【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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『今日も木の葉は平和です…たぶん』シリーズでの時系列順に並べ直したので、pixivとは掲載順が変わってます。
真面目誠実暗部とアカデミー教師、最低最悪の初対面 ★

2(完)


任務帰りの夕刻、大門の手前で先輩から式が届いた。

『イルカ先生ん家に来い』

また入り浸ってるのか…。
相変わらず素っ気ない文だ。まぁ、先輩はこれが通常運転だけど。
理由も何もないところをみると、特に急ぎの用件ではなさそうだ。おおかたパシリだろうから、報告してからでもいいだろう。
テンゾウはそう判断すると、三代目の元に向かった。



予想以上に報告が長引き、すっかり暗くなった中を急いでイルカ先生のお宅に駆ける。
先輩の恋人とは直接お会いしたことはないけど、何度も先輩を迎えに行ったり呼び出されたりしているので場所は知っている。
中忍アパートのベランダに降り立つと、中から何やら桃色のチャクラが流れ出ていた。
どうやら二人でコトに及んでるらしい。

(…あぁ、そういうコトね)

暗部時代にも呼び付けられた遊廓で、用件を済ませたついでにお前も楽しんでいきなよと、二人で太夫を共有したこともあった。先輩のセフレと3Pなんかも当たり前だったし。
今回もきっとそれ要員で呼び出されたんだろう。
気が利くと暗部でも評判の猫面テンゾウは、そう結論付けると気配を絶って室内に滑り込んだ。



寝室のベッドの上では、カカシが胡座の上にイルカを乗せて揺さぶっていた。
お互い夢中になっているのか、面を外して片隅に立つテンゾウに気付くことはない。
この体勢ではどうやって参入すればスマートかつベストかを検討するため、テンゾウはしばし二人を観察する。

イルカ先生とは初対面だし、とりあえず驚かせないように気配を戻してから、イルカ先生の背後から先生の息子さんのお世話をしつつ、先生にご挨拶をすればいいだろうか。
男は初めてだけど、勃たなかったら失礼かな。なにしろ先輩の初めてのちゃんとした恋人だし……あ、でも唇を噛みしめて声を殺してる表情なんかけっこういいかも。うん、イケそうだ。
任務帰りでちょっと疲れてるけど、ここはひとつ尊敬する先輩の恋愛を盛り上げるために頑張ろう。

テンゾウは気配を現すと同時に、イルカの背後に一瞬で移動した。
カカシが目を見開いてテンゾウを凝視したので、
(分かってますよ、任せて下さい)
と一つ頷く。それからイルカの股間に手を伸ばして…


テンゾウはドンと突き飛ばされ、ベッドの下に転がり落ちた。
突然のことに無様に引っくり返っていると、カカシが素早くイルカに布団を巻き、テンゾウに人差し指を突き付けた。
「おまっ、テンゾウ!?何やってんの!」
布団虫になったイルカが状況についていけず「え、何?誰?」とあわあわしている。
「…何って、先輩が呼んだんじゃないですか。イルカ先生と三人でヤろうってことじゃなかったんですか?」

「「なっ…!!」」

テンゾウの衝撃発言にカカシはテンゾウを、イルカはカカシをギラリと睨み付ける。
「何バカなこと言っちゃってんの!?そんな訳ないでしょ!こないだ言ってた巻物を渡しときたかっただけだから!違うからね先生!俺そんなふしだらなこと一切やってないからね!」
いち早く立ち直ったカカシが慌てて釈明するが、カカシの狼狽が伝染ったのか、珍しく動揺したテンゾウが空気を読まないトドメを刺した。

「え?だって昔は…」

「水遁 水龍弾の術!!」

カカシの放った龍を象った水の塊が、テンゾウを呑み込みながら勢いよく窓の外へ吹っ飛んでいった。
それを見送るとカカシはサッとイルカの方へ向き直り、胡散臭さ満開の笑顔を貼り付ける。
「気の利かない後輩でゴメ~ンね。ホントに何言っちゃってるんだろうね~。ほら、あいつクソ真面目だからさ~暗部の任務ばっかでおかしくなっちゃったんだろうな~。さ、あいつのことは放っといて、続きしましょ~ね」

「…今の、どなたですか」

地を這うようなイルカの声が響く。
「俺と三人でって、そういうつもりだったんですか」
「違っ!そんなもったいない!イルカ先生は俺だけのものです!」
「へぇ…昔はそういうこと普通におやりになってらしたようですけどねぇ」
イルカからどす黒いオーラが立ち昇る。

「今は一切やってないよ!イルカ先生ひとすじに決まっ…」

「水遁! 水乱波・改!!」

手本のような印を組んでイルカが吐いた水流は、細いスクリューとなってカカシめがけて鋭い一撃を見舞った。
―――カカシの股間に。

「~~~~~~~!!!」

股間を押さえて転がったカカシを、イルカが冷徹な笑顔で見下ろす。
「おやおや、クリーンヒット。さっすが俺。あんたの御子息様、二度と使い物にならないかもしれませんねぇ。でもそんだけ酷使したなら、もうお役御免でいいんじゃないですか」
そしてチャクラを込めた片足を大きく振り上げ、カカシを窓の外へ蹴り出した。

「生ける猥褻物は家から出てけ!!!」

カカシは自分が吹っ飛ばした後輩の後を追うように、きれいな軌跡を描いて飛んでいった。

……全裸のままで。





テンゾウは中忍アパートから遥か遠く、演習場まで吹っ飛ばされていた。
自分の盛大な勘違いが原因とは言え、任務帰りに散々な目に合った。さらに言うと、この後の先輩の報復が恐ろしい…心の底から。
だが先ほどのカカシの動揺っぷりを思い出すと可笑しくて、テンゾウは大の字になったままクスクス笑う。

あんなに慌てふためいた先輩なんて、長い付き合いだけど初めて見た。
任務内容がほとんど虚偽の情報で内通者まで発覚した時だって、敵のど真ん中で背中を預けたセルの一人が裏切り者だった時だって「ふぅん」の一言で済ませてた、あの先輩が。

イルカ先生とは最悪な初対面になってしまったし、できれば二度とお会いしたくないけど、先輩と関わってる限りは無理な話だろう。
今回は先輩もとんでもなく本気でご執心らしいしね。

…それならイルカ先生には今度きちんと謝罪しなくては。
大事な性欲処理の時間を邪魔してしまったのだから、房術専門のくの一でもお土産に連れて行けばいいかな。…いや、男の方がいいかも。
先輩に先生の好みのタイプを聞いておくのを忘れないようにしなくちゃ。




根で育ち、暗部で人生のほとんどの時を過ごし、いまだ里の表側に生きたことのないテンゾウは、特に性に関しての一般常識という物が決定的に欠けていた。
真面目で誠実な性格なのに、育った環境ゆえに自分の常識がとっぱずれていることに気付いてない、残念な人。

これからカカシ込みでイルカの教育的指導がビシバシ入ることを、この時のテンゾウはまだ知らない。
カカシの慌てっぷりをまた思い出しては、呑気にクスクスと笑い続けるのだった。



【完】
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