【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
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イルカが受付で書類を捌いていると、非常に珍しいことにテンゾウから式が来た。
葉っぱの式なんか初めて見る。
普段はカカシを経由してか、カカシと共にしか関わる事はないのに。
カカシが入院しても、その知らせは直接テンゾウが伝えに来るのだ。
カカシの「先生の手元にテンゾウの式が残るのが、木の葉に書いた恋文みたいで許せない」というワガママだけのために。
そのカカシはテンゾウと任務に出て、予定では明後日帰還だったはずだが。
――もしかして何か不測の事態が。
イルカは式を開いた。
『先輩の事で内密にお話したい事があります。今夜八時。先生のお宅で。コテツさんとイズモさんには、勝手ながらお断りを入れました』
今夜は二人と飲みに行く予定だったのだが、それも把握されている。
(…まぁ、どうせカカシさんの指示で調べたんだろうけど)
ということは、カカシは元気そうだ。
相変わらず嫉妬深くて監視癖のある恋人に、イルカはため息をついた。
だが。
それならなぜカカシに内密でお話なのだろうか。
カカシも帰還してるなら、なぜ彼を差し置いてテンゾウから連絡が来るのか。
イルカは首を捻ったが、夜になればテンゾウが教えてくれるはずだ。
『先輩の事で内密に』
イルカの眉間に皺が寄る。
沸き上がる不安を消し去るように、イルカは火遁で式を燃やした。
夜八時。
時間ちょうどにイルカのアパートの扉がノックされる。
それに答えてイルカが玄関に向かおうとすると、いきなり目の前にテンゾウが現れた。
うお、と声を上げかけたイルカの口を、テンゾウの手が塞ぐ。
「すみません、僕の気配を完全に断たなきゃならなかったので。ノックは木の枝です。念の為、僕の名前も呼ばないでもらえますか?」
囁きかけるテンゾウに、イルカはコクコクと頷いた。するとテンゾウの手が離れる。
言われてみればテンゾウは目の前に立ってるのに、気配が全く無かった。暗部らしい完璧な隠行術だ。
それなのに全身に鋭い緊張感をまとわせている。
テンゾウにここまでさせるような事が起きている――。
イルカは一気に戦闘モードに入った。
それに気付いたテンゾウが、ほんの少し緊張を緩めた。
「ああ、失礼。そういう事じゃないんですよ。危険なのは僕だけなんです。実は……先輩がちょっと厄介な術にかかりましてね」
とりあえず立ち話もなんだからと、向い合わせで卓袱台に座った。
今回の事態ですがまずはこちらを、とテンゾウが懐から取り出したのは、三代目からの巻物と略式の任務依頼書だった。
その依頼書には『はたけカカシの術の解明と解術』と書かれ、うみのイルカが指名されていた。
思わずイルカが目で問いかけると、テンゾウはやや視線をずらして説明を始める。
「その、今回の任務で先輩に暗示のような幻術のような、原典の不明な術がかけられたんですよ。その、あー、暗示は本来、敵を暗示の対象人物としてかかるはずだったけど、僕が割って入ったので。先輩にかけられた暗示の対象が、えーと、僕…になってしまったんですね」
テンゾウにしては珍しく歯切れが悪い。
アカデミーの生徒なら「もっとハッキリ喋れ!」と叱るところだ。
だが現役暗部にそんな不遜な態度は取れない。しかもイルカに指名された、カカシの解術任務について説明してくれているのだ。
相変わらず気配の無いテンゾウに、先を促すように頷くと、ふと。
あまりにも馴染みのある気配を上から感じた。
「そこだっ!」
イルカは反射的に卓袱台の裏に仕込んであった手裏剣とクナイを両手に持ち、天井に向かって投げた。
ダダダッ カカカッと手裏剣とクナイが天井板に並び刺さる。
だが何も反応は無かった。
「……ぅひっ」
テンゾウが小さな悲鳴を上げたので、イルカがそちらに視線を戻すと。
「あ~あ、見つかっちゃった。せっかく緊張してる可愛いテンゾウを見てたのに」
カカシがテンゾウを拘束するように、背後から抱き付いていた。
「…ですから一目惚れのような効果をもたらす術だと、途中までは三代目が解明されたんですけど、残る部分はイルカ先生にお願いしたいとのことで…ちょっ、尻を撫でないで下さいっ!こういう悪戯のような術は先生が得意だと…ぎゃっ!…あと先輩の思考回路をよくご存知の先生の方が適任だから守ってもらえと、三代目の判だ…うひゃっ!」
耳に息を吹きかけられ、思わずクナイを闇雲に振り回すテンゾウを、カカシはすいすいとかわしながらまた抱き付いている。
「やめて下さいよっ!」
「もう、恥ずかしがっちゃって~」
「違います!本当にやめて下さいっ」
現役暗部と元暗部との動きはイルカにはあまり目で追えなかったが、とりあえずテンゾウが心底嫌がってる事だけは、その泣きそうな表情と態度から伝わってくる。
だが狭い室内で、イチャイチャにしか見えない攻防を繰り広げる二人を前に、イルカは拳を握りしめながら巻物を読み進めた。
「そんな邪険にしなくてもいいでしょ。むきになるテンゾウもか~わい~♪」
ダンッッッッ!!!!
卓袱台に叩き付けたイルカの拳の音が響き渡る。
二人の動きもぴたりと止まった。
「テンゾウさんには、今日から俺と生活してもらいます。こいつ…カカシさんの解術が済むまで。いいですね」
「はぁ?何なのお前!イルカせんせーだっけ?邪魔くさいん…」
「いい・です・ね?」
「「……ハイ」」
イルカの有無を言わせぬ迫力に、カカシとテンゾウの返事が揃う。
その勢いのままカカシはアパートを追い出され、部屋にはテンゾウだけが残された。
「すいません、ご迷惑でしょうが今日から泊まって頂きます。ヤツは絶対にまた来る」
「まさか!何を根拠に…」
「今までの経験です。夜には必ず戻ってくるでしょう」
イルカは押し入れをガサゴソと掘り起こすと、結界札や感知札、トラップなどを山ほど持ってきた。
中にはA・Sランクの任務に使うレベルのトラップや、テンゾウすら知らない札まで混じっている。
しがない中忍が持つにはとうてい相応しくない物ばかりで、テンゾウはイルカをまじまじと見た。
「…そこまでする必要あるんですか?」
「当たり前です。相手はカカシさんですよ?以前カカシさんに付きまとわれてた頃、三代目に相談して色々頂いたのが残ってるので。…まぁ、覗きとか監視とか今でもやってる事はあんまり変わらないけど、面倒だから放置してるんですよ。一応付き合ってる訳ですし」
先輩がイルカに惚れ込んでるのは知ってたけど、まさかそれほどだったとは。
テンゾウが尊敬する先輩の実態に唖然としてると、またしてもイルカがクナイを天井に投げ付けた。
「そこだっ!」
するとカカシが音もなく二人の前に降り立つ。
イルカはテンゾウを庇うように前に立ちはだかると、カカシに指を突き付けた。
「あんたの行動パターンは読めてるんですよ。諦めなさい」
「もうなんなのお前!もしかして俺のこと好きなの?俺はテンゾウのことを愛しちゃってるからムダだ~よ。お前こそ諦めな」
イルカがぐっと詰まった。
唇を震わせ、カカシを見つめながら「カカシさ…」と小さな呟きを残すと、泣きそうな顔でアパートを飛び出してってしまった。
「あれ?なんなのあいつ。ま、いーや。テ~ンゾ、俺とゆっくり愛を語らおうね~」
そう言いながらもカカシはそわそわと落ち着かない様子で、イルカが去った方をいつまでも見つめていた。
テンゾウはそんなカカシを見てため息をついた。
「…先輩こそ諦めて下さいよ。イルカ先生が気になってしょうがないんでしょう?もう帰って下さい。その方がいいですよ」
カカシはチラリとテンゾウを見ると、意外にもそこで大人しく引き下がり、スッとその姿を消した。
テンゾウはカカシの消えたあとをしばらく眺めていたが、やれやれと首を振ると、先ほどイルカの残したクナイや手裏剣の痕を木遁で直して回った。
…ついでに今まで付いたのだろう、無数の古いクナイや手裏剣の痕も。
テンゾウが落ち着かない思いで卓袱台の前に座っていると、
イルカが戻ってきた。
その顔には涙の跡はないが、傷付いたことに変わりはないだろう。
任務から帰ってきた恋人が、急に自分以外の、しかも知り合いに散々執着してるのを見せつけられたのだから。
「ほったらかしてすみませんでした。…でもお陰でちょっと思い付いたことがあるんです」
イルカは健気にも笑顔らしきものを見せた。
そしてトラップや札類と自分の着替え等をまとめて、てきぱきと出かける支度を始める。
テンゾウが不審な思いでそれを見守っていると、イルカが荷物をまとめたリュックを背負った。
「さっきは俺の家で生活するように言いましたが、実際にはテンゾウさんの家でさせてもらいたいんです。一時的な目眩ましにしかならないとは思うけど…たぶんテンゾウさんの家の方もこれから狙われると思うんで、あなたの私物を守りつつヤツの解術を試みます。さあ、カカシさんの気配が感じられない今のうちに移動しましょう」
……私物を守りつつ?
テンゾウは首を傾げる。カカシが何かテンゾウの金目の物でも盗むというのか。
自宅にある金目の物を考えてはみたが、業物のクナイくらいしか思いつかない。そんなのカカシの方がよっぽど持ってそうな気がする。
だがカカシのプライベートな行動パターンを知り尽くしてそうなイルカの判断に、反対する術も理由もテンゾウにはなかった。
二人は念入りに隠行の術をかけると、テンゾウの暗部寮へと向かう。
その途中、カカシのマンションに寄って、ある物を回収してから。
葉っぱの式なんか初めて見る。
普段はカカシを経由してか、カカシと共にしか関わる事はないのに。
カカシが入院しても、その知らせは直接テンゾウが伝えに来るのだ。
カカシの「先生の手元にテンゾウの式が残るのが、木の葉に書いた恋文みたいで許せない」というワガママだけのために。
そのカカシはテンゾウと任務に出て、予定では明後日帰還だったはずだが。
――もしかして何か不測の事態が。
イルカは式を開いた。
『先輩の事で内密にお話したい事があります。今夜八時。先生のお宅で。コテツさんとイズモさんには、勝手ながらお断りを入れました』
今夜は二人と飲みに行く予定だったのだが、それも把握されている。
(…まぁ、どうせカカシさんの指示で調べたんだろうけど)
ということは、カカシは元気そうだ。
相変わらず嫉妬深くて監視癖のある恋人に、イルカはため息をついた。
だが。
それならなぜカカシに内密でお話なのだろうか。
カカシも帰還してるなら、なぜ彼を差し置いてテンゾウから連絡が来るのか。
イルカは首を捻ったが、夜になればテンゾウが教えてくれるはずだ。
『先輩の事で内密に』
イルカの眉間に皺が寄る。
沸き上がる不安を消し去るように、イルカは火遁で式を燃やした。
夜八時。
時間ちょうどにイルカのアパートの扉がノックされる。
それに答えてイルカが玄関に向かおうとすると、いきなり目の前にテンゾウが現れた。
うお、と声を上げかけたイルカの口を、テンゾウの手が塞ぐ。
「すみません、僕の気配を完全に断たなきゃならなかったので。ノックは木の枝です。念の為、僕の名前も呼ばないでもらえますか?」
囁きかけるテンゾウに、イルカはコクコクと頷いた。するとテンゾウの手が離れる。
言われてみればテンゾウは目の前に立ってるのに、気配が全く無かった。暗部らしい完璧な隠行術だ。
それなのに全身に鋭い緊張感をまとわせている。
テンゾウにここまでさせるような事が起きている――。
イルカは一気に戦闘モードに入った。
それに気付いたテンゾウが、ほんの少し緊張を緩めた。
「ああ、失礼。そういう事じゃないんですよ。危険なのは僕だけなんです。実は……先輩がちょっと厄介な術にかかりましてね」
とりあえず立ち話もなんだからと、向い合わせで卓袱台に座った。
今回の事態ですがまずはこちらを、とテンゾウが懐から取り出したのは、三代目からの巻物と略式の任務依頼書だった。
その依頼書には『はたけカカシの術の解明と解術』と書かれ、うみのイルカが指名されていた。
思わずイルカが目で問いかけると、テンゾウはやや視線をずらして説明を始める。
「その、今回の任務で先輩に暗示のような幻術のような、原典の不明な術がかけられたんですよ。その、あー、暗示は本来、敵を暗示の対象人物としてかかるはずだったけど、僕が割って入ったので。先輩にかけられた暗示の対象が、えーと、僕…になってしまったんですね」
テンゾウにしては珍しく歯切れが悪い。
アカデミーの生徒なら「もっとハッキリ喋れ!」と叱るところだ。
だが現役暗部にそんな不遜な態度は取れない。しかもイルカに指名された、カカシの解術任務について説明してくれているのだ。
相変わらず気配の無いテンゾウに、先を促すように頷くと、ふと。
あまりにも馴染みのある気配を上から感じた。
「そこだっ!」
イルカは反射的に卓袱台の裏に仕込んであった手裏剣とクナイを両手に持ち、天井に向かって投げた。
ダダダッ カカカッと手裏剣とクナイが天井板に並び刺さる。
だが何も反応は無かった。
「……ぅひっ」
テンゾウが小さな悲鳴を上げたので、イルカがそちらに視線を戻すと。
「あ~あ、見つかっちゃった。せっかく緊張してる可愛いテンゾウを見てたのに」
カカシがテンゾウを拘束するように、背後から抱き付いていた。
「…ですから一目惚れのような効果をもたらす術だと、途中までは三代目が解明されたんですけど、残る部分はイルカ先生にお願いしたいとのことで…ちょっ、尻を撫でないで下さいっ!こういう悪戯のような術は先生が得意だと…ぎゃっ!…あと先輩の思考回路をよくご存知の先生の方が適任だから守ってもらえと、三代目の判だ…うひゃっ!」
耳に息を吹きかけられ、思わずクナイを闇雲に振り回すテンゾウを、カカシはすいすいとかわしながらまた抱き付いている。
「やめて下さいよっ!」
「もう、恥ずかしがっちゃって~」
「違います!本当にやめて下さいっ」
現役暗部と元暗部との動きはイルカにはあまり目で追えなかったが、とりあえずテンゾウが心底嫌がってる事だけは、その泣きそうな表情と態度から伝わってくる。
だが狭い室内で、イチャイチャにしか見えない攻防を繰り広げる二人を前に、イルカは拳を握りしめながら巻物を読み進めた。
「そんな邪険にしなくてもいいでしょ。むきになるテンゾウもか~わい~♪」
ダンッッッッ!!!!
卓袱台に叩き付けたイルカの拳の音が響き渡る。
二人の動きもぴたりと止まった。
「テンゾウさんには、今日から俺と生活してもらいます。こいつ…カカシさんの解術が済むまで。いいですね」
「はぁ?何なのお前!イルカせんせーだっけ?邪魔くさいん…」
「いい・です・ね?」
「「……ハイ」」
イルカの有無を言わせぬ迫力に、カカシとテンゾウの返事が揃う。
その勢いのままカカシはアパートを追い出され、部屋にはテンゾウだけが残された。
「すいません、ご迷惑でしょうが今日から泊まって頂きます。ヤツは絶対にまた来る」
「まさか!何を根拠に…」
「今までの経験です。夜には必ず戻ってくるでしょう」
イルカは押し入れをガサゴソと掘り起こすと、結界札や感知札、トラップなどを山ほど持ってきた。
中にはA・Sランクの任務に使うレベルのトラップや、テンゾウすら知らない札まで混じっている。
しがない中忍が持つにはとうてい相応しくない物ばかりで、テンゾウはイルカをまじまじと見た。
「…そこまでする必要あるんですか?」
「当たり前です。相手はカカシさんですよ?以前カカシさんに付きまとわれてた頃、三代目に相談して色々頂いたのが残ってるので。…まぁ、覗きとか監視とか今でもやってる事はあんまり変わらないけど、面倒だから放置してるんですよ。一応付き合ってる訳ですし」
先輩がイルカに惚れ込んでるのは知ってたけど、まさかそれほどだったとは。
テンゾウが尊敬する先輩の実態に唖然としてると、またしてもイルカがクナイを天井に投げ付けた。
「そこだっ!」
するとカカシが音もなく二人の前に降り立つ。
イルカはテンゾウを庇うように前に立ちはだかると、カカシに指を突き付けた。
「あんたの行動パターンは読めてるんですよ。諦めなさい」
「もうなんなのお前!もしかして俺のこと好きなの?俺はテンゾウのことを愛しちゃってるからムダだ~よ。お前こそ諦めな」
イルカがぐっと詰まった。
唇を震わせ、カカシを見つめながら「カカシさ…」と小さな呟きを残すと、泣きそうな顔でアパートを飛び出してってしまった。
「あれ?なんなのあいつ。ま、いーや。テ~ンゾ、俺とゆっくり愛を語らおうね~」
そう言いながらもカカシはそわそわと落ち着かない様子で、イルカが去った方をいつまでも見つめていた。
テンゾウはそんなカカシを見てため息をついた。
「…先輩こそ諦めて下さいよ。イルカ先生が気になってしょうがないんでしょう?もう帰って下さい。その方がいいですよ」
カカシはチラリとテンゾウを見ると、意外にもそこで大人しく引き下がり、スッとその姿を消した。
テンゾウはカカシの消えたあとをしばらく眺めていたが、やれやれと首を振ると、先ほどイルカの残したクナイや手裏剣の痕を木遁で直して回った。
…ついでに今まで付いたのだろう、無数の古いクナイや手裏剣の痕も。
テンゾウが落ち着かない思いで卓袱台の前に座っていると、
イルカが戻ってきた。
その顔には涙の跡はないが、傷付いたことに変わりはないだろう。
任務から帰ってきた恋人が、急に自分以外の、しかも知り合いに散々執着してるのを見せつけられたのだから。
「ほったらかしてすみませんでした。…でもお陰でちょっと思い付いたことがあるんです」
イルカは健気にも笑顔らしきものを見せた。
そしてトラップや札類と自分の着替え等をまとめて、てきぱきと出かける支度を始める。
テンゾウが不審な思いでそれを見守っていると、イルカが荷物をまとめたリュックを背負った。
「さっきは俺の家で生活するように言いましたが、実際にはテンゾウさんの家でさせてもらいたいんです。一時的な目眩ましにしかならないとは思うけど…たぶんテンゾウさんの家の方もこれから狙われると思うんで、あなたの私物を守りつつヤツの解術を試みます。さあ、カカシさんの気配が感じられない今のうちに移動しましょう」
……私物を守りつつ?
テンゾウは首を傾げる。カカシが何かテンゾウの金目の物でも盗むというのか。
自宅にある金目の物を考えてはみたが、業物のクナイくらいしか思いつかない。そんなのカカシの方がよっぽど持ってそうな気がする。
だがカカシのプライベートな行動パターンを知り尽くしてそうなイルカの判断に、反対する術も理由もテンゾウにはなかった。
二人は念入りに隠行の術をかけると、テンゾウの暗部寮へと向かう。
その途中、カカシのマンションに寄って、ある物を回収してから。
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