【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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二人でイルカの家に向かう帰り道。
イルカはずっとご機嫌で
「いやぁ、今日のは一段とバッチリ決まりましたね!」
ニシシシと満面の笑みで無邪気に喜んでいる。
さすが師弟、ナルトの笑い方とそっくりだ。
受付には部屋全体にトラップが仕掛けてある。
部屋を「いの壱」・「ろの弍」など格子状に分割し、それぞれのグリッドにさまざまなトラップがあって、それを不定期に入れ替えているのだ。
今回上忍に発動させたトラップは、ナルトとシカマルのアイデアが採用されていた。
チャクラ糸の蜘蛛の巣は、自身の影を使う術からチャクラ利用法を発展させたシカマルが、真っ黒な視覚・聴覚をふさぐチャクラ吸着ゲルは、水の性質のイルカとイズモが考えた。
トラップはイルカを筆頭に受付のメンバーと、なんとアカデミー卒の教え子達の協力のもとに構築されているのだ。
ナルトやシカマルの他にもサクラやサスケ、三班、八班、十班の子供達が交替で参加しているようだ。
イルカいわく
「トラップっていうのは罠ですからね。そういうのは子供達の得意分野なんです。大人より発想が柔軟なので、すごく助かってますよ」
と、一ヶ月に一度くらいの割合で、受付トラップ会議なるものが開かれている。といってもアカデミーの空き教室で、みんなで車座になってワイワイ話し合いながら作業するのだが。
カカシも一度見学したことがあるが、上忍の知識を加えて練り直せば、戦略的にも充分通用しそうなアイデアがばんばん出て驚いたものだ。
確かにトラップは相手の意表をつくオリジナリティーが重要だ。
子供達は楽しみながらやっているだろうが、きちんと実地を兼ねたトラップ訓練になっている。
セルを組んだ時のブレインストーミングのやり方も学べるだろう。
サクラ、シカマル、ネジ、シノは設置にも参加しているらしいが、賢いあの子達の事だ。きっと真意に気付いているに違いない。
そのトラップ会議について、カカシは以前から気になってた事があった。
「ねえ、ナルトのやつ、トラップなんてちまちました作業ちゃんとできてる?もっとドカーンとスゲーのやりたいってばよ!とか言ってない?」
ナルトは意表をつく発想はするが、基本的には猪突猛進型だ。
トラップなど思考重視型の作業をするのは向いてないんじゃないかとカカシは思ったのだ。
するとイルカはブハッと吹き出して、ナルトの物真似うまいですね~!と喜んだ。それから、う~んと首をかしげると
「アイツは座学はてんでダメだけど、バカじゃない。むしろ発想力も応用力もあるし、何より体で覚えるタイプですからね。それにすぐ一人で突っ走るから、みんなで知恵を出し合って作業するってプロセスを今のうちに学んでおかないと。だからこういうのはどんどん参加して、経験を積んだ方がいいんですよ」
なにしろ火影になるっていうんだから。とニッカリ笑った。
イルカはこうやって生徒の一人ひとりに目を配り、卒業した後まで気にかけている。
忍として、人としての在り方を、時には並んで、時には後ろからそっと見守りながら、一人前の忍に育て上げていくのだ。
もしかしたら、教師としてのイルカを一番知らないのはカカシかもしれない。
カカシは子供達が心底うらやましかった。アカデミーの生徒になりたいとすら思う。
イルカに教わり、イルカに叱られ、イルカに見守られて過ごすアカデミーは、どれだけ満たされることだろう。
それはあまりにも非現実的で。
カカシは尊くて触れられない、まばゆいもののように、目を細めてイルカを見た。
すると並んで歩いていたイルカが、両手を腰に当ててカカシの前に立ち塞がった。
「カカシさん、また独りになってますね?今は俺といるんだから、ちゃんと俺と話をして下さいよ」
と口をとがらせる。
(あぁ、この人はホントに……)
イルカは孤独感を敏感に感じ取り、輪から外れてしまった子供にすぐ気が付く。
ーーー今のカカシのように。
イルカは自分のわがままのような言い方をしているが、イルカとの距離を感じたカカシを、自分の方へ引き寄せてくれようとしたのは分かっていた。
ほら、こっちにおいで、と。
先程のそれこそ子供のような心情に、カカシは少しだけ照れくささを覚え、ガシガシと頭をかいた。
イルカはこうやってたくさんの子供達の心を、誰よりナルトの心を拾い上げてきたのだろう。
そして欲しい時に欲しい手を伸ばしてくれるのだ。それは優しかったり、時には厳しかったり。
だがその手にはいつもぬくもりがあって、この上なくあたたかい。
イルカはみんなのイルカ先生だが、たった今、この手は俺のものだ。
カカシはイルカの手を取ると
「はぁい、イルカせんせ、ゴメンなさい」
と子供っぽい甘えた口調で言ってみる。
イルカは目をまんまるに開くと、ボンっと真っ赤に茹だった。
アンタのまわりは完全無敵のトラップ地帯だ。
その中心に立つアンタの懐は、こんなにも安全でやすらげる。
ここは俺の、俺だけの完璧な絶対空間。
【完】
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