【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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【L】

受付業務を終えて外に出ると、夕闇の漂う中、カカシさんが校門に背を預けて佇んでいた。
待ち合わせをしていた訳でもないのに。
片手に持った本から顔を上げたカカシさんが、俺を認めて目元を緩めた。無防備な笑みを向けるカカシさんに胸がきゅうっとなって、俺の頬も自然と綻ぶ。
たまらなくなって駆け寄ろうとする俺の脇を、中忍になったばかりの元教え子がすり抜けて行った。

「イルカ先生さようなら~!」
「お、おう、気を付けて帰れよ~!」

――危なかった。
予想外の喜びについ舞い上がっちまったけど、今日は早上がりだったからまだ人目も多い時間帯だったんだ。
俺はゴホンと咳払いを一つすると、つかつかとカカシさんに歩み寄った。

「カカシさん、人前でこんな本を読んではダメです! これは没収します!」

そう言ってカカシさんの手からイチャパラを取り上げると、素早く鞄の中に収容した。

「あっ、イルカ先生ヒドイ!」

子供みたいなカカシさんの抗議を受け流すと、俺はそのまま門を抜けて歩いた。頬がまだ少し熱い。
カカシさんがすぐに追い付き、俺と並ぶ。
二人の間には十五センチメートルほどの隙間がある。
離れてはいるけど、ちょっと手を動かせば容易く相手に触れられるくらいの距離。
それが外での、俺とカカシさんの節度の距離だ。

そして外では、カカシさんがイチャパラを読んでいたら、俺はそれを取り上げる。教育上よろしくないというお題目のもとに。
「ま~た彼奴らやってるよ」「カカシも懲りないよな」「イルカも諦めないよな」という周囲の生温い視線の中、このやり取りは既に様式美として受け入れられている。

だがこれは俺たちの愛の交歓なんだ。
未だ自責の念が抜け切らないカカシさんから、その象徴のイチャパラを取り上げる。
――そんな必要はもう無いのだと伝えるために。



あの時俺は確かにカカシさんを軽蔑した。
勝手に俺のパーソナルスペースに侵略して一方的に俺を嬲り者にし、挙げ句の果てに「愛し合ったから付き合いましょう」なんて馬鹿げた事をのたまう上忍を、心底軽蔑した。
それまで尊敬の対象だったから、その気持ちはなおさら強かった。
恨みもしたし、ならば利用してやれとも思った。

そしてカカシさんは、自ら望んで利用されてくれた。
進んで俺の思惑通りに動いてくれた。
ナルトの師として導くだけでなく盾ともなって、ナルトを、ひいては俺のナルトへの想いをも守ってくれた。
あの時のカカシさんの言葉は本物だったのだ。

「好きだからお付き合いしましょう」

やり方も言い方も滅茶苦茶だったけど、俺への気持ちは本物だったんだ。
それをカカシさんは、時間と手と気持ちを尽くして証明してくれた。
あの夜以来、カカシさんはどれだけ側にいても節度と誠意をもって接し、決して俺に触れようとしなかった。
だから今度は、俺からカカシさんのイチャパラという自戒の鎧を奪い取り、何もかも剥ぎ取って押し倒してやったんだ。
言葉だけでは届かない、カカシさんへの俺の想いを伝えるために。
お互い遠回りしたし時間もかかったけど、俺はやっと本当の意味であの時の返事をすることができた。





今、俺の鞄の中には、一冊のイチャパラが収まっている。
明日になればカカシさんの手には、またイチャパラがあるだろう。
たぶん他の人たちはカカシさんが新たな本を買ったと、或いは予備をたくさん持っていると思ってることだろう。
――でもそのイチャパラは。
家に帰ったら俺が鞄から出して卓袱台の上を経由し、またカカシさんのポーチに収まった同じイチャパラなんだ。
時々俺やカカシさんの手の中で開かれたイチャパラなんだ。
アケビは相変わらず本の中の『俺』と鼻血の出るようなことをいっぱいしている。
だけど俺も、カカシさんともっとやらしくて、鼻血の出る暇もないくらい激しいコトをいっぱいしている。

それに……
周りに人が居ない時は、俺のイチャパラの取り上げ方は全然違うんだ。
どんな風に取り上げるのかは、秘密。
ただ、もうイチャパラはカカシさんの自戒の象徴ではなくなってきてる、ってことだけは言える。
だって何時までもそんなもんに囚われさせてちゃ、俺の恋人という名が廃るじゃないか。
この本には俺たち男の、愛し合う恋人たちの夢と浪漫が詰まってるんだから。
カカシさんがこの本に自責と後悔を見出だすのなら、俺は力ずくでそれを愛に換えてやる。
イチャイチャパラダイスって、そういうことだろ?
身体を寄せ合って、触れ合うことで生まれる楽園。
それをこれから二人で作っていくんだ。
俺とカカシさんだけの楽園――二人のイチャパラを。



【完】



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 \担当クイズの答/

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【L】如月

でした!

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