【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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数年後――。
カカシは上忍師として三人の子供たちを受け持つことになった。
子供たちはやかましく忙しなくいつも元気で、慣れないながらもカカシの心を和ませてくれた。
時折三人や他の者の話題に出る『イルカ先生』の名に、同じ名を持つ人がこの里にいるという事実には驚いても、心まで動かされることはなかった。むしろ会ってしまうことでイルカの存在が薄れてしまう気がして、積極的に顔を見ようとは思わなかった。
カカシのイルカはただ一人だけだから。
だがその決意も、ナルトの過剰なまでのイルカへの親愛の前にあっさりと崩されてしまう時が来た。
「イルカ先生ーーー! 合格したってばよ!」
「おお、おめでとうナルト! サスケ、サクラも頑張ったなお前たち! 本当に良かったなぁ!」
ナルトが飛び付いたのは、黒髪を高く結い上げた支給服の男。
腰にナルトを張り付かせてこちらを振り返った、その顔は。
「あなたがカカシ先生ですね?」
まさか。
まさかまさか、そんな訳が。
「私はこの子たちの元担任の、うみのイルカと申します」
他人の空似だきっと絶対そうだ。
ああ、でもあまりにも。
「こいつらのこと、よろしくお願いします!」
イルカが笑顔でカカシの手を握った。
忘れもしない、イルカの手。
ふっくらと肉厚で柔らかく、全てを包み込むような。
「よかったらこの後、こいつらのお話を聞かせてもらえませんか?」
暖かな日差しの下、煌めく笑顔のイルカにカカシはただ頷くことしかできなかった。
イルカが七班の子供たちやアカデミーの様子などを話しながら、ぼんやりと相槌を打つだけのカカシを連れてきたのは、自分の住まいらしきアパートの一室だった。
卓袱台の前に置かれた薄っぺらい座布団を勧められ、カカシはぼうっと突っ立ったままだったことに気付いて慌てて座る。
「カカシはお茶でもいいですか?」
「あ、ありがとうございます」
ヤカンに水を入れて火にかけようとしたイルカの手を、いつの間にか背後に立ったカカシが掴んで止めた。
「今あんた、俺のことをカカシって呼んだよね」
イルカは振り返らなかった。
手にしたヤカンからは手を離したが、俯いたまま言葉を発しない。
「……本当にイルカなの?」
震える声を抑えられなかった。
振り返らないイルカの露わになったうなじが、ふと目に入る。
そこは僅かに硬質な光を帯びていた。
まるで、鱗があるように。
「まだ、私のことを覚えて……」
ようやく発せられたイルカの声は、押し付けられたカカシの肩口に消えた。
「忘れるはずなんてない……俺が、どれだけ会いたかったか」
押し殺した声がひび割れる。
それに気付いたイルカは、抱かれるがままだった体をよじってカカシの背に腕を回した。
お互いのベストが作る距離さえもどかしく、カカシは僅かに隙間を空けると素早くベストを脱ぎ去り、イルカのもファスナーを下げて肩から落とした。
しばらくそうして体温と呼吸をじっくり味わうと、カカシは不意にまた体を離した。
「イルカ、角は? ヒレも鱗も。この姿は変化か何かなの? あぁ、もう何でもいいよ、会いに来てくれて嬉し……」
そこまで言ってカカシは気付いた。
イルカはさっき、「この子たちの元担任」だと言っていた。
三代目をはじめ、アカデミーの生徒や元生徒、教員たち全ての記憶を操作できるほど海神の神通力は物凄い威力なのだろうか。
もしそうでないなら――いったいいつから木ノ葉にいたのだろうか。
その疑念はイルカに伝わったようだ。
「私……俺は、今は人間なのです。穢された神は神性を失い、神座を降ろされるのです」
「まさか、……イルカ、俺はそんなつもりじゃ……」
あまりにも重い事実に衝撃を受け蒼白になるカカシに、イルカは分かっているというように頷き、満ち足りた笑みを浮かべた。
「これは俺の望みだったのですよ。人間になった俺に、わだつみ様はこの後どうしたいかと希望を聞いてくださったので、火の国に……カカシのいる木ノ葉で生きていきたいと願ったのです」
「……いつから?」
なんとか絞り出したカカシの問いに、イルカは目を伏せた。
「こちらの時間でいうと、そう……二十年以上前になりますね。俺はうみの家の赤子として誕生したから。あちらと人間界の時の流れは全く異なるのです」
「同じ里にいたのになんで! どうしてすぐに会いに来てくれなかったの!」
顔を上げたイルカの面から笑みは消えていた。
「子供のあなたは俺を知らない! あなたが……俺を愛してくれなかったら? いずれ『私』と出会うことは分かっていたけど、それでももう一度俺を愛してくれるとは限らない。これは人間を愛してしまった俺の……罰なのです。でも……」
言葉を切ったイルカは、カカシの頬をそっと撫でた。
長く想い続けるだけだったものを、ようやく手で触れられることに半ば恐れを抱きながら。
「俺を愛し続けてくれてありがとう、カカシ」
「……ずっと、ずっと会いたかったんだ。何度もあの海に行って、会えなくて。それが同じ里にいたなんて……」
カカシはイルカの、イルカはカカシの目の中を覗き込む。
お互い離れて過ごした時間の欠片を、もう一つでも逃したくないとでもいうように。
互いの目の中に自分だけが写っていることにこの上ない喜びを感じながら、唇を合わせる直前まで目は閉じなかった。
柔らかさと熱をゆっくり、たっぷりと堪能してもなお離れがたくて。
カカシが下唇を食んだりアンダーの中に手を潜り込ませて素肌の感触を味わっていると、イルカの熱い吐息に紛れた囁きが零れる。
「俺のこと、忘れないで」
こんなにも焦がれていたのに。
忘れられるはずもないと抗議しようとしたカカシの口は、イルカの頬を流れ落ちる涙を見て封じられる。
「俺はあなたを忘れかけているんです。……あの時のことを。いずれ私の海神としての記憶は薄れ、全て消えるでしょう。もう既にだいぶ消えかけて……あなたとの出会いのひとときも。それが人間として生きていく代償なのです」
「大丈夫、俺が全部覚えておくから」
カカシは考える前にすぐさま答えた。力強く。
「イルカがうみのイルカになっても、俺はイルカの全部を覚えてるよ。あんたの全部を愛してる」
「神だったあの時は言えなかったけど、カカシ……私はあなたを一目見て恋に落ちました。人間になった今なら分かる。私はカカシに惚れたんです。一目惚れだった」
柔らかく微笑んだイルカの何もかもが愛おしく、この瞬間の全てを決して忘れないとカカシは誓った。
「忘れない。俺はイルカの生け贄でしょ? あの時からずっと、俺はイルカのものだ」
カカシの両手と全身を拘束していた鎖を外したのはイルカだった。
だがその時からカカシはずっとイルカに囚われ続けていたのだ。
深い深い海の底にあった、真黒の神珠。
それが今、木ノ葉で人となってカカシの腕の中にある。
世にも不思議な合縁奇縁の元に。
カカシは上忍師として三人の子供たちを受け持つことになった。
子供たちはやかましく忙しなくいつも元気で、慣れないながらもカカシの心を和ませてくれた。
時折三人や他の者の話題に出る『イルカ先生』の名に、同じ名を持つ人がこの里にいるという事実には驚いても、心まで動かされることはなかった。むしろ会ってしまうことでイルカの存在が薄れてしまう気がして、積極的に顔を見ようとは思わなかった。
カカシのイルカはただ一人だけだから。
だがその決意も、ナルトの過剰なまでのイルカへの親愛の前にあっさりと崩されてしまう時が来た。
「イルカ先生ーーー! 合格したってばよ!」
「おお、おめでとうナルト! サスケ、サクラも頑張ったなお前たち! 本当に良かったなぁ!」
ナルトが飛び付いたのは、黒髪を高く結い上げた支給服の男。
腰にナルトを張り付かせてこちらを振り返った、その顔は。
「あなたがカカシ先生ですね?」
まさか。
まさかまさか、そんな訳が。
「私はこの子たちの元担任の、うみのイルカと申します」
他人の空似だきっと絶対そうだ。
ああ、でもあまりにも。
「こいつらのこと、よろしくお願いします!」
イルカが笑顔でカカシの手を握った。
忘れもしない、イルカの手。
ふっくらと肉厚で柔らかく、全てを包み込むような。
「よかったらこの後、こいつらのお話を聞かせてもらえませんか?」
暖かな日差しの下、煌めく笑顔のイルカにカカシはただ頷くことしかできなかった。
イルカが七班の子供たちやアカデミーの様子などを話しながら、ぼんやりと相槌を打つだけのカカシを連れてきたのは、自分の住まいらしきアパートの一室だった。
卓袱台の前に置かれた薄っぺらい座布団を勧められ、カカシはぼうっと突っ立ったままだったことに気付いて慌てて座る。
「カカシはお茶でもいいですか?」
「あ、ありがとうございます」
ヤカンに水を入れて火にかけようとしたイルカの手を、いつの間にか背後に立ったカカシが掴んで止めた。
「今あんた、俺のことをカカシって呼んだよね」
イルカは振り返らなかった。
手にしたヤカンからは手を離したが、俯いたまま言葉を発しない。
「……本当にイルカなの?」
震える声を抑えられなかった。
振り返らないイルカの露わになったうなじが、ふと目に入る。
そこは僅かに硬質な光を帯びていた。
まるで、鱗があるように。
「まだ、私のことを覚えて……」
ようやく発せられたイルカの声は、押し付けられたカカシの肩口に消えた。
「忘れるはずなんてない……俺が、どれだけ会いたかったか」
押し殺した声がひび割れる。
それに気付いたイルカは、抱かれるがままだった体をよじってカカシの背に腕を回した。
お互いのベストが作る距離さえもどかしく、カカシは僅かに隙間を空けると素早くベストを脱ぎ去り、イルカのもファスナーを下げて肩から落とした。
しばらくそうして体温と呼吸をじっくり味わうと、カカシは不意にまた体を離した。
「イルカ、角は? ヒレも鱗も。この姿は変化か何かなの? あぁ、もう何でもいいよ、会いに来てくれて嬉し……」
そこまで言ってカカシは気付いた。
イルカはさっき、「この子たちの元担任」だと言っていた。
三代目をはじめ、アカデミーの生徒や元生徒、教員たち全ての記憶を操作できるほど海神の神通力は物凄い威力なのだろうか。
もしそうでないなら――いったいいつから木ノ葉にいたのだろうか。
その疑念はイルカに伝わったようだ。
「私……俺は、今は人間なのです。穢された神は神性を失い、神座を降ろされるのです」
「まさか、……イルカ、俺はそんなつもりじゃ……」
あまりにも重い事実に衝撃を受け蒼白になるカカシに、イルカは分かっているというように頷き、満ち足りた笑みを浮かべた。
「これは俺の望みだったのですよ。人間になった俺に、わだつみ様はこの後どうしたいかと希望を聞いてくださったので、火の国に……カカシのいる木ノ葉で生きていきたいと願ったのです」
「……いつから?」
なんとか絞り出したカカシの問いに、イルカは目を伏せた。
「こちらの時間でいうと、そう……二十年以上前になりますね。俺はうみの家の赤子として誕生したから。あちらと人間界の時の流れは全く異なるのです」
「同じ里にいたのになんで! どうしてすぐに会いに来てくれなかったの!」
顔を上げたイルカの面から笑みは消えていた。
「子供のあなたは俺を知らない! あなたが……俺を愛してくれなかったら? いずれ『私』と出会うことは分かっていたけど、それでももう一度俺を愛してくれるとは限らない。これは人間を愛してしまった俺の……罰なのです。でも……」
言葉を切ったイルカは、カカシの頬をそっと撫でた。
長く想い続けるだけだったものを、ようやく手で触れられることに半ば恐れを抱きながら。
「俺を愛し続けてくれてありがとう、カカシ」
「……ずっと、ずっと会いたかったんだ。何度もあの海に行って、会えなくて。それが同じ里にいたなんて……」
カカシはイルカの、イルカはカカシの目の中を覗き込む。
お互い離れて過ごした時間の欠片を、もう一つでも逃したくないとでもいうように。
互いの目の中に自分だけが写っていることにこの上ない喜びを感じながら、唇を合わせる直前まで目は閉じなかった。
柔らかさと熱をゆっくり、たっぷりと堪能してもなお離れがたくて。
カカシが下唇を食んだりアンダーの中に手を潜り込ませて素肌の感触を味わっていると、イルカの熱い吐息に紛れた囁きが零れる。
「俺のこと、忘れないで」
こんなにも焦がれていたのに。
忘れられるはずもないと抗議しようとしたカカシの口は、イルカの頬を流れ落ちる涙を見て封じられる。
「俺はあなたを忘れかけているんです。……あの時のことを。いずれ私の海神としての記憶は薄れ、全て消えるでしょう。もう既にだいぶ消えかけて……あなたとの出会いのひとときも。それが人間として生きていく代償なのです」
「大丈夫、俺が全部覚えておくから」
カカシは考える前にすぐさま答えた。力強く。
「イルカがうみのイルカになっても、俺はイルカの全部を覚えてるよ。あんたの全部を愛してる」
「神だったあの時は言えなかったけど、カカシ……私はあなたを一目見て恋に落ちました。人間になった今なら分かる。私はカカシに惚れたんです。一目惚れだった」
柔らかく微笑んだイルカの何もかもが愛おしく、この瞬間の全てを決して忘れないとカカシは誓った。
「忘れない。俺はイルカの生け贄でしょ? あの時からずっと、俺はイルカのものだ」
カカシの両手と全身を拘束していた鎖を外したのはイルカだった。
だがその時からカカシはずっとイルカに囚われ続けていたのだ。
深い深い海の底にあった、真黒の神珠。
それが今、木ノ葉で人となってカカシの腕の中にある。
世にも不思議な合縁奇縁の元に。
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