【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
この世界には勇者がたくさんいる。
勇者はカッコいい、勇者はみんなの憧れの職業(ジョブ)だと子供の頃から絵本やお話で読み聞かせられ、僕も大多数の子供の例に洩れず勇者を目指した。
そうして勇者の養成所を卒業し、晴れて勇者テンゾウになったのは良かったけど。
…現実はそう甘くないのだ。
だいたい勇者を大量生産するシステムがあること自体、おかしいと思うべきだった。
毎年養成所を卒業した中から数人の勇者が選ばれ、それぞれパーティーを組んで倒すべき魔王やモンスターのリストを受け取って冒険の旅に出るんだけど。
実際は頻発するモンスターの襲撃や、ポコポコと次々生まれる上中下級の魔王と戦うための傭兵みたいなものだ。
勇者という名誉と引き換えに、命を張って国や民を守る。
なってみて初めて知った現実にうちひしがれていたけど、なってしまったものはしょうがない。少なくともやりがいのあるジョブだし。
…それに淡い期待だけど、ぜひパーティーに加わって欲しい人の当てもある。
僕はパーティーのメンバーを探しに、街のパーティー登録所に向かった。
その人というのは僕が養成所にいた時の四期先輩で、名をはたけカカシという。
勇者の武器は多岐に渡り、剣やナイフのみならず、ランス(槍)や弓、銃等、およそ扱い方全てに対応した養成所だった。
他にも盾を使った戦い方や体術、魔法の防御方法、モンスターの種類と特徴の座学から、パーティーのメンバーとのコミュニケーションの取り方、勇者のカリスマ性を感じさせる雰囲気作りまで、勇者になるためのカリキュラムは広範囲だ。
カカシ先輩は名門はたけ家を継ぐために放り込まれたらしいが、本人は全くやる気を見せずいつも木陰でエロ本を読んでサボっていた。
そしてカリキュラムは興味のある物しか参加してないのに、いざ模擬バトルや闘技大会となると上級モンスターのような強さを見せた。
たぶんだけど、それでも先輩はほとんど本気を出してなかったと思う。
真の天才とは、ああいう人の事をいうのだろう。
なぜか僕は先輩に気に入られ、まれに修行に付き合ってくれたりしてたけど。
まぁ、大人になる修行だとか言ってエロ本の新刊を買いに行かされたりとか、基本的にはパシリだったような気もする。
それでも先輩の持つ一匹狼のような雰囲気と、僕を含め養成所の誰とも次元の違う強さを、僕は今でも尊敬していた。
それなのに聞くところによると、先輩は卒業した後も勇者にはならず、いろんなジョブを転々としてたらしい。
アサシン・吟遊詩人・赤魔導士・ニンジャ…と節操がないというか、マルチな才能に溢れてるというか。
しかもニンジャの時には、上級の中でもSS級の獄炎の緋竜と戦って勝ったとか。
それで今は竜騎士になってると、先輩勇者のユウガオさんが言っていた。
あの人は何を考えてるのか、何も考えてないのか、凡人には天才の考える事なんか分からないわ…とも。
街の中心部に近いパーティーの登録所に入ると、早速登録してあるプロフィールを見せてもらう。
僕は勇者になったばかりのレベル1だから、10くらいまでの人が妥当だろう。
パーティーのセオリー通り、回復型の魔導士系と近・中距離型の戦士系と、できれば補助系のジョブも入れたいけど贅沢かな…。
僕が台帳を前にうんうん悩んでると、不意に声をかけられた。
「勇者さん、メンバーをお探しなら黒魔導士はいかがかしら?」
振り返ると、男のような女のような、よく分からない人が立っていた。
黒髪を垂らし病的なほど色白で、いかにも黒魔導士という雰囲気だけど、けっこう年上のような気がする。
ということはレベルもかなり上なんじゃないだろうか。
そんなベテランがなんで僕を?
「不審そうな顔しないでちょうだい。アタシは蛇骨っていうの。前にパーティー組んでた勇者が死んじゃったから、新しい勇者を探しに来たのよ。どうせなら若くて丈夫な可愛い子の方がいいでしょ?」
そう言ってニヤリとすると、ジャコツさん?が青白い手を僕の方に伸ばしてきた。
口からはその名の通り、蛇のような細長く青い舌が覗いている。
僕はなんだかぞわっとして、思わず後ずさった。
すると蛇骨の斜め後ろの方の、登録所の奥にいた人が白いローブを翻し、こちらに杖を向けていきなり魔法を発動した。
「エアロガタイフーン!」
鋭い風が襲いかかり、竜巻のような渦を巻いて蛇骨を包み込む。
僕が咄嗟に剣を構えると、竜巻の上から飛び出したのは、僕の三倍はありそうな黒い大蛇だった。
「…残念だわ、久々に活きのいい勇者だったのに。またね、可愛い勇者クン」
そう言い捨てると、蛇骨は大蛇とは思えないほどの俊敏さでシュルリと扉から消えていった。
「くそっ、逃げられたか」
白いローブの人がこちらへ来て、舌打ちしながら僕を見た。
「アイツはオロチマルといって、火の国の重要犯罪指名手配犯なんですよ。新米勇者を言葉巧みに騙しては人体実験に使うヤツです。あなた、見たところ新人勇者みたいだけど大丈夫ですか?アイツに何かされませんでした?」
「…え?あ……はい、大丈夫です」
「俺は白魔導士のイルカっていいます。いきなり攻撃してすみませんでした」
イルカさんが気さくに手を差し出してきたので「テンゾウといいます。お察しの通り新米勇者です」と握手をすると、にっこりと笑いかけてきた。
あれ?笑うとけっこう子供っぽい。僕と同い年くらいじゃないかな。
黒髪を上半分だけ天辺でひと括りにして、残りは肩にさらりと落としている。そして髪色と同じ眼がきらきらと僕を見ていた。
顔の真ん中を横切る大きな傷は、痛々しいというよりは彼のまだ大人に成りきらない顔を、よりやんちゃに可愛らしく見せていた。
「はい、あの、ありがとうございました。僕まだレベル1だから、あんなの全然無理でした」
「俺もレベル29だからたいしたことないですよ…しかも自分の実力でなったレベルじゃねぇし」
最後の方はなんだか不穏な呟きだったけど。
でもそうか。29じゃレベルが違い過ぎてパーティーには申し訳なくて誘えないな。
せっかく優しくて誠実で、しかも同い年くらいの魔導士という絶好の条件なのに。仲良く旅ができそうだったのに残念だ。
するとイルカさんが「メンバーを探してるんですよね?よかったら俺と組みませんか」と言い出した。
えっ!
そりゃあ有り難い申し出だけど、いいんだろうか。
イルカさんの方から言い出してくれたんだからいいのか?
「じゃあ、僕の方こそ喜んでお願い…」
「イルカちゃん!こんな所にいた!探したんだよ~」
登録所の扉をバァーーーンと開け、さっきのオロチマル騒ぎよりも騒がしく飛び込んできたのは…
「カカシ先輩?!」
スポンサードリンク