【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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カカシの運転する車が山の麓へと走る。
帰りも送ると言うので、イルカは自転車を塾に置いてきてしまった。
大和が一席設けてたはずの場は、どうやらカカシの自宅だったらしい。
だが自宅は隣町のタワーマンションとアンコは言っていたはずだ。徐々に深くなる並木を見て怪訝な顔のイルカの心中を読み取ったのか、苦笑と共にカカシが教えた。
「これから向かうのは俺の実家。といっても誰も住んでないから、主に仕事場として使ってるんだけどね。……あ、大和、お願い」
ブレーキを踏んだカカシが声をかけると大和は車を降り、道路を塞ぐように渡されたチェーンの鍵を手慣れた様子で外して戻ってきた。
地面に垂れたチェーンを踏み越えて車を少しだけ進めると、また大和がチェーンを戻して車に乗り込む。
「先輩、いい加減リモコン付きの電動ゲートに変えましょうよ。いちいちめんどくさいじゃないですか」
「え~、業者呼んだり工事に立ち会う方がめんどくさい」
塾での二人と打って変わって気安い応酬をする二人に、イルカはだいぶリラックスできるようになっていた。
車はほんの数分走っただけで開けた場所に出る。
そこには古民家のような平屋の家が一軒、鬱蒼と立ち並ぶ木々を背にぽつんと建っていた。
三人は途中で買い込んできた酒やツマミの袋を銘々で持ち、車を降りた。
「お二人は学校での先輩後輩なんですか?」
「ん~、まぁね。後輩というか下僕というか」
「下僕じゃないですよ! 先輩はそんな風に思ってるんですか⁉」
「そんなこと言う奴には俺の手料理は食わせられないなぁ」
「そうです、僕は先輩の下僕ですね」
大和の華麗な手の平返しにイルカは声を上げて笑いながら、カカシの案内に着いていった。
屋内は外観を裏切る小綺麗で近代的な造りで、イルカは物珍しげに見回した。板の間の中央にある囲炉裏だけが古民家の名残を留めているが、本格的なキッチンと、板の間の裏に面した障子を模したピクチャーウィンドウは圧巻だった。
「……凄いですね」
「先輩は凝り性ですからね。彼氏にするには面倒なタイプですよ」
するとキッチンで食材を出していたカカシから、「何か言った、下僕くん?」と鋭い声が飛んできた。
大和は肩を竦めて「いえ、何も! 料理してる間、海野先生を書庫に案内してもいいですか?」と話題を変えた。カカシの了承の声が返り、大和が縁側に面した廊下を先導する。
突き当たりの引き戸を開けると、そこは引き戸の両隣を含む三方の壁面が本で埋め尽くされた洋室だった。床には未開梱の段ボールが積んであり、窓際にはソファーとオットマンが設置され、傍らのテーブルには栞を挟んだ読みかけの本が一冊置いてある。
イルカは思わず感嘆の声を上げて室内をぐるりと見渡した。
「……凄いですね!」
イルカが本棚をざっと検分すると、日本の小説以外にも海外の小説とおぼしき背表紙から英語ですらなさそうな分厚い学術書まで、無節操なラインナップがずらりと並んでいる。
大和が「また増えてる……」と呟きながら覗き込んでる床に置かれた段ボールも、恐らく中身は書籍なのだろう。
「凄いですね……」
先ほどとは違うニュアンスの同じ言葉がイルカの口から洩れると、大和は顔を上げて苦笑した。
「さっきから海野先生、凄いしか言ってないですよ。まぁ分かりますけどね」
大和は立ち上がると本棚から一冊抜き出して、ぱらぱらとページを捲った。
それはイルカには何語かすらも判別できない文字で書かれた、古びた分厚い装丁の本だった。
「これはラテン語らしいですよ。もちろん僕も読めません。……先輩は元々スキップして二十歳前に国立大を卒業した天才なんですよ。その後は海外からの誘いも全部蹴って、あちこちの研究室や院を短いスパンで渡り歩いて。僕は先輩がなぜか日文科の研究室にいた時の後輩なんです。その前はロケット工学にもいたって聞きましたね」
予想を遥かに越えるカカシの前歴に、イルカはあんぐりと口を開けた。
本棚は持ち主の人となりを表すというが、なるほどそれなら無節操なラインナップにも納得がいく。
ふとテーブルの上の本に目を落とすと、表紙にはこの書庫には不似合いなほど俗なタイトルが書かれていた。
「イチャイチャ、パラダイス……?」
「ああ、それは自来也先生の初版本ですね。カカシ先生の師匠なんですよ。作家……というか、人生全般のらしいです。今は取材旅行という名目で、美女を求めて世界各地を放浪中です」
「はぁ……そうですか」
次々と明かされるカカシの情報に、イルカの頭は処理が追い付かなくてパンクしそうだった。
作家という人種は様々な職種を経験した者が多いとは言われているが、カカシのは何かが違う気がする。
アンコが言っていたようなただのエロミステリ作家じゃなかったのかと、ますます謎めいたカカシの経歴に、イルカは好奇心だけではない何かを感じた。
するとちょうどそのタイミングで引き戸がカラリと開き、カカシが「できたよ、運ぶの手伝ってくれる?」と能天気そうな顔を出した。
カカシの持つ秘密は、マスクに隠されている素顔以外にあと幾つあるんだろうと、イルカはまじまじとその顔を見返した。
※文中のスキップ制度、学部、学科、研究室は実際のものと変えてあります
帰りも送ると言うので、イルカは自転車を塾に置いてきてしまった。
大和が一席設けてたはずの場は、どうやらカカシの自宅だったらしい。
だが自宅は隣町のタワーマンションとアンコは言っていたはずだ。徐々に深くなる並木を見て怪訝な顔のイルカの心中を読み取ったのか、苦笑と共にカカシが教えた。
「これから向かうのは俺の実家。といっても誰も住んでないから、主に仕事場として使ってるんだけどね。……あ、大和、お願い」
ブレーキを踏んだカカシが声をかけると大和は車を降り、道路を塞ぐように渡されたチェーンの鍵を手慣れた様子で外して戻ってきた。
地面に垂れたチェーンを踏み越えて車を少しだけ進めると、また大和がチェーンを戻して車に乗り込む。
「先輩、いい加減リモコン付きの電動ゲートに変えましょうよ。いちいちめんどくさいじゃないですか」
「え~、業者呼んだり工事に立ち会う方がめんどくさい」
塾での二人と打って変わって気安い応酬をする二人に、イルカはだいぶリラックスできるようになっていた。
車はほんの数分走っただけで開けた場所に出る。
そこには古民家のような平屋の家が一軒、鬱蒼と立ち並ぶ木々を背にぽつんと建っていた。
三人は途中で買い込んできた酒やツマミの袋を銘々で持ち、車を降りた。
「お二人は学校での先輩後輩なんですか?」
「ん~、まぁね。後輩というか下僕というか」
「下僕じゃないですよ! 先輩はそんな風に思ってるんですか⁉」
「そんなこと言う奴には俺の手料理は食わせられないなぁ」
「そうです、僕は先輩の下僕ですね」
大和の華麗な手の平返しにイルカは声を上げて笑いながら、カカシの案内に着いていった。
屋内は外観を裏切る小綺麗で近代的な造りで、イルカは物珍しげに見回した。板の間の中央にある囲炉裏だけが古民家の名残を留めているが、本格的なキッチンと、板の間の裏に面した障子を模したピクチャーウィンドウは圧巻だった。
「……凄いですね」
「先輩は凝り性ですからね。彼氏にするには面倒なタイプですよ」
するとキッチンで食材を出していたカカシから、「何か言った、下僕くん?」と鋭い声が飛んできた。
大和は肩を竦めて「いえ、何も! 料理してる間、海野先生を書庫に案内してもいいですか?」と話題を変えた。カカシの了承の声が返り、大和が縁側に面した廊下を先導する。
突き当たりの引き戸を開けると、そこは引き戸の両隣を含む三方の壁面が本で埋め尽くされた洋室だった。床には未開梱の段ボールが積んであり、窓際にはソファーとオットマンが設置され、傍らのテーブルには栞を挟んだ読みかけの本が一冊置いてある。
イルカは思わず感嘆の声を上げて室内をぐるりと見渡した。
「……凄いですね!」
イルカが本棚をざっと検分すると、日本の小説以外にも海外の小説とおぼしき背表紙から英語ですらなさそうな分厚い学術書まで、無節操なラインナップがずらりと並んでいる。
大和が「また増えてる……」と呟きながら覗き込んでる床に置かれた段ボールも、恐らく中身は書籍なのだろう。
「凄いですね……」
先ほどとは違うニュアンスの同じ言葉がイルカの口から洩れると、大和は顔を上げて苦笑した。
「さっきから海野先生、凄いしか言ってないですよ。まぁ分かりますけどね」
大和は立ち上がると本棚から一冊抜き出して、ぱらぱらとページを捲った。
それはイルカには何語かすらも判別できない文字で書かれた、古びた分厚い装丁の本だった。
「これはラテン語らしいですよ。もちろん僕も読めません。……先輩は元々スキップして二十歳前に国立大を卒業した天才なんですよ。その後は海外からの誘いも全部蹴って、あちこちの研究室や院を短いスパンで渡り歩いて。僕は先輩がなぜか日文科の研究室にいた時の後輩なんです。その前はロケット工学にもいたって聞きましたね」
予想を遥かに越えるカカシの前歴に、イルカはあんぐりと口を開けた。
本棚は持ち主の人となりを表すというが、なるほどそれなら無節操なラインナップにも納得がいく。
ふとテーブルの上の本に目を落とすと、表紙にはこの書庫には不似合いなほど俗なタイトルが書かれていた。
「イチャイチャ、パラダイス……?」
「ああ、それは自来也先生の初版本ですね。カカシ先生の師匠なんですよ。作家……というか、人生全般のらしいです。今は取材旅行という名目で、美女を求めて世界各地を放浪中です」
「はぁ……そうですか」
次々と明かされるカカシの情報に、イルカの頭は処理が追い付かなくてパンクしそうだった。
作家という人種は様々な職種を経験した者が多いとは言われているが、カカシのは何かが違う気がする。
アンコが言っていたようなただのエロミステリ作家じゃなかったのかと、ますます謎めいたカカシの経歴に、イルカは好奇心だけではない何かを感じた。
するとちょうどそのタイミングで引き戸がカラリと開き、カカシが「できたよ、運ぶの手伝ってくれる?」と能天気そうな顔を出した。
カカシの持つ秘密は、マスクに隠されている素顔以外にあと幾つあるんだろうと、イルカはまじまじとその顔を見返した。
※文中のスキップ制度、学部、学科、研究室は実際のものと変えてあります
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