ある日Twitterで「地下室くれよ！！！」と煩悩の雄叫びをしたら、応えてくれた女神がいましてね。
祓華さんっていうんですけど。
地下室の鉄格子素材をゆう本°さんがたまたまね！たまたまブクマしてたので、祓華さんちのカカイルを閉じ込めさせて頂きました！
そして祓華さんからゆう本°さんのスタンドにSS依頼が飛んできたので、まぁ書くよね！
こんな繊細美しカカイルを地下室にﾊｧﾊｧ閉じ込めﾊｧﾊｧ…

ということで突発地下室コラボ～！


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　臆病者の鉄格子は柔く愛しく





「俺から逃げて」
　俺を閉じ込めた張本人がそう言う。
「俺に捕まったら危険だから」
　低く告げる男は、だが不穏な言葉とはうらはらに自分に言い聞かせてるようにしか見えなくて。

　――危険？　この男が……？

　今にも砕けてばらばらになりそうな、繊細なガラス細工のような。
　自分が口にした想いに殺されてしまいそうなあんたに、今までここでされたことを思い返してみても、怒りは沸き上がるそばから消えていく。
「俺にあなたをこれ以上閉じ込めさせないで」
　扉は今は開いている。
　あれだけ願った、外の世界へ戻るための扉が。
　だがここから出ていくなら、あんたを置いていかなきゃならない。
　ここに。
　ひとりぼっちで。

　――ああ、やっぱり危険だったのかもしれない。
　だってもう囚われてしまった。
　あんたに囚われたいと思ってしまった。

　両腕を伸ばしてあんたを抱き寄せ、震える背をぐっと抱え込む。
　俺とたいして変わらない体格なはずの、俺より遥かに強いはずの男の弱々しく震える背を。
　俺を圧倒的な力で我が物顔に蹂躙した男は、今は俺の腕の中。
　ほら、俺もあんたを囚えたからあいこだよな。
　そうだろ？



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イラスト　祓華さん

鉄格子素材　うさねこメモリーさん