【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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イルカは唐突に目覚めた。
くるまれ、寝かされていたマントの上でガバッと起き上がると、身体の感覚に違和感を覚える。
自分の上体を支えている手を見ると、それは人間のものへと戻っていた。

「起きたの? 良かった……」

焚き火を熾していたカカシが気付いて、裸のイルカの傍に寄り添うと、さりげなくマントをかける。

「大丈夫? 身体は辛くない? 今夜はここで野営して、里には明日帰ろうね。綱手様もイズモも、みんな心配してるから。……羅刹丸も」
「綱手様とイズモまで……すみません、あの、色々とご迷惑を」
「違うよ! 俺が自分の我儘で勝手に来ただけだからね。イルカ先生の気持ちも覚悟も無視して……」

覚悟。
俺の覚悟はなんて自分本意で、独りよがりな甘ったれたものだったのか。
これは自分やカカシさんの気持ちと向き合うのが恐くて、ただ逃げただけだ。本当の覚悟とは、憎まれてるかもしれないと思いながらも、俺を心配して追いかけて自分の気持ちを伝えてくれた、カカシさんのような想いのことをいうんだ。
イルカは真っ直ぐにカカシを見つめた。

「あの、俺……! 俺は、カカシさんのことが……」

カカシの動きが止まる。

「俺は、カカシさんが好きです。……大好きです」

イルカの幼くもひたむきな告白に、見つめ返していたカカシの顔が泣き笑いのように歪んだ。

「……それって、俺を番にしたいって、そういう好きってこと?」
「そ……うです」

言い終わる前に、カカシがイルカを抱きすくめる。
ぎゅうぎゅうと締め上げて苦しいくらいだったが、それがカカシの想いの強さを表しているようで。
イルカは苦しさすらも受け入れ、目を閉じてカカシの想いに満たされた。

「嬉しい……ホントに? あぁイルカ先生……どうしよう、嬉しい!」
「カ……シさ、ぉ……れも、……しい」

イルカの声が潰れてることに気づいたカカシが慌てて「ごめん苦しかったね!」と、ようやく腕を弛めた。
だがもう二度と離さないとでもいうように、イルカを腕の中に閉じ込めたまま額を合わせ、顔を覗きこんで言葉を続ける。

「イルカ先生の気持ち、すっごく嬉しい……あんな酷いことしたのに、俺のこと好きになってくれるなんて」
「俺はカカシさんとああいう風になって嬉しかったんです。だから憎んでなんかいません! 気付くのは遅かったけど、俺だってきっと前からカカシさんのこと好きでした! だから……」

その後に続いたはずのイルカの声は、カカシの口の中に消えた。
カカシの舌がそっとイルカの唇をなぞり、入れてくれとねだる。イルカは躊躇いがちに、だが喜んで口を開き受け入れた。
かけられていたマントがずり落ち、素肌を這うカカシの掌に、絡み合う舌と熱い息に、イルカの身体が更に熱を持った。

「ん……ふ、ぅ」

思わず声が洩れてしまい、自分の声に驚いたイルカが目を開けると、弓なりに細められたカカシの目とぶつかる。
と、不意にカカシの唇が離れ、追いかけようとしたイルカの顔をカカシが両手で優しく包んだ。

「あのね、こんな時にムードを台無しにしちゃって悪いんだけどね……番の儀式ってどうやればいいの? イルカ先生、まだ発情してて、すごく辛いんでしょ?」
「えっ?! あ、の……気持ち悪いと思いますけど、お互いに相手の血を飲みながら、その、えーと」
「お互いに血を飲みながらセックスすれば、先生と番になれるの?」
「そう、なんです……やっぱり嫌ですよね……」
「なんで? イルカせんせの身体の中に、俺の血が巡るんだよね。それで俺の中には先生の血が……それってすごく嬉しい」

消え入りそうなイルカの言葉に、カカシはこの上なく幸せそうな顔で笑った。
だがその眼は、既に欲望で冥く輝いている。
その輝きはあれからずっと燻り続けてきたイルカの欲望にも、いともたやすく火を点けた。
カカシがするりとイルカの黒髪をかきあげながら囁く。

「イルカせんせ……俺をあなたの番にして」



カカシの手が、舌が、そして欲を孕んだ視線がイルカの身体中を這い回る。
イルカは恥じらいながらもそれを余すところなく感じ、望んで全てをカカシに晒した。
だが一度開いたとはいえ、数日が経過したイルカの身体は簡単にカカシを受け入れようとはしなかった。
カカシの指が三本に増やされたところで、自分の身体がカカシを拒絶してると思われたくなくて、イルカは焦りを隠さずに願った。

「も……、いい、です……はやく……!」
「だぁめ、今度こそ優しくしてあげたいの……俺がね」

そう言い聞かせるカカシの首筋にも、汗が流れ落ちている。
イルカはカカシの背に腕を巻き付け、その汗を舐めとってから「……おねがい」と掠れた声で囁く。
カカシは低く唸ると、イルカの後孔にいきり立ったモノを宛がい、ゆっくりと押し込んでいった。
二人の荒い息遣いだけが、洞窟の中に響く。

「全部、入ったよ。……分かる?」
「あ……カカシさんの、俺の中、に……」

イルカは苦しさと幸福感をもたらした体内の異物を、我が物のようにいとおしみ、微笑んだ。
それを見たカカシの胸にも、泣きたくなるようなイルカへの愛情がこみ上げる。

(あぁ……この気持ちのまま、イルカ先生と番いたい)

カカシはイルカを抱き寄せて起き上がらせると、今度は自分が仰向けに横たわった。
そしてイルカと片手を繋ぎ、もう片方の手を自分の胸に当てると「イルカ先生……ここ?」と聞いた。
イルカがごくりと唾を飲みながらも躊躇っていると、人差し指の爪を立て、勢いよく横一直線に引いた。
するとカカシの白い肌にみるみる紅い血が溢れてくる。

「………!」
「俺の血を飲んで。ね?」

カカシが微笑みながらイルカの髪に手を差し入れ、そのまま頭を引き寄せた。
――この行為に間違ってることなど一つもない。
カカシの笑みはそんな確信めいた思いをイルカにもたらした。
イルカは素直にカカシの血をぴちゃぴちゃと舐め、飲み込み、自分の身体の一部にする。
イルカの中に、今まで両親や羅刹丸の血を飲んでいた時とは全く別物の、圧倒的な充足感が広がった。

「は、ぁぁ……んあ、ぁああ……っ」

それと同時に訪れた突然の絶頂感に、甲高い嬌声を上げたイルカの中が激しく痙攣を起こした。すると繋がった部分がきつく絞られて、二人同時に呻き声をあげる。
カカシの固く締まった腹の上に、イルカの放ったものが拡がった。
だがそれにも気付かないのか、気にもかけてないのか、全く頓着せずにゆったりとイルカが身を起こした。そして顔に覆い被さった黒髪をかきあげ、カカシをひたりと見つめる。
その漆黒の瞳は焚き火の炎を受け、縦に細く引き絞られていた。

「カカシさん、今度は俺の血を飲んで……それで俺はあなたのものだ……」

揺らめく明かりの中、カカシの血で唇を染めたイルカは、舌なめずりをしながらこの世の者とは思えないほど妖艶に微笑みかけた。
……獲物を腹に入れた肉食獣の、満足げな微笑みで。

その笑みが不意に翳り、驚きの表情へと変わった。

「っ、カカシさん……耳が」

カカシの頭には、いつの間にか犬の耳が生えていた。
人間の耳があるべき位置から大きく屹ち上がったそれに、イルカの目が見開かれている。
その様子を見て、カカシは何かに耐えるような顔になった。そして口を開けて、人にしては太く、鋭利に尖りすぎた犬歯をイルカに見せつける。

「牙もだよ……だいじょうぶ、極度に弱ったり興奮すると犬の姿がちょっと出ちゃうの」
「え、じゃあ……」
「うん、イルカせんせの可愛いおねだりに、今すっごい興奮してるから。……俺は獣なんだ。せんせと違って、理性が極端に弱まるだけでもこんな姿になる、本当の獣」
「……獣? 俺と、おんなじ……」

イルカの瞳に愉悦の淫靡な光が宿る。
そしてカカシの頭を抱き寄せると、その耳を唇で挟んでから優しく甘咬みした。

「獣なら、俺を食べて下さい……カカシさんがおなかいっぱいになるまで」
「イ、ルカ……っ!」

イルカの中のカカシのモノが根元の部分だけぐんと膨らみ、内側を押し拡げる。

「あ……やぁ、なに? お……きくなった……?」
「苦しいよね、ごめんね。これが俺の……人犬族の番の儀式みたいなものなんだ。こうやって膨らんで抜けないようロックして、特別な体液を一滴も残さずに注ぎ込むの。ちょっと時間かかるけど、これで相手にマーキングするんだよ……俺も初めてだから、ちょっとびっくりしたけど」
「初めて……俺、が?」
「うん。だって番になりたい、したいなんて思うほどの特別な人は、せんせが初めてだから」
「カカシさ……ぁあ、なか……熱いのが……」

そう話してる間にも、カカシのモノの先端からは絶え間なくマーキング液がじわじわと溢れ、緩やかな絶頂感をカカシにもたらし続けている。

「……あぁ、すっごく気持ちいい……ねぇ、せんせはちゃんと気持ちいい?」

カカシはイルカを揺すりながら胸元から首筋を舐め上げ、きつく吸い上げると、紅く浮かんだ刻印をうっとりと眺めてはしゃぶるを繰り返した。その甘い刺激にイルカは「ぁあ……んんっ」と、吐息混じりの声を溢す。

「ふふっ……外にも中にも、せんせが俺のものだって印が付いたね……こうやってる間にも、中に番の証が匂い付けされてるんだよ。……せんせが俺のものだっていう、証の匂いが」
「証の匂い……嬉し、ぃあんっ」

カカシはがっしりとイルカを抱え込むと、繋がったままイルカを横たわらせた。そして更に奥へと腰を進め、深く深く、イルカの中に沈み込ませた。

「あ、ぁあ、……奥、に」
「うん、全部しっかり受け止めて、染み込ませて……俺の匂いを……っ」
「んあっ、あっ……ぁあうっっ!」

カカシはイルカのなだらかな首筋に、鋭い犬歯を食い込ませた。
そして犬歯を引き抜くと、愛撫するように溢れ出した血を舐めとっていく。
その感覚に、イルカの中に例えようもない快感と幸福感が広がる。
――これが、あの人猫族の女の言ってた……
激烈な快感というよりは、何もかもが満たされ、もう大丈夫なんだという、絶対的な安心感と充足感による恍惚。
イルカの全身に、穏やかな震えが走る。
震えながらもゆったりと伸びやかに背をしならせ、イルカは最も愛しい番の名を呼んだ。

「カカシさん……カカシさん……」
「あぁ……イルカ……」

他の言葉はいらなかった。
見つめあい、微笑みあうだけで、お互いの全てが繋がっている気がした。
カカシが一度、大きく身体を震わせて、最後の証を注ぎ込む。
二人は見つめあったまま、静かに口づけを交わした。

「……これでイルカも、俺のものだ」






次の日の午後、二人は秘かに里に戻った。
カカシは影分身を出してイルカに変化させると、通常通りの任務帰りを装ってあうんの門から帰還させる。
そしてイルカをアパートの近くまで送り届けた。

「それじゃ俺は綱手様に報告してくるから、先生はゆっくり休んでて」
「はい、あの……本当に何から何までありがとうございました」
「やめてよそんな他人行儀なの。俺たち……番じゃない。それくらい当たり前でしょ」
「カカシさん……」

二人はお互いの目を覗きこむように見つめあった。
しばらくして、カカシがふ、と微笑む。

「こうしてると羅刹丸の所に帰したくなくなっちゃうから。もう行くね。……またね」
「はい、また……」

煙を上げてカカシの姿が消える。
イルカは後に舞い散る木の葉を一枚、そっと拾い上げた。



その夜――
カカシは自分の部屋で、風呂上がりの姿のまま寛いでいたが。不意に玄関の外にイルカの気配を感じて、慌ててドアを開けに走った。

「あれ、やっぱりイルカ先生! どうしたの?」
「羅刹丸とケンカしたんです。すみませんけど、今日は泊めて下さい」
「え、それは大歓迎だけど……いいの?」
「いいんです! 羅刹丸ってば戻ったんなら番を解消しろだなんて言うから……アイツがカカシさんを番と認めてくれるまで、俺は絶対帰りませんから! じゃあお邪魔します!」

イルカがぷりぷりしながら下足を脱ぎ、勝手知ったるカカシの部屋を、ずかずかと奥へ進んでいく。
カカシは慌てて追いかけると、後ろからイルカを抱きしめて囁いた。

「ねぇ、ホントにいいの?」
「いいんですよ、あんなわからず屋!」
「ふうん……いいの、ね?」

低く蕩ける声に変わったのに気付いて振り向いたイルカの顎を掴んで、カカシは喰らいつくような口づけを仕掛けた。
そして口腔を貪る合間に、誘惑の言葉をイルカに流し込む。

「今日は先生も辛いだろうから、我慢しようと思って羅刹丸のところに帰したのに……」
「ん、ふ……ぁ」
「俺のテリトリーに入ってきて『いい』って言ったんだから……覚悟してね、イルカせんせ」





眠りから急速に浮かび上がるカカシの鼻に、イルカの匂いが濃くなる。
――イルカの匂い。俺の匂いが染み込んだ、俺の番のイルカの匂い。
完全な目覚めの前に、カカシは幸せな匂いで胸をいっぱいに満たした。そして目を閉じたまま、隣に眠るイルカの首元に手を伸ばす。
そこにはカカシの刻んだ二つの傷があるのだ。
それをこの手に感じたくて伸ばした手は、イルカに届く前にふわふわの塊にぶつかって阻止された。

「気安く儂に触れるな、犬使い」
「シ……羅刹丸?!!」

カカシはカッと目を開けて、自分の手が触れたものを信じられない思いで凝視した。

「シラセツマルとは何じゃ! 儂はそのような奇っ怪な名前ではないぞっ」
「どうやってここに……鍵は? 結界は?!」
「結界? それはこの立派なヒゲにチョイと引っ掛かった、あの静電気のことか?」

シラス――羅刹丸は猫の姿で不敵にカカシを嘲笑った。
だがその立派なヒゲは、数本の先が縮れて短くなっている。それを指摘すると朝から面倒なので、カカシは羅刹丸のご自慢のヒゲを焦がしてやったという成果だけで満足することにした。
すると騒ぎで目覚めかけたイルカが、うう~んと呻いて腕を伸ばしてきた……羅刹丸の方に。
カカシは電光石火で羅刹丸を引っ掴んで捕縛の術をかけながら放り投げ、イルカの腕の中に収まって抱きしめ返した。

「おはよう、俺の大切な番のイルカ先生」

イルカの腕がびくりとして、目がぱちりと開いた。

「……おはよう、ございます」
「体調はどう? 疲れてるのに、あんまり寝かせてあげられなくてごめんね」
「いえっ、そんな! 俺こそ急に押しかけ……」

バッと身を離したイルカの言葉が途切れる。
不思議に思ったカカシが首を傾げると、イルカの視線はカカシの胸元に釘付けになっていた。
そこには、番の儀式でイルカのために付けた傷痕が――

「犬使い……! キ~~サ~~マ~~!!」
「あ~、その姿だと、つい猫扱いしちゃって。ごめ~んね」
「えっ、シラス?!」

シラスが怒りの青白い焔を纏いながら、ベッドに跳び乗ってきた。そしてカカシの胸元をじろりと睨めつけると、憤懣やる方ないという顔でカカシに向かって気の塊をぶつけてきた。
シラスほどの大妖の気は読みにくく、カカシはまともにそれを食らってベッドから転がり落ちてしまう。
するとイルカが二人の間に割り込んで、シラスに怒りをぶつけた。

「なんでカカシさんを攻撃するんだよ! だいたいなんでシラスがカカシさん家にいるんだ?」
「忘れ物を届けに来たのじゃよ。ほれ、この眼鏡を。これがないと昼間は困るじゃろうが。全くお主は粗忽者よの」
「あっ! ……うん、ありがとうシラス……それと、昨日はごめん」
「……いいのじゃよ」

イルカが例の瓶底眼鏡を受け取って、とりあえずのところは二人は休戦したようだ。
イルカがカカシを諦めない限りは何度でも再発するだろうが、その度イルカが家出してきてくれるなら、カカシは大歓迎だ。
イルカと羅刹丸のやり取りを、カカシは穏やかな気持ちで眺めていた。
木の葉を護るという使命感と人犬族の誇りだけでは埋まらなかった、カカシの心の虚。空洞。それがイルカという番を得て、身体の内側全てが隙間なく満たされたような、そんな安定感がある。
ちょっと厄介な小舅も付いて来てしまったが、それもまた人生のスパイスというやつだろう。

カカシは先ほど羅刹丸がじろりと睨めつけ、イルカが恥じらいと愛おしさの入り混じった目で見た胸元に、そっと手をやった。
そう。
カカシの胸元には、イルカのために刻んだ傷が一筋、くっきりと付いている。
色白なカカシの肌には、さぞかし映えていることだろう。
それを思うと、世界中に触れ回りたいような、誰にも秘密にしておきたいような、相反する感情がせめぎあう。
それはカカシには未知のもので、くすぐったくなるほどに幸せな感情だ。
――イルカ先生も、同じものを感じてくれてるといいのにな。
するとまるで何かのシグナルを受け取ったかのように、イルカがすいとカカシを見て。

二人は宙で視線を絡ませ、微笑みあった。




二人には番の印が刻まれている。
カカシはイルカの。
イルカはカカシの。
お互いが唯一無二の存在だという、番の証が。






【完】


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