2017えろ納めの超SSです！
来年もエロエロしく爆走したい所存なので、よろしくお願いします(・∀・)ノ


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大晦日に聴くものは



年の瀬も押し迫ってから任務に出てしまったカカシさん家の大掃除を一通り済ませ、大晦日に間に合って良かったとひとっ風呂浴びる。
がしがしと頭を拭きながら暗い寝室に足を踏み入れると、うっきー君の隣に片付け忘れた物がぽつんと置かれてるのに気付いてしまった。
金属部分にヒビの入った、カカシさんの手甲。

「今年の除夜の鐘こそ一緒に聞きたかったのになぁ」

数日かかるという任務にぼやきながらも、身仕度をして戦忍の顔になっていくカカシさんをベッドから見つめていたのは数日前。
その時にきっと新品の手甲と替え、置きっぱなしになっていたのだろう。
カカシさんの手の形に馴染んでやや丸まった手甲を手に取ると、そのまま処分するのも忍びなくて自分の両手に嵌めてみた。
手甲に覆われた手は動かすとキシキシと音を立て、まるで自分の手じゃないみたいだ。
その手が俺の頬を包む革の感触を思い出し、まだ腰にバスタオルを巻いただけの体が急に寒々しく感じる。

「さむ……」

うっかり言葉にしてしまうとますます独りの寒さを実感してしまい、慌てて着替えようとバスタオルを外したが。腰に当てた手はやっぱり自分の手じゃないみたいで、ドクンと鼓動が跳ねた。
俺はベッドに腰かけると手甲の嵌まった右手を恐る恐る股間に伸ばし、項垂れたそれをえいやっとばかりに掴んだ。

「……っ、ん！」

革に包まれた感触は予想以上にカカシさんの手を思い出させ、たちまち中心に熱が集まってくる。
手甲を嵌めたままの時はたいていお互いに切羽詰まっているので、薄い敏感な皮膚を撫でられただけでも俺の分身は期待に震えてしまう。それを握りながら親指で先端を擦り、もう片方の手で下の膨らみをやわやわと揉みながら、熱い吐息と共に囁かれる俺の名前。
記憶を辿りながら動かす両手は、今だけカカシさんのものだ。
いつもはきつく閉じてしまう目も、今日は俺の下半身で蠢く手甲を見つめている。
軋む黒革の上を滴り落ちていく、半透明の雫。
もう片方の革から伸びる指は普段俺が見ることのない襞に喰い締められ、深く埋まっている。

「……ぁ、カカシさ、……んんっ」

滑りの良くなった右手を上下に動かし、欲しくてたまらない名を呼ぶ。

「っふ……く、ぅ」

爆ぜる瞬間だけ閉じた目蓋の裏には、愛しい男の顔があった。



しばらく胸を上下させて息を整えると、俺はとろんとした目を虚空に向けた。

「いるんでしょ？　……意地悪しないで続きをして下さいよ」

すると視界の隅に一際濃い影が滲み出た。
気配を断ってこっそり覗き見をしていたくせに、全く悪びれずに欲望の籠った視線をぶつけてくる。
いつからかははっきり分からないが、気配は無くとも馴染みのある視線には気付いていた。
見たいなら見せてやるよという気分になったのは、俺も彼が欲しかったから。心の底から、とても。

遠くで除夜の鐘が鳴り始めた。

「今煩悩を払われたら困るから、早く」

濡れたままの手甲を嵌めた手を差しのべると、次の瞬間には押し倒され、猛りきった欲望の塊を捩じ込まれていた。
おかえりなさいの言葉はカカシさんの口の中に消え、呑み込まれてしまったが。
身体で十分に伝えられるだろうと背に腕を回し、足で抱え込んで全身で彼を包み、彼の体温と息遣いに包まれた。

……除夜の鐘がいつ鳴りやんだのかは、結局分からないままに。