【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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見知らぬ輩に急所を預けるような真似は、普段は決してしないのだが。
黒ずくめの姿に面から覗く妖しい笑みで、幼児語で俺のモノだけを欲しがるゲッカに俺は完全に呑まれていた。
だがその百戦錬磨の伽役といった雰囲気とは裏腹に、口淫の技術は恐ろしく拙い。
バナナでも頬張るように豪快に咥えたかと思うと、ぺろぺろと舐め回す。そして未だ完全に芯を持たないモノを、不思議そうに眺めてはまた頬張ってを繰り返す姿が、まるで子供のようだった。
伽役など興味ないと言い放ったさっきの俺はどこに行ったのか、緩く立ち上がった分身をゲッカに好きにさせて。俺は頭の動きに合わせて揺れる結い髪に目を奪われていた。
――ふと、イルカもこんな風に髪を揺らしていたな、と思い出す。
とたんに力を持ち始めた現金な分身に、俺は苦笑した。
「ねぇ、俺にも触らせて」
俺の声に顔を上げたゲッカの唇が、唾液でてらりと光った。
するりと伸び上がってきた両手に胸を押され、上半身が寝台に倒れる。そこにゲッカが、濡れた唇を手の甲でぐいと拭いてから乗り上げてきた。
そして腰に跨がると、俺の天に切っ先を向けるモノを掴んで自分の尻に宛がい、唐突に腰を沈めた。
「ちょっと! そんな急に大丈夫なの?!」
俺が慌てて手を伸ばすと、その手を繋がれた。
絡めた指に、ぎゅっと力が籠められる。
「んっ……貴方、は、そのままで……っ、んぁ」
荒げた息の合間にそう言いながら、ゲッカはじりじりと腰を落としていく。
そういえば彼は伽役だった。
速やかに事に移れるよう、当然予め身体を慣らしてきているのだろう。思わず気遣うようなことを言ってしまったが、俺はいったい誰と混同してるのか。
ゲッカの黒髪に、思ったよりも惑わされてるのかもしれない。
「ん、ふぅ……さあ、たっぷり楽しみましょう」
根元まで呑み込んで俺の腿にぺたりと尻を付けたゲッカが、挑戦的な笑みを浮かべる。
はだけた着物の裾から覗く膝から腿に手を滑らせることで、俺はそれに応えた。
そうはいっても、ゲッカは腰使いもやはり拙かった。
だが唇を噛みしめて腰を動かし、懸命に快楽を与えようとする健気な姿は、思わず何か手を貸してあげたくなってしまう。皆こういうギャップにやられて人気なのかと苦笑しながら、これがゲッカの伽の術ならたいしたものだと内心で唸る。
俺は身体を起こして一旦腰を引くと、「今度は俺にもさせてよ」と問答無用でゲッカの身体を引っくり返した。
四つん這いにさせたゲッカの着物の裾を腰まで捲り上げ、自身を数回扱いてから強請るようにひくついている後孔に押し込む。
「あ、あ、あ……っ」
腰を進めるのに合わせてゲッカの声が上がる。
そして奥まで辿り着くと「ぅんんんッ」という呻き声と共に、中が震えて大きくうねり始めた。
――やっぱり。
ゲッカは本来は積極的に動いて快楽を得るタイプではないんだろう。恐らくだが、与えられた愛撫を原動力に快楽を増幅させ、高みに登り詰めていくセックスの方が合っているはずだ。
反応を見ながら探るようにゆっくりと優しく動かすと、さっきまでの健気な作業感は消え、自分の快楽を追うように集中し始めた。
ゲッカの背が猫のようにしなり、徐々に腰が上がってくる。
突き出された丸くて滑らかな尻を揉みながらリズミカルに腰を打ち付けると、ゲッカの声の音域が跳ね上がってきた。
「あ、ひ……あっ、ぁあ、いい、よぉ……っ」
内側の肉もざわりざわりと蠢き、包み込み、絞り上げてくる。
俺も興が乗って何度も何度も擦り上げ、抉り、夢中になってゲッカを貪った。
視界に映る黒い結い髪がばさばさと跳ね回る。
花のように咲き誇る黒髪。
枝垂れて、揺れて。
まるであの時のように。
「な、に……? おっき、く、……ぅあ?」
完全に膨れ上がったであろう切っ先が、ゲッカの中を激しく往復する。
惜しみなく嬌声を上げて応えるゲッカに、思わず俺の声も引きずり出された。
「っく、……イ、ルカ……っ」
あれだけ乱れていたゲッカの動きが、ぴたりと止まった。
夢中になっていた俺は、一瞬遅れて自分が何を口走ったかようやく気付いた。
伽とはいえ、最中に他人の名を呼ぶのは失礼極まりない。慌てて謝ろうと口を開きかけると、ゲッカがゆっくりと振り返った。
「なんで俺の名を……」
――俺の名。
――俺の。ゲッカの。
ゲッカの本名が……イルカ?
腰を掴んでいた手が、無意識にゲッカの後頭部に伸びる。
面の紅い紐の結び目を解くと狐面が落ちた。
と同時に、目の裏に鋭い光が走る。
「うわわダメっ、黒の! 黒の月下美人っ!」
切羽詰まった声はイルカのものか。
必死な形相の中心には、真一文字に横切る傷痕がくっきりと付いていた。
その映像を最後に、俺の意識はぶつりと途切れた。
「アンタがイルカだったんだ……」
俺の呟きにゲッカ……イルカが頷く。
寝台に仰向けになって意識を取り戻した俺を、面を外したままのイルカは心配そうに覗きこんでいた。お互いの身繕いがしてあるところをみると、そこそこの時間は気を失っていたらしい。
「記憶は大丈夫ですか? 解術の号は間に合ったと思うんですけど」
「うん、大丈夫みたい。ありがとね」
『黒の月下美人』は記憶消去の術を解術する言葉だったのか。
あの時俺がイルカに囁いた花の名前。
媚薬で朦朧とした頭には、てっきり届いてないと思っていたが……
「ところで、なんでゲッカなんて名前にしたの?」
「……昔、俺のことをそう呼んでくれた人がいたからです。……あのっ」
あぁ、覚えてくれてたんだなと感慨に耽っていると、ゲッカがいきなり俺の手を取って、ぎゅっと握りしめた。
「はたけ上忍ですよね?! 三年前の任務で俺を激しく抱いてくれて、それで俺の髪が後ろから見下ろすと月下美人みたいだって! そう言ってくれた人ですよね?!」
ひたりと見つめてくる必死なイルカに、思わず俺は頷いていた。
「あぁ、やっぱり! ずっと、俺ずっと探してて!」
会いたかった……
ゲッカが握りしめた俺の手ごと頬に当てて、ため息のように吐き出した。
――そんなに想っていてくれたのか。
媚薬を盛られた状態につけこみ、適切な処置もせず欲望のままに抱いた、身勝手な俺のことを。
そんな健気なイルカの胸の内を思うと、手からじんわりと熱が伝わってくるようだった。
だが。
「なんで伽役なんか……」
他にも色々聞きたいことはあったが、何よりもそれを問い詰めたかった。
するとイルカは切なげに眉尻を下げると俯いて、ぼそぼそと話してくれた。
「任務前に聞いたのは、怪我でリハビリ中の戦忍ってことだけだったんです。後から三代目にいくら聞いても、ヤツは遠い戦場に戻ったの一点張りで。俺が知ってるのは、あの人のセックスだけだったから……」
だから伽役に就いていたのか。
相手が高く結い上げた黒い髪とゲッカの名に反応するかもしれないと、自分でももしかしたら抱かれれば分かるのではという、あまりにも淡い希望を胸に。
三年間。
上官にヤり捨てられたと思われてもやむを得ない状況で、三年間も探し続けてくれたのだ。
本当の姿も声も、名前すら分からない者を、ずっと。
三代目の下した沙汰はもう時効だろう。
それでも俺たちの恋路を邪魔をするようなら、正々堂々と闘ってイルカを勝ち取ってやる。
「イルカ……俺も。俺もずっと、イルカのことが忘れられなかったよ。お願い、もう俺を見付けたんだから、カカシって呼んで? あの時イルカも名前を呼んでって言ってたでしょ? 俺も名前で呼んでほしいんだ」
「はい……カカシ、さん」
俺は身体を起こして、イルカを引き寄せると強く抱きしめた。
イルカの手がおずおずと背に回される。
「ふふっ、俺たち両想いだったんだぁね。だいぶ遠回りしちゃったけど。……イルカ、俺と付き合ってくれる?」
「え、なんでですか?」
「………え?」
やっと想い人を見つけて感動に咽び泣いてくれると思った人は、きょとんとした顔を向けた。
俺が何を言ってるのか、心底分からないという表情で。
「だって俺が探してたのはカカシさんじゃなくて、カカシさんのちんこですよ?」
「え……俺のこと探してたんじゃないの?! 俺のことが好きだから、ねぇ、そうなんでしょ?」
するとイルカは斜め上の宙を見て、可愛らしくう~んと唸った。
それから俺に目を戻し、この上なく晴れやかな笑顔で答えた。
「カカシさん本人はそーでもないですが、カカシさんのちんこは国宝級です!!」
………………え?
えぇぇぇええええぇえええ?!!?!!
「あ、カカシさんのこともけっこう好きですよ?」
イルカ……
そのフォローはいらなかったかな……
何はともあれ、イルカと俺は付き合うことになった。
というか、伽役を辞めて付き合ってくれるよう拝み倒した。
よく考えたら、俺だってイルカの身体に惚れ込んだようなものだから、人のことをどうこう言えない気がする。だがあれだけ身体の相性が抜群で、あれだけ長い間お互いに忘れられなかったのだから、きっとこれは運命の出会いってやつなんだろう。いや、そう思いたい。
今は失われた三年間を取り戻すかのように、毎日たっぷり抱き合っている。
イルカが「カカシさんのちんこは最高ですね!」と無邪気に笑ってくれるから、もうそれでもいい気がしてきたが。
俺が一輪の花に夢中になり、思わず手折ってしまうほどまでに執着したこの気持ちが、いつかイルカに伝わるといいなとは思う。
月下美人は一夜限りという俗説があるが、本当は環境さえ整っていれば何度も咲くことは可能なのだ。
だから俺は毎日たっぷり抱き合って、たっぷりと愛の言葉を注ぎ込み続ける。
黒い月下美人が、いつまでも俺の元で咲き誇るように。
俺の愛情を身体の隅々まで行き渡らせながら。
【完】
黒ずくめの姿に面から覗く妖しい笑みで、幼児語で俺のモノだけを欲しがるゲッカに俺は完全に呑まれていた。
だがその百戦錬磨の伽役といった雰囲気とは裏腹に、口淫の技術は恐ろしく拙い。
バナナでも頬張るように豪快に咥えたかと思うと、ぺろぺろと舐め回す。そして未だ完全に芯を持たないモノを、不思議そうに眺めてはまた頬張ってを繰り返す姿が、まるで子供のようだった。
伽役など興味ないと言い放ったさっきの俺はどこに行ったのか、緩く立ち上がった分身をゲッカに好きにさせて。俺は頭の動きに合わせて揺れる結い髪に目を奪われていた。
――ふと、イルカもこんな風に髪を揺らしていたな、と思い出す。
とたんに力を持ち始めた現金な分身に、俺は苦笑した。
「ねぇ、俺にも触らせて」
俺の声に顔を上げたゲッカの唇が、唾液でてらりと光った。
するりと伸び上がってきた両手に胸を押され、上半身が寝台に倒れる。そこにゲッカが、濡れた唇を手の甲でぐいと拭いてから乗り上げてきた。
そして腰に跨がると、俺の天に切っ先を向けるモノを掴んで自分の尻に宛がい、唐突に腰を沈めた。
「ちょっと! そんな急に大丈夫なの?!」
俺が慌てて手を伸ばすと、その手を繋がれた。
絡めた指に、ぎゅっと力が籠められる。
「んっ……貴方、は、そのままで……っ、んぁ」
荒げた息の合間にそう言いながら、ゲッカはじりじりと腰を落としていく。
そういえば彼は伽役だった。
速やかに事に移れるよう、当然予め身体を慣らしてきているのだろう。思わず気遣うようなことを言ってしまったが、俺はいったい誰と混同してるのか。
ゲッカの黒髪に、思ったよりも惑わされてるのかもしれない。
「ん、ふぅ……さあ、たっぷり楽しみましょう」
根元まで呑み込んで俺の腿にぺたりと尻を付けたゲッカが、挑戦的な笑みを浮かべる。
はだけた着物の裾から覗く膝から腿に手を滑らせることで、俺はそれに応えた。
そうはいっても、ゲッカは腰使いもやはり拙かった。
だが唇を噛みしめて腰を動かし、懸命に快楽を与えようとする健気な姿は、思わず何か手を貸してあげたくなってしまう。皆こういうギャップにやられて人気なのかと苦笑しながら、これがゲッカの伽の術ならたいしたものだと内心で唸る。
俺は身体を起こして一旦腰を引くと、「今度は俺にもさせてよ」と問答無用でゲッカの身体を引っくり返した。
四つん這いにさせたゲッカの着物の裾を腰まで捲り上げ、自身を数回扱いてから強請るようにひくついている後孔に押し込む。
「あ、あ、あ……っ」
腰を進めるのに合わせてゲッカの声が上がる。
そして奥まで辿り着くと「ぅんんんッ」という呻き声と共に、中が震えて大きくうねり始めた。
――やっぱり。
ゲッカは本来は積極的に動いて快楽を得るタイプではないんだろう。恐らくだが、与えられた愛撫を原動力に快楽を増幅させ、高みに登り詰めていくセックスの方が合っているはずだ。
反応を見ながら探るようにゆっくりと優しく動かすと、さっきまでの健気な作業感は消え、自分の快楽を追うように集中し始めた。
ゲッカの背が猫のようにしなり、徐々に腰が上がってくる。
突き出された丸くて滑らかな尻を揉みながらリズミカルに腰を打ち付けると、ゲッカの声の音域が跳ね上がってきた。
「あ、ひ……あっ、ぁあ、いい、よぉ……っ」
内側の肉もざわりざわりと蠢き、包み込み、絞り上げてくる。
俺も興が乗って何度も何度も擦り上げ、抉り、夢中になってゲッカを貪った。
視界に映る黒い結い髪がばさばさと跳ね回る。
花のように咲き誇る黒髪。
枝垂れて、揺れて。
まるであの時のように。
「な、に……? おっき、く、……ぅあ?」
完全に膨れ上がったであろう切っ先が、ゲッカの中を激しく往復する。
惜しみなく嬌声を上げて応えるゲッカに、思わず俺の声も引きずり出された。
「っく、……イ、ルカ……っ」
あれだけ乱れていたゲッカの動きが、ぴたりと止まった。
夢中になっていた俺は、一瞬遅れて自分が何を口走ったかようやく気付いた。
伽とはいえ、最中に他人の名を呼ぶのは失礼極まりない。慌てて謝ろうと口を開きかけると、ゲッカがゆっくりと振り返った。
「なんで俺の名を……」
――俺の名。
――俺の。ゲッカの。
ゲッカの本名が……イルカ?
腰を掴んでいた手が、無意識にゲッカの後頭部に伸びる。
面の紅い紐の結び目を解くと狐面が落ちた。
と同時に、目の裏に鋭い光が走る。
「うわわダメっ、黒の! 黒の月下美人っ!」
切羽詰まった声はイルカのものか。
必死な形相の中心には、真一文字に横切る傷痕がくっきりと付いていた。
その映像を最後に、俺の意識はぶつりと途切れた。
「アンタがイルカだったんだ……」
俺の呟きにゲッカ……イルカが頷く。
寝台に仰向けになって意識を取り戻した俺を、面を外したままのイルカは心配そうに覗きこんでいた。お互いの身繕いがしてあるところをみると、そこそこの時間は気を失っていたらしい。
「記憶は大丈夫ですか? 解術の号は間に合ったと思うんですけど」
「うん、大丈夫みたい。ありがとね」
『黒の月下美人』は記憶消去の術を解術する言葉だったのか。
あの時俺がイルカに囁いた花の名前。
媚薬で朦朧とした頭には、てっきり届いてないと思っていたが……
「ところで、なんでゲッカなんて名前にしたの?」
「……昔、俺のことをそう呼んでくれた人がいたからです。……あのっ」
あぁ、覚えてくれてたんだなと感慨に耽っていると、ゲッカがいきなり俺の手を取って、ぎゅっと握りしめた。
「はたけ上忍ですよね?! 三年前の任務で俺を激しく抱いてくれて、それで俺の髪が後ろから見下ろすと月下美人みたいだって! そう言ってくれた人ですよね?!」
ひたりと見つめてくる必死なイルカに、思わず俺は頷いていた。
「あぁ、やっぱり! ずっと、俺ずっと探してて!」
会いたかった……
ゲッカが握りしめた俺の手ごと頬に当てて、ため息のように吐き出した。
――そんなに想っていてくれたのか。
媚薬を盛られた状態につけこみ、適切な処置もせず欲望のままに抱いた、身勝手な俺のことを。
そんな健気なイルカの胸の内を思うと、手からじんわりと熱が伝わってくるようだった。
だが。
「なんで伽役なんか……」
他にも色々聞きたいことはあったが、何よりもそれを問い詰めたかった。
するとイルカは切なげに眉尻を下げると俯いて、ぼそぼそと話してくれた。
「任務前に聞いたのは、怪我でリハビリ中の戦忍ってことだけだったんです。後から三代目にいくら聞いても、ヤツは遠い戦場に戻ったの一点張りで。俺が知ってるのは、あの人のセックスだけだったから……」
だから伽役に就いていたのか。
相手が高く結い上げた黒い髪とゲッカの名に反応するかもしれないと、自分でももしかしたら抱かれれば分かるのではという、あまりにも淡い希望を胸に。
三年間。
上官にヤり捨てられたと思われてもやむを得ない状況で、三年間も探し続けてくれたのだ。
本当の姿も声も、名前すら分からない者を、ずっと。
三代目の下した沙汰はもう時効だろう。
それでも俺たちの恋路を邪魔をするようなら、正々堂々と闘ってイルカを勝ち取ってやる。
「イルカ……俺も。俺もずっと、イルカのことが忘れられなかったよ。お願い、もう俺を見付けたんだから、カカシって呼んで? あの時イルカも名前を呼んでって言ってたでしょ? 俺も名前で呼んでほしいんだ」
「はい……カカシ、さん」
俺は身体を起こして、イルカを引き寄せると強く抱きしめた。
イルカの手がおずおずと背に回される。
「ふふっ、俺たち両想いだったんだぁね。だいぶ遠回りしちゃったけど。……イルカ、俺と付き合ってくれる?」
「え、なんでですか?」
「………え?」
やっと想い人を見つけて感動に咽び泣いてくれると思った人は、きょとんとした顔を向けた。
俺が何を言ってるのか、心底分からないという表情で。
「だって俺が探してたのはカカシさんじゃなくて、カカシさんのちんこですよ?」
「え……俺のこと探してたんじゃないの?! 俺のことが好きだから、ねぇ、そうなんでしょ?」
するとイルカは斜め上の宙を見て、可愛らしくう~んと唸った。
それから俺に目を戻し、この上なく晴れやかな笑顔で答えた。
「カカシさん本人はそーでもないですが、カカシさんのちんこは国宝級です!!」
………………え?
えぇぇぇええええぇえええ?!!?!!
「あ、カカシさんのこともけっこう好きですよ?」
イルカ……
そのフォローはいらなかったかな……
何はともあれ、イルカと俺は付き合うことになった。
というか、伽役を辞めて付き合ってくれるよう拝み倒した。
よく考えたら、俺だってイルカの身体に惚れ込んだようなものだから、人のことをどうこう言えない気がする。だがあれだけ身体の相性が抜群で、あれだけ長い間お互いに忘れられなかったのだから、きっとこれは運命の出会いってやつなんだろう。いや、そう思いたい。
今は失われた三年間を取り戻すかのように、毎日たっぷり抱き合っている。
イルカが「カカシさんのちんこは最高ですね!」と無邪気に笑ってくれるから、もうそれでもいい気がしてきたが。
俺が一輪の花に夢中になり、思わず手折ってしまうほどまでに執着したこの気持ちが、いつかイルカに伝わるといいなとは思う。
月下美人は一夜限りという俗説があるが、本当は環境さえ整っていれば何度も咲くことは可能なのだ。
だから俺は毎日たっぷり抱き合って、たっぷりと愛の言葉を注ぎ込み続ける。
黒い月下美人が、いつまでも俺の元で咲き誇るように。
俺の愛情を身体の隅々まで行き渡らせながら。
【完】
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