【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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ざわざわと。
じりじりと。


身の内が燻っているようで、なんだか今夜は気持ちが落ち着かない。
もしかして、とイルカは風呂の窓を開けた。北西に向いた窓から月は確認できないが、雲一つない空は忍の眼には十分すぎるほど明るい。遠くの梢が月光を浴びて、冴え冴えと佇んでいる。

――やっぱり……満月か。

イルカは窓を閉め、再び湯船に身を沈めた。
頭に乗せた手拭いを取って、湯の中でぎゅっと握る。すると僅かに含まれていた空気が、細かな気泡となってぷつぷつと浮かび上がってきた。
……まるで今の俺みたいだ。
血管を流れる血だけではなく、体内の水分全てが静かに沸騰しているような。
それが何かを切っ掛けに、突沸を起こして沸き溢れてしまいそうな、そんな危うい感覚。

今まであまり意識したことは無かったが、こんなにもうみのの血が満月の影響を受けるとは思ってもみなかった。
恋人ができて、この身体が快楽を覚えるまでは。

(……イルカ)

自分を呼ぶ甘いカカシの声が、触れる指の感触が急に甦り、体内を焦がすヂリ、という感覚が強くなる。

イルカは両手で湯を掬うと、顔にバシャリと掛けた。
そして今頃任務に従事しているカカシのことを想う。
闇に紛れる自分たちの稼業には、満月は決して歓迎できるものではない。

(どうか、無事に帰ってきますように)

その想いだけは、イルカの体内を焦がす熱よりも更に熱く、強かった。



風呂から上がってバスタオルで身体を拭き、洗濯機の上に置いた着替えを取ろうとして、ふとその手を止める。
脱衣所の外からの空気の流れが変わったことに、イルカは気づいた。
そして寝室の方から漂う、隠す気のない明らかな人のいる気配。
――カカシさんが帰ってきた!
イルカは急いで服を着て出迎えようとしたが、思い直して手にした下着をまた洗濯機の上に戻す。そしてバスタオルを腰に巻き付けると、ドライヤーのスイッチを入れて髪を乾かし始めた。

先ほどから続いていたざわつきは、カカシの帰還を知ったとたん、抑えようがないほどに膨れ上がってしまった。
既に腰には熱が集まり、バスタオルの上からでもそれと分かるくらいに形を変えている。
任務から帰ったばかりの人に、こんな浅ましい姿を見せたくない。
その一心でイルカは時間稼ぎのために、普段は面倒がって使わないドライヤーを使うことにしたのだ。
鏡の前で濡れた髪を乱暴にかき上げながら温風を当てる。
束になった髪の間から、欲を沈ませた黒い眼がこちらを見返していた。
仕方ないとはいえ、厄介な体質に生まれついたものだ。

苗字からも連想されるように、うみの一族は水遁に長けている。
だが本当は水遁自体の扱いに優れているのではなく、水に馴染みやすい体質と言った方が正しい。血継限界というほどでもない、体質的なもの。
水に馴染みやすいということは、影響も受けやすいということだ。
人間の体の約七割は水分が占めている。そのため人の体は月の引力に影響されることが多い。
ただでさえ満月の日は出産や犯罪が起きる確率が高いというのに、うみの一族の者は昔から特に色々な反応が出ていたらしい。両親はハッキリとは教えてくれなかったが。
水遁の能力が高い者ほど悩まされたようだが、イルカは今までそんなに困ったことはなかった。せいぜい落ち着きがなくなったりする程度だったのに、まさか……

まさか、性欲が高まる反応が出るなんて。

今なら両親が言葉を濁した理由も分かる。まだ子供だったイルカにそれは伝えられないだろう。
カカシと付き合い、身体を繋げてから表れたこの反応……。
自分が女性のように受け入れる側だからだろうか。満月の頃になると無性に身体が疼くようになり、カカシが欲しくてたまらなくなる。ぼんやりと酩酊状態にあるような、それでいてカカシを渇望する欲だけが、常に奥底に居座っているような。
今まで数回そんな状態になったが、いずれも運良くカカシと会う機会はなかった。
里のために身体を張って危険な任務をこなしてきた相手に、身体だけを求めるような下劣な真似をしたくない。そんなことをしたら、きっと軽蔑されるだろう。
イルカの反応はそれほど顕著なものではなかったので、今夜さえ乗りきれば隠し通せる。そう言い聞かせながら、イルカは鏡の中の自分と睨み合った。

ワンクッションおいたおかげで、沸き上がった衝動的な熱を鎮められたようだ。
これなら風呂に戻って抜かなくても大丈夫だろうと、イルカはドライヤーのスイッチを切ってほとんど乾いた髪に適当に手櫛を通し、もう一度鏡を覗きこんだ。
いつもと変わらない顔だろうか。自分ではよく分からない。
すると寝室の方から、衣擦れの後にトサリという音が聞こえた。
恐らくカカシが装備を外した音だろう。
そのとたん、カカシの美しい裸体を思い浮かべてしまった。
鍛え上げられた裸体が、暗がりに白く浮かび上がる様を。その身体が覆い被さり、ぴたりと肌を合わせて動く様を。そして耳元で吐息混じりに――
イルカは唇を噛み締めてぎゅっと目を瞑り、両手で洗面台の端を握り締めた。
その腕が小刻みに震え、……ふっと力が抜ける。

再びゆっくりと開けた時には、その目はどこか焦点の合わないような、夢見るようなものへと変わっていた。
そのまま導かれるように、イルカはふらりと廊下に漂い出た。




五代目に直接報告した後、カカシは家路を急いでいた。
暗部の任務は大戦後の今でも請け負っていた。左目は本来の自分の物に戻っていたが、写輪眼を失ってもまだ『はたけカカシ』の需要はあるらしい。

(予定より早く帰れたから、イルカ先生も起きているだろうか)

平和でも里が落ち着かない中、色々な葛藤を経てようやく恋人になってくれたイルカ。
その顔を早く見たい一心で早足になるが、身に付いた習性か、自然と物陰を選んで移動してしまう。
今夜は満月だ。
イルカのアパートの窓に、乳白色の丸い月が映り込んでいる。その月を目指して、カカシは跳躍した。

ベランダの手摺に音もなく着地すると、鍵の掛かってない窓をカラリと開ける。
イルカはいつも窓の鍵を掛けなかった。必要がないからと言うけれど、任務帰りに気が急いて窓から侵入してしまう恋人のためだとカカシは分かっていた。
窓枠の所で下足を脱ぎ、ベッドを避けて暗い部屋の中に降り立つ。
気配を探るまでもなく、風呂場の方からドライヤーの音が聞こえてきた。
――イルカ先生、風呂上がりなんだ……。
髪を下ろしていつもより少し幼くなる顔立ちを思い浮かべると、自然に頬が緩む。そのまま湯上がりのしっとりした肌触りまでも思い出してしまい、慌ててそれを打ち消した。
まずはただいまと言おう。それから風呂に入って汚れを落として、そして……
カカシは部屋の電気を点けた。
畳の上に乱雑に折り畳まれた新聞紙を見つけ、とりあえず下足をそこに置く。背の忍刀を外し、鉤爪の付いた手袋も外し、身体のあちこちの仕込みを外して面を机の上に置き、ようやく一息ついた。
そこでドライヤーの音が止まっていることに気づいたカカシが顔を上げると、そこには。

腰にバスタオルを巻いただけのイルカが立っていた。

「ただいま、イルカ先生……?」

カカシは目の前に立つイルカの気配を感じ取れなかったことに、まず驚く。
そしてイルカの纏う雰囲気が。
部屋の空気がおかしい。
温度と湿度が急に上がったような、ねっとりとした重さがある。

「……かかし、さん」

幻術か、何かの暗示にかかっているのか。
解の印を切るも、イルカに特に変化はない。とっさに左目にチャクラを集めるが、写輪眼がないことが悔やまれる。
だがそれが無くとも、イルカのチャクラを間違えるはずがない。ずっと、ずっと恋焦がれていた人なのだから。

「ねぇ……カカシさん」

イルカが呼びかける。
その声はまるで、蜂蜜を含んだように濃厚な甘さが溶け込んでいて。

「けがは、ないですか?」

いつもの快活さが全くない、どこか舌っ足らずな声で尋ねると、左手がカカシの方に伸ばされた。
そして口布をするりと下げる。
イルカの指先が、カカシの唇をゆっくりとなぞった。
カカシは瞬きもせず、魅入られたようにイルカを見つめたままだ。
つい、とイルカの右手が白いベストの胸元に置かれる。
手が軽く触れただけなのに、カカシは気圧されるようにジリと後ずさった。

「さわっても、いい?」

どこを、と問うまでもなく、イルカの右手がするすると下へ下りていく。
その軌跡に合わせて、カカシの肌がざわざわと粟立った。
――こんなイルカ先生は見たことがない。
自分から俺に、積極的に触れようとするなんて……
いつもはカカシが手を伸ばして抱き込むと身体を強張らせて、睦言を囁いたりキスを落とすだけで耳まで真っ赤になっているのに。
イルカの手の行方を追いたいのだが、まるで両の眼と繋がれているかのように視線が逸らせない。
その手は下腹部でぴたりと止まり、いつの間に兆していた中心をぞろりと撫でた。とたんに腿から腰に細かい震えが走り、膝の力が抜けて崩れるように尻餅をついてしまう。
するとイルカも膝を突き、カカシの投げ出した脚の上に乗り上げてきた。
――これは、なんだ。……イルカ先生はどうしたというのか。
ここにきて、ようやくカカシの頭が回り始めた。
イルカは明らかに誘っている。
とろりと蕩けた黒い瞳と、薄紅に染まった眦がその証だ。
だがイルカは閨ではいつも受け身で、快楽に溺れて我を忘れるまでは、慎しみを無くさなかったのに。
ましてや煌々と灯りの点いた部屋でなんて、「色気のない男の身体だから」と絶対にさせてくれなかったのに。
これは自分の願望が見せる幻なのかという疑念がよぎったが、沸き上がる欲望にそれはすぐに消え去った。

「イルカせ……」
「しいぃっ。カカシさん、だまって」

唇に押し当てられた人差し指が、カカシの言葉を封じる。
その指がカカシの歯の尖りを撫で、更に奥へと潜り込み舌に触れると、爪を立てるように表面をざりりと引っ掻いた。

「いぅか……」

たまらず指を含んだまま名を呼ぶと、イルカはいけない事をした子供を咎めるような笑みを浮かべ、唇を合わせて指ごと舌を絡めてきた。
湿った音と共に、どちらの物とも分からない唾液がイルカの指を伝い落ちる。カカシは胸で息をしながら、必死にイルカを味わった。
不意に下半身の窮屈さが無くなったと思うと、いつの間にかイルカがカカシの下衣の前を寛げていた。カカシが目線だけで下を見ると、イルカのバスタオルに覆われた中心が盛り上がっている。そのバスタオルを掴んではぎ取ると、勃ち上がった男根がふるりと揺れて現れた。

「オレの、さわって?」

ふっくらとした唇から零れた甘い囁きで、イルカが強請る。
そしてカカシのモノに擦り付けるように、自分の腰を寄せてきた。
カカシの右手が震えながら二つのモノを纏めて握る。
イルカが軽く腰を前後に動かして、それだけの刺激でカカシは達しそうになったが、必死に堪えた。自分のモノは掌で触れるだけにして、イルカの熱く滾った塊に指を巻きつけ上下に擦る。
既にどちらからも淫液が溢れ出していて、だらだらと伝う滑りに任せてカカシは手を動かした。
すると肩に回したイルカの手が、カカシをぎゅうと掴んだ。またしてもイルカの視線の呪縛から逃れられず、間近で黒い瞳に捕らえられる。
それは漆黒の情欲を滲ませた、とても淫靡な瞳で。
――あぁ、もう……
たまらずカカシは荒い息の合間に、イルカに許しを乞うた。




襲い受け①




「一緒に……っ」

囁かれた言葉が、絡ませた舌を通して脳に届く。
それは合図だったのか、暗示だったのか。
カカシの身体をおこりのような震えが駆け上がり、必死に塞き止めていた欲望が放たれた。
それは驚くほど長く、断続的に続いて。




襲い受け②




イルカの名を呼びながら、続く絶頂感に身を委ねる。
するとカカシの肩に回したイルカの手が更に強く、引き寄せるように強く強く掴まれて。

「ン……ふ、ぅう……っ」

イルカの歯がカチリと鳴り、腰を震わせてカカシの後を追う。




襲い受け③





吐息と共に言葉を連ねたイルカが、カカシの肩にくたりと頭をもたせかけた。
しばらくするとイルカが顔を上げ、二人で荒い息を重ね合わせる。
お互いを啄み、唇を食んで少し落ち着いたところで、カカシが甘く問いかけた。

「イルカ先生、どうしたの? すっごく可愛いけど……寂しかったの?」

イルカが小首を傾げる。

「まんげつが……さそうんです。オレを、うみのの血を……」
「満月? うみのの血を誘うって……」

するとイルカが俯き、間近でカカシを見上げてきた。

「こんな……やらしいオレは、いや?」

つい先ほどまで情欲に塗り潰されていた黒い瞳が、初めて揺らぐ。
嫌なはずなどある訳がない。
最初は戸惑ったが、積極的なイルカならどんな変化でも大歓迎だ。うみのの血の秘密など、今はどうでもいい。
イルカの言葉はカカシのなけなしの理性を吹き飛ばした。

「ううん、イルカせんせなら、どんなでもいいよ。羞じらうせんせも、欲しがるせんせも、全部ぜんぶ……俺のものだ」


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