【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
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カカシさんの指が、尖り始めた俺の乳首を執拗に弄り回している。
もう片方の乳首はカカシさんの口の中だ。
舌で捏ねられ、歯でしごかれ、強く吸われる度に背がしなって変な声が出る。
――こんなのおかしい。
一度も触れてない股間は既に勃ち上がって、だらだらと先走りを溢れさせている。
雰囲気に呑まれて、感じるはずのない所まで感じるようになってしまったのか。それともカカシさんが相手だからなのか。
体の内側から生まれてくる熱がどんどん強くなり、犬のように口で息をしていた。
「……気付いた?」
顔を上げたカカシさんが目を細めた。
ああ、そうか。
これは媚薬の効果だ。
盛ったとしたら、さっきの――。
「そう。口の中に指を突っ込んだ時に、ね」
にんまりとカカシさんが笑う。
その笑みすら蠱惑的に俺を誘う。
「ここ、こんなにしちゃって辛いよね。触ってほしい?」
俺のモノに、カカシさんの指先が羽のようにふわりと触れた。
それだけでもうたまらなくて、俺はこくこくと頷き開いた両足に力を入れて腰を突き出す。
「そうやって最初から素直に欲しがってくれたら、いくらでもしたのに」
そう言うとカカシさんは頭をずらし、いきなり俺のを口に含んだ。
「あ! ……ぁ、ぅんっ」
突然もたらされた強すぎる刺激に、呆気なく達してしまった。
なおも味わうように吸っていたカカシさんが、にこりと微笑んで口の中を見せ付けてきた。
突き出したカカシさんの舌から広げた掌に、俺の精液が重たげに垂れ落ちる。
そのあまりにも淫猥な光景に、腰から背筋を何かがぞくりと駆け上がった。
「望み通り汚してあげる」
カカシさんはその手を俺の陰嚢、会陰、さらに奥の小さな搾まりへと這わせ、精液を塗り広げていく。
そして襞をぬるぬると撫でていたかと思うと、つぷりと指を差し入れた。
「……っ、う」
媚薬のおかげかそこはゆるりと開いて、カカシさんの指は俺の中に難なく呑み込まれた。
だが反射的にきゅっと力が入ったせいで、カカシさんの指の形を体内にはっきりと感じてしまう。
「分かる? これからここに俺のを入れるんだよ」
カカシさんが指をゆっくりと前後に動かしながら、うっとりと囁きかける。
そんな風に聞こえるのは俺の願望だろうか。
くち、くちと湿った音がこんな所から響くのが恥ずかしい。
するとカカシさんがもう片方の手で俺の片手を掴むと、同じ場所に導いた。
「あ、……や、です」
手を引こうとすると、強く掴まれた。
「まだそんなこと言えるんだ。もっと足しても大丈夫かな」
そう呟くと傍らに転がっていた媚薬の小瓶の口を歯で開け、残り全部を俺の手に垂らした。
そして手首を掴み、とろりとした透明な液体にまみれた手を俺の体内へと導く。
「や、だ、こんなの……」
「やじゃないでしょ。ほら、こんなに熱くなって」
初めて触れた身体の内側は、驚くほど熱かった。
俺の指は先に入れられていたカカシさんの指に添えられ、軽く挟まれると一緒にゆっくりと前後に動かされる。
「ぅ、くう……っ、ん」
「そう、いいこ。もっと熱く、やらしくなって」
注ぎ込まれる甘い声に、身体の熱が急速に膨れ上がる。
自分の中に二人合わせて何本の指が入ってるのかは、もう分からなかった。
ぐちゃぐちゃとかき混ぜられ、擦られる感触で頭がおかしくなりそうだった。
はっ、はっと口から荒い息を吐き、ぼんやりと霞む目には涙が滲む。
身体が小刻みに震え、さっき吐精したにも関わらずなおも熱の溜まり続けるモノが今にも爆発しそうで。
「あ……カカシさ、どうにかして、こわ、い」
「どうしてほしいの?」
カカシさんの押し殺した声も震えていた。
「ここ、ここに、カカシさんの、はやく……っ」
二人分の指がずるりと引き抜かれ、腰を掴まれてヘッドボードに寄りかかっていた身体を引きずり下ろされる。
そして膝の裏を持って足を押し上げられ、指の代わりにもっと熱い何かが押し当てられた。
それはすぐに圧倒的な質量と熱で俺の内部を侵略してきて。
「っあ! ぁ、あ、……っ」
「……ル、カ」
呻き声のように名を呼ばれて、俺はまたしても達してしまった。
二人の繋がった部分から、あり得ないような湿った音がする。
あれから折り畳まれ、広げられ、持ち上げられ乗せられて、今はどういう風に絡み合ってるのか正直見当もつかない。
右手はカカシさんの手と繋いでいるみたいだが、左手はたぶん腰に回っている。じゃあ自分の足先がゆらゆら揺れてるのが見えるのはなんでだ? ――あぁ、カカシさんの肩に乗ってるのか。
右足はどこいった? とぼんやり目線をずらすと、きゅっと股間を握られた。
「よそ見しないで」
「おれのみぎあし……どこ、ですか」
するとカカシさんはくくっと笑って繋いでた手をほどいた。
そして俺の右足を見付けてくれると、そっちもぐいと持ち上げて「ほら、ここにあるよ」と膝の内側にちゅっとキスをする。
それから肩に乗せてた方も合わせて俺の両足を抱え、頭の両脇まで持ち上げると体重をかけながら乗りかかってきた。
「……っは、あ、んんっ」
その動きで、そこまで届くと思ってなかった奥の奥まで圧し広げられる。
ほとんど二つ折りになった状態だから余計に苦しくて、だけど深いところまでカカシさんに侵食されているのが嬉しくて。
「も……っと、ひあ!」
深くまで来て、という言葉は最後まで言わせてもらえなかった。
幹の部分をほぼ全部ずりゅっと引き抜かれ、その強烈な摩擦でまたイくかと思った。
思わず非難の目を向けると、のしかかっていたカカシさんが身を起こし、わずかに繋がった部分を見るよう促す。
「ほら見て、ここ。分かる? 俺がせんせから出てこうとすると、行かないでって絡みついてくるの」
『そこ』はまさしくカカシさんに縋り付いていた。
俺が言いたくて言えなかったことを、体が伝えてくれている。
カカシさんがゆっくりと俺の中に熱を沈めていく。
視界から消えていく部分が、体の内側で質量となっていくのを体感する。
「ぁあ、あ、あ、も……っと、来て」
この形を覚えておけるように。
この熱を覚えておけるように。
狂おしいほど欲しかった、与えられている今もなおもっと欲しくてたまらない、カカシさんの体を。
すると膨れ上がった部分が敏感な箇所を抉った。
「んあ! あっ、あ”……ぁ」
辛うじて戻っていた理性らしきものが、また吹っ飛んでしまう。
喰い締めようとする俺の体の動きに逆らって、カカシさんが内側の肉を滅茶苦茶に突き荒らす。
「おく、ぅ……いいっ、あ、こわれ……ぅんんっ」
「うん、気持ちいいね」
もう吐き出すものも尽きたのか、俺のモノは力なく揺れているのに、腰の感覚も無くなりかけているのに。
いったん燃え上がった体の奥底の炎は、一向に消えようとしない。
その貪欲な炎に自ら身を任せていると、カカシさんの囁き声が遠くに聞こえる。
「せんせ、もっと俺を欲しがって、イルカ……お願い」
色の滲む声というには、か細すぎるようだったが。
与えられた快楽がキャパを超えてしまい、俺はまた意識を手放してしまった。
不意に目覚めると、カカシさんが俺を覗きこんでいた。
正確には俺をしっかりと抱き込んでいて、間近で見つめている。
その目の中には狂乱の焔は欠片も無く、俺の望んだ時間が終わったことを無言の内に告げていた。
「あの…………怒ってます、よね」
「怒ってますよ、当たり前でしょ!」
そう言いながらもカカシさんがぎゅうっと抱き付いてくる。
それはもう子供みたいな手加減無しの抱き付き方で、一瞬息が詰まったけどすぐに気付いたのかカカシさんは腕を緩めてくれた。
かといってその腕を離してくれる訳でもなく、今度は頭をぐりぐりと肩に擦り付けてくる。
そして深いため息を一つ、俺の耳元でついた。
「だって先生、最初から一度っきりのつもりだったよね? どうせヤり逃げする気だったんでしょ」
「なっ! ヤり逃げなんてしませんっ」
怒ってるのは媚薬を盛ったことじゃなかったのか。
それにしてもヤり逃げなんて! どれだけ俺が煮詰まったと思ってんだよと憤慨すると、カカシさんがじとっと見上げてきた。
「じゃあなんで最初あんな諦めた目で俺を見てたの? これから俺にひどいことをされますって顔で、目の前にいる俺を無視して」
カカシさんにひどいことをされますって、非道なことをしたのは俺の方なのに?
……ああ、そうか。
媚薬を盛って無理矢理俺を抱かせて、その後で記憶を消すか遠くへ飛ばしてもらおうと考えていたことを思い出した。その悲愴な思いがきっとそんな顔に見えてしまったんだろうが。
だが俺がさせようとしてたことは、カカシさんから見たら、自分は十分に非道な行いをする奴ということになる。
そんなことをこの人がするはずがないのに。
そんなことをこの人にさせようとしたのは、俺だ。
一夜の情けなどと綺麗事を言って誤魔化しても、カカシさんの気持ちをないがしろにしたことに変わりはない。
「すみませ……」
「謝ってほしい訳じゃない」
自己中心的な謝罪がばっさりと切り捨てられる。
それからきまり悪そうにがりがりと髪をかき回すと、あ~とかううとか唸り始めた。
「ううん、ごめん。俺も同罪。今回はイルカ先生が媚薬を使ってくれたけど、いずれ俺も同じことをしてた。怒ってたのは不甲斐ない自分にもだった。八つ当たりでいろいろ意地悪してごめんなさい」
「…………え?」
いずれ俺も同じことを、……って、カカシさんが俺に媚薬を?
意味が分からなくて、言葉だけが頭の中で空回る。
そんな俺の顔を見てカカシさんが苦笑した。
「気付かなかったよね。俺の気持ちは絶対バレないようにって思ってたし。でも、あの……さっきイルカ先生に使ったの、そっちは俺が用意してた媚薬なの」
カカシさんが床から拾い上げたのは、空になった媚薬の小瓶だった。
だがそれは――
「あれ、俺のと全然違う……?」
透明な小瓶にプラスチックの蓋だった小瓶が、茶色い小瓶のガラスの蓋に変わっていた。
ぱちぱちと瞬きをしてると、カカシさんが「先生のがどんなのか分からなかったから、ちょっと幻術で……」などともぐもぐ呟いている。
「だってまさかおんなじこと考えてたなんて思わないじゃない。それにイルカ先生にあんな強力なの使う訳ないでしょ⁉ 俺が持ってたのは催淫と自白作用がメインの一般向けだから!」
カカシさんが早口にまくし立てるが、肝心のところをまだ聞いていない。
「カカシさん、あの……媚薬、ってもしかして、俺のこと……」
「イルカ先生こそ、なんで媚薬を盛ったのかまだ教えてくれてない」
俺の疑問はきっぱりと遮られ、お互い裸のままベッドで睨み合った。
するとカカシさんがまたがりがりと髪をかき回す。
そういえばかき回す前からボッサボサに逆立ってたなと思い、続いて霞んだ記憶の向こうからカカシさんの髪の感触が両手に甦った。
――あれやったの俺か!
思わず赤面して目を逸らすと、カカシさんがぼそぼそと呟いた。
「あの、ね。イルカ先生が媚薬を使ってくれて、俺は嬉しかったよ。そういう目で俺を見てくれてたって知って舞い上がっちゃった。先生は? イルカ先生は俺と一度限りの関係って思ってるの……?」
弱々しい声に、はっと目を戻す。
だって、そんな、まさか。
こんな展開になるなんて思わないじゃないか。
カカシさんは次期火影になる人で、雲の上の存在になって。
それで……それでも。
「ずっと好き、でした。これからもずっと、……好き、です。カカシさんが何者であろうとも」
伝えられると思ってなかった想いを言葉にすると、その熱に震える。
そうだ。
最初からこれを言えば良かったのに、六代目火影という肩書に腰が引けて勝手に拗らせて。
さっきカカシさんも言ってたじゃないか。
「目の前にいる俺を無視して」って。
カカシさんはカカシさんだ。
「良かった……」
心底ほっとしたように、カカシさんが俺の両手を取る。
例の媚薬の小瓶を脇に転がして。
それを見ると、なんだか力の抜けた笑いが込み上げてきた。
「俺たち、似た者同士だったんですね」
お互い自分の中で想いを完結させて、相手をちゃんと見てなかった。
自分の恋に臆病でもある。
そして何よりも、相手を思うばかりに身を引くことしか考えてなかったのに、それでも恋を捨てきることができなかった。
――こんな媚薬なんかに頼るほどに。
「ほんとだね」
カカシさんも泣き笑いのような顔で答える。
いい年した二人の大人の滑稽な恋の顛末に、弱々しい笑いを互いに漏らす。
全裸で、手を繋いで。
「こんな情けない男ですが、カカシさん。俺と付き合ってもらえませんか」
するとカカシさんがしゃきっと背を伸ばした。
「俺こそ頼りない男だけど、イルカ先生のこと大好きです。ぜひよろしくお願いします」
しばらく見つめ合っていると、どちらともなくまたくすくすと笑いが零れる。
「こんな、裸のままで……ほんとに情けないですよねぇ」
「だよねぇ。だからさ、ずっとそばで見張ってて。俺がしっかりした火影でいられるように」
丸裸の次期火影様が、へにょりと眉尻を下げて笑いかけてくれる。
俺はその頬にちゅっと口づけた。
「もちろんですよ。俺のことも見張ってて下さいね、カカシ様」
「様はやめてよ、様は……」
情けなくて頼りない男たちの、滑稽な恋模様はこうして幕を下ろした。
媚薬に頼らないと本音の一つもさらけ出せない、臆病でカッコ悪い俺たち。
だがこれからは、ちゃんとやっていけるはずだ。誰よりも大切な人が、誰よりもそばにいてくれるのだから。
だって好きな人にこれ以上情けないところは見せられない。
好きな人にはカッコいいって思われたい。だろ?
カカシさんは「イルカ先生はカッコいいよ。俺何度も惚れ直してるもん」って言ってくれるけどな。へへっ。
【完】
もう片方の乳首はカカシさんの口の中だ。
舌で捏ねられ、歯でしごかれ、強く吸われる度に背がしなって変な声が出る。
――こんなのおかしい。
一度も触れてない股間は既に勃ち上がって、だらだらと先走りを溢れさせている。
雰囲気に呑まれて、感じるはずのない所まで感じるようになってしまったのか。それともカカシさんが相手だからなのか。
体の内側から生まれてくる熱がどんどん強くなり、犬のように口で息をしていた。
「……気付いた?」
顔を上げたカカシさんが目を細めた。
ああ、そうか。
これは媚薬の効果だ。
盛ったとしたら、さっきの――。
「そう。口の中に指を突っ込んだ時に、ね」
にんまりとカカシさんが笑う。
その笑みすら蠱惑的に俺を誘う。
「ここ、こんなにしちゃって辛いよね。触ってほしい?」
俺のモノに、カカシさんの指先が羽のようにふわりと触れた。
それだけでもうたまらなくて、俺はこくこくと頷き開いた両足に力を入れて腰を突き出す。
「そうやって最初から素直に欲しがってくれたら、いくらでもしたのに」
そう言うとカカシさんは頭をずらし、いきなり俺のを口に含んだ。
「あ! ……ぁ、ぅんっ」
突然もたらされた強すぎる刺激に、呆気なく達してしまった。
なおも味わうように吸っていたカカシさんが、にこりと微笑んで口の中を見せ付けてきた。
突き出したカカシさんの舌から広げた掌に、俺の精液が重たげに垂れ落ちる。
そのあまりにも淫猥な光景に、腰から背筋を何かがぞくりと駆け上がった。
「望み通り汚してあげる」
カカシさんはその手を俺の陰嚢、会陰、さらに奥の小さな搾まりへと這わせ、精液を塗り広げていく。
そして襞をぬるぬると撫でていたかと思うと、つぷりと指を差し入れた。
「……っ、う」
媚薬のおかげかそこはゆるりと開いて、カカシさんの指は俺の中に難なく呑み込まれた。
だが反射的にきゅっと力が入ったせいで、カカシさんの指の形を体内にはっきりと感じてしまう。
「分かる? これからここに俺のを入れるんだよ」
カカシさんが指をゆっくりと前後に動かしながら、うっとりと囁きかける。
そんな風に聞こえるのは俺の願望だろうか。
くち、くちと湿った音がこんな所から響くのが恥ずかしい。
するとカカシさんがもう片方の手で俺の片手を掴むと、同じ場所に導いた。
「あ、……や、です」
手を引こうとすると、強く掴まれた。
「まだそんなこと言えるんだ。もっと足しても大丈夫かな」
そう呟くと傍らに転がっていた媚薬の小瓶の口を歯で開け、残り全部を俺の手に垂らした。
そして手首を掴み、とろりとした透明な液体にまみれた手を俺の体内へと導く。
「や、だ、こんなの……」
「やじゃないでしょ。ほら、こんなに熱くなって」
初めて触れた身体の内側は、驚くほど熱かった。
俺の指は先に入れられていたカカシさんの指に添えられ、軽く挟まれると一緒にゆっくりと前後に動かされる。
「ぅ、くう……っ、ん」
「そう、いいこ。もっと熱く、やらしくなって」
注ぎ込まれる甘い声に、身体の熱が急速に膨れ上がる。
自分の中に二人合わせて何本の指が入ってるのかは、もう分からなかった。
ぐちゃぐちゃとかき混ぜられ、擦られる感触で頭がおかしくなりそうだった。
はっ、はっと口から荒い息を吐き、ぼんやりと霞む目には涙が滲む。
身体が小刻みに震え、さっき吐精したにも関わらずなおも熱の溜まり続けるモノが今にも爆発しそうで。
「あ……カカシさ、どうにかして、こわ、い」
「どうしてほしいの?」
カカシさんの押し殺した声も震えていた。
「ここ、ここに、カカシさんの、はやく……っ」
二人分の指がずるりと引き抜かれ、腰を掴まれてヘッドボードに寄りかかっていた身体を引きずり下ろされる。
そして膝の裏を持って足を押し上げられ、指の代わりにもっと熱い何かが押し当てられた。
それはすぐに圧倒的な質量と熱で俺の内部を侵略してきて。
「っあ! ぁ、あ、……っ」
「……ル、カ」
呻き声のように名を呼ばれて、俺はまたしても達してしまった。
二人の繋がった部分から、あり得ないような湿った音がする。
あれから折り畳まれ、広げられ、持ち上げられ乗せられて、今はどういう風に絡み合ってるのか正直見当もつかない。
右手はカカシさんの手と繋いでいるみたいだが、左手はたぶん腰に回っている。じゃあ自分の足先がゆらゆら揺れてるのが見えるのはなんでだ? ――あぁ、カカシさんの肩に乗ってるのか。
右足はどこいった? とぼんやり目線をずらすと、きゅっと股間を握られた。
「よそ見しないで」
「おれのみぎあし……どこ、ですか」
するとカカシさんはくくっと笑って繋いでた手をほどいた。
そして俺の右足を見付けてくれると、そっちもぐいと持ち上げて「ほら、ここにあるよ」と膝の内側にちゅっとキスをする。
それから肩に乗せてた方も合わせて俺の両足を抱え、頭の両脇まで持ち上げると体重をかけながら乗りかかってきた。
「……っは、あ、んんっ」
その動きで、そこまで届くと思ってなかった奥の奥まで圧し広げられる。
ほとんど二つ折りになった状態だから余計に苦しくて、だけど深いところまでカカシさんに侵食されているのが嬉しくて。
「も……っと、ひあ!」
深くまで来て、という言葉は最後まで言わせてもらえなかった。
幹の部分をほぼ全部ずりゅっと引き抜かれ、その強烈な摩擦でまたイくかと思った。
思わず非難の目を向けると、のしかかっていたカカシさんが身を起こし、わずかに繋がった部分を見るよう促す。
「ほら見て、ここ。分かる? 俺がせんせから出てこうとすると、行かないでって絡みついてくるの」
『そこ』はまさしくカカシさんに縋り付いていた。
俺が言いたくて言えなかったことを、体が伝えてくれている。
カカシさんがゆっくりと俺の中に熱を沈めていく。
視界から消えていく部分が、体の内側で質量となっていくのを体感する。
「ぁあ、あ、あ、も……っと、来て」
この形を覚えておけるように。
この熱を覚えておけるように。
狂おしいほど欲しかった、与えられている今もなおもっと欲しくてたまらない、カカシさんの体を。
すると膨れ上がった部分が敏感な箇所を抉った。
「んあ! あっ、あ”……ぁ」
辛うじて戻っていた理性らしきものが、また吹っ飛んでしまう。
喰い締めようとする俺の体の動きに逆らって、カカシさんが内側の肉を滅茶苦茶に突き荒らす。
「おく、ぅ……いいっ、あ、こわれ……ぅんんっ」
「うん、気持ちいいね」
もう吐き出すものも尽きたのか、俺のモノは力なく揺れているのに、腰の感覚も無くなりかけているのに。
いったん燃え上がった体の奥底の炎は、一向に消えようとしない。
その貪欲な炎に自ら身を任せていると、カカシさんの囁き声が遠くに聞こえる。
「せんせ、もっと俺を欲しがって、イルカ……お願い」
色の滲む声というには、か細すぎるようだったが。
与えられた快楽がキャパを超えてしまい、俺はまた意識を手放してしまった。
不意に目覚めると、カカシさんが俺を覗きこんでいた。
正確には俺をしっかりと抱き込んでいて、間近で見つめている。
その目の中には狂乱の焔は欠片も無く、俺の望んだ時間が終わったことを無言の内に告げていた。
「あの…………怒ってます、よね」
「怒ってますよ、当たり前でしょ!」
そう言いながらもカカシさんがぎゅうっと抱き付いてくる。
それはもう子供みたいな手加減無しの抱き付き方で、一瞬息が詰まったけどすぐに気付いたのかカカシさんは腕を緩めてくれた。
かといってその腕を離してくれる訳でもなく、今度は頭をぐりぐりと肩に擦り付けてくる。
そして深いため息を一つ、俺の耳元でついた。
「だって先生、最初から一度っきりのつもりだったよね? どうせヤり逃げする気だったんでしょ」
「なっ! ヤり逃げなんてしませんっ」
怒ってるのは媚薬を盛ったことじゃなかったのか。
それにしてもヤり逃げなんて! どれだけ俺が煮詰まったと思ってんだよと憤慨すると、カカシさんがじとっと見上げてきた。
「じゃあなんで最初あんな諦めた目で俺を見てたの? これから俺にひどいことをされますって顔で、目の前にいる俺を無視して」
カカシさんにひどいことをされますって、非道なことをしたのは俺の方なのに?
……ああ、そうか。
媚薬を盛って無理矢理俺を抱かせて、その後で記憶を消すか遠くへ飛ばしてもらおうと考えていたことを思い出した。その悲愴な思いがきっとそんな顔に見えてしまったんだろうが。
だが俺がさせようとしてたことは、カカシさんから見たら、自分は十分に非道な行いをする奴ということになる。
そんなことをこの人がするはずがないのに。
そんなことをこの人にさせようとしたのは、俺だ。
一夜の情けなどと綺麗事を言って誤魔化しても、カカシさんの気持ちをないがしろにしたことに変わりはない。
「すみませ……」
「謝ってほしい訳じゃない」
自己中心的な謝罪がばっさりと切り捨てられる。
それからきまり悪そうにがりがりと髪をかき回すと、あ~とかううとか唸り始めた。
「ううん、ごめん。俺も同罪。今回はイルカ先生が媚薬を使ってくれたけど、いずれ俺も同じことをしてた。怒ってたのは不甲斐ない自分にもだった。八つ当たりでいろいろ意地悪してごめんなさい」
「…………え?」
いずれ俺も同じことを、……って、カカシさんが俺に媚薬を?
意味が分からなくて、言葉だけが頭の中で空回る。
そんな俺の顔を見てカカシさんが苦笑した。
「気付かなかったよね。俺の気持ちは絶対バレないようにって思ってたし。でも、あの……さっきイルカ先生に使ったの、そっちは俺が用意してた媚薬なの」
カカシさんが床から拾い上げたのは、空になった媚薬の小瓶だった。
だがそれは――
「あれ、俺のと全然違う……?」
透明な小瓶にプラスチックの蓋だった小瓶が、茶色い小瓶のガラスの蓋に変わっていた。
ぱちぱちと瞬きをしてると、カカシさんが「先生のがどんなのか分からなかったから、ちょっと幻術で……」などともぐもぐ呟いている。
「だってまさかおんなじこと考えてたなんて思わないじゃない。それにイルカ先生にあんな強力なの使う訳ないでしょ⁉ 俺が持ってたのは催淫と自白作用がメインの一般向けだから!」
カカシさんが早口にまくし立てるが、肝心のところをまだ聞いていない。
「カカシさん、あの……媚薬、ってもしかして、俺のこと……」
「イルカ先生こそ、なんで媚薬を盛ったのかまだ教えてくれてない」
俺の疑問はきっぱりと遮られ、お互い裸のままベッドで睨み合った。
するとカカシさんがまたがりがりと髪をかき回す。
そういえばかき回す前からボッサボサに逆立ってたなと思い、続いて霞んだ記憶の向こうからカカシさんの髪の感触が両手に甦った。
――あれやったの俺か!
思わず赤面して目を逸らすと、カカシさんがぼそぼそと呟いた。
「あの、ね。イルカ先生が媚薬を使ってくれて、俺は嬉しかったよ。そういう目で俺を見てくれてたって知って舞い上がっちゃった。先生は? イルカ先生は俺と一度限りの関係って思ってるの……?」
弱々しい声に、はっと目を戻す。
だって、そんな、まさか。
こんな展開になるなんて思わないじゃないか。
カカシさんは次期火影になる人で、雲の上の存在になって。
それで……それでも。
「ずっと好き、でした。これからもずっと、……好き、です。カカシさんが何者であろうとも」
伝えられると思ってなかった想いを言葉にすると、その熱に震える。
そうだ。
最初からこれを言えば良かったのに、六代目火影という肩書に腰が引けて勝手に拗らせて。
さっきカカシさんも言ってたじゃないか。
「目の前にいる俺を無視して」って。
カカシさんはカカシさんだ。
「良かった……」
心底ほっとしたように、カカシさんが俺の両手を取る。
例の媚薬の小瓶を脇に転がして。
それを見ると、なんだか力の抜けた笑いが込み上げてきた。
「俺たち、似た者同士だったんですね」
お互い自分の中で想いを完結させて、相手をちゃんと見てなかった。
自分の恋に臆病でもある。
そして何よりも、相手を思うばかりに身を引くことしか考えてなかったのに、それでも恋を捨てきることができなかった。
――こんな媚薬なんかに頼るほどに。
「ほんとだね」
カカシさんも泣き笑いのような顔で答える。
いい年した二人の大人の滑稽な恋の顛末に、弱々しい笑いを互いに漏らす。
全裸で、手を繋いで。
「こんな情けない男ですが、カカシさん。俺と付き合ってもらえませんか」
するとカカシさんがしゃきっと背を伸ばした。
「俺こそ頼りない男だけど、イルカ先生のこと大好きです。ぜひよろしくお願いします」
しばらく見つめ合っていると、どちらともなくまたくすくすと笑いが零れる。
「こんな、裸のままで……ほんとに情けないですよねぇ」
「だよねぇ。だからさ、ずっとそばで見張ってて。俺がしっかりした火影でいられるように」
丸裸の次期火影様が、へにょりと眉尻を下げて笑いかけてくれる。
俺はその頬にちゅっと口づけた。
「もちろんですよ。俺のことも見張ってて下さいね、カカシ様」
「様はやめてよ、様は……」
情けなくて頼りない男たちの、滑稽な恋模様はこうして幕を下ろした。
媚薬に頼らないと本音の一つもさらけ出せない、臆病でカッコ悪い俺たち。
だがこれからは、ちゃんとやっていけるはずだ。誰よりも大切な人が、誰よりもそばにいてくれるのだから。
だって好きな人にこれ以上情けないところは見せられない。
好きな人にはカッコいいって思われたい。だろ?
カカシさんは「イルカ先生はカッコいいよ。俺何度も惚れ直してるもん」って言ってくれるけどな。へへっ。
【完】
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