【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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「……もうパトロールのお時間なのですか」

カカシは既に寝台から出ていて、基地外戦闘活動用のEMUを身に付けるところだった。

「あぁ、イルカはそのままで。さっきDユニットにエイリアン接近の連絡が来たんだ。たぶん岩蟲だから大丈夫だろうけど、ちょっと見てくる」

するとイルカは下衣だけサッと身に付けると、カカシの身支度を手伝い始めた。

「……俺も戦闘訓練を受けていれば、一緒に戦えたのに」
「イルカはアカデミーの子供たちを教えるっていう仕事があるでしょ? 月で生まれ育った子供たちに、月と地球の二つの故郷のことを教える大事な仕事じゃない」
「そうですけど! でも……」
「帰ったら面白い話をしてあげるから。昔の地球で俺が……木の像かな、彫る仕事してた夢をさっき見てね」

イルカの目が僅かに見開かれ、一瞬手が止まった。

最近開発され、更に軽量化されたカプセルメットを被る前に、カカシがイルカにキスをする。
唇に一回、それから鼻を横切る傷痕にも、一回。

「それじゃ待ってて、行ってくるね」
「はい、お気をつけて。俺はいつでも待ってますよ……貴方を」

イルカも、カカシの閉じられた左の目蓋を縦に走る傷痕にキスをする。
カカシは優しく微笑むと、カプセルメットを被って部屋を出ていった。
シュンと音を立ててドアが閉じられると、イルカは自分の鼻の傷痕を確かめるように、指先でなぞった。






幾度も巡り逢い、その度に恋に落ちるカカシとイルカ。
イルカはカカシと出逢い、愛されると徐々に思い出していくのに。なぜかカカシの記憶には残っていないようだった。
ただ、夢には見るのか、時折こうして夢物語として話し出すことがある。
――遠い過去の自分たちの話を。
どういう仕組みなのか、何の力が働いているのかなどと考えるのを、イルカはとうの昔にやめてしまっていた。
はっきりとしてるのは、いつもカカシには左の目蓋の上下に、イルカは鼻を横切る傷痕があるということだ。
カカシは恐らく無意識にその傷を目印にイルカを探し、必ず見つけてくれる。そしてイルカは必ずカカシの想いに応えている……今までのところは。
もしかしたら、カカシがイルカを見つけられなかったこともあったのかもしれない。自分が応えなかったことも。その場合は自分の記憶も甦らないし、残らないのだろうか。
イルカは今まで幾度となく浮かんだその考えを、両手で長い髪をかき上げることで振り払った。
もう眠る気にもなれず、そのまま髪を結わえるため壁掛けの鏡に向かう。

(……少なくとも俺の覚えてる限りでは、カカシさんは必ず見つけてくれた)

イルカにできるのは、待つことと信じることだけだ。
――この不可思議な現象の仕組みではなく、カカシのイルカへの想いを。
イルカは鏡に映る自分の顔をじっと覗きこむ。
ひたりとこちらを見つめる黒い瞳を。
そして中心に真一文字、横切る傷痕を。


「俺を見つけられるのは貴方だけなんですよ……カカシさん」



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