【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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カチカチカチカチカチカチカチカチ

これは目の前のイルカ先生が発してる音だ。
もっと正確に言うと、目をぎゅうぎゅうに閉じて歯を食いしばって俺からのキスを待ち受けているイルカ先生の、くのいちにしては珍しい化粧っけのない唇の奥から絶え間なく響く歯が鳴る音だ。
歯を食いしばっているのに歯が鳴るとは、これや如何に。
くのいちが門外不出にしている秘術の一つだろうか。
このカチカチいう口でも唇を割って舌まで味わうのも吝かではないけど、まず間違いなく俺の舌は景気よく微塵切りにされる。イルカ先生、丈夫そうな顎してるもんね。うん、可愛い。大好き。
とにかくあんまりこの恐慌状態のまま放っとくのも可哀想なので、唇をちょんと啄む程度のキスをする。
すると先生は触れた瞬間びょんと跳ね、わちゃわちゃっと手を動かしながら「hわわgyるry※※DしゃをWピゃOOOO!」と訳の分からない奇声を上げて遁走した。
そのわちゃわちゃした動きは変化の術印だったらしく、俺の体からはぼふんと煙が上がり。
ばたんと倒れた俺は、一人天井を見上げる羽目になった。
片手を上げてみると俺の手甲を嵌めていた手は、白いふわふわの動物らしきぬいぐるみになっている。あんな恐慌状態でも正しく印を結べるとは、さすがアカデミー教師。感心しながら解術の印を組もうとして、はたと気付いた。
――両手が届かない上に、指がない。

「戻ってきてイルカ先生ーーーーー!」

せっかく声は出ても、空っぽのイルカ先生の部屋に虚しく響くだけだった。



イルカ先生とお付き合いを始めてから早三ヶ月。
未だキスもろくに出来ない関係に、いい加減俺も突破口が欲しいところだった。
先生は男からの性的な雰囲気を感じると極端な恐怖でおかしくなってしまい、奇天烈な行動に出る。イルカ先生がもし男だったら、女の裸体を見ただけで盛大に鼻血を噴くんじゃないだろうか。
別に何かの深刻なトラウマがとかそういうのではなく、未知への恐怖と緊張のあまりだと自分でも言っていたので、そこだけは良かった。イルカ先生に性的なトラウマを植え付けた奴がいたら、そいつに深刻なトラウマを与えなきゃならないところだったからね。
まぁその辺はさておき、今日の俺はひと味違う。
こないだぬいぐるみにされ放置プレイを経験して、ふと思い付いたのだ。
男の俺が怖いなら、男じゃない何かに変化すればいい。
初めはぬいぐるみにと思ったけど、ぬいぐるみのままあれこれするのは構造的に都合が悪い。こないだも結局俺の叫びに気付いた隣室のイワシに術を解いてもらったし(あの時のイワシの何とも言えない憐憫の目は、しばらく忘れられそうもない)。
かといって何かの動物でいけないプレイに目覚められても困るし、散々悩んで原点に返った。
イルカ先生は女だ。
俺が同じ女性なら安心感もあって、恐怖も感じないのではないだろうか?
うん、よし。ならば女体化だ。
こういう時はホンっっトに忍で良かった~って思うよね。
しみじみと感慨に耽りながら、イルカ先生にお誘いの式を飛ばした。




「……ということで、よろしくお願いします」

イルカ先生のベッドの上で、向かい合って正座をして深々と頭を下げる。

「あの、はい、よろしくお願いします……」

日頃の元気はどこへやら、蚊の鳴くような声でイルカ先生も頭を下げた。
俺もね、決して無理強いしたい訳じゃないのよ。
そりゃ下半身的な事情とか股間的な事情とかいろいろあるけど、それ以上にイルカ先生にはそんな顔をしてほしくない。先生にはいつも笑っててほしい。元気に叱り飛ばしてほしい。それが俺とのことが原因で自信を無くすとか、ましてや自分を嫌いになんてなってほしくない。

「それではいきます。……女体変化の術!」

気合いを入れて術名を発すると、ぼふんと煙が上がった。

「カカシさ……? うわぁ……っ」

歓声が上がったところをみると、どうやらイルカ先生のお気に召したようだ。
俺は少しでも先生の緊張を解こうと、あえていかにも大人の女性といった風貌は避け、本来の自分が女体化したらこうなるだろうという姿からちょっと年齢設定を下げてみた。
結果、髪型とか顔立ちのベースはそのままに、二十歳くらいの小生意気な……いや可愛らしいボーイッシュな女の子の『カカシ』がイルカ先生の前に現れたはずだ。
「カカシさん可愛いですね! あ、いえ馬鹿にしてるんじゃなくて、綺麗だけど可愛いです!」
イルカ先生がわたわたしながらフォローしてくれるが、まさにその辺りを狙ったんだよね。ふふふ……!はー、鏡の前で散々試して微調整した甲斐があった。良かった……。
案の定ガードがゆるゆるになった先生に、「イルカ先生~!」とナルトのようにはしゃいで抱き付いても躊躇なく抱き返してくれる。
あ、ヤバい泣きそう。
この三ヶ月、一度たりとも許されなかった抱擁が、こんなにも簡単に叶う。調子に乗って頬っぺたをぐりぐり押し付けても、イルカ先生は「カカシさん可愛い~」とぎゅうぎゅう抱き返してくれた。
よし、今だ! と先生のぷっくりした唇のすぐ横、頬にチュッと軽くキスをする。
イルカ先生はちょっとびっくりした顔をしたけど、「もう、カカシさんたら!」と親愛の表明の範囲として受け入れてくれた。
女の子同士って凄い。
ありがとう、女体変化の術!

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