【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
 


   俺の嫁に手を出すな



 ぬあああああムカつくムカつくムカつくムカつく!
 なぁにが「誇り高き孤高の忍に瑕疵は要らん。そう思わんかね、うみの『中忍』」だ! そりゃあね、里の誉が俺如きショボい中忍と幼馴染みなんぞ、お偉方には気に食わねぇでしょうよ。
 だがな、カカシはただの幼馴染みじゃねぇんだよ!
 俺の! 大事な大事な可愛い嫁なの!
 可愛くて綺麗でめちゃくちゃ強ぇ誉はな、俺如きが瑕疵になるような薄っぺらい忍じゃねぇんだよっ!
 ついでに言うと孤高でもねぇからな!
 カカシには俺っていう旦那がいるんだからな! 法的には違うけど、精神的夫婦なんだよ俺たちはっ!
 くそ、朝っぱらからアカデミー教師の貴重な時間を、くっだらねぇ『忠告』なんぞに使いやがって。職員会議と午前中の授業は出なくていいよう取り計らっておいたから、なんてドヤられてもムカつくだけなんだよ。茶ぁしばいて里の行く末を憂うふりして、愚痴愚痴愚痴愚痴どうでもいいことに首突っ込んでくる暇なジジイ共とは違うんだよっ。
 ……それにしても、最後のお偉方の意味深なニヤニヤ笑いが妙に気になる。「これからはカカシの奴も、お主なんぞにかかずらってる暇もなくなるじゃろうて」って。
 こういう時の勘は大事にしなきゃならない。
 カカシは先月から、鋳の国の内紛を制圧する任務に駆り出されてたはずだ。ちょっと調べてみるか。



 受付権限で現在カカシが隊長として着任してる任地の投入規模、忍の傾向や装備、用意した情報等をチェックする。
 ――あった。
 やっぱりだ。一人だけ、任務内容にそぐわない者がいる。
 本日付けで追加投入されたばかりの特上のくノ一だ。
 任務期間も中期から長期に切り替えこそしてないが延長され、追加物資の供給要請も出ていた。だがその割りには、ずいぶんとのんびりした日程だ。もう主要な戦闘隊員は撤収を始めて隊の規模も大幅に縮小され、延長などいらないくらいの状況なのに。
 何か状況が変わったのだとは思うが、追加物資の内訳は数日分の食糧や生活用品ばかりで、武器や札や医療用品等はほとんどない。
 追加物資も調え始められているが隊員は選抜されておらず、出立は明日未明となっている。
 となると、俺のやることは一つ。
 有り難いことにお偉方のおかげで、午前中は丸々空いている。
 取り急ぎ火影執務室に飛び込んで三代目の許可を得ると、スリーマンセルの支援物資供給小隊を組んだ。隊長は俺。危険性の低い任務なので、成り立て中忍の育成を兼ねた任務という名目で申請したら、あっさり通してもらえた。
「これについてはお主に一任しても構わんが、ほどほどにしておけよ」
 承認印を押した三代目が、さっくりと釘を刺した。
 やっぱり、じっちゃんも胡散臭いもんを感じてたんだな。
「承知致しております」
 謹んで拝命の印を組んだ俺は、昼メシ抜きで午後の演習授業に急いだ。



 一昼夜駆け通した小隊は、予定通り任地に到着した。
 隊員は二人とも直接の教え子じゃないが、補助教員だった頃の生徒なので力量もだいたい把握していた。ペース配分について二言三言アドバイスを伝えると、到着の報告に隊長の天幕へと向かう。途中、あちこちで天幕の撤収作業が行われてて、俺の推測と懸念が正しかったことを確信した。
 天幕の前には誰も見張りがいなかったが、入り口の所に立つと暗部が降ってくる。
「何用だ」
「支援物資供給小隊が到着致しましたので、隊長にご報告を」
「俺が受けたからもういい」
 やっぱりな。誰も近付けないよう指示が出てるんだろう。恐らく隊長じゃない、別の指示系統から。
 案の定けんもほろろに追い返そうとするので、胸のホルダーから巻物を一本取り出す。
「恐れながら、三代目からこれを直接隊長にお渡しするよう指示を受けております」
 暗部は鉤爪の付いた手を巻物に伸ばすと、チャクラの確認をして一歩退いた。
「入れ」
 短く告げた暗部が、現れた時と同じように突然消える。
 第一関門を無事突破できたことに肩の力が抜けるが、本番はこれからだ。大きく息を吸い、一時的に解かれた結界を抜けて天幕の垂れ布を開いた瞬間、クナイが飛んできた。
「うお、あっぶねぇな! じゃなくて失礼致します。支援物資供給小隊隊長うみのイルカ、入ります」
「えっ、イルカ⁉」

 ……………………落ち着け。

 まず深呼吸だ。
 浮気者などと叫んでもいかんし、投げられたクナイ片手に飛び掛かってもダメだ。
 目の前の嫁の浮気現場じゃねぇや、強姦現場でもねぇな、まだ完全に未遂だしヤられそうなのは男の方であって女じゃないから、だが今まさにカカシがヤられそうなのは事実だし、この場合は何て言うのが正しいのか。今流行りのあれか、寝取られ?
「ちょっと、邪魔しないでちょうだい。今大事なところなのよ。見れば分かるでしょ」
 カカシは簡易ベッドにチャクラ封じの札付きで拘束され、そこに馬乗りになったくノ一が苛立ちを隠さない声で振り返った。
 防具というよりセクシーさをこれでもかとアピールした鎖帷子、そこに無理やり詰め込まれたでっかいおっぱい、短すぎるスカートはむっちりとした尻と腿を隠したいのか見せたいのか、……あ、パンツ見えた。
「イルカ! この浮気者っ!」
 それ俺の台詞! と言ってやりたい気持ちをねじ伏せ、冷静な部下の顔を作る。それにしても、なんでパンツ見えたと思ったのがバレたんだ。別に喜んだ訳でもないのに、写輪眼恐るべし。
「お取り込み中大変失礼ですが、三代目から巻物を預かっております。隊長のみ閲覧権限があり、可及的速やかにご返答を私が直接頂くことになっておりますので」
 事実半分、嘘半分の口上を述べると、くノ一は露骨に嫌な顔をしながら渋々カカシに貼った札を剥がして上からどいた。
「はたけ隊長、人払いを」
 重ねて言うと、拘束されているにしては最大限に威圧的な声で、カカシがくノ一に退出を命じる。
 滅多に聞くことのできないカカシの支配者然とした声に、(うおおおお俺の嫁カッケェ!)と内心ゾクゾクしながら黙ってくノ一が出て行くのを待った。
 おっと、あんまりカカシが格好いいもんだから、こいつに釘を刺すのをうっかり忘れるところだった。
 すれ違いざま、くノ一だけに聞こえるよう耳打ちする。
「林ケヤキ上忍には内密にしておきますね、やまのクルミ特別上忍」
 ギョッとした顔のやまの特別上忍が、俺をまじまじと見た。
「あらやだ、あんた、うみのイルカじゃない。はたけ上忍の旦那の」
 そしてふーっとため息をつくと、どこか晴々とした笑みを向けてくる。
「お互い辛いところよね。上にははたけ上忍は不能でしたとでも言っとくわ」
「お心遣い痛み入ります」
 長い黒髪をなびかせ、颯爽と天幕を出て行く彼女を見送った。そうか、彼女も利用された口だったのか。
 ほとんど知られてないが、林ケヤキ上忍はやまの特別上忍の恋人だ。やまの特別上忍が閨房術に特化した忍なので、口さがない連中から五月蝿く言われないよう、二人の関係を秘密にしてるんだと思う。
 おおかた例のくそジジイ共にそこを突かれ、極秘任務とでも言われて、カカシの子を宿してこいというクソ任務を命じられたんだろう。見事成功したら引退させてやるとか何とか言いくるめられて。隊長と暗部の一部だけ残した不審な任務の延長は、この子作りのためだったって訳だ。くそジジイだけあって、考えることも下衆な奴らだ。

「それで、三代目からの巻物って」
 札を剥がされたことでやっと拘束が解けるようになったカカシが、紐をばらりと解いて起き上がる。
 俺は簡易ベッドの脇に立つと、巻物を広げて見せた。
 そこには『逍遥庵の秋限定栗蒸し羊羹』と達筆でしたためられている。逍遥庵は鋳の国の有名な和菓子屋だ。
「ご覧の通り、特に急ぎでもご返答も必要ありません。ただ、くれぐれも忘れるなと言付かっております」
「三代目からのおつかいメモね……とにかくありがと」
 疲れた声で立ち上がろうとするカカシを、ぐいと押し倒してベッドに縫い付けた。
「イル……」
 口布を下げて唇をぎゅっと押し付けてから、顔中にキスを降らせる。
「他に触られたところは?」
 カカシの顔がきゅっと歪み、戦忍から俺だけのカカシになった。
 可愛い可愛い、俺の嫁。
「手と」
 両手を取って縛られていた手首、掌、指の一本ずつにキスしていく。
「胸と」
 くノ一が押し倒したのか、縋り付いたのか。ベストの上からキスを一つ、念のためファスナーも下げて心臓の真上にも。
「腿の上に乗られた」
 体をずらして、細く見えるが触れると張りのある腿の左右に、支給服の上から唇を押し当てる。
「あの札、暗部制圧用のだった。……今回はほんとにダメかと思った」
 微かな声がぽつりと落とされる。
 逸らされた目が痛々しい。
 いつも、いつでも俺のことを、蕩けるように見つめてくれるのに。
 小さく震える顎に手を添え、カカシの顔を優しく俺の方に向けた。
「カカシは俺が守る。だがもし俺が助けに来られなくて、どうにもならなくてヤられてたとしても、何一つ変わらない。カカシは俺の大事な大事な可愛い嫁だ」
 ――そう、この目だ。
 俺だけをひたむきに見つめる、熱を溶かした灰青色。
 と、カカシが急にぷいと横を向いて口を尖らせた。
「でもイルカ、あの女のパンツ見た」
 ……ほんとにな、何でこういうところまで無駄に上忍なんだ。
「パンツ見たくらいで動揺すんな。アカデミーの幼年組の子なんて、男子も女子もパンツ丸出しで駆け回ってるぞ」
「アカデミーの子と一緒にしないでよ! イルカなんてナルトのおいろけの術ですぐ鼻血出すくせに!」
「あんなパンツ、俺にはアカデミーの子と変わんねぇよ。それにおいろけの術で鼻血出すのは、俺が女のおっぱいを見慣れてない証拠だろ。カカシのおっぱいしか見てないんだから。俺がむらむらするのは、カカシのおっぱいとパンツだけだ」
「ほんとに……?」
 うっ、ちろりと上目遣いするのやめろ。
 一応まだ任務中なんだ。その目はまずい。
「イルカったら、カカシのおっぱいでむらむらしちゃうんだ♡」
 いやだからまずいんだってやめろアンダー持ち上げておっぱいを晒すなダメだって。
「カカシのおっぱい揉む?」
 うううううううう白くて綺麗な俺の嫁のおっぱい。
 そこにぽち、ぽちっとキラキラ輝く、ちっちゃなサクランボが二粒。
 恐ろしい誘惑にふらふらと手が伸びる。
 俺は……弱ぇ。
「捕まえた♡」
 気付いたらカカシの胸に顔を押し付けて、両腕の中に囚われていた。
「イルカは俺の旦那さまなんだから、俺以外のパンツ見ちゃダメ」
 この体勢だと「分かってる、ごめんな」という言葉はカカシの胸に直接言うことになっちまったが、多分ちゃんと伝わってるだろう。ご機嫌な手が俺のアンダーん中を這い回ってるから。
 あれ、そういや俺のベストはどこいった?
 視線を逸らした隙に、今度は俺が押し倒された。
「ダメだってカカシ、今は任務中だろ」
 我ながら抵抗が弱々しい。
 だって俺が来なきゃ子作り任務してたんだから、くノ一が俺に代わっただけで、任務内容に変更はないんじゃないかという大義名分を思い付いちまったんだ。俺はカカシの旦那だし、俺の方が正当性も高い。そうだろ? おまけに今はお偉方の命じた『特別任務』のため、ご丁寧にも暗部の遮音結界付きという絶好の状況で。
「いやでもダメだって!」
 思わず自分に突っ込むと、もう一押しでいけるとバレたのか、カカシが任務用の凛々しい顔で下命した。
「うみのイルカ中忍。これより隊長の慰安任務を命ずる」
「はっ! 誠心誠意務めさせて頂きます!」
 いかん、つい身に染み付いた習慣で承服しちまった。
 カカシがニッコリと微笑んだ。
「俺のこと、いっぱい癒してね♡ イルカのスケベな顔と声で♡」
「俺はスケベじゃないぞ! ……っあ、ふぅ」
 股間に伸びたカカシの手が、ズボンの上から尻の割れ目をつうっと辿る。そして布越しにもかかわらず、指先をぴたりとその場所に当てるとぐりぐりと抉った。
「ここにカカシを入れて。俺が挿れたいの、ここだけだから」
 予想以上に思い詰めた声にぱっと目を開けると、額当てを外したカカシと目が合った。
 ……そういや、さっきまでくノ一にヤられそうになってたんだよな。
「来いよ。俺ん中で、ちゃんと俺を感じろ」
 カカシがゆっくりと瞬きをして、二人の視線がねっとりと絡んだ。
 カカシの灰青色に欲が浮かび、幾度となく見てきた雄の獣の目に変わっていく様を、下っ腹を震わせながら見守る。
 舌も指も足も絡めると、カカシの熱を孕んだ腰を引き寄せた。



 カカシより先に小隊を引き連れて里に帰ってからすぐ、受付でやまの特別上忍の任務状況を調べた。
 鋳の国から急きょ別の任務で呼び戻され、そちらを優先するよう指示があったことになっていて、無事思惑通りにいったみたいでほっとする。
 俺が里を出る前に仕込んでおいたんだが、これならやまの特別上忍も、クソ任務を押し付けたお偉方に任務中断の理由を堂々と申し開きができるってもんだ。カカシに不能説が浮上するのは、カカシの貞操と俺たちの未来の為には有り難いけど。大事な嫁の不名誉な噂を後押しする真似は、やっぱり旦那としてしたくない。カカシは気にしないだろうけどな。だって事実、不能どころかギンギンだし。
 くそ、仕事中にカカシのエロい顔を思い出しちまった。

 そして後日、俺は火影執務室で三代目のおやつのご相伴に与っていた。
 おやつは逍遥庵の栗蒸し羊羹。さすが他国までその名を響かせるだけのことはある。ほっくりとした栗が美味い。濃厚な羊羹が口の中で蕩ける。美味い。
「ところでイルカ、最近かまいたちとやらが流行っとるらしいの」
 三代目の奇襲に、危うく栗を喉に詰まらせるところだった。もったいない。
「そうらしいですね。俺も今朝、噂で聞きました」
 嘘だ。
 いや、嘘じゃないが、半分は嘘だ。
 今朝聞いたのは本当だが、そもそも噂を流したのは俺だから。
「なんでも里のお偉方数人が、ベルトや袴の紐や着物の裾を切られて、人前で下着を丸出しにしとったそうじゃな」
「かまいたちなんて、原因不明な現象は怖いですねぇ」
 原因不明でも何でもない。かまいたちは俺とカカシだ。
 クソくだらない子作り任務を画策しやがった仕返しに、こっそり二人でかまいたちごっこをして回ったのだ。まぁ、実行者はカカシだけど。
 二人のお茶をずずっと啜る音だけが響く。
 すると三代目が、ぐうっとこもった呻き声を上げた。
 ……いや違う、笑ってる。必死に笑いを抑えてる。
「あやつらが……褌姿を晒し……グフッ、南之寺の奴なぞハート柄のパンツだったそうじゃな、ブハッ、ゲホッ」
「ちょっと、大丈夫ですか三代目⁉」
 急いで立ち上がると、むせて苦しそうな三代目の背後に回って背をさすった。
「いや、すまんの。はー、ワシも見たかったのう」
「もうかまいたちは現れないと思いますがね」
 三代目は、そうかと心底残念そうに呟いた。
 かまいたちは現れない。
 だが、また誰かが何か仕掛けてくるようなら、次は違う異常現象が起きるかもしれないな。たとえば、誰かの頭の天辺だけ綺麗に禿げるとか。
 そいつは自分の行いと異常現象を結び付けることはないだろう。俺たちにも里の忍としての立場ってもんがあるから、『悪戯』程度で済ませてやってるのだ。
 俺は、俺の嫁に手を出す奴は絶対に許さない。
「この栗蒸し羊羹、ほんと美味いですねぇ。カカシにも食わしてやりたかったなぁ」
「これはカカシの土産じゃよ。それにあやつは甘味は食わぬじゃろ」
 あー、結局おつかいじゃなくて土産になったのか。
 カカシの小遣いから出したのか? これは必要経費だから、後で二人の財布の方から返してやろう。いや、秋刀魚を買ってやった方が喜ぶな。こないだ魚屋で秋刀魚が一匹五十両だったから、今年は秋刀魚が不漁で高いからダメだって言ったら、すんごいがっかりしてたもんなぁ。
「無事に栗蒸し羊羹を買ってこられて良かったのう」
「そうですね。ありがとうございます、三代目」
 三代目が好々爺の顔で笑う。
 子供の頃から何くれとなく見守ってくれる三代目に、俺も心からの感謝を込めて笑い返した。