【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old (カテゴリ内↓new ↑old)
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old (カテゴリ内↓new ↑old)
そのまま天道の先導に任せてしばらく走ると、立派な屋敷の並ぶ地域に来た。
天道は一際門構えの立派な屋敷の手前で立ち止まる。猫に長距離走は向いてないのに息がまったく乱れてないのは、さすが忍猫というべきか。天道は訪いもせずに門の脇の潜り戸を通り抜けると、「こっちや」とすたすたと奥へ行ってしまった。門に掲げられた板には流麗な墨筆で『髭右近 紫子』と記されていた。それを見て、ようやくカカシにもここが何の屋敷なのか分かった。
髭右近家は犬塚家と並ぶ忍獣育成の名門だ。
忍獣育成を家業とする家は、犬猫の他にも鳥類や油女家のように蟲を専門とする所がある。髭右近家は主に猫科の動物を専門とし、当主は男だろうと女だろうと代々『髭右近 紫子』を名乗ると聞いた。
当代は確か珍しく若い女性だったなと記憶を浚いながら、カカシも潜り戸を抜けた。
玉砂利の上の飛び石を辿ると途中で分岐し、天道は右に逸れてこじんまりとした離れに入っていく。カカシも続くと、中はちょっとした小店のような趣で、店番なのか薄墨色の髪を結い上げた中性的な若者が立ち上がって挨拶をした。
「いらっしゃい。あら天道、今日はイルカ先生と一緒じゃないのね?」
「ご無沙汰しております、みんちゃん様。今日はイルカ兄さんのおつかいで参りました」
――大阪弁じゃない言葉も話せるんじゃないか! しかも敬語!
と言うか、みんちゃん『様』? 名前がみんちゃんなのか? 名前にちゃんも含めるのが髭右近家の習いなんだろうか。或いは和の国繋がりで、彼の国では女性の名には全てちゃんを付ける習わしとか……?
みんちゃんが声から女性ということは分かったが、カカシは目の前の情報過多に、うっかり挨拶も忘れて一人と一匹をまじまじと見つめてしまった。
するとみんちゃんがくすりと笑ってカカシに声をかけた。
「そちらははたけ上忍ですよね。はじめまして、髭右近家の忍猫のみんちゃんと申します。以後お見知りおきを」
「や、これは失礼、はたけカカシです。こちらこそよろしく……忍猫⁉」
「カカシ兄さん、今こそ引退しとるけどな、みんちゃん様は伝説と謳われる忍猫やで! くれぐれも失礼のないよう頼んまっせ!」
天道の言葉にみんちゃんをよく見ると、確かにチャクラが人のものとは違う。変化をしているようだが、言われるまで上忍のカカシにすら悟らせないとは、引退したとはいえ相当な術力だ。
「これは重ね重ね失礼しました。みんちゃん様は忍猫だったんですね。いやぁ、素晴らしい変化の術です」
カカシの心からの称賛にみんちゃんはにこりと微笑むと、ポンという音と共に煙に包まれた。
煙の晴れた後にカウンターの奥に立って……いや座っているのは、大型の猫科の獣だった。無柄の薄墨色の被毛は見たことはなかったが、豹かそれに属する獣か。滅多なことで面に感情を見せないカカシも、これにはさすがに目を見開いてみんちゃんを見つめた。
「天下のはたけ上忍に様を付けられるなんて恐れ多いですわ。どうぞみんちゃんとお呼び捨て下さいね」
頭を下げる姿は完全に猫科のそれだが、発する言葉は人そのものだ。
自分の使う忍犬も同じ力を持っているどころか、戦場では上忍に匹敵する働きをするというのに、初めて見る大型猫科のみんちゃんの姿を前にカカシはただ驚くばかりだった。
「おや、ずいぶんと騒がしいと思ったらお客様? ……あらまぁ、はたけ上忍でしたか。ようこそ、髭右近のにゃんにゃんショップへ」
奥から現れたのはサクラと同年代くらいだろうか、年相応の華がある声に年不相応な大人びた話し方をする、和服に猫柄のエプロンをした人形のように可愛らしい女の子だった。
「紫子様! ご無沙汰しております!」
「久しぶりね天道、あなたも息災にしてるみたいね。良かったわ」
またしても敬語でぴょんと頭を下げる天道とその呼んだ名に、この子が髭右近家の現当主かと見当を付ける。
それにしても若い。
忍も当主も見た目や年齢で判断してはいけないと分かってはいるが、まさかここまで若いとはカカシも思っていなかった。
あえて言うなら『にゃんにゃんショップ』に女の子らしさが表れているのかもしれない。この名は恐らく紫子が付けたのではないかと推測する。
だが当主の紫子といい忍猫のみんちゃんといい、こちらがほとんど髭右近家の情報を持っていないのに、一方的に自分の事を知られているのに忍としての警戒心がふと沸き上がってしまう。
一部の頻繁に使う忍を除き、忍獣を使役することはあまり公言しないのが通例とはいえ、ここまで秘されていた家は珍しいのではないか。
するとみんちゃんと紫子が顔を見合わせてくすくすと笑い合った。
「そんな警戒なさらないで。はたけ上忍のことはイルカ先生からよくお聞きしてたものですから、つい親しく感じてしまって。失礼しましたわ」
「……イルカ先生から?」
思いがけない名前に、カカシはみんちゃんの琥珀色の目を見返した。
「私はうちの長老から聞いてたわ。お宅のパックンさんとは些か交流があるようですわね」
「パックンが⁉」
長老とは髭右近家の先代なのか、まさかパックンが主にも伝えず他の忍と交流を持っていたなんて。何てことだ……今日は驚かされる事ばかりだと、カカシは思わず天を仰いだ。
「兄さん、魂飛ばしてる場合ちゃいまっせ! はよおつかい済ませて帰らんと」
「あ、あぁ……そうね」
そういえば肝心の『イルカ先生の家にお呼ばれ』イベントはまだ始まってもいない。それなのにずいぶんと忙しない道中になってしまっている。イルカ先生はこうなることを見越しておつかいを頼んだのかと、その思惑を量りかねてカカシは首を捻った。
「天道が来るとは聞いてましたけど、天下のはたけ上忍を髭右近家にお迎えできるなんて光栄ですわ。イルカ先生から頼まれていたのはこちらです」
紫子が指し示したのは、部屋の隅に腰丈ほどまで積まれた猫用ドライフードとトイレ用の猫砂だった。
キャットフードは分かるが、忍獣にトイレ用品? と怪訝に思っても今度は顔に出さないよう努めた。必要だから頼んでいるのだろうから、何もここで問うようなことではない。
いつの間に人型に戻っていたみんちゃんの手伝いましょうかという厚意を丁重に断り、荷物を両肩に積んだ。
「今度はゆっくりいらして下さいね。イルカ先生と一緒に」
「ええ、ぜひ」
「あのっ、その時はオレもお邪魔さしてもろてもええですか!」
「もちろんですよ天道」
口々に別れの言葉を述べつつにゃんにゃんショップを後にすると、屋敷を出た所で天道が詰めていた息を大きく吐いた。
「はぁ~、いつお会いしてもみんちゃん様はお美しくていらっしゃるなぁ」
まだ敬語の名残を滲ませつつうっとりと呟く天道に、カカシは笑いを噛み殺した。確かに元が猫とは思えないほどの美貌ではあったが、今のカカシにとっては美しい、可愛い等の形容詞はイルカただ一人を指すものだった。先ほどの紫子やサクラは可愛らしいが、天道やカカシの言う美しいとはまた違う。
天道の呟きは、明らかに慕情と憧憬を含んだものだった。
こういう心の機微に関心を持つようになったのも、きっとイルカ先生の影響だろうなぁと、カカシはしみじみと感じ入る。そんな感傷に浸る間もなく、またしても天道の「ほな、ちゃっちゃと帰ろか!」の言葉に尻を叩かれ、両肩の荷を担ぎながらイルカの家へと走った。
天道は一際門構えの立派な屋敷の手前で立ち止まる。猫に長距離走は向いてないのに息がまったく乱れてないのは、さすが忍猫というべきか。天道は訪いもせずに門の脇の潜り戸を通り抜けると、「こっちや」とすたすたと奥へ行ってしまった。門に掲げられた板には流麗な墨筆で『髭右近 紫子』と記されていた。それを見て、ようやくカカシにもここが何の屋敷なのか分かった。
髭右近家は犬塚家と並ぶ忍獣育成の名門だ。
忍獣育成を家業とする家は、犬猫の他にも鳥類や油女家のように蟲を専門とする所がある。髭右近家は主に猫科の動物を専門とし、当主は男だろうと女だろうと代々『髭右近 紫子』を名乗ると聞いた。
当代は確か珍しく若い女性だったなと記憶を浚いながら、カカシも潜り戸を抜けた。
玉砂利の上の飛び石を辿ると途中で分岐し、天道は右に逸れてこじんまりとした離れに入っていく。カカシも続くと、中はちょっとした小店のような趣で、店番なのか薄墨色の髪を結い上げた中性的な若者が立ち上がって挨拶をした。
「いらっしゃい。あら天道、今日はイルカ先生と一緒じゃないのね?」
「ご無沙汰しております、みんちゃん様。今日はイルカ兄さんのおつかいで参りました」
――大阪弁じゃない言葉も話せるんじゃないか! しかも敬語!
と言うか、みんちゃん『様』? 名前がみんちゃんなのか? 名前にちゃんも含めるのが髭右近家の習いなんだろうか。或いは和の国繋がりで、彼の国では女性の名には全てちゃんを付ける習わしとか……?
みんちゃんが声から女性ということは分かったが、カカシは目の前の情報過多に、うっかり挨拶も忘れて一人と一匹をまじまじと見つめてしまった。
するとみんちゃんがくすりと笑ってカカシに声をかけた。
「そちらははたけ上忍ですよね。はじめまして、髭右近家の忍猫のみんちゃんと申します。以後お見知りおきを」
「や、これは失礼、はたけカカシです。こちらこそよろしく……忍猫⁉」
「カカシ兄さん、今こそ引退しとるけどな、みんちゃん様は伝説と謳われる忍猫やで! くれぐれも失礼のないよう頼んまっせ!」
天道の言葉にみんちゃんをよく見ると、確かにチャクラが人のものとは違う。変化をしているようだが、言われるまで上忍のカカシにすら悟らせないとは、引退したとはいえ相当な術力だ。
「これは重ね重ね失礼しました。みんちゃん様は忍猫だったんですね。いやぁ、素晴らしい変化の術です」
カカシの心からの称賛にみんちゃんはにこりと微笑むと、ポンという音と共に煙に包まれた。
煙の晴れた後にカウンターの奥に立って……いや座っているのは、大型の猫科の獣だった。無柄の薄墨色の被毛は見たことはなかったが、豹かそれに属する獣か。滅多なことで面に感情を見せないカカシも、これにはさすがに目を見開いてみんちゃんを見つめた。
「天下のはたけ上忍に様を付けられるなんて恐れ多いですわ。どうぞみんちゃんとお呼び捨て下さいね」
頭を下げる姿は完全に猫科のそれだが、発する言葉は人そのものだ。
自分の使う忍犬も同じ力を持っているどころか、戦場では上忍に匹敵する働きをするというのに、初めて見る大型猫科のみんちゃんの姿を前にカカシはただ驚くばかりだった。
「おや、ずいぶんと騒がしいと思ったらお客様? ……あらまぁ、はたけ上忍でしたか。ようこそ、髭右近のにゃんにゃんショップへ」
奥から現れたのはサクラと同年代くらいだろうか、年相応の華がある声に年不相応な大人びた話し方をする、和服に猫柄のエプロンをした人形のように可愛らしい女の子だった。
「紫子様! ご無沙汰しております!」
「久しぶりね天道、あなたも息災にしてるみたいね。良かったわ」
またしても敬語でぴょんと頭を下げる天道とその呼んだ名に、この子が髭右近家の現当主かと見当を付ける。
それにしても若い。
忍も当主も見た目や年齢で判断してはいけないと分かってはいるが、まさかここまで若いとはカカシも思っていなかった。
あえて言うなら『にゃんにゃんショップ』に女の子らしさが表れているのかもしれない。この名は恐らく紫子が付けたのではないかと推測する。
だが当主の紫子といい忍猫のみんちゃんといい、こちらがほとんど髭右近家の情報を持っていないのに、一方的に自分の事を知られているのに忍としての警戒心がふと沸き上がってしまう。
一部の頻繁に使う忍を除き、忍獣を使役することはあまり公言しないのが通例とはいえ、ここまで秘されていた家は珍しいのではないか。
するとみんちゃんと紫子が顔を見合わせてくすくすと笑い合った。
「そんな警戒なさらないで。はたけ上忍のことはイルカ先生からよくお聞きしてたものですから、つい親しく感じてしまって。失礼しましたわ」
「……イルカ先生から?」
思いがけない名前に、カカシはみんちゃんの琥珀色の目を見返した。
「私はうちの長老から聞いてたわ。お宅のパックンさんとは些か交流があるようですわね」
「パックンが⁉」
長老とは髭右近家の先代なのか、まさかパックンが主にも伝えず他の忍と交流を持っていたなんて。何てことだ……今日は驚かされる事ばかりだと、カカシは思わず天を仰いだ。
「兄さん、魂飛ばしてる場合ちゃいまっせ! はよおつかい済ませて帰らんと」
「あ、あぁ……そうね」
そういえば肝心の『イルカ先生の家にお呼ばれ』イベントはまだ始まってもいない。それなのにずいぶんと忙しない道中になってしまっている。イルカ先生はこうなることを見越しておつかいを頼んだのかと、その思惑を量りかねてカカシは首を捻った。
「天道が来るとは聞いてましたけど、天下のはたけ上忍を髭右近家にお迎えできるなんて光栄ですわ。イルカ先生から頼まれていたのはこちらです」
紫子が指し示したのは、部屋の隅に腰丈ほどまで積まれた猫用ドライフードとトイレ用の猫砂だった。
キャットフードは分かるが、忍獣にトイレ用品? と怪訝に思っても今度は顔に出さないよう努めた。必要だから頼んでいるのだろうから、何もここで問うようなことではない。
いつの間に人型に戻っていたみんちゃんの手伝いましょうかという厚意を丁重に断り、荷物を両肩に積んだ。
「今度はゆっくりいらして下さいね。イルカ先生と一緒に」
「ええ、ぜひ」
「あのっ、その時はオレもお邪魔さしてもろてもええですか!」
「もちろんですよ天道」
口々に別れの言葉を述べつつにゃんにゃんショップを後にすると、屋敷を出た所で天道が詰めていた息を大きく吐いた。
「はぁ~、いつお会いしてもみんちゃん様はお美しくていらっしゃるなぁ」
まだ敬語の名残を滲ませつつうっとりと呟く天道に、カカシは笑いを噛み殺した。確かに元が猫とは思えないほどの美貌ではあったが、今のカカシにとっては美しい、可愛い等の形容詞はイルカただ一人を指すものだった。先ほどの紫子やサクラは可愛らしいが、天道やカカシの言う美しいとはまた違う。
天道の呟きは、明らかに慕情と憧憬を含んだものだった。
こういう心の機微に関心を持つようになったのも、きっとイルカ先生の影響だろうなぁと、カカシはしみじみと感じ入る。そんな感傷に浸る間もなく、またしても天道の「ほな、ちゃっちゃと帰ろか!」の言葉に尻を叩かれ、両肩の荷を担ぎながらイルカの家へと走った。
スポンサードリンク