【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
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「俺はテンゾウさんと組みたいんです。イヤならあんたは違うパーティーに入りゃいいだろ!」
「そんなの絶対、絶~~っ対ダメ!」
「だったらどうしろっていうんだよ!とにかくあんたが来ようと来るまいと、俺はテンゾウさんと行くからな!」
「イク?!イクって二人っきりで何するつもりなの?!…分かった、俺も一緒にイク!!」
さっきから二人でぎゃんぎゃんと言い争っていたけど、どうやらやっと結論が出たみたいだ。
僕は二人がケンカしてる間に買ってきたベルフラワーの実のジュースを飲み干すと、先輩に話しかけた。なにしろ先輩が飛び込んできてからずっとケンカしてて、まだ再会の挨拶もしてなかったんだから。
「あの、お久し振りです先輩。ていうか本当にいいんですか?僕、レベル1ですよ?」
先輩は不機嫌さを隠そうともせず、ジロリと僕を見た。
「あれ、お前…テンゾウ?久しぶりだ~ね。…ん~、しょうがないでしょ。イルカちゃんがお前がいいって言うんだからさ」
―――イルカ、ちゃん???
「ちょっと!ちゃんは止めろって言ってんだろうが!」
イルカさんが真っ赤な顔をして、杖で先輩をガンっと殴った。
だけど先輩は全く意に介さず、デレデレとした顔を晒している。
「だぁってイルカちゃんは可愛いからイルカちゃんなんでしょ?それとも何、呼び捨てた方がいいの?」
そしてイルカさんのそばにスウっと寄ると、耳元で「…イルカ」と低く囁いた。
するとイルカさんは、心配になるほど更に顔を真っ赤に染めると先輩を突き飛ばし、杖を向けて「ポイズン!」と叫んだ。
毒の魔法を受けた先輩の顔は、紫とオレンジの不気味なまだら模様になる。
……ほんの一瞬だけ。
「えっ、あれ?」
僕が不思議がってると、イルカさんが吐き捨てるような口調で教えてくれた。
「カカシさんには、ほとんどの魔法は効かないんですよ。俺レベルじゃあね。…なにしろあいつはレベル99の竜騎士だから」
「99ぅぅうう??!!」
そして先輩を無視して僕に「さあ、出発の準備をしに行きましょう。テンゾウさん、これからよろしくお願いしますね」と言うと、スタスタと登録所を出ていった。
こうして勇者テンゾウ(レベル1)・白魔導士イルカさん(レベル29)・竜騎士カカシ先輩(レベル99)の、なんともアンバランスなパーティーが結成された。
とりあえず街で装備品を揃えようと武器屋に入ろうとしたら、いきなり先輩が僕を脇道に引きずり込んだ。
「おいテンゾウ、装備品は俺が全額出してやるから、代わりに全部選ばせろ」
「ええっ、先輩そんなに稼いでたんですか?!そりゃ有り難いですけど…」
「よし、決まりだな」
勇者として国から貰ったのはたった200ゴールドと僅かな薬草。
これで最低限の装備を揃えたら、あとは国外のフィールドに出てモンスターを倒し、報奨金を貰って稼ぐしかないのだ。
なんとなく不穏な物は感じたけど、背に腹は代えられない。
僕は仕方なくも有り難く先輩の申し出を受けることにして、二人の後に続いた。
店に入ると、先輩はざっと店内を一周してから、僕にぽいぽいと幾つかの防具やアクセサリーを投げてきた。
「お前はこれな。さっさと着替えてこい」
そしてイルカさんを連れて戦士系と魔導士系の装備を丹念に検討すると、店主を呼びつけて何やら相談を始めた。
これはまた長くなりそうだと、僕は店内を一通りゆっくりと回って見てから、先輩に渡された装備を持って更衣室に入った。
そして防具を身に付けようと広げて、絶句した。
「…………………………うわ、ぁ………」
先輩の言う事は絶対なので、後で必ず抗議しようと思いながら仕方なく着替える。
そして更衣室を出て待ってると、ほどなく二人も着替えを済ませて現れた。
イルカさんは天使の羽根をあしらい、金糸を織り込んだ白いローブ。大天使のご加護付きという、火の国では最も高級な魔導士の装備だ。
それにマナの樹を使い、竜の頭部を模したミスリルを被せて、ルチル水晶を嵌め込んだ賢者の杖を片手にしている。
ローブの前面をきっちり閉じたイルカさんは、不機嫌そうな顔で立っていた。
そして先輩は竜騎士の鎧と兜。
氷華の蒼龍のウロコを使った鎧は、日射しを浴びて深い輝きを放っている。
同じく蒼竜の牙を使ったドラゴンランスを片手に、もう片方の手はイルカさんの腰の辺りに添えていた。
なんだかさわさわと尻を撫で回してるようにも見えるけど、きっと僕の見間違いだろう。そう思った方が精神衛生上いい気がする。
その見間違いを除くとイルカさんと並び立つ姿は、いかにも歴戦勇者のパーティーみたいで絵になる二人だ。
「イルカちゃんの装備、ちょうど新調したかったんだよね~。イルカちゃん天使風味も似合うねぇ♪」
と先輩はデレデレ鼻の下を伸ばしてる(いや兜から目しか覗いてないけど僕には分かる)けど。
なんでだ。
いったいなんで―――
「僕だけかぼちゃパンツ?!」
ご丁寧にかぼちゃを思わせる深緑色が、白いタイツの根本にポンポンに膨らんでいるから、マヌケなどこぞのバカ王子みたいだ。
とてもじゃないけど勇者の装備とは思えない。
「だって勇者の鎧とかってカッコいいじゃない。イルカちゃんが間違って惚れちゃったら困るからね~。それとも何、邪悪な呪いの甲冑の方が良かった?」
…それは店の奥の方に、あからさまにどす黒い邪気を放ってたあの甲冑の事でしょうか。
スポンサー様の言うことには逆らえない。
何より恋と嫉妬に目が眩んだ先輩は、その辺の魔王よりタチが悪い。
僕は大人しくかぼちゃパンツを受け入れざるを得なかった。
「それにそのかぼちゃパンツ、火の国の大魔導士ヒルゼンが強力な魔力を込めた凄いパンツらしいよ。ま、遠慮はいらないから有り難く穿いとけ」
遠慮はいらないっていうか、全力で遠慮したいんですけど。
だいたいその魔導士も、なんでよりによってかぼちゃのパンツに魔力を込めたんだろう。
絶対なんかの冗談か、べろべろに酔っぱらった挙げ句の仕業に違いない。
常識的に考えて、そんなもんを真面目に作るとは思えないし。
だがそんな理屈は先輩には通用しない。
パーティー名を『かぼちゃ王子と愉快な従者たち』にしてやろうかと思いながら、僕たちはフィールドに出た。
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