【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし 
★★いとエロし!
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お久しぶりのお江戸カカイルおイルちゃん!
今回は+ナルト君で健全☆
めじりさんのくの一に憧れるおイルちゃんがめちゃくちゃ可愛かったので~!(*´﹃`*)


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女心と手裏剣はとかく難しく


おイルは貸し本屋から借りた、続き物の読み本に夢中になっていた。

『くの一おいる忍法帖 参』

一膳飯屋でお運びとしてくるくると働く町娘おいる。
しかしそれは昼の姿で、夜は腕っこきのお色気抜群なくの一なのだ。
忍装束に身を包んで屋根から塀を飛び回り、手裏剣を投げ打って敵をばったばったと薙ぎ倒す華麗な姿に、何より自分と同じ名のくの一おいるにおイルは夢中だった。

「はぁ……かっこいい。私もこんなかっこいいくの一になりたい」

貸し本屋から本を受け取ったまま、長屋の引き戸の前に座り込んで読み耽っていたおイルは、突然すっくと立ち上がる。そして裾が割れるのも気にかけず腰を低く落として足を開き、左手の上から架空の手裏剣をすぱぱぱぱっと散らした。

「これに懲りたらおいるの邪魔はしないことね。おさらば!」

おいるの決め台詞を言い放つと、たとえようもない高揚感に満たされる。
でもこんな架空の手裏剣じゃなく、本物の手裏剣を投げてみたいとおイルはため息をついた。
その落とした視線の先には、綺麗にしわを伸ばして重ねられた反古紙がある。
おイルのように長屋に住む者にとって、紙は貴重品だ。
多少の書き損じは捨てずにとっておいて、別の機会に使うために保存しておくものなのだ。
おイルはその反古紙を数枚取ると、正方形になるように折り目を付けて切り離し、卓袱台に向かって座ると何かを折り始めた。



「おイル姉ちゃん、へったくそだなぁ!」

長屋近くの雑木林にナルトの元気な声が響き渡る。
おイルは寺子屋帰りのナルトを誘って、手裏剣を投げに来ていた。
二人が手にしているのは、もちろん本物の手裏剣ではない。おイルが反古紙を数枚重ねて折った折り紙手裏剣だ。
ナルトに華麗な手裏剣捌きを見せてご満悦というおイルの計画は、一投目がへろへろと飛んで目標の木の遥か手前に落ちた時点で崩れ去っていた。
意外にもナルトは格好よく飛ばし、おイルを歯がみさせた。
日頃から棒っ切れでサスケとチャンバラをやってるだけのことはある。
さすがに木に刺さることはないが、投げる姿も様になっていた。
悔しくなって最後の一枚を力任せに投げると、手裏剣はへろへろと飛んで通りすがりの着流しの侍の胸元へぽすりと当たった。

「すみませ……カカシ様!」
「おイルちゃん、何を一生懸命やって、これは……手裏剣?」
「おイル姉ちゃんホントにへったくそなんだ。こんなんじゃ立派なくの一になれないってばよ」

口を尖らせてぼやくナルトに、カカシは開いている方の右目を見開いた。

「おイルちゃん、くの一になりたいの?」
「ちっ、違います! ただちょっと、ナルトに手裏剣を教えてあげようかとっ」

若い娘が手裏剣なんてお転婆すぎて嫌われてしまうかもと、おイルは必死に言い募った。
そんなおイルにカカシは、「手裏剣ねぇ」と呟きながら落ちた手裏剣を拾うと、目にも留まらぬ早業で手裏剣を投げ打った。
手裏剣はひゅうっと風を切り、反古紙とは思えないほどの鋭さで木の幹に当たる。さすがに刺さりはしなかったが、ナルトとおイルは目がこぼれ落ちるくらいに見開いて感激した。

「カカシ様すてき! かっこいい!」
「カカシ兄ちゃんさすがお侍だな! すっげぇってばよ!」

カカシは二人ににこにこと笑顔を向けながら、根元に落ちた手裏剣を拾い集めた。

「手裏剣は腕の力じゃなく、全身を使って投げるんだ。あと大事なのは手首の柔らかさだね。おイルちゃん、こういう風に持ってごらん」

カカシがおイルに手裏剣を持たせ、腕を掴んで動きを教えてから、おイルの腰を低く下げて両手で押さえると背に胸をぴたりと張り付けた。

「さぁ、これで今みたいに投げて」

耳元で囁くカカシの甘い声も、手裏剣を投げることに集中しているおイルには師匠の有り難い指導としか思えない。
一息吸って腕を振ると、カカシが体を使ってぐっと背を押しておイルの体も前に出る。
体重の乗った投擲は手裏剣に力を与え、流れるように木に向かって飛んだ。

「おイル姉ちゃんやったぜ!」

ナルトと二人で飛び上がって喜んでいると、カカシが次の手裏剣を差し出した。

「うん、今のはすごく良かったよ。あとは感覚を忘れないよう、ひたすら何度も練習すると……あれ?」

手元の手裏剣を渡そうとしたカカシの手が止まる。
何度も投げて折り目の甘くなった手裏剣から、おイルの字で何か書き連ねてあるのが覗いていたのだ。

「……カカシ様を思うと夜も眠れません。ごはんも二杯しか食べられなくて、胸が苦しくて……これって恋文?」
「きゃぁぁぁぁだめぇぇぇぇぇぇ」

ナルトと喜び合っていたおイルが甲高い悲鳴を上げた。
広げられた手裏剣を奪い返そうとするが、すかさず高々と掲げられてぴょんぴょん飛び跳ねても届かない。

「ごはんを二杯しか食べられないのは大変だなぁ」
「返して! 読まないでぇぇぇぇ」

カカシは全ての手裏剣を回収すると、枝の上に飛び上がって他のも広げ始めた。

「カカシ様のばか! いじわる! もうきらいっ」

おイルが泣きわめきながら走り去ってしまった。
カカシはしまったという顔で枝から飛び降りる。

「あーあ、やりすぎだってばよ。カカシ兄ちゃんは強ぇけど、女心はちっとも分かってねぇな」

ナルトが呆れたように見上げてきたが、カカシには返す言葉もない。

「どうしたら許してもらえるかな」
「ただ謝ってもよけいに嫌われるだけだってばよ。おイル姉ちゃんは色気より食い気だ。減っちまった食欲を取り戻してやればいいだろ。甘栗堂に行くぞ」

ずぶ濡れになった仔犬のようにしょんぼりしたカカシの腕を引っ張ったナルトは、「まったく手のかかる兄ちゃんと姉ちゃんだってばよ」とぶつぶつ言いながら、カカシを町まで連れていった。



【完】



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ちなみにくの一おいる忍法帖の作者はテンゾウという裏設定。
テンゾウの表の職が人気作家(江戸時代の呼び名忘れた)なのです。
モデルはカカシ先輩とその想い人おイルちゃんのフュージョン。



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