【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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付き合いたての初々しい2人です。
途中、画像を挟んでありますので拡大してご覧くださいね!



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 鏡文字


 アカデミーでも二年生だとまだまだ本格的な忍術は教えられない。
 どちらかというと、五十分の授業時間でどれだけ興味を持たせられるか、集中させられるかにかかっている。
「よーし、じゃあ今日は初歩的な暗号についてだ。まずはこれ、何て書いてあるかな」

たきょうたの ひるたごたはんたは
きたつねうたどんだ

 黒板にチョークで手早く書いたのは、いわゆる『タヌキ文』だ。文章の右下に顔だけのタヌキの絵を添えてから振り返ると、今日のタヌキは可愛く書けたなと思いながら生徒たちの顔をぐるっと見渡す。
「誰か分かる人〜、おっ、コガネいけるか」
 真っ先に手をぴんと挙げたコガネを指すと、優等生のコガネはずり落ちた黒縁メガネをクイッと直してから立ち上がった。
「きょうの ひるごはんは きつねうどんだ」
「正解! 『だ』の引っかけもクリアしたな。さすがだコガネ」
 俺の褒め言葉を軽く頷いて受け入れたコガネは、興奮することもなく優等生らしく静かに座った。
「じゃあ次は、もうちょっと難しいのいくぞ」
 黒板消しでタヌキ文と、誰にも可愛いと言ってもらえなかった顔だけのタヌキをザーッと消すと、今度はカタカナで『ウシロヲミロ』と書く。
 ただし、鏡文字で。
 鏡文字とは文字通り鏡に写したように文字を書くのだ。例えばウシロヲミロという一文は、鏡に写すと左からロミヲロシウとなる。さらにガラスの裏側から見たような文字になるので、前情報を与えられてなければ咄嗟には読み取れないだろう。
 それでも高学年にもなればすらすらと書けるようになる。ただ、タヌキ文も鏡文字も実際に暗号として使われることはまずない。今は暗号がどういうものか興味を持ってもらうことが第一なのだ。
 鏡文字は難しかったのか、教室内はザワザワとするだけで誰も手を挙げなかった。内気な子がこっそり机の端からのぞく程度に手を挙げてないかと、見落としのないように教室内を見回すと。
 一番後ろの窓に、支給服を着たカカシさんが張り付いていた。
 うっかり呼びそうになった名前を飲み込み、子供たちにバレないようにゆっくり目を逸らそうとすると、カカシさんは口布を下げてにっこりと笑いかけてきた。
 素顔の不意打ちに思わず昨夜交わしたキスが浮かんで、また声を上げそうになる。
 軽く咳払いをしながら生徒たちの席の間を歩き、さり気なく窓側を通ると、カカシさんが窓ガラスにはぁーっと息を吹きかけてそこに人差し指で文字を書いた。カタカナで五文字。


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「ッ、う〜〜ん。どうだ、難しいか? 集中しろよ。ヒントが必要かな。これはカタカナで書いてあって、右から読んでみると何か見えてくるかもしれないぞ」
 まるで嘘をついてるみたいに突然べらべらと喋り出したが、出されたヒントに夢中になっている子供たちは誰もおかしいと思わなかったみたいだ。
「イルカ先生、もっとヒント!」
「あっ、分かった! 後ろをみろ!」
 ヤマネの声に子供たちが一斉に後ろを向く。
 しまった、何で後ろを見ろなんて文章にしちまったんだ! と焦って窓ガラスを見たが、息で白くなっていた窓はもう戻っていた。
「せんせー合ってた? ……あれ、イルカ先生なんでかおがまっかっかなの?」
「ヤマネ正解! ううん? あー、ちょっと今日は暑いよな」
 えー、寒いよと笑う甲高い声を背中に聞きながら教室の前に戻る。
 後でカカシさんに、授業の邪魔をしないでくださいって注意しないと。
 それから、今度は消えないラブレターを下さい……って。
「……これは言えねぇな」
「何が言えないの?」
「次の問題の答えだ。よし、今度はもっと難しいのいくぞ〜!」
 もう一度後ろの窓ガラスに目をやると、そこに書かれた文字も、そこにいた人も消えていたけど。
 家に帰ったら、きっとにこにこしながら「ねぇ先生、返事は?」と俺を待っているだろう。


【完】
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