【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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我に返ると、俺はまだ片手でイルカ先生の両手を壁に縫い付けたままだった。
イルカ先生は次々と溢れる涙を拭うこともできず、ぐしゃぐしゃの泣き顔で依然としてしゃくり上げている。
俺は慌てて手を外し、先生を抱きしめようとした。

「やだっ!」

身を竦めた先生が影分身の存在に気付くと、よりによって奴の方に体を寄せた。
影分身はイルカ先生を抱き寄せ、「もう大丈夫だから」とか「よしよし、恐かったね」とか調子のいい事を言いながら、先生の柔らかい頬や目蓋に唇を寄せて宥めている。
違うでしょ!
そういう計画だったけど、それはお前の役目じゃないでしょ!
俺は慌ててウィッグをむしり取り、紫のシールを剥がすと先生に呼びかけた。

「ほら、イルカ先生! こっちが俺だよ!」

するとイルカ先生は影分身の胸から涙に濡れた顔を上げ、じいっと俺を見た。

「…………眼と声、が」

カラーコンタクトと声のことを忘れてた!
両目をえぐり出す勢いでコンタクトレンズを外すとその辺に放り投げ、「あー、あ”、あ”、あ」と声帯を動かして元の声に戻すと、今度こそと先生に近付いてさりげなく影分身の腕から奪い取る。

「イルカせんせ」

イルカ先生はしばらく俺の顔を見つめていたが、納得してくれたのか、ようやくおとなしく俺の腕に収まってくれた。

「……びっくりさせてごめんね」
「ほんとですよ。カカシさんがスケアさんの格好で俺に助けを求めてくるから、てっきり何かあったのかと……」
「全部こいつの考えたことだからね」

すかさず影分身が口を挟んでくる。
こいつのって、お前も俺だから同罪だろうが!
すると先生がぽつりと呟いた。

「……せっかくカカシさんの任務に役立てると思ったのに」

イルカ先生……そんな可愛いことを思ってくれてたんだ。
胸いっぱいに愛しさが溢れ、思わずぎゅうっと抱きしめる。
だけど隙間なく抱きしめていたはずなのに、いつの間にか影分身の手がイルカ先生の腰に回っていた。

「イルカ先生はスケアのことを知ってたんだね。なんで?」

自分の方に気を惹きたいのか、影分身が先生の腰を引き寄せながら答えざるを得ない質問を囁いた。
スケアのことは機密扱いになってるはずで、正体を知っているのは三代目以外でもごく僅かだ。イルカ先生もそれを分かっているから、今まで黙っていたのだろう――当の俺にも。
何かと割り込んでくる影分身が鬱陶しいから消してしまおうかと思ったけど、俺もその答えは聞いておきたい。

「えっと、知ってた訳じゃないんですけども。三代目の所で昔挨拶だけしましたよね? あの後三代目に『彼奴に見覚えはないかの?』とだけ問われて、その時は分からなかったけど、あとでその……カカシさんの素顔を間近で見た時に、もしかしてって」

あのジジイ……!
ホントにイルカ先生には甘いというか。
いや、もしかしたらその頃には俺たちが付き合い始めたことを察していて、それとなく先生には伝えておいてもいいだろうというジジ心か。
どっちにしろイルカ先生に極端に甘いことに変わりはないけども。

「じゃあ確証はなかったんだよね。それなのにさっきコイツをカカシって呼んでたのはなんで?」

影分身がまた鋭い問いかけをする。
そういえばさっきはこの場に居ないカカシさんを呼んでたんじゃなくて、『俺に向かって』カカシと呼びかけていたのかと今更ながら気付いた。
お前鋭いね。
影分身とイルカ先生越しに目を合わせると、奴はにやりと笑った。
その間にも奴の手は腰から前に回り、アンダーの中に手が潜り込んでいる。
いいだろう、さっきまで当事者じゃなかった分、お前の方が冷静だ。それに免じてまだ消さないでやる。
そういうことを目で会話していると、イルカ先生がもじもじとしてなかなか答えないことに気付いた。

「ねぇ、なんでさっきは俺がカカシだって分かったの?」

俺が重ねて尋ねると先生はちらっと影分身に目をやり、俯いてぼそぼそと呟いた。

「………が、カカシさんのいつものやり方だった、から……」
「「え、何が?」」

二人同時に聞き返すとイルカ先生はぶわっと真っ赤になりながら、うーうー唸りながら、それでも答えてくれた。

「~~~~っ、だから! きっキスとか! 手の動かし方とか! もうっ、こんなこと言わせないで下さい!」

そう叫ぶと俺の肩に顔を埋める。
……そういうところで俺を見抜いたのか!
ここは忍として些細な油断を猛省すべきだろうが、先生への愛しさの方が胸に溢れ、遥かにそれを上回った。
影分身も同じ気持ちらしく、直視したくないような間抜けな表情を晒している。
そこで気付いた。
あぁ、だからなおさらスケアの姿が嫌だったのか。
いつもの触れ方をされてるのに、目を開けたら馴染みない男の姿が目に入ったらそれは嫌だろう。しかも声まで違うのだから、どんなに気持ちよくても集中が削がれてしまう。
――イルカ先生が、相手は誰でもいいと思っていなければ。
先生がスケアはカカシだと確信してたのにも関わらず、スケアの姿を泣くほど嫌がった事実は俺を有頂天にした。
俺の面影を感じさせるスケアですら、嫌だと拒否してしまうのだ。
それほどまでにイルカ先生は俺じゃなきゃ嫌なのだ。
俺に、カカシだけに愛されたいのだ。

「……ごめん。イルカ先生、ホントにごめんね」

俺は先生の頬に手を当て、涙に濡れた目尻に、そして唇に幾つもキスを落とした。

「もうこんなこと、絶対にやめて下さい」

少し尖らせた唇にもう一度キスをすると、先生がうっすらと唇を開いて俺の舌と共に謝罪を受け入れてくれた。

「……ん、ふ……?」

俺とのキスを堪能していたはずの先生の口から、語尾の跳ね上がったおかしな声が漏れた。
怪訝に思って目を開けると、イルカ先生の額宛が外され、結い上げていた髪もばさりと肩に落ちている。先生もそれに気付いたのか、振り返ったとたん影分身に文字通り唇を奪われた。
今度こそ消してやると睨み付けると、奴は意味ありげな笑みを浮かべた目線でイルカ先生を指し示し、もう一度目だけでにやりとした。

――あぁ、なるほど、そういうことね。さすが俺じゃないの。

連れ込み宿の一室で、イルカ先生一人に俺と影分身の二人。
ここまで見事に揃った状況など、望んでもそうそうあるもんじゃない。
俺は影分身の意図を過たず理解し、イルカ先生の髪をかき分けてうなじに吸い付いた。
そしてアンダーの中に手を入れ、既に尖り始めた胸の粒を摘まみ、指先で揉み込んで育てあげていく。

「ぅ、ちょっと、カカ……」

二人に挟まれ前後から伸びてくる手の危険性に、イルカ先生がようやく気付いたみたいだけど。
もう遅いよ。
俺の方に気が逸れた隙に、影分身が先生のアンダーをさっと持ち上げて頭から抜き放り投げた。
俺は俺で先生の反論を許さないように、両手で顔を包んで深いキスを仕掛ける。

「ん……ふ、う? んんん! ぅうんっ」

イルカ先生の抗議が激しくなったので下に目をやると、影分身が先生のズボンと下着を引き下げ、半勃ちになったものを握っていた。
俺はそっと先生を壁に押し付けて寄りかからせると、くっきりと浮き出た首の腱に舌を滑らせる。
すると影分身が膝を突くのが視界の隅に入り、ほどなくぴちゃ、ちゅぷっと水音を立て始めた。
俺はにんまりと笑みを零し、耳朶を食みながら囁きかける。

「もっともっと気持ちよくしてあげようね、せんせ」

それから俺も膝を突いて影分身に並び、奴が丹念にしゃぶってるものを反対側から舐め始めた。
影分身は邪魔するなとばかりに横目で睨んできたが、イルカ先生の腰が逃げそうになったので慌てて片手で掴み、壁に押さえ付けた。

「んあ! ダメですこんなの、やだ、ぁあっ」
「ダメじゃないでしょ、ここはすっごく嬉しそうだよ?」
「こんなに硬くして……ほら、涎まで垂らして悦んでるよ」

二人で代わる代わる言葉をかけながら先端を啜り、静脈の浮き出た幹をねぶり回し、引き上げられて堅くなった陰嚢を含んだまま舌をぐねぐねと這わせる。
イルカ先生はほとんど二つ折りになるほど前屈みになって、俺たちの腕や肩に掴まるようにした手はふるふると震えていた。

「せんせ。目を開けて俺たちを見て」
「何をされてるのかを、その目でちゃんと見て」

重ねて言われ、イルカ先生は催眠術にかかったかのように目を開けた。

「……っ、………ぁ」

俺たちは先生に見せつけるが如く、そそり立ったものを挟んで顔を並べていた。
これ見よがしに舌を出し、唇を這わせて同じ顔で真っ赤になった先生を見上げる。

「ゃ……こんな……っ!」

羞恥に耐えきれなくなったのか、イルカ先生が両手で口を覆った。でも目は俺たちの口元に、二つの舌に責め立てられてゆらゆらと揺れている自らの性器に釘付けだった。

「う、くふ……くぅううんっ」

強すぎる視覚と感覚の刺激にとうとう限界を超えたのか、抑えられた甘い悲鳴と同時にびゅくびゅくと白濁液が放物線を描く。
その飛沫は俺たちの顔や肩、胸にも跳ねかかった。
はっ、はっとイルカ先生の熱い息が、垂れ下がった黒髪の向こうから聴こえる。
俺は影分身と目線を交わし、くたりと項垂れた幹の奥に潜む後ろ孔に手を伸ばした。



「せんせ、頑張ってしっかり立って」
「んぁ、あ、は……っ、ぅんん」
「うん、気持ちいいね」

俺はイルカ先生を壁に向かって手を突いて立たせ、後ろから突き上げていた。
壁と先生の間には影分身がしゃがみこみ、再び勃ち上がった先生の熱棒を頬張っている。
前からのじゅぷ、じゅぷという音が大きくなると、イルカ先生が反射的に腰を引こうとするのだが、俺の楔を打ち込まれてそれは叶わない。
俺はイルカ先生の引き締まった尻の肉を二つに割り、更に深く突き入れた。

「ひあ! あ、あ”あ”、ぁうっ」

今度は前に逃げようとした先生の腰が、結果的に影分身の咥内に自らを深く押し込んでしまう。

「……だぇ、も……ゆるしてぇ」
「いいよ、イって」
「や、ちが……ひんっ!」

俺は浅い所まで引き抜くと、ずぶずぶと深く埋め込んだ。
それからまた腰を引き、今度は膨れ上がった部分で先生のいいところを擦るように小刻みに動かす。
イルカ先生が声なき悲鳴を上げ、全身をがくがくと震わせた。

「……ふふっ、先生に顔射されちゃった」

影分身が嬉しげに呟いた。
頬に飛んだ雫を指で拭うと口に運び、ぺろりと舐める。
イルカ先生は軽く気を飛ばしてしまったのか、ぐったりと壁にもたれるように腕と額を突いていた。

「せ~んせ、まだ終わりじゃないよ」

俺はそんな先生の背に手を這わせると腰を抱え直し、再び中を突き荒らす。
甲高かった嬌声は止み、荒い息遣いの合間に「あ”……う”、ン……」と低い呻きが混じるだけ。
すると影分身がイルカ先生の片足をぐいと持ち上げて、自分の肩に乗せた。

「あぁ、凄い。せんせっていつも、こうやって俺のことを食べてくれてるんだ……」

影分身が俺たちの繋がった処を眺めているらしい。
間近で見られるなんて羨ましい限りだけど、後で記憶を統合した時のことを思うと思わずにんまりとしてしまう。

「こんな吸い付くみたいにぴったりと咥え込んでて……ほら、ここ。内側の皮膚が捲れちゃってるね」
「ふ……ぁ」

薄く伸びきったイルカ先生の粘膜を奴の指先がするりと撫でると、先生が鈍い反応を返した。

「せんせ、会陰が硬くなってぱんぱんになってるよ。ここ弄られるのも好きだよね?」

いちいち言葉にしてるのは、前面が見えない俺にも自分が何をしてるか伝えてるつもりなのか。
いや、これはイルカ先生への愛撫の一端だろう。その証拠にそれを聞いた先生が腰を震わせ、子供がいやいやをするように左右に首を振った。
影分身は構わず股間に顔を寄せ、ちゅぱ、ぢゅぷっと水音をわざとらしく立てる。

「や、まだイったば……っかり、くひぃ……あ、や、んんん」

力なく抵抗しながらも、イルカ先生が快楽の渦に呑み込まれていく。
影分身は片手と舌と唇を駆使して、繋がった部分を重点的に責めているらしい。時折奴の手が俺の陰毛に触れる感触が伝わり、それどころか先生の伸びきった襞を舐め回す度に、俺のモノまで掠めていく。

「ちょっと、俺のまで触らないでよ」
「いいじゃない、どうせ自分なんだから」

そう言いながらも奴はしぶしぶ先生の足を下ろして立ち上がった。

「じゃあ一緒に気持ちよくなろうね、せんせ」

影分身の分身も完全に勃って鎌首を重たげに揺らしていて、その状態の奴に少しだけ同情する。
でもたとえ影分身とはいえ、イルカ先生の中には入れたくない。奴もそれは分かっているのだろう。
影分身は自分と先生のモノの先端を触れ合わせ、割れ目の部分を擦った。

「ぁ、……ぅ」

敏感な割れ目同士を重ねて擦られ、イルカ先生がたまらず呻いた。
影分身がぬるぬると滑らせてから少し離すと、先端同士が糸を曳いて繋がる。

「ほら見て、せんせ。こういうキスもいいね」
「ん……カカ、さ……」

吐息混じりにイルカ先生が返し、俺に背を預けてぐったりともたれた。
先生は二つのぺニスのキスをぼんやりと眺めているようだ。
奴が手を離して軽く腰を動かすと、それはゆらゆらと揺れながら互いに擦れ合い、寄り添い、まるで二匹の生き物のようだった。
影分身はそうやってしばらく楽しんでいたが、色形の違う二本を片手で縦にひとまとめにして緩く包んだ。
そして緩やかに腰を前後に動かし始める。
魅入られたように眺めていた俺も、それを合図に律動を再開した。

「あ、あー……ぁあ」

俺の動きに合わせてイルカ先生が唄うように声を上げる。
もう完全にこの状況に呑まれ、流されてくれているみたいだ。
腰を抜き差しするタイミングとずれた時に中が締まり、ぞわぞわと蠢く。もたれ掛かる先生を支えながら前を覗き込むと、影分身が二つの熱棒を擦りながら、親指で先生の方の先端を撫で回している。

「ねぇせんせ、どっちで感じてるの? お尻の中、それともちんこ?」
「ぁ……りょ、ほぅ……きもちい……ちんこ、も、お尻のなか、も」

俺がわざといやらしい言葉を使って訊ねると、忘我の境地に漂う先生は期待に応えておうむ返しをしてくれた。
幼い子供のようなたどたどしい口調が、更なる劣情を誘う。

「……っ、お、っきく……? な、ああっ、あう!」
「ちょっと! 急に激しく動かないでよ、ねっ」

影分身が慌てた様子で、手の中のモノをしっかりと掴み直した。
それに構う余裕など俺にはなく、歯を食いしばると腰を大きくグラインドさせ、粘膜を抉るように穿つスピードを早めた。
パンパンと肉を打つ音とぢゅぽぢゅぽぢゅぽという湿った音に、イルカ先生の掠れた喘ぎが混じって。
俺と影分身はハァハァと口でだらしなく息を荒げ、獣のような唸り声を上げてほとんど同時に果てた。



完全に意識を飛ばしてしまった先生を布団へと運び、二人がかりで一旦その身体を清める。
人形のように力なく横たわるイルカ先生の腰骨には、俺が掴んでいた指の痕がくっきりと付いてしまった。
弛緩した尻肉の間に見える後孔は、まだ俺の形を残して緩く開いたままだ。
そこに指を入れて残滓をかき出すと、意識がないにも関わらず内側の肉がきゅうと絞られて蠢く。
とろりと溢れ出した俺の体液が、俺たちの付けた鬱血痕や歯型の上をゆっくりと垂れていく光景はとても淫猥で。

「………ふ」
「意識がなくても俺の指の形を覚えてるのかな。……可愛い」

影分身がイルカ先生の頬を愛しげに撫で、キスを落とした。
それを横目に睨みながら、結局こいつを消しそびれたなと思っていると、影分身も同じことを思ったようだ。

「ま、いいところで消さないでくれて、有り難いとは思ってるよ。でもイルカ先生まで俺の存在を許してくれるとは思わなかったけどね」
「……カカシさんは全部俺のものだからですよ」

俺が何か言う前に、イルカ先生が掠れた声で答えた。
影分身が「せんせ、大丈夫?」と心配そうに問うと、先生はちょっと呻いてから半身を起こした。

「嫉妬深いのが自分だけなんて思わないで下さいよ。俺はカカシさんを寝盗られるなんて、遊びでも真っ平御免ですからね」

と、俺たちのことを交互にじろりと睨み上げてきた。

「……ごめんなさい」
「うん……ごめんね」

影分身はもう一度ごめんと呟くと、印を切ってその姿を消した。
あっ、逃げやがったなと思ったとたん、奴の記憶が流れ込んでくる。
影分身が見た光景、味わったもの、触れた感触を追体験していると、唇に柔らかいものが触れて一瞬混乱した。

「せんせ……」

記憶と違い、温かく実体の伴った唇を堪能していると、いきなり唇に痛みが走った。

「痛……っ⁉」
「悪いことを企んだお仕置きです。カカシさんだっていつも俺にするでしょう?」

噛まれたことにびっくりして顔を離すと、イルカ先生が片眉を上げて得意気に唇の端を上げている。

「悪いことを企んだ、って……それに寝取るとか、……はいごめんなさい!」

イルカ先生のこめかみがびきりと痙攣したので、すっとぼけるのはやめて慌てて謝る。
すると先生は呆れたようにため息をついた。

「カカシさんがもう一人飛び込んできた時はびっくりしたけど。嫉妬深いあなたがあんな良いところで誰かの介入を許すなんて……しかもそれが影分身なんて、どう考えても怪しいしおかしいですよ」
「スケアが影分身とは思わなかったの?」
「正直はっきりと区別は付きませんけど、あなたが初めから影分身にあそこまでさせるのを許すとは思えません」

きっぱりと断言され、どれだけ俺はこの人に丸見えなんだと思う。

「それにやたらと二人でアイコンタクトしてましたし……状況とあなた達の行動から考えたら、どうやったって悪巧みって分かりますよ。まさか俺を自分から寝取るつもりだったとはね」

その時の気持ちを思い出したのか、またじろりと睨まれた。
はい、ホントにごめんなさい。すいません。

「俺を他の奴に寝取らせた挙げ句、どっちかを選ばせようとしてたんじゃないですか? ……ムカついたから両方選んじゃいました」

そう言ってにかりと笑う。
俺の思ってた計画とは少し外れた推測だけど、結局はイルカ先生の言う通りだったのかも。先生が『俺』を選んでくれるところを、最終的にはこの目で見たかったんだから。
あぁ……まったく、この人には敵わない。
俺に何回惚れ直させれば気が済むんだろうね。
たまらず抱きしめようとしたら、今度は頬っぺたを捻り上げられた。
痛い痛い痛い!
イルカ先生もうちょっと手加減し……はいごめんなさい!

「ああもう、二人を相手にしたら腹が減りました。今日は肉が食いたいけど、もちろん晩飯を奢ってくれますよね」
「もひろんれす」

そういえば今日は一緒に夕飯を作ろうと約束してたんだった。
もしかして、けっこう楽しみにしてくれてたんだろうか。
お詫びの意味も込めて、とびっきりの焼き肉を奢ってあげよう。それで精が付いたら、今晩もう一回させてくれるかもしれないし……ね♪
思わずにんまりとほころんでしまったのか、「今日はもうしませんよ」と釘を刺される。
さらに「だいたいあなたはイチャパラに影響され過ぎなんですよ」とお小言が始まったので、神妙な顔をして頷きを返した。
イルカ先生が乱れた髪をまとめ出したので、髪紐を拾ってきてから後ろに回って手伝う。
するとうなじの下の方に、くっきりと付いた鬱血痕を見付けた。
俺は付けた覚えがないけど、『俺』にはある。

――影分身の残した所有欲の証。

イルカ先生を信じてるからこその寝取られ願望だから、先生に許されたんだろうけど。
もし本当に誰かがイルカ先生を俺から奪おうとしたら、それが誰でも。
たとえもう一人の俺だとしても。

俺はその赤紫に染まった皮膚の上から、がぶりと歯を立ててきつく吸い上げた。




【完】
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