【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
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『台所にも妖精がいる…らしい。』
玄関のドアを後ろ手に閉じた途端に、結界の張られるバシリという空気の振動を感じた。
とっさにクナイを手に身構えるが、殺気は全く感じられない。
それどころか肉の焼けるいい匂いが漂ってくる。
誰かメシを作ってくれてるんだろうか。もう何年もそんな子なんていないんだけど。
サプライズにしてはイベントに心当たりがない。
サンダルを脱いでそうっと台所に向かい、恐る恐る覗いてみると――
変態がいた。またしても。
「おかえり~。まだ肉が焼き上がるのに二十分くらいかかるから、先にお風呂に入ってきなよ」
大皿に何かを盛り付け、うちでは見た事のない立派なオーブンを菜箸で指しながら、まるで新妻みたいな口調で当たり前のように風呂を勧めてくる。
確かに白いフリフリのエプロンという格好だけ見れば、新妻とも言えるかもしれない。そのエプロンの下が全裸な事も、ある意味新妻の大サービスだろう。
…本体が細身ながらも均整のとれた、筋肉に覆われた男じゃなければ。
俺は図々しくも再度現れた変態に、驚きよりも怒りよりも、なぜか物哀しいような残念なものが全身を巡るのを感じていた。
その頑なに巻いてる季節外れのマフラーは何なのか。
なぜよりによってフリフリの新妻エプロンをセレクトしたのか。
動き回る度にきゅっと持ち上がる大臀筋を俺に見せ付けて、いったい何がしたいのか。
あれから何度も考えてた問いが急激に膨らむ。
――そもそもアンタは何者なんだ。
「アンタ、何なんですか。いったい誰なん……」
ぎゅるるるる ぐぎゅううう
腹の虫が盛大にわめきたてる。
そういや今日は昼メシを食いっぱぐれていた。
午後は野外演習で走り回ってたからなおさらだ。そこに肉の焼ける匂いなんか充満してたら、そりゃ腹の虫も自己主張するってもんだろ。
赤面しながら自分に言い訳してると、変態はひどく優しい目で微笑みかけてきた。
「ほら、早くお風呂に入ってきて。あんまり遅くなると、お肉が固くなっちゃうから。せっかくのA5ランクの木の葉牛が勿体ないでしょ」
と、変態の右手がこちらに伸びてきた。
思わずビクリとすると、変態は一瞬悲しそうな顔をして俺の右肩に触れ、くいっと押して回れ右をさせた。
そして軽くトンっと背を押して「ほら、お風呂。ね」と俺を風呂へと追いやった。
前回の不埒な行いは決して忘れた訳じゃない。
最大限に警戒しながらカラスの行水で風呂から飛び出してみたが、浴衣に着替え終わっても変態の襲撃は無かった。
なんだよ。これじゃ俺だけ意識して馬鹿みたいじゃないか。
…いや別に何かされるのを待ってたとかじゃなくて!捕縛用の札まで準備したのに無駄になっちまった。
台所からは下手くそな鼻唄混じりに冷蔵庫を開け閉めする音が聞こえてくる。
そうっと覗いてみると、ヤツは白いエプロンをひらめかせながらてきぱきと支度していた。
前回の風呂の時はじっくり見てる暇も余裕も無かったし、気が付いたらベッドに一人で寝かされていたからなぁ。
柱に隠れながらヤツを観察すると、意外にも端正な顔をしてる気がする…あの目の上下にある変な紫が無ければ。体つきもどう見ても素人じゃないし、料理とはいえ動きにも無駄がない。何よりも料理に集中してるように見えるのに、全く隙がない。
ふと、二の腕の刺青を思い出した。
暗部で、変態で、妖精。
「なぁ、アンタ……」
ぐぎゅるるる ぎゅうううう
ピーッ ピーッ ピーッ
俺の問いかけと腹の虫とオーブンのお知らせ音が、見事な不協和音を奏でた。
変態がクスリと笑いながら冷蔵庫を開けて、木の葉じゃあんまり見かけない銘柄の瓶ビールを取り出した。
「もうできるから座っててよ。ビールも飲むでしょ?」
そうして座らされた卓袱台には、所狭しと料理が並べられていった。
色んな刺身に葉っぱだか何かの欠片とオイルがかかってるのとか、透明なゼリーの中に浮かんだ色とりどりの野菜とか、氷を敷き詰めた上に乗った黄緑のスープみたいなのとか、枝だか葉っぱと薄っぺらいニンニクのくっついた肉の塊とか!
これは…メシ……なのか?
お前たちは食っていいもんなのか?!みんなキラキラつやつや輝いてんだけど!つーかお前らなんでそんな光ってんの?!
ぽかんと口を開けて卓袱台の上の芸術品と無言の会話をしてると、スッと隣に変態が正座した。
慌てて今にも垂れ落ちそうになってた涎をごしごしと拭いてると、左手にキンキンに冷えたビールのグラスを持たされて。
「今日も一日お疲れさま。どうぞ召し上がれ」
………美味かった。
とろりとして、じゅわぁっとして、なんかもうひたすらに美味かった。
ごちそうさまでしたと片付けようとしたら、いいからのんびりしててとやんわり止められてしまった。そういや器も見たことないのばっかだった。もしかして特別な手入れが必要で、俺じゃ出来ないのかも。
台所からはカチャカチャ、ザーザーという音が聞こえてくる。
幸せな余韻に浸ったまま、ばたりと後ろに倒れて大の字に寝っ転がる。見えるのは煤けた天井だけど、俺は今天国にいるんだ。
最後に食ったチョコレートケーキの、ねっとりとした舌触りと絶妙なほろ苦さを反芻しながら、天国の天井を眺めた。
こんな美味いメシを作れるなんて、アイツは台所の妖精さんに違いない。あの全裸にマフラーも、きっとそういう種族の妖精さんなんだろう。
それできっと、こないだの風呂のとは別の妖精さんなんだ。だってフリフリのエプロンしてるし、全然変な空気が無かったし。
ケーキも美味かったけど、やっぱり木の葉牛がスゴかったなぁ。なにしろA5ランクだもんなぁ。
俺は今一度あの味わいを反芻して脳に刻み付けようと、ゆっくり目を閉じた。
次に目を開けたら、さっきより薄暗い天井が見えた。
あれ、台所の妖精さんは妖精の国に帰ったんだろうかと起き上がろうとすると、腕が動かない。
やや下方に目線をずらすと、脚の間に挟まった妖精さんが妖しく微笑んだ。
あー、…なんかデジャヴ。
「ごめ~んね?そんなつもりは無かったけど、あんな無防備に浴衣をはだけて寝てるんだもん」
妖精さんの首に巻かれてたマフラーが消えていて、その使い道にはたと思い当たる。
「変に暴れられて傷付けたくないから縛っちゃった。だいじょうぶ、今日もすっごく気持ちよくしてあげるから、ね?」
今回は両腕が背中側で拘束されていて、不本意にもちょうど腰を突き出すような体勢になっていた。
妖精さんの方をよく見ると、白いフリフリエプロンの真ん中辺りが不自然に盛り上がっている。そりゃもうクナイでも仕込んでんの?ってくらい、不自然に。
大声を出そうと口を開けたら、片手で顎の両関節を固定され、ぬるりと舌が侵略してきた。
「んん~!ふぐぅ~!んんう~、…ふ、ぅうう」
手が三本あるんじゃないかと思うくらい、あちこち弄くり回されたり舐め回されたり、またしてもあっという間にイかされてしまった。
それであんあん言わされてるうちに、いつの間にやら上にも下にも妖精さんの侵入を許しちまってた。
(…ごめ~んね?)
どっかで聞いたことのあるフレーズが、頭の片隅に甦る。
謝るようなことなら初めっからするなよ。
そんな。
笑ってるくせに、言った方がよっぽど傷付いてるような目をしやがって。
何か言ってやろうと思っても、口から出るのは熱い息と甘ったるい声だけで。
いつしか全部が気持ちよさの波に呑み込まれ、意識の彼方へとさらわれてしまった。
「…せんせ。イルカせんせ…」
という、切なげな吐息混じりの呼びかけに応えることもできずに。
【完】
玄関のドアを後ろ手に閉じた途端に、結界の張られるバシリという空気の振動を感じた。
とっさにクナイを手に身構えるが、殺気は全く感じられない。
それどころか肉の焼けるいい匂いが漂ってくる。
誰かメシを作ってくれてるんだろうか。もう何年もそんな子なんていないんだけど。
サプライズにしてはイベントに心当たりがない。
サンダルを脱いでそうっと台所に向かい、恐る恐る覗いてみると――
変態がいた。またしても。
「おかえり~。まだ肉が焼き上がるのに二十分くらいかかるから、先にお風呂に入ってきなよ」
大皿に何かを盛り付け、うちでは見た事のない立派なオーブンを菜箸で指しながら、まるで新妻みたいな口調で当たり前のように風呂を勧めてくる。
確かに白いフリフリのエプロンという格好だけ見れば、新妻とも言えるかもしれない。そのエプロンの下が全裸な事も、ある意味新妻の大サービスだろう。
…本体が細身ながらも均整のとれた、筋肉に覆われた男じゃなければ。
俺は図々しくも再度現れた変態に、驚きよりも怒りよりも、なぜか物哀しいような残念なものが全身を巡るのを感じていた。
その頑なに巻いてる季節外れのマフラーは何なのか。
なぜよりによってフリフリの新妻エプロンをセレクトしたのか。
動き回る度にきゅっと持ち上がる大臀筋を俺に見せ付けて、いったい何がしたいのか。
あれから何度も考えてた問いが急激に膨らむ。
――そもそもアンタは何者なんだ。
「アンタ、何なんですか。いったい誰なん……」
ぎゅるるるる ぐぎゅううう
腹の虫が盛大にわめきたてる。
そういや今日は昼メシを食いっぱぐれていた。
午後は野外演習で走り回ってたからなおさらだ。そこに肉の焼ける匂いなんか充満してたら、そりゃ腹の虫も自己主張するってもんだろ。
赤面しながら自分に言い訳してると、変態はひどく優しい目で微笑みかけてきた。
「ほら、早くお風呂に入ってきて。あんまり遅くなると、お肉が固くなっちゃうから。せっかくのA5ランクの木の葉牛が勿体ないでしょ」
と、変態の右手がこちらに伸びてきた。
思わずビクリとすると、変態は一瞬悲しそうな顔をして俺の右肩に触れ、くいっと押して回れ右をさせた。
そして軽くトンっと背を押して「ほら、お風呂。ね」と俺を風呂へと追いやった。
前回の不埒な行いは決して忘れた訳じゃない。
最大限に警戒しながらカラスの行水で風呂から飛び出してみたが、浴衣に着替え終わっても変態の襲撃は無かった。
なんだよ。これじゃ俺だけ意識して馬鹿みたいじゃないか。
…いや別に何かされるのを待ってたとかじゃなくて!捕縛用の札まで準備したのに無駄になっちまった。
台所からは下手くそな鼻唄混じりに冷蔵庫を開け閉めする音が聞こえてくる。
そうっと覗いてみると、ヤツは白いエプロンをひらめかせながらてきぱきと支度していた。
前回の風呂の時はじっくり見てる暇も余裕も無かったし、気が付いたらベッドに一人で寝かされていたからなぁ。
柱に隠れながらヤツを観察すると、意外にも端正な顔をしてる気がする…あの目の上下にある変な紫が無ければ。体つきもどう見ても素人じゃないし、料理とはいえ動きにも無駄がない。何よりも料理に集中してるように見えるのに、全く隙がない。
ふと、二の腕の刺青を思い出した。
暗部で、変態で、妖精。
「なぁ、アンタ……」
ぐぎゅるるる ぎゅうううう
ピーッ ピーッ ピーッ
俺の問いかけと腹の虫とオーブンのお知らせ音が、見事な不協和音を奏でた。
変態がクスリと笑いながら冷蔵庫を開けて、木の葉じゃあんまり見かけない銘柄の瓶ビールを取り出した。
「もうできるから座っててよ。ビールも飲むでしょ?」
そうして座らされた卓袱台には、所狭しと料理が並べられていった。
色んな刺身に葉っぱだか何かの欠片とオイルがかかってるのとか、透明なゼリーの中に浮かんだ色とりどりの野菜とか、氷を敷き詰めた上に乗った黄緑のスープみたいなのとか、枝だか葉っぱと薄っぺらいニンニクのくっついた肉の塊とか!
これは…メシ……なのか?
お前たちは食っていいもんなのか?!みんなキラキラつやつや輝いてんだけど!つーかお前らなんでそんな光ってんの?!
ぽかんと口を開けて卓袱台の上の芸術品と無言の会話をしてると、スッと隣に変態が正座した。
慌てて今にも垂れ落ちそうになってた涎をごしごしと拭いてると、左手にキンキンに冷えたビールのグラスを持たされて。
「今日も一日お疲れさま。どうぞ召し上がれ」
………美味かった。
とろりとして、じゅわぁっとして、なんかもうひたすらに美味かった。
ごちそうさまでしたと片付けようとしたら、いいからのんびりしててとやんわり止められてしまった。そういや器も見たことないのばっかだった。もしかして特別な手入れが必要で、俺じゃ出来ないのかも。
台所からはカチャカチャ、ザーザーという音が聞こえてくる。
幸せな余韻に浸ったまま、ばたりと後ろに倒れて大の字に寝っ転がる。見えるのは煤けた天井だけど、俺は今天国にいるんだ。
最後に食ったチョコレートケーキの、ねっとりとした舌触りと絶妙なほろ苦さを反芻しながら、天国の天井を眺めた。
こんな美味いメシを作れるなんて、アイツは台所の妖精さんに違いない。あの全裸にマフラーも、きっとそういう種族の妖精さんなんだろう。
それできっと、こないだの風呂のとは別の妖精さんなんだ。だってフリフリのエプロンしてるし、全然変な空気が無かったし。
ケーキも美味かったけど、やっぱり木の葉牛がスゴかったなぁ。なにしろA5ランクだもんなぁ。
俺は今一度あの味わいを反芻して脳に刻み付けようと、ゆっくり目を閉じた。
次に目を開けたら、さっきより薄暗い天井が見えた。
あれ、台所の妖精さんは妖精の国に帰ったんだろうかと起き上がろうとすると、腕が動かない。
やや下方に目線をずらすと、脚の間に挟まった妖精さんが妖しく微笑んだ。
あー、…なんかデジャヴ。
「ごめ~んね?そんなつもりは無かったけど、あんな無防備に浴衣をはだけて寝てるんだもん」
妖精さんの首に巻かれてたマフラーが消えていて、その使い道にはたと思い当たる。
「変に暴れられて傷付けたくないから縛っちゃった。だいじょうぶ、今日もすっごく気持ちよくしてあげるから、ね?」
今回は両腕が背中側で拘束されていて、不本意にもちょうど腰を突き出すような体勢になっていた。
妖精さんの方をよく見ると、白いフリフリエプロンの真ん中辺りが不自然に盛り上がっている。そりゃもうクナイでも仕込んでんの?ってくらい、不自然に。
大声を出そうと口を開けたら、片手で顎の両関節を固定され、ぬるりと舌が侵略してきた。
「んん~!ふぐぅ~!んんう~、…ふ、ぅうう」
手が三本あるんじゃないかと思うくらい、あちこち弄くり回されたり舐め回されたり、またしてもあっという間にイかされてしまった。
それであんあん言わされてるうちに、いつの間にやら上にも下にも妖精さんの侵入を許しちまってた。
(…ごめ~んね?)
どっかで聞いたことのあるフレーズが、頭の片隅に甦る。
謝るようなことなら初めっからするなよ。
そんな。
笑ってるくせに、言った方がよっぽど傷付いてるような目をしやがって。
何か言ってやろうと思っても、口から出るのは熱い息と甘ったるい声だけで。
いつしか全部が気持ちよさの波に呑み込まれ、意識の彼方へとさらわれてしまった。
「…せんせ。イルカせんせ…」
という、切なげな吐息混じりの呼びかけに応えることもできずに。
【完】
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