【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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『今日も木の葉は平和です…たぶん』シリーズでの時系列順に並べ直したので、pixivとは掲載順が変わってます。
盲愛 ★★

3(完)

とっさに空中で回転したので頭から川の中に突っ込むのは避けられたが、びしょ濡れになってしまった。
その前からイルカ先生の体液で全身びしょ濡れだったから、それは構わないんだけど。
直ぐに立ち上がって先生の様子を確認すると、土手に座っていた先生は鯨から元のサイズに戻ってしまっていた。

あー、……そうか。
チャクラが切れたんだ。

切れたといっても、俺のチャクラ切れで動けなくなるのとは違う仕組みだ。
この術は発動する時に、一定量の『術者のチャクラ』を使う。それが切れると自動的に解術されてしまうので、使いどころがあまりなく保管庫に眠っていたのだ。
とりあえず犬のように頭と両腕を振って水を切ると、イルカ先生の方に歩いていく。
いきなりパンツとズボンが破れ、下半身の前だけ丸出しというハレンチな格好で俺を見上げていた先生は、やっと我に返ったらしい。
ぽかんと開けていた口をぱちりと閉じ、ぎゅっと眉間にシワが寄った。ぶわりと噴き出す怒りのチャクラを感じ、慌てていつものように先生の正面に正座する。

「……で。何か言い訳したいことは? はたけ上忍」

うっ、まずい。敬称だ。
分かってはいたけど、ご機嫌斜めってレベルじゃない。これはまた特大の雷と、今度こそ拳骨コースまっしぐらだ。
ま、それくらいは覚悟の上だったからね、甘んじて受けるけど。
できれば一週間おさわり禁止とか、アパート立ち入り禁止はしないでほしいなぁ。

「黙ってるってことは、何もないんですか?」
「…………言い訳ってほどじゃないけど。俺が小さくなって、イルカ先生に可愛いって思ってもらいたかったんです。丁度いい術が無くて先生を大きくしちゃったけど。迷惑かけてごめんなさい」
「かわいい……?」

先生からみればくだらない理由だろうけど、最近なんていうか、倦怠期? あまりにも俺への扱いが雑で、もしかしてもうそんなに俺のこと好きじゃないのかもって……あぁ、考えたら落ち込んできた。
とりあえず来るべき雷か拳骨に備えて右目を閉じ歯を食いしばったが、どちらも一向に降ってこない。
ガサゴソ音がするのにも不審に思ってそっと目を開けると、イルカ先生は立ち上がってアンダーを脱ぎ、それを腰に前掛けのように巻き付けているところだった。

「こんな格好してたら、またカカシさんのエロスイッチが入っちゃいますからね」

そう言いながら鎖帷子だけになった上半身にベストを羽織るけど、むしろそっちの方がやらしいし誘ってるよね! と飛びかかりそうになって気付いた。

「……あれ、もう怒ってない、の?」
「怒ってますよ。怒ってるけど、まぁ、なんていうか、こんな奇天烈な行動に走ったのには、俺にも責任の一端はあるような気がしなくもなくもないなぁと」

イルカ先生が俺から目を逸らしながら、人差し指でぽりぽりと鼻筋の脇をかく。
あ、これは照れてるか気まずい時のサイン!
なんで急に風向きが変わったのかは分からないけど、このチャンスを逃すなんてはたけカカシじゃないよね!
鎖帷子から覗く美味しそうな乳首めがけて飛びかかろうとすると、イルカ先生が印を組んだ。
ぼん! という音と共に俺の体から煙が上がり、何らかの術がかけられたことを知る。
今の術印は確か――。

「おお~、可愛いなぁ!」

イルカ先生が満面の笑みで俺を見下ろしている。
見下ろして………………

「ワウッッッッ⁉」

俺はちんまい仔犬の姿にされていた。
むっくりした四つ脚の周りにはベストやらアンダーやらがバラバラと重なり、後ろ脚だけサンダルを履いているというか、サンダルの上に乗っかっている状態だ。

「ワウッ、キャウッ」
「その姿じゃ悪さもできないよな、可愛いワンちゃん♥ 何言ってんのか分からんけど可愛いなぁ!」

さも嬉しげに可愛いを連呼してるけど、目が悪戯小僧のイルカ君になってるよ⁉

「よしよし、腹減ったよな、早く家に帰ってメシにしようなぁ」
「キャウ、キュウン……」
「毛並みもふわっふわ! 名前は、そうだなぁ……仔犬のカカシでコカちゃんがいいな! コカちゃん可愛いぞ~!」

悪戯イルカ小僧君が俺をひょいと抱き上げ、無防備に晒した俺の腹にすりすりと頬擦りをした。
そしてベストの前を少し開けると、そこに俺を押し込んで片手で押さえながら、地面に落ちている俺の装備一式と四方に配された結界札を拾い上げた。
片腕に荷物を抱え、可愛い、可愛いとしきりに俺の体を撫で回しながら、鼻唄でも歌いそうな浮かれた足どりで土手から住宅街の方へと歩き出す。
……まさかこんなお仕置きをされてしまうとは思ってもみなかった。
確かに可愛いって思ってくれてるのは、ひしひしと感じるけども!
あご下をくすぐる指にガブガブと噛み付いてみても、先生は嬉しげに笑うだけで何の抵抗にもならない。その間も撫でられ、先生の肉厚な掌と胸元のサンドウィッチの具と成り果てた俺は、あまりの心地よさに次第に動きが弱まってしまった。
と、イルカ先生の小さな呟きが聞こえる。

「……でもね、仔犬じゃなくても俺はカカシさんのこと大好きだし、可愛いって思ってますからね」

何とかして解術してやろうと思ってた俺は、その言葉で戻るのをやめた。
仔犬の姿ならイルカ先生はすっごく可愛がってくれるし、いつもより素直に気持ちを言葉にしてくれるみたいだし。
反省してるふりをしながら、いや反省はもちろんしてるけど、先生の気の済むまではこのままでも良いかも。
鎖帷子越しに犬の耳に響くイルカ先生の鼓動は、いつもより近く大きくて。誰よりも何よりも魅力的な匂いはこの鼻に芳しい。

「ふふ、疲れて寝ちまったかな?」

イルカ先生の大きな掌に包まれ、温かな胸に押し付けられた俺は、このままちょっとだけ眠るのもいいかもと思いながら。
大きく口を開け、くあっと欠伸をした。
「カカシさん可愛い」という甘い囁きを、子守唄代わりにしながら。



【完】

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