないと思うんだけど。
なんで一介の中忍がそんな貝を持ってんの?

まじまじと見つめる俺の視線を全く意に介さず、イルカ先生はその黒蝶貝を両手で捧げ持つと、川の水をすくいとった。
そして水面に向かって深々と頭を下げると貝に口を付け、その水を一口、ごくんと飲んだ。
それから無言で俺に貝を差し出す。
…これってやっぱり飲めってことだよね?
俺はイルカ先生に倣い、隣に正座してから水面に向かって頭を下げると、同じように水を一口飲んだ。
すると先生が貝を受け取り、残った水を川に流す。
そして持ってきた酒を開けると貝に注いで、同じ事を二人で繰り返した。
イルカ先生はしばらく水面をじっと見つめていたが、膝を回して俺に向き直ると

「海神様の御前にて我誓約つかまつり候。ふつつかものなれど、幾久しゅうお願い致しまする」

と頭を下げた。
俺も慌てて同じ文言を唱えて頭を下げる。

そこではたと気付いた。
ふつつかもの。
幾久しゅう。
あれ?どっかで聞いたことのあるフレーズだよね?
これって………!
ガバッと頭をあげると、照れくさそうに口を引き結んだイルカ先生の顔が。
その顔が真っ赤に染まってて。

「ぃいいイルカ先生、もしかしてさ…これってこないだのプロポーズのお返事、なの?」

するとイルカ先生は真っ赤になりながらも目を逸らさず、こくんと頷いた。

うわ、うわぁ、うわぁ……
俺は感極まって天を仰いだ。


ホワイトデーに俺はイルカ先生にプロポーズをしていた。
同性なのに結婚なんてと断られるかと思ったが、先生の返事は「ちょっと考えさせて下さい」だった。
それから二週間余り。
もしかして、このままなかった事にされちゃうのかな~なんて密かに思ってたけど、まさかこんな形で答えてくれるとは…!

…うん、もう騙されててもいいや。
ていうか嘘になんかさせてやんない。言質は取ったから、無理矢理でもホントにしてやるんだから。覚悟してよイルカ先生。

俺は先生の両肩をつかんで

「俺の愛は未来永劫に不滅です!幸せにします!だから俺と幸せになりましょう!俺はもう十分幸せだけど、イルカ先生ももっともっと幸せになって!」

と一息に言い切った。

ただ、一応…ね。
一応確認しとこうかなぁ、なんて思ったりして。

「あの、ね?イルカ先生。疑ってゴメン、でもこれって嘘だった?」

すると先生はニカっと笑って

「嘘をついてもいいのは午前中だけですよ。今年は警戒してるのが分かったから、それを逆手に取ってみたんです。忍者は裏の裏を読めですよ」

「!!じゃあ…」

「はい。お受けします。俺こそいっぱい幸せにしてやりますよ!」

あぁ、先生カッコいい!
今度こそ俺はイルカ先生をぎゅうっと抱きしめ、とびっきりの熱いキスを贈った。ほら、誓いのキスっていうの?ちょ~っと熱すぎて、あんまり神聖なキスじゃなかったかもしれないけど。
そうと決まれば次はあれだ。
俺はイルカ先生の手を引いて立ち上がらせた。

「ほら先生、次はあれでしょ、あれ!早く帰って神聖な夫婦の儀式をしないと!」

「儀式はもう終わりましたよ?」

きょとんとしてるイルカ先生も可愛いけど、そうじゃなくて!

「夫婦の儀式っていったら初夜でしょ!」

「しょ…っ!」

まんまるな目をして固まってしまった先生がもどかしくて、俺はささっと荷物をまとめると結界を解除し、先生を抱えて瞬身をした。
発動させる直前に、我に返ったイルカ先生がポケットからわざと何か落としたみたいだけど、ま、いっか。
どうせゲンマとかあの辺の奴らに何か置いてったんでしょ。なんだか三人でこそこそ隠れてたし。
今は放っといてやるよ。俺はほら、忙しいから。
まだ昼過ぎだけど、これからめくるめく初夜だも~んね♪





あれ?そういえば海の一族云々はどうなったんだ?

エイプリルフールだからやっぱり嘘だよね。
……ね?


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