【Caution!】
こちらの小説は全て作家様の大切な作品です。
無断転載・複写は絶対に禁止ですので、よろしくお願いします。
★エロし ★★いとエロし!
↑new ↓old
無断転載・複写は絶対に禁止ですので、よろしくお願いします。
★エロし ★★いとエロし!
↑new ↓old
年が明け木ノ葉の里に残っていた最後の雪が消えてなくなると、季節は一気に春へと向かい始める。
春はイルカの教え子達にとっては、新たな旅立ちの季節であり、送り出すイルカは子供達の成長が誇らしいけれど、ほんの少し寂しくなるのだ。
卒業年度の子供達の担任と言うこともあり、イルカは卒業後の子供達の進路指導に加えて、大切な成長の記録を卒業記念アルバムにまとめる仕事があった。
入学から卒業までの行事ごとの写真に加え、今回からはプロの写真家が、新たな写真の撮影と、撮りためた写真の編集してくれることになっていた。
午前中の授業を終え、午後は空き時間となっていたイルカは、早速そのプロのカメラマンがアカデミーに来るというので、教頭先生の代わりに打ち合わせに出ることになっていたのだ。
約束の時間は、13時だったのだが、カメラマンは応接室には現れない。
もしかして、アカデミーの中で迷っているのか?
心配になったイルカが昇降口まで迎えに行ったのだが、誰も来た様子はなかった。
それから小一時間、もしかしたら実際はもっと短い時間だったのかも知れないが、イルカは待ちくたびれて、一旦職員室に引き上げようとした。
そこへ厚手のコートを纏った人影が、アカデミーの門の向こう側に姿を現した。
背の高いその男は、茶色い髪にロングコートを纏っており、紫色の目と同じ色のアイペイントが、両の目の下から頬にかけて、道化師のように施されていた。
「こんにちは。アカデミーの方ですよね?僕の名前はスケア。この通り写真家をしています」
そう言ってスケアと名乗った男は、首から提げていたカメラを掲げて見せたのだが。
「本当にプロのカメラマンですか?」
思わず問い直してしまったのも、仕方が無いだろう。
「確かに今日プロのカメラマンの方が来ることになっていますが、約束の時間はとうに過ぎています。プロであるならば、時間厳守するのでは?」
ムッとした顔で口にすると、スケアは一瞬驚いた顔を浮かべたが、すぐに楽しげな笑い声を上げる。
「何がおかしいんですか?」
「いや、失礼。噂通りの人だなと思いまして。本日はよろしくお願いします。イルカ先生」
柔らかい笑みを浮かべる男が、何故イルカの名を知っていたのか?疑問に思う間もなく、男はイルカの腕を掴み、アカデミーの中を歩いて行く。
「それじゃ打ち合わせしましょうか?」
ニコニコ微笑むスケアは、応接室の扉を開けると、イルカに入るよう促してきた。
な……なんで俺が案内されているんだ?
客人を応接室に案内する役目はイルカだというのに。
なんか調子狂うなぁ……
イルカはため息を零しながらも、素直に部屋の中に入った。
応接机の前に向き合うように腰を下ろしたイルカは、早速撮りためてあった写真を机の上に並べた。
「こんな感じで、子供達の活動記録をまとめたいんです。もちろん集合写真とか、一人ずつ紹介する為の写真も欲しいんですが。出来るだけ自然な子供達の姿をアルバムにしたくて……」
ふと写真から視線をあげると、スケアがにこっと笑みを浮かべる。
「あの……スケアさん。説明、ちゃんと聞いていましたか?」
「はい。もちろん」
微笑むスケアは楽しそうにイルカを見つめるばかりで、イルカは肩をすくめる。
その時スケアは立ち上がると、イルカの真横にやって来て、机の上に並べられていた写真に手を伸ばした。
「この写真、躍動感があって素敵ですね。撮ったのはイルカ先生ですか?」
「いや、これは教頭先生だと思います」
「イルカ先生は写真を撮らないんですか?」
「俺はあまり撮るのが上手じゃないから」
苦笑するイルカに覆い被さるようにして、スケアが写真を指で動かした。
「アルバムに配置するなら……こんな感じかな?」
スケアの指の動きに目を取られていたイルカは、突然耳元に吹きかかった息にビクリと身を震わせる。
「スケアさん?」
「どうしました?」
「あ、いや……何でもないです」
ぴったりと張り付くようにイルカに身体を寄せるスケアに、イルカが冷や汗をかいていると、スケアはまた不思議な笑みを浮かべて、イルカの右手にひょいと小型のカメラを渡してきた。
「上手な写真の撮り方を教えて上げますね」
背後から覆い被さるように伸びてきたスケアの手が、イルカの両手を支え持つ。
スケアが囁く度に吹き込まれる吐息に、イルカはブルッと身震いしながら、息が止まりそうだった。
密着する身体が熱い。
きょ、距離が近すぎる!!
スケアから解放されたときには、身体が汗だくだった。
その後は緊張しすぎたせいか、打ち合わせもろくに頭に入らないまま、次回に持ち越しになった。
これが昨日の話だ。
本部棟の食堂で、エビ天を箸に摘まみながら、イルカは大きなため息をついていた。
この後またスケアと打ち合わせがあるのだ。
せっかく亭主の居ぬ間にならぬカカシの居ぬ間に天ぷらを食べているというのに。
味わう間もなく、イルカは再び大きなため息を零した。
その時だった。
「ああ~ん、その黄昏れちゃった背中は、恋に迷えるイルカちゃんねぇ~♥」
ビクッ
思わず全身がピキッと氷り漬いたイルカが、恐る恐る振り向くとソコには、長身のイルカのさらに上を行く細長い華奢な男が、パチリとウインクを決めていた。
「さ……榊っ」
「や~ねぇ、イルカったら。いくら久しぶりだからって、そんなに緊張しないでぇ~。いくらあたしがフェロモンダダ漏れだからって、親友の貴方にまで恋の魔法かけちゃったりしないからぁ☆」
「イヤイヤイヤ、フェロモン漏れてないから、安心して良いぞ。榊」
イルカがブンブン首を振りながら答えると、榊は少しだけ残念そうな顔をして、うふっと笑った。
この男榊は、イルカのスリーマンセル時代の仲間で、現在は医療班に在籍している看護忍だ。
ちょっと変わった心は乙女、身体は漢の自称イルカの恋の伝道師だった。
「そうよねぇ、貴方にははたけ上忍がいるもんねぇ」
カカシの名前が出た途端、イルカは再び憂鬱な顔をして、大きなため息をついた。
「どうしたの?イルカ?何か悩み事?よかったらお姉さんに話してご覧なさい」
「ああ……実はな」
溺れる者はわらにも縋る……で、思わず榊に悩みの種を話してしまったのだが。
「えええええ!!!!!!セクハラッ!!!!」
「声デカいよ、榊」
話した相手を間違えたか?と、毎回イルカは後悔するのだ。
「いや、まだセクハラって決まったわけじゃ……」
「耳フーよ?耳の中に息吹き込むなんて!狙われてるんじゃないの?イルカ!」
「いやいやいや、実害はまだないし。ちょっと距離が近すぎてだな……苦手って言うか」
しどろもどろのイルカの前で、榊の鼻息は荒くなる。
「それはたけ上忍には話したの?」
「いや……まだ……ちょうど昨日から任務でいないし。それに……」
こんな事話したら……
「ええええ!!!!粛正!!!!抹殺されちゃう、その人!!!!嫌っはたけ上忍!格好いいけど、恐ろしぃい~♥」
アアアア……殺しちゃうほど愛されてみたいぃ♥
全身をクネクネさせて、両腕で自分の身体を抱きしめる榊を生ぬるい目で見つめながら、イルカは再びため息をついた。
「あ、そうだ!私この後非番だから、その間男さんとの打ち合わせ、付き合っちゃおうかしら?」
イヤイヤイヤ、流石に間男呼ばわりは可哀相だなと思いつつも、イルカは親友の申し出をありがたく受けることにした。
こんな感じでも榊は頼りがいのある友人なのだ。
「それと、これ新しい夜の戦闘服。春の新作桜色のレースのエプロン♥イルカちゃんにもあげちゃう☆」
榊はガサガサと小脇に抱えた紙袋から、真新しいエプロンを差し出した。
イルカは「ありがとう……」と力なく笑うと、素直に受け取った。
前日とは打って変わって約束通りの時間に表れたスケアは、イルカの脇に立つ榊の姿に一瞬目を見開いたが、何事もなかったように応接室の机の脇に機材を下ろした。
「あらやだ、ちょっといい男じゃない?独特の雰囲気がミステリアスボーイね」
スケアの姿を見た途端、榊のテンションが上がった。
「お前、佐川隊長がいるくせに」
「ダ~リンは別腹♥いい男は、人類共通の宝よ☆」
何が人類共通の宝なのか?
声には出さず、指で忍び文字を書いて話し合うイルカ達の会話がスケアに聞こえるわけはなかったのだが。
スケアはニコニコと愛想の良い笑みを浮かべながら、いつの間に撮ったのか?生徒達の写真を机の上に並べた。
「凄い!流石プロですね!」
思わずイルカが感嘆の声をあげてしまうほど、スケアの撮った写真はイルカの理想通り、子供達の自然な姿と躍動感ある動きが伝わる物だった。
「これ、昨日の打ち合わせの後撮ったんですか?」
興奮して目を輝かせるイルカに、スケアは微笑む。
「そうです。イルカ先生のお眼鏡にかなったみたいですね。よかった、貴方が喜んでくれて」
貴方が喜んでくれてって……
「まるでイルカの為に撮ったみたいね」
ウフフっと笑う榊が指文字で茶化す。
イルカがぎこちない笑みで答えると、スケアは指で写真を動かしながら、アルバムの編集について話し始めた。
「この写真は目を引くから、大きめに伸ばして配置しませんか?それとこの写真は、子供達の表情が良い。アルバムは将来見返したときに、アカデミー時代のその瞬間を思い出せるような流れで編集して……」
スケアとの打ち合わせは順調に進んで、イルカはホッと安堵した。
よかった。今日は無事に終わりそうだ。妙な距離感も、俺の気のせいだったのかも知れない。
緊張感の抜けたイルカは、重いカメラや資材を肩に担ごうとしたスケアの荷物を持ってやろうと、手を伸ばした。
その時だ。
ヒョイと伸ばされたスケアの左手が、イルカの左肩に回ったのは。
思わず目を見開いたイルカがスケアを凝視する。
「貴方は優しい人ですね。誰にでも優しいのかな?」
ビクッと震えるイルカがスケアから離れようとすると、耳元に息が吹きかかるほど近くで、スケアのクスクスという笑い声が聞こえた。
「さっ」
榊!
すぐ側に立つ榊に助けを求めようと声をあげようとしたところで、スケアの静かな声が響く。
「無駄ですよ。彼には見えていないはずです」
見えていない!?まさか……
幻術!
「このまま外まで移動しましょう?」
イルカはスケアに肩を抱かれたまま、校舎の外へと移動する。
昇降口の外へ出たところで、スケアが再び口を開いた。
「貴方は隙が多すぎです。こんな事をされても、抵抗出来ますか?」
ギョッと目を剥くイルカの肩から離れたスケアの手が、イルカの二の腕を撫で、脇腹に到達し、そして……
「ギャッ!!」
突然叫び声を上げたイルカに、榊が不思議そうな顔をした。
「どうしたのよ?イルカ。急に声なんかあげて?」
「いや……だって」
尻を揉まれたんだよ!!この人に!!
泣きそうな目をして恨みがましくスケアを睨み付けるが、スケアは飄々とした顔をして、微笑む。
「次の打ち合わせまでに、また写真を撮っておきますね」
ニコニコ上機嫌で、スケアは踵を返した。
スケアが帰った後、その場にしゃがみ込んだイルカを、榊が怪訝な様子で見つめた。
「どうしちゃったのよ?イルカ?」
「……揉まれたんだよ、尻を」
「揉まれた?嘘ッ!!私見えなかったわよ!!」
「幻術、使ってたんだよ、スケアさんは」
「幻術!?この私の目を盗んでイルカの尻を揉むなんて、ただ者じゃないわね!これはもう私たちの手に余る案件だわ。はたけ上忍に相談しましょう!」
「だ、駄目だって!そんな事したら!」
あの人なら本当に暗殺しかねない!!
想像しただけで、イルカは青くなる。
カカシさんに言ったら、誰にも分からないように抹殺して、スケアさんの存在そのものを消去しかねない。もしかしたら、地球外まで吹き飛ばすかも。
「イヤイヤイヤ、流石に大気圏突入はマズい……」
「何をブツブツ言ってるのよ、イルカ。良いわ、私が何とかしてあげる。大事なイルカのお尻を守ってあげちゃうから!」
鼻息荒く口にする榊は、ウフフ♥とウィンクする。
「お姉さんに任せて☆」
翌日の昼休み。本部棟の食堂でイルカが榊を待っていると、榊は間もなくやって来た。
両腕に下げていた紙袋の中身を、榊はいそいそとイルカに差し出す。
「これは?」
渡されたのはシルクのような肌触りの真珠色に輝く布の束だった。
「ウフフ♥これは装備研究開発部の新作よ。まだ開発されたばかりの試作品なんだけど、私の友達がソコに居て、特別に借りてきたってワケ。kisaragiの医療用パウダーファンデと交換になっちゃったけど」
「すまない、榊。俺のために」
「良いのよ?大事なイルカのお尻を守るためだもの。天道虫本舗のスキンローションおまけして貰ったから、ラッキーだったわ♥」
うふふ♥と笑う榊は、布を大きく広げると、テーブルに広げた。
「あっ」
思わずイルカが声をあげる。
布に覆われたテーブルは姿を消し、そこから消えてしまったのだ。確かにそこにあったはずなのに。
イルカが手を伸ばすと、何もないのにテーブルの感触だけがあった。
「どう?」
「凄い!これは一体どうなってるんだ?」
「これはチャクラを使わず身を隠す為に開発された姿隠しの布なの。戦場で救援を待つ間、一時的に敵から身を隠せる優れものよ。光の屈折を利用した、目くらまし効果があるんですって!詳しくいろいろうんちくを聞いたけど、私にはさっぱり分からなかったわぁ~。興味があったら今度あいつに聞いてみて☆」
「うわ~ありがとうな!榊!よし!次の打ち合わせは、他の先生方も一緒だから。スケアさんの相手は教頭先生に任せて、解散と同時に捕まる前に身を隠すことにするよ!」
「ウフフ♥ガンバよ!イルカ!セクハラに負けちゃ駄目だぞ☆」
三回目の打ち合わせは職員室で行われ、生徒達の集合写真を撮る日程が組まれた。
流石にスケアも、教職員が勢揃いする中、イルカにちょっかいをかける気はないのか、打ち合わせ自体は滞りなく過ぎた。
打ち合わせが終わり、職員達がめいめい自分の担当の教室に戻る中、さりげなくイルカの事を視線で探すスケアから身を隠す為、イルカはササッと廊下の壁際に隠れると、姿隠しの布を被った。
スケアがセクハラをするとすれば、解散後の皆の注意がスケアから離れる今のはず。
今この時さえやり過ごせれば!
イルカはドキドキしながら、スケアがイルカの前を通り過ぎる瞬間を見守った。
スケアは一瞬怪訝な表情を浮かべながらも、イルカには気がつくことなく、目の前を通り過ぎていった。
スケアの姿を見送ってから数分後。
そろそろ校舎から出たであろう頃を見計らって、イルカは布を脱いだ。
「よかった……今日はやり過ごした」
ホッとするイルカは次の瞬間、瞬きする間もなくがっちりと両肩を捕まれ、壁に押さえつけられる。
混乱するイルカの目の前で、優雅に笑みを浮かべていたのは、帰ったはずの男だった。
「す……ケアさん?」
「まさかこんな小細工までして、避けられるとはね。僕としたことが……イルカ先生が布を剥ぐまで、分かりませんでしたよ」
「な……なにす……?」
「う~ん、何しましょうか?そうだな、せっかく面白い布があるから、この布を被っていけないことしましょうか?誰か気がつくかな?」
「やっ……離せっ!」
「離せって言われて、離すバカは居ませんよ?」
頭から布を被せられ、じたばた暴れるまでもなく、イルカのベストのジッパーが下ろされる。
支給服を捲りあげて忍び込んだ手は、的確にイルカの胸の蕾を捏ね上げた。
執拗に胸をいじられながら、抵抗するイルカの唇に、スケアのそれが重なる。
差し込まれた舌は、イルカの歯列を嬲り、口の端から飲み込めない体液が顎を伝う頃、動揺していたイルカの頭がクリアになる。
このキスの仕方は?
我に返ったイルカはきつく閉じていた目を開けると、スケアがキスに夢中になって、拘束されていなかった左手をグーで振り下ろした。
「痛っ!!」
目から花火が散ったのか?スケアが一瞬気を反らした隙に、イルカはむんずとスケアの髪の毛を掴みあげた。
スポンッと、勢いよく外れた茶髪のウィックが床に落ち、現れたのは見慣れた銀色の髪。
「やっぱり!カカシさん!!」
正体がばれてしまっては仕方が無いと、カカシはイルカを解放し、げんこつを落とされた頭を撫でる。
「あちゃ~バレちゃった。いつになったら気がつくんだろうって思ってたけど、流石にキスはバレたか」
「バレたかじゃありませんよ!この数日俺は本当に悩んで……スケアさんをカカシさんが消しちゃったらどうしようとか……」
うるうると涙目で訴えるイルカを前に、カカシがオロオロし始める。
「あの……ごめんね?本当、ちょっとした悪戯のつもりだったの。だけど貴方があまりにも隙だらけだから……」
「カカシさんは俺を疑ってたんですか!?ううっ酷い!!」
カカシさんのバカ野郎!!
姿隠しの布を手に走り出したイルカを、カカシが慌てて追いかける。
追いつかれそうになる度、イルカは布で身を隠し、その姿をカカシが探すを繰り返して、ようやく二人の追いかけっこが終わった頃には、日も暮れて夜になっていた。
それから数週間後。
イルカがカカシと仲直りし、卒業アルバムもようやく完成した頃、姿隠しの布は装備研究開発部で正式な商品として売り出されることになった。
触れ込みは『写輪眼を持ってしても見抜けぬ高性能。某上忍も気づけなかった装備研究開発部自慢の一品!』
「ねぇ、何よ?この某上忍って、まんま俺のことじゃないの?」
ベッドに寝転がりぼやくカカシのすぐ脇には、商品化された姿隠しの布が数枚置かれていた。
「よかったじゃないですか。カカシさんのお陰で無事製品化したんですから」
「よくないですよ。これのお陰で、エッチな事しようとしてもイルカ先生すぐ隠れちゃうんだもん」
「当たり前ですよ」
そう言ってイルカはひょいと布を頭からすっぽりと被る。
「ああっ!また!今夜こそエッチしようと思ってたのに!!」
ブーブー文句を言いながら、見えないイルカにカカシが抱きついてくる。
じゃれ合いながら、イルカは笑みを浮かべた。
おしまい
÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷
イルカの恋の伝道師(自称)で心は乙女、身体は漢の榊君が登場する『ミステイクなんて言わせない』『EDなんて言わせない』はこちらで読めますよ!
パワフルで可愛い榊君の活躍をぜひ堪能して下さいね~!
※2つとも主役はカカイルです。念のため(*´∀`)b
→最果て倉庫
そしてはやおさんの粋な計らいで再登場した闇夜(しかもお友達だったw)と天道虫本舗のエピソードが登場するお話はこちら
→企画室『強く、やわらかな願いを』
春はイルカの教え子達にとっては、新たな旅立ちの季節であり、送り出すイルカは子供達の成長が誇らしいけれど、ほんの少し寂しくなるのだ。
卒業年度の子供達の担任と言うこともあり、イルカは卒業後の子供達の進路指導に加えて、大切な成長の記録を卒業記念アルバムにまとめる仕事があった。
入学から卒業までの行事ごとの写真に加え、今回からはプロの写真家が、新たな写真の撮影と、撮りためた写真の編集してくれることになっていた。
午前中の授業を終え、午後は空き時間となっていたイルカは、早速そのプロのカメラマンがアカデミーに来るというので、教頭先生の代わりに打ち合わせに出ることになっていたのだ。
約束の時間は、13時だったのだが、カメラマンは応接室には現れない。
もしかして、アカデミーの中で迷っているのか?
心配になったイルカが昇降口まで迎えに行ったのだが、誰も来た様子はなかった。
それから小一時間、もしかしたら実際はもっと短い時間だったのかも知れないが、イルカは待ちくたびれて、一旦職員室に引き上げようとした。
そこへ厚手のコートを纏った人影が、アカデミーの門の向こう側に姿を現した。
背の高いその男は、茶色い髪にロングコートを纏っており、紫色の目と同じ色のアイペイントが、両の目の下から頬にかけて、道化師のように施されていた。
「こんにちは。アカデミーの方ですよね?僕の名前はスケア。この通り写真家をしています」
そう言ってスケアと名乗った男は、首から提げていたカメラを掲げて見せたのだが。
「本当にプロのカメラマンですか?」
思わず問い直してしまったのも、仕方が無いだろう。
「確かに今日プロのカメラマンの方が来ることになっていますが、約束の時間はとうに過ぎています。プロであるならば、時間厳守するのでは?」
ムッとした顔で口にすると、スケアは一瞬驚いた顔を浮かべたが、すぐに楽しげな笑い声を上げる。
「何がおかしいんですか?」
「いや、失礼。噂通りの人だなと思いまして。本日はよろしくお願いします。イルカ先生」
柔らかい笑みを浮かべる男が、何故イルカの名を知っていたのか?疑問に思う間もなく、男はイルカの腕を掴み、アカデミーの中を歩いて行く。
「それじゃ打ち合わせしましょうか?」
ニコニコ微笑むスケアは、応接室の扉を開けると、イルカに入るよう促してきた。
な……なんで俺が案内されているんだ?
客人を応接室に案内する役目はイルカだというのに。
なんか調子狂うなぁ……
イルカはため息を零しながらも、素直に部屋の中に入った。
応接机の前に向き合うように腰を下ろしたイルカは、早速撮りためてあった写真を机の上に並べた。
「こんな感じで、子供達の活動記録をまとめたいんです。もちろん集合写真とか、一人ずつ紹介する為の写真も欲しいんですが。出来るだけ自然な子供達の姿をアルバムにしたくて……」
ふと写真から視線をあげると、スケアがにこっと笑みを浮かべる。
「あの……スケアさん。説明、ちゃんと聞いていましたか?」
「はい。もちろん」
微笑むスケアは楽しそうにイルカを見つめるばかりで、イルカは肩をすくめる。
その時スケアは立ち上がると、イルカの真横にやって来て、机の上に並べられていた写真に手を伸ばした。
「この写真、躍動感があって素敵ですね。撮ったのはイルカ先生ですか?」
「いや、これは教頭先生だと思います」
「イルカ先生は写真を撮らないんですか?」
「俺はあまり撮るのが上手じゃないから」
苦笑するイルカに覆い被さるようにして、スケアが写真を指で動かした。
「アルバムに配置するなら……こんな感じかな?」
スケアの指の動きに目を取られていたイルカは、突然耳元に吹きかかった息にビクリと身を震わせる。
「スケアさん?」
「どうしました?」
「あ、いや……何でもないです」
ぴったりと張り付くようにイルカに身体を寄せるスケアに、イルカが冷や汗をかいていると、スケアはまた不思議な笑みを浮かべて、イルカの右手にひょいと小型のカメラを渡してきた。
「上手な写真の撮り方を教えて上げますね」
背後から覆い被さるように伸びてきたスケアの手が、イルカの両手を支え持つ。
スケアが囁く度に吹き込まれる吐息に、イルカはブルッと身震いしながら、息が止まりそうだった。
密着する身体が熱い。
きょ、距離が近すぎる!!
スケアから解放されたときには、身体が汗だくだった。
その後は緊張しすぎたせいか、打ち合わせもろくに頭に入らないまま、次回に持ち越しになった。
これが昨日の話だ。
本部棟の食堂で、エビ天を箸に摘まみながら、イルカは大きなため息をついていた。
この後またスケアと打ち合わせがあるのだ。
せっかく亭主の居ぬ間にならぬカカシの居ぬ間に天ぷらを食べているというのに。
味わう間もなく、イルカは再び大きなため息を零した。
その時だった。
「ああ~ん、その黄昏れちゃった背中は、恋に迷えるイルカちゃんねぇ~♥」
ビクッ
思わず全身がピキッと氷り漬いたイルカが、恐る恐る振り向くとソコには、長身のイルカのさらに上を行く細長い華奢な男が、パチリとウインクを決めていた。
「さ……榊っ」
「や~ねぇ、イルカったら。いくら久しぶりだからって、そんなに緊張しないでぇ~。いくらあたしがフェロモンダダ漏れだからって、親友の貴方にまで恋の魔法かけちゃったりしないからぁ☆」
「イヤイヤイヤ、フェロモン漏れてないから、安心して良いぞ。榊」
イルカがブンブン首を振りながら答えると、榊は少しだけ残念そうな顔をして、うふっと笑った。
この男榊は、イルカのスリーマンセル時代の仲間で、現在は医療班に在籍している看護忍だ。
ちょっと変わった心は乙女、身体は漢の自称イルカの恋の伝道師だった。
「そうよねぇ、貴方にははたけ上忍がいるもんねぇ」
カカシの名前が出た途端、イルカは再び憂鬱な顔をして、大きなため息をついた。
「どうしたの?イルカ?何か悩み事?よかったらお姉さんに話してご覧なさい」
「ああ……実はな」
溺れる者はわらにも縋る……で、思わず榊に悩みの種を話してしまったのだが。
「えええええ!!!!!!セクハラッ!!!!」
「声デカいよ、榊」
話した相手を間違えたか?と、毎回イルカは後悔するのだ。
「いや、まだセクハラって決まったわけじゃ……」
「耳フーよ?耳の中に息吹き込むなんて!狙われてるんじゃないの?イルカ!」
「いやいやいや、実害はまだないし。ちょっと距離が近すぎてだな……苦手って言うか」
しどろもどろのイルカの前で、榊の鼻息は荒くなる。
「それはたけ上忍には話したの?」
「いや……まだ……ちょうど昨日から任務でいないし。それに……」
こんな事話したら……
「ええええ!!!!粛正!!!!抹殺されちゃう、その人!!!!嫌っはたけ上忍!格好いいけど、恐ろしぃい~♥」
アアアア……殺しちゃうほど愛されてみたいぃ♥
全身をクネクネさせて、両腕で自分の身体を抱きしめる榊を生ぬるい目で見つめながら、イルカは再びため息をついた。
「あ、そうだ!私この後非番だから、その間男さんとの打ち合わせ、付き合っちゃおうかしら?」
イヤイヤイヤ、流石に間男呼ばわりは可哀相だなと思いつつも、イルカは親友の申し出をありがたく受けることにした。
こんな感じでも榊は頼りがいのある友人なのだ。
「それと、これ新しい夜の戦闘服。春の新作桜色のレースのエプロン♥イルカちゃんにもあげちゃう☆」
榊はガサガサと小脇に抱えた紙袋から、真新しいエプロンを差し出した。
イルカは「ありがとう……」と力なく笑うと、素直に受け取った。
前日とは打って変わって約束通りの時間に表れたスケアは、イルカの脇に立つ榊の姿に一瞬目を見開いたが、何事もなかったように応接室の机の脇に機材を下ろした。
「あらやだ、ちょっといい男じゃない?独特の雰囲気がミステリアスボーイね」
スケアの姿を見た途端、榊のテンションが上がった。
「お前、佐川隊長がいるくせに」
「ダ~リンは別腹♥いい男は、人類共通の宝よ☆」
何が人類共通の宝なのか?
声には出さず、指で忍び文字を書いて話し合うイルカ達の会話がスケアに聞こえるわけはなかったのだが。
スケアはニコニコと愛想の良い笑みを浮かべながら、いつの間に撮ったのか?生徒達の写真を机の上に並べた。
「凄い!流石プロですね!」
思わずイルカが感嘆の声をあげてしまうほど、スケアの撮った写真はイルカの理想通り、子供達の自然な姿と躍動感ある動きが伝わる物だった。
「これ、昨日の打ち合わせの後撮ったんですか?」
興奮して目を輝かせるイルカに、スケアは微笑む。
「そうです。イルカ先生のお眼鏡にかなったみたいですね。よかった、貴方が喜んでくれて」
貴方が喜んでくれてって……
「まるでイルカの為に撮ったみたいね」
ウフフっと笑う榊が指文字で茶化す。
イルカがぎこちない笑みで答えると、スケアは指で写真を動かしながら、アルバムの編集について話し始めた。
「この写真は目を引くから、大きめに伸ばして配置しませんか?それとこの写真は、子供達の表情が良い。アルバムは将来見返したときに、アカデミー時代のその瞬間を思い出せるような流れで編集して……」
スケアとの打ち合わせは順調に進んで、イルカはホッと安堵した。
よかった。今日は無事に終わりそうだ。妙な距離感も、俺の気のせいだったのかも知れない。
緊張感の抜けたイルカは、重いカメラや資材を肩に担ごうとしたスケアの荷物を持ってやろうと、手を伸ばした。
その時だ。
ヒョイと伸ばされたスケアの左手が、イルカの左肩に回ったのは。
思わず目を見開いたイルカがスケアを凝視する。
「貴方は優しい人ですね。誰にでも優しいのかな?」
ビクッと震えるイルカがスケアから離れようとすると、耳元に息が吹きかかるほど近くで、スケアのクスクスという笑い声が聞こえた。
「さっ」
榊!
すぐ側に立つ榊に助けを求めようと声をあげようとしたところで、スケアの静かな声が響く。
「無駄ですよ。彼には見えていないはずです」
見えていない!?まさか……
幻術!
「このまま外まで移動しましょう?」
イルカはスケアに肩を抱かれたまま、校舎の外へと移動する。
昇降口の外へ出たところで、スケアが再び口を開いた。
「貴方は隙が多すぎです。こんな事をされても、抵抗出来ますか?」
ギョッと目を剥くイルカの肩から離れたスケアの手が、イルカの二の腕を撫で、脇腹に到達し、そして……
「ギャッ!!」
突然叫び声を上げたイルカに、榊が不思議そうな顔をした。
「どうしたのよ?イルカ。急に声なんかあげて?」
「いや……だって」
尻を揉まれたんだよ!!この人に!!
泣きそうな目をして恨みがましくスケアを睨み付けるが、スケアは飄々とした顔をして、微笑む。
「次の打ち合わせまでに、また写真を撮っておきますね」
ニコニコ上機嫌で、スケアは踵を返した。
スケアが帰った後、その場にしゃがみ込んだイルカを、榊が怪訝な様子で見つめた。
「どうしちゃったのよ?イルカ?」
「……揉まれたんだよ、尻を」
「揉まれた?嘘ッ!!私見えなかったわよ!!」
「幻術、使ってたんだよ、スケアさんは」
「幻術!?この私の目を盗んでイルカの尻を揉むなんて、ただ者じゃないわね!これはもう私たちの手に余る案件だわ。はたけ上忍に相談しましょう!」
「だ、駄目だって!そんな事したら!」
あの人なら本当に暗殺しかねない!!
想像しただけで、イルカは青くなる。
カカシさんに言ったら、誰にも分からないように抹殺して、スケアさんの存在そのものを消去しかねない。もしかしたら、地球外まで吹き飛ばすかも。
「イヤイヤイヤ、流石に大気圏突入はマズい……」
「何をブツブツ言ってるのよ、イルカ。良いわ、私が何とかしてあげる。大事なイルカのお尻を守ってあげちゃうから!」
鼻息荒く口にする榊は、ウフフ♥とウィンクする。
「お姉さんに任せて☆」
翌日の昼休み。本部棟の食堂でイルカが榊を待っていると、榊は間もなくやって来た。
両腕に下げていた紙袋の中身を、榊はいそいそとイルカに差し出す。
「これは?」
渡されたのはシルクのような肌触りの真珠色に輝く布の束だった。
「ウフフ♥これは装備研究開発部の新作よ。まだ開発されたばかりの試作品なんだけど、私の友達がソコに居て、特別に借りてきたってワケ。kisaragiの医療用パウダーファンデと交換になっちゃったけど」
「すまない、榊。俺のために」
「良いのよ?大事なイルカのお尻を守るためだもの。天道虫本舗のスキンローションおまけして貰ったから、ラッキーだったわ♥」
うふふ♥と笑う榊は、布を大きく広げると、テーブルに広げた。
「あっ」
思わずイルカが声をあげる。
布に覆われたテーブルは姿を消し、そこから消えてしまったのだ。確かにそこにあったはずなのに。
イルカが手を伸ばすと、何もないのにテーブルの感触だけがあった。
「どう?」
「凄い!これは一体どうなってるんだ?」
「これはチャクラを使わず身を隠す為に開発された姿隠しの布なの。戦場で救援を待つ間、一時的に敵から身を隠せる優れものよ。光の屈折を利用した、目くらまし効果があるんですって!詳しくいろいろうんちくを聞いたけど、私にはさっぱり分からなかったわぁ~。興味があったら今度あいつに聞いてみて☆」
「うわ~ありがとうな!榊!よし!次の打ち合わせは、他の先生方も一緒だから。スケアさんの相手は教頭先生に任せて、解散と同時に捕まる前に身を隠すことにするよ!」
「ウフフ♥ガンバよ!イルカ!セクハラに負けちゃ駄目だぞ☆」
三回目の打ち合わせは職員室で行われ、生徒達の集合写真を撮る日程が組まれた。
流石にスケアも、教職員が勢揃いする中、イルカにちょっかいをかける気はないのか、打ち合わせ自体は滞りなく過ぎた。
打ち合わせが終わり、職員達がめいめい自分の担当の教室に戻る中、さりげなくイルカの事を視線で探すスケアから身を隠す為、イルカはササッと廊下の壁際に隠れると、姿隠しの布を被った。
スケアがセクハラをするとすれば、解散後の皆の注意がスケアから離れる今のはず。
今この時さえやり過ごせれば!
イルカはドキドキしながら、スケアがイルカの前を通り過ぎる瞬間を見守った。
スケアは一瞬怪訝な表情を浮かべながらも、イルカには気がつくことなく、目の前を通り過ぎていった。
スケアの姿を見送ってから数分後。
そろそろ校舎から出たであろう頃を見計らって、イルカは布を脱いだ。
「よかった……今日はやり過ごした」
ホッとするイルカは次の瞬間、瞬きする間もなくがっちりと両肩を捕まれ、壁に押さえつけられる。
混乱するイルカの目の前で、優雅に笑みを浮かべていたのは、帰ったはずの男だった。
「す……ケアさん?」
「まさかこんな小細工までして、避けられるとはね。僕としたことが……イルカ先生が布を剥ぐまで、分かりませんでしたよ」
「な……なにす……?」
「う~ん、何しましょうか?そうだな、せっかく面白い布があるから、この布を被っていけないことしましょうか?誰か気がつくかな?」
「やっ……離せっ!」
「離せって言われて、離すバカは居ませんよ?」
頭から布を被せられ、じたばた暴れるまでもなく、イルカのベストのジッパーが下ろされる。
支給服を捲りあげて忍び込んだ手は、的確にイルカの胸の蕾を捏ね上げた。
執拗に胸をいじられながら、抵抗するイルカの唇に、スケアのそれが重なる。
差し込まれた舌は、イルカの歯列を嬲り、口の端から飲み込めない体液が顎を伝う頃、動揺していたイルカの頭がクリアになる。
このキスの仕方は?
我に返ったイルカはきつく閉じていた目を開けると、スケアがキスに夢中になって、拘束されていなかった左手をグーで振り下ろした。
「痛っ!!」
目から花火が散ったのか?スケアが一瞬気を反らした隙に、イルカはむんずとスケアの髪の毛を掴みあげた。
スポンッと、勢いよく外れた茶髪のウィックが床に落ち、現れたのは見慣れた銀色の髪。
「やっぱり!カカシさん!!」
正体がばれてしまっては仕方が無いと、カカシはイルカを解放し、げんこつを落とされた頭を撫でる。
「あちゃ~バレちゃった。いつになったら気がつくんだろうって思ってたけど、流石にキスはバレたか」
「バレたかじゃありませんよ!この数日俺は本当に悩んで……スケアさんをカカシさんが消しちゃったらどうしようとか……」
うるうると涙目で訴えるイルカを前に、カカシがオロオロし始める。
「あの……ごめんね?本当、ちょっとした悪戯のつもりだったの。だけど貴方があまりにも隙だらけだから……」
「カカシさんは俺を疑ってたんですか!?ううっ酷い!!」
カカシさんのバカ野郎!!
姿隠しの布を手に走り出したイルカを、カカシが慌てて追いかける。
追いつかれそうになる度、イルカは布で身を隠し、その姿をカカシが探すを繰り返して、ようやく二人の追いかけっこが終わった頃には、日も暮れて夜になっていた。
それから数週間後。
イルカがカカシと仲直りし、卒業アルバムもようやく完成した頃、姿隠しの布は装備研究開発部で正式な商品として売り出されることになった。
触れ込みは『写輪眼を持ってしても見抜けぬ高性能。某上忍も気づけなかった装備研究開発部自慢の一品!』
「ねぇ、何よ?この某上忍って、まんま俺のことじゃないの?」
ベッドに寝転がりぼやくカカシのすぐ脇には、商品化された姿隠しの布が数枚置かれていた。
「よかったじゃないですか。カカシさんのお陰で無事製品化したんですから」
「よくないですよ。これのお陰で、エッチな事しようとしてもイルカ先生すぐ隠れちゃうんだもん」
「当たり前ですよ」
そう言ってイルカはひょいと布を頭からすっぽりと被る。
「ああっ!また!今夜こそエッチしようと思ってたのに!!」
ブーブー文句を言いながら、見えないイルカにカカシが抱きついてくる。
じゃれ合いながら、イルカは笑みを浮かべた。
おしまい
÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷
イルカの恋の伝道師(自称)で心は乙女、身体は漢の榊君が登場する『ミステイクなんて言わせない』『EDなんて言わせない』はこちらで読めますよ!
パワフルで可愛い榊君の活躍をぜひ堪能して下さいね~!
※2つとも主役はカカイルです。念のため(*´∀`)b
→最果て倉庫
そしてはやおさんの粋な計らいで再登場した闇夜(しかもお友達だったw)と天道虫本舗のエピソードが登場するお話はこちら
→企画室『強く、やわらかな願いを』
スポンサードリンク