【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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「極秘任務……ですか」
 イルカは五代目に呼び出され、火影執務室にいた。
 机に両肘を突き、真剣な顔で見上げてくる綱手に、てっきりナルトの事で何かあったのかと秘かに拳を握っていたのだが。
「受けてくれるな?」
 火影の下命は絶対だ。
 ――たとえそれが『はたけカカシのパンツを盗ってくること』であろうとも。

 発端はホムラとコハルをはじめとするご意見番との酒の席だったそうだ。
 確かにこんなくだらないことは、酒でも入ってないと出てこないだろう。
 最初は上忍の奇行の話題だったのがカカシの話になり、常に覆面をしているカカシが、温泉で下半身を晒してたにもかかわらずタオルで顔を覆ってたという。それは隠すべき所が違うだろうという笑い話から、ならば下半身は簡単に拝めるなと話が進み、じゃあパンツなど簡単に盗めるんじゃないかと何故か賭けになったのだという。
 この何故かの部分の詳細を聞く気にはなれなかった。
 元々ご意見番と綱手は折り合いがいいとは言えず、酒も入ってムキになった時の話題がたまたまカカシの事だっただけのことだろうと想像がついたからだ。
 それに巻き込まれるのははっきり言って大迷惑だが、これも哀しき宮仕えの定めだと、イルカは割り切って拝命しますと頭を下げた。

 綱手が中忍のイルカを指名するのには、ちゃんと理由があった。
 以前からイルカはカカシと階級を越えた飲み友達という関係で、大戦後の里が落ち着いた頃からそれが再開していたのだ。それもお互いの家を行き来して宅飲みするような仲。
 カカシが一緒に飲みに行く者は何人かいても、宅飲みを頻繁にする関係まではいない。イルカが中忍ということもあり、カカシはきっと油断してるというのが綱手の主張だった。
 確かにイルカにパンツを盗られるなんて、カカシは思いもしないだろう。五代目の目の付け所は間違ってはいないよな、とイルカは肩を落とす。
 とりあえずは宅飲みの約束を取り付けないと。
 イルカは渋々と式を飛ばした。



 用意したビールに肴、カカシが手土産にと持ち込んだ土の国の珍しい酒もあらかた飲み尽くした。
 いつもならここで解散だが、今日はそういう訳にはいかない。
「カカシさん明日は休みですよね? そうだ、今日は泊まってってくださいよ」
「え⁉ ……いいの?」
 予想以上に驚くカカシを前に、そういえば泊まっていったことはなかったのに唐突だったかと冷汗をかく。
「いいに決まってるじゃないですか! さぁさぁ風呂に入ってください」
「え、……えっ! 風呂⁉」
「遠慮はいりませんよ、あ、脱いだ物は忘れずに洗濯機に突っ込んどいてください」
 焦るカカシに向かって早口でまくし立てると、強引に風呂に押し込む。
 風呂場でシャワーを使う音がして、イルカはようやく息をついた。焦るあまり着替えを用意してなかったことに気付き、急いで箪笥からスウェットの上下を持ってきた。イルカの部屋着だが、新品を用意する方がおかしいかと、あえての古着だ。
 綱手の依頼は『カカシのパンツだと分かるように、着用済みの物を持ってこい』だった。
 まさか匂いで判定はしないだろうが、イルカのやってることはまさにパンツ泥棒の変態だ。
 だがこれも立派な任務。早くパンツを盗らないと、カカシが風呂から上がってしまう。自宅だというのに脱衣所に忍び込むと、スウェットを抱えたまま洗濯機を覗き込む。
 ――あった。
 支給服のアンダーに紛れて、小さな黒い布がある。音を立てないよう、そっと手を伸ばして布を摘み上げた。
 それは予想以上に小さくて。
「……っ、これは」
 その時、イルカの手首がぎゅっと掴まれた。
 手甲をはめた白い手に。
 同時に風呂場の気配が消える。
 ということは、今イルカの目の前にいる方が本体だ。
「まさか先生が俺のパンツを欲しがってくれるなんて」
 恐る恐る上げた顔は両手に包まれ、唇が押し付けられる。
「ンンーーーーー!」
「てっきり片想いだと思ってたから……嬉しい」
 違うと言いたいが、それを言うとパンツ泥棒の理由も言わなければならない。どうしたらいい。何と言ったらいいんだ。
 また唇が合わさる。
 今度は舌がぬるりと入り込んできて、イルカの答えは出されることはなかった。

 そのままベッドに連れ込まれ、散々喘がされて、ついでに事の真相まで白状させられてしまった。
 「好き好き大好きもう離さない」と情熱的に抱かれ、イルカも最後の方には「気持ちいい俺も好き好き大好き」と返していて、「俺たち恋人になったんですね」と幸せそうに蕩ける笑みを向けられ。
 明け方にはもうそれでいいかという境地に達する。
 問題は例の極秘任務だが、カカシが俺に任せてと言うので頷いてしまった。何というか、いろいろアレがソレでビッグバンでそれどころじゃなかったのだ。
 そして昨日まで飲み友達だったカカシは、イルカの恋人になった。



 数日後、五代目にまた呼び出されて恐る恐る執務室に行くと、あからさまにニヤつく綱手と向かい合った。
「お前たち付き合ってたんだってな」
「は、いえ、はぁ……まぁ」
「なんだ、照れてるのか。カカシがわざわざ言ってきたぞ、俺のパンツは愛しい恋人の物なので差し上げられません、ってな」
「ひっ、ふへっ⁉」
「なんだ、アタシだってそこまで野暮じゃないさ。最初にそう言ってくれりゃ良かったんだよ。あの任務は取り消してやろう。ホムラ様とコハル様もカカシに恋人ができたと聞いたら、そっちの方がいい肴になる」
 話はそれだけだと、シッシッと追い払われた。
 確かにカカシはパンツの方は解決してくれたが、別の問題ができてしまった気がする。あの様子では当分からかわれるだろう。
 だがイルカの口からため息が漏れることはなかった。代わりに抑えきれない笑みが浮かぶ。 
 今日はカカシがまた泊まりに来るのだ。そのため、イルカは『約束のパンツ』を穿いていた。
 イルカが盗もうとした、例のパンツだ。
 あれから次に会うまで寂しいからと、お互いのパンツを交換して過ごすことになったのだ。もちろん洗濯してあるが、今イルカが穿いているのはカカシのパンツだ。
 きっかけはひどいものだったが、素敵な恋人ができたと思えばこれもある意味縁結びのパンツと言えるだろう。
 あの時は驚いたが、カカシのパンツには縁結びに相応しいとも言える、赤い小さなリボンがついていたのだから。
「恋が叶うおまじないだったんです」
 恥じらいながら言うカカシはとても愛らしかった。これも恋人の欲目だろうか。
 今度、自分のパンツにも赤いリボンをつけてもらおうと、素敵な思いつきに浮かれながらイルカは駆け出した。


【完】

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