【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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さすがに初めてがカレーの匂いの充満する畳はまずかろうと、イルカを抱き上げてベッドに運ぶ。
イルカは「ちょっと、テン、待って何だよこれ」とじたばたしてたけど、これしきのは抵抗とは呼ばない。
甘い雰囲気にならないのはしょうがないけど、きっと初めてで興奮状態なんだろうと構わずイルカをベッドに転がした。
でもさすがに顔にまで蹴りが来たのには辟易して、僕は素早く印を結んだ。
イルカに向けた掌から柔らかい蔓が何本も伸びて、手足に巻き付く。

「もう、面倒臭いなぁ。ちょっとじっとしてて」
「あっ、木遁なんてズルいぞ!」
「ズルいも何も、往生際の悪いイルカのためじゃないか。こんなこと頭でぐるぐる考えるものじゃないだろう? 僕に任せておけばいいから」
「任せてって、こんな乱暴なやり方あるかよ! これじゃ俺がヤられる方みたいじゃねぇか!」
「それがお望みならまた今度ね。今日は実技認定が優先」

拘束されながらもぎゃあぎゃあ騒ぐイルカを放っといて、僕はもう一度印を結ぶ。
ぼふんと煙に包まれた僕は、イルカ好みの巨乳で可愛らしい女の子の姿になった。
そしてぽかんとしてるイルカに馬乗りになって、「この姿なら心おきなくヤれるだろ? ……イルカ、しよ?」と外見に相応しい可愛い声で囁いた。

閨絡みの暗い任務といっても、実際に身体を使った任務の経験はない。この姿でも、元の姿でも。
閨房術専門の忍が対象をたらしこんでる場を見ながら、殺傷或いは幻術のタイミングを窺っていただけだけど、知識だけは無駄にあるから何とかなるだろう。
せっかくの筆下ろしなんだから、せめてイルカの理想の女の子と経験させてあげたかった。
「うわ、バカテン、やめろって!」と相変わらず抵抗するイルカを押さえ付けるように覆い被さると、さっきはなかった大きな胸がぎゅむっと潰れる感触がある。
イルカの顔を両手で挟んで、煩い口を塞いだ。
それから片手を身体に這わせていき、イルカの下半身を撫でながら状態を確認すると、ちゃんと硬くなっていた。良かった。
そのままズボンの中に手を突っ込もうとすると、勢いよく顔を背けたイルカが叫んだ。

「テンゾウっ!」

びくりと手が止まる。

「テン。ホントにやめろ……変化を解け」

じろりとイルカが睨み付けている。
イルカが僕をテンゾウと呼ぶのは、本当に怒っている時だ。僕はイルカの身体からそっと手を引き、解の印を結んだ。ぼふ、と間抜けな音を立てて再び煙が上がり、元の姿に戻る。
たぶん拘束のこともだろうと、言われる前に蔓をほどいた。
この上なく不機嫌そうな顔でイルカが身体を起こす。
こんなに怒ったのは、前に僕が怪我を隠してイルカの悪戯を手伝った時以来だった。

「テン。俺はさっきお前に何て言った?」
「……『これじゃ俺がヤられる方みたいじゃねぇか』?」
「そこじゃねぇ! もっと前!」

不満なのはそこじゃなかったのか。
もっと前。もっと……

「えーと、『こういうことは任務じゃないならテンの好きな人としなきゃ』、かな」
「だよな。それなのにお前がさっきしたのは何だよ」
「……僕は抱かれてもいいって思えるくらい、イルカが好きって言ったけど」

それを聞くとイルカは呆れたように、はああぁぁ~と深いため息をついた。

「じゃあなんで変化した?」
「え、だって筆下ろしは好きなタイプの女の子とした方が嬉しいだろ?」

するとイルカが「ぬああああこのバカテンっっっ!!!」と吼え、右ストレートを繰り出してきた。
本気で怒ってる時のイルカのパンチは絶対避けられない。
甘んじて受けてベッドの上に転がった僕に、イルカは馬乗りになって胸ぐらを掴み上げた。

「お前は好きなヤツとヤるのに自分じゃない姿でヤって嬉しいのかよ! そんなんで俺が喜ぶとでも思ったのか?! 俺がそういうヤツだと思ってるのかよっ!」
「……だって男の僕と、さぁヤりましょうって、イルカは勃つの?」
「そんなんヤってみなきゃ分かんねぇだろ!」


僕たち二人の間に、イルカの言葉がぷかりと浮く。


イルカの閨房術の実技認定の話だったはずが、僕の告白じみたものに変わり。
いつの間にか『どこまでヤれるかイルカの意地っ張りチキンレース』になってしまったけど。
こうなったらイルカは絶対に引かない。

「……うん、じゃあヤってみようか」

とりあえず僕の告白を受けての答えのような気もするので、有り難くこの状況に乗っかることにした。



「ん……ふ、ぅ、は……っ」

こんな風に他人に口淫されるのも、イルカは初めてなんだろう。
仰向けに横たわり、さっきからずっと抑えきれない声を上げながら、手で僕の髪をかき回す。時々力が入って痛いけど、気持ち良さそうにしてるのでイルカの集中を妨げたくなかった。
使い込まれてないせいか、ほとんどピンク色に近いイルカの亀頭を舐め回しながら、左手で上下に緩く擦る。
舌先で先端の窪みをぐにぐにと刺激すると、腰を震わせたイルカが「あ、テン、出る、どいて」と頭を押すので、負けずに深く含んで吸い上げた。

「く、ぅ……っ」

口の中に青臭い匂いと、とろりとした粘液の感触が広がる。
それを手に吐き出すと、後ろから自分の尻の孔に塗り付けて指を差し入れた。

「……んっ」
「テ……ン? 何して、んだ……?」
「イルカを……っ、受け入れる、準備」

まだ整わない息の下でイルカが訊ねてくるので、指で中をかき回しながら答える。

「準備ってどこの、……っ!」

見上げると、イルカが顔を真っ赤にして僕を見下ろしていた。
目を見開いてるところをみると、どこを準備してるのか思い当たったんだろう。閨房術の筆記試験の勉強もちゃんとしててくれて良かった。一応知識だけでもあれば、いざという時に萎える可能性も低くなる。

「もうちょ……んんっ、時間かかるから、待ってて。それより、ホントにここに入れるのは、嫌じゃない……のか?」

するとイルカが上体を起こして、僕の両脇に手を入れて僕の身体を引っ張り上げた。
そして自分の指をべろりと舐めると、僕の足の間に、正確にいうと尻の孔に躊躇なく突っ込んできた。

「ちょっと、イルカ?! ……ぅんっ!」
「ここに入れるんだろ? こういうのは共同作業なんだから、一緒にやろうぜ。な?」

と、にかっと笑って指を押し進める。
僕の拒絶されるかもしれないという不安が伝わってしまったのか、さっきとうって変わってイルカが優しい。
でもやっぱりイルカも、初めての行為に不安があるんだろう。
手のひらに僕のタマが触れるとちょっとビクッとして、それから掌で恐る恐る撫で始めた。
眉間に皺を寄せて僕の股間を見下ろしながら、イルカは手と指を動かしている。

「……テンはさ、ホントに俺なんかとヤりたいのか? こんな立派なもん持ってるのに」

思わずぶふっと吹いてしまった。
真剣な顔で僕の股間を見つめてると思ったら、そんなことを考えてたのか。

「何だよ、笑うなよ。俺はマジで聞いてんの!」

不貞腐れたイルカが、乱暴に指をかき回した。
今度は僕も本当に笑ってしまったので、「痛っ、ごめんごめん」と謝りながら、イルカの尖った唇にちょんとキスをした。

「あのね、僕はイルカの実技認定のためだけに、ヤろうって言ってる訳じゃないよ。僕はイルカの一番近い人間でいたいんだ。……それにね」

そろそろいいかと、振り返りながら指をもう一本増やす。
僕の中では、イルカと自分の計三本の指が蠢いていた。二人がそれぞれで動かすので、思ったより早く柔らかくなってきた気がする。

「僕には初代様の細胞って異物が混ざってるだろ? 適合したって言われても、僕にとってはやっぱりどこか異物でね。だから同じ異物なら好きなヤツのを、自分の意思で身体に受け入れたいって思ったんだ。……それって変かな」

不意にイルカの指が止まった。
異物なんて、もしかして気持ち悪いことを言ってしまったかと、イルカの方に顔を戻すと。
――イルカの黒い瞳には、涙の膜が張っていた。
表面張力に負けた水が溢れ、すうっと顔の両脇に流れていく。

「……テンは!」

ずずっと鼻を啜って、ごしごしと目を擦る。

「テンは異物が混ざっててもテンだ! それも含めて全部が俺の好きなテンだ! 俺がお前ん中に入っても、テンはテンだ! 俺の大事なテンなんだ!」



……ああ。

なんて情熱的な告白だろう。
もう僕は今死んでもいい。
身体なんて繋げなくても、この言葉に抱かれたまま死にたい。



それをそのままイルカに言ったら、また殴られた。

「これから気持ちいいこといっぱいすんだろ! 死ななくても俺が天国に連れてってやる!」

……どこでそんな言い回しを覚えてきたんだろう。
くだらないハウツー物でも、また友達に押し付けられたのか。
ベタだけど今度ベッドの下を探してみなくちゃと思いながら、僕は……僕もちょっと泣きながら。
二人でみっともなくて優しいキスをした。





結果だけいうと、僕は天国には連れてってもらえなかった。
イルカは初めてだったし、僕も男とヤるのは初めてなんだから当然だ。
二人で汗だくになって痛いだの入らないだの散々ぎゃあぎゃあ(主にイルカが)騒いで、むしろちょっとした修羅場だった。
だけど最終的にイルカは僕の中に入って、僕の中で達した。
そして僕は自分の意思でイルカを受け入れ、イルカという異物をいっとき自分のものにした。
それは不思議な、とても満たされる経験だった。
これで二人の子供ができたら、もう言うことはないなぁとも思った。
まぁ、実際はムリだけど、そんなおかしな思考回路に嵌まり込むくらい、なんだか不思議な体験だった。

けっこうグダグダな筆下ろしだったから落ち込んでるかと思いきや、イルカは次の日には「彼女っつーか彼氏ができた」と友達に言ったらしい。そんな妙ちきりんな報告をされた友達には同情するしかないけど、イルカがご機嫌だからいいか。
僕はどうやら「彼女っつーか彼氏」というものになったらしい。
イルカには昨夜ヤった時に「はー、えっちって気持ちいいなぁ! 今度はテンが俺を天国に連れてってくれよな!」なんてすごくいい笑顔で言われたけど、それって今度は僕がイルカに突っ込むということだろうか。
天国に連れていくなら、さすがにもっときちんと男同士のセックスを勉強しなければ。暗部の閨房術の指南書ならきっと載ってるだろうから、今度借りてこよう。
それと閨房術の実技実践認定証も記入しておかなければ。
気をつけて言葉を選ばないと単なる惚気になってしまいそうなんて思う辺り、僕も実は浮かれてるのかもしれない。

まだ何となく異物感の残る腰に手を当てながら着替えをする。
イルカが今も僕の中に居座ってるような気がして、ちょっと笑ってしまった。
がさつで図々しくて愛おしい、僕の異物。
この異物はいつになっても、何処にいても、やっぱり温かくて美しいままだ。
そして僕は自ら選んだ異物と共に、今日も生きていく。




【完】
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