【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old (カテゴリ内↓new ↑old)
急に恋を自覚するのはいいね!
無自覚なのに体は正直な二人(健全です!)


÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷


 触るの禁止です



 あ、まただ。
 また先生の手が俺の腿を撫で回してる。
 カウンターで隣に座ってるイルカ先生が、いつの間にか俺の膝上に置いた左手をすうっと滑らせ、時々手のひら全体で筋肉を包み込むようにぐっぐっと動かす。
「……それで俺も言ってやったんですよ。『彼女いない歴イコール年齢ナメんな!』ってね」
「ははっ、何それ」
 右手でビールのグラスを掲げ、どや顔で言い切るイルカ先生の左手は俺の腿に置かれたままだ。
 と、その手が離れる。
 そして今度は二の腕をさすり始めた。
「あのですね、モッテモテのカカシ先生には分からないでしょうけど、妙齢の女性と話すのはホンっトに緊張するんですよ」
 分からないねぇ。
 口ではアカデミーの面白い話を披露してるのに、その手が全然別の生き物みたいに俺の体を撫で回すのは。

 イルカ先生は程よく酒が入ると、いつも俺の体に触る。
 最初は確か筋トレの話だった。
「カカシ先生ってかなり特殊な筋肉の付け方してますよね。触ってみてもいいですか?」
 そう言って熱心に俺の腕やら腹やらを手で検分しては、「はぁ、なるほど」「これがスピードに特化しつつ、パワーを落とさないギリギリの」などと呟いてたはず。
 それが次からは断りもなく触るようになった。筋肉の手触りフェチみたいなものなんだろうか。
 これが他の奴なら絶対嫌だし、そもそも上忍の体など不用意に触らせない。媚びを売りながら近付いてくる女にも、廓の女にも。
 イルカ先生だから許すのだ。
 それを分かってるのかいないのか、今度はベストを脱いだ背中に手が伸びた。
「ダメ。もう触るの禁止」
「ぅえ?」
 イルカ先生が掴まれた自分の手首と俺の顔を交互に見る。
「俺、今カカシ先生に触ってました?」
「気付いてなかったの? 毎回毎回べたべたと触りまくってたよ。ほら、今も」
 心外なって顔で見返す先生に、掴んだ手首を突き付ける。
「いつも体ばっかり触って、全然俺のこと見てくれてないじゃない。イルカ先生は体目当てで俺と呑んでるの?」
 アルコールにとろんと溶けた目が、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。
「それって嫉妬ですか」
 ……嫉妬?
 俺が。
 誰に?
 まさか、自分の筋肉に⁉
「意味わかんない」
 イルカ先生はふはっと吹き出すと、額当てがぶつかりそうなくらい顔をぐいと近付ける。
「俺はいつでも、ちゃあんと見てますよ。カカシ先生のこと」
 間近で黒い瞳がきらきらと揺らめく。
 目が逸らせない。
 吸い込まれそうだ、と思った瞬間に気付いた。
 その瞳の中に囚われるみたいに写る自分の顔に。
「だから心配すんな!」
 聞き分けのない子供を宥めすかすような、そんな風に笑ってイルカ先生の顔が離れていく。
 違う。そういうことじゃなくて。
 掴んだままだった手首を離した手で、結い上げた髪の束ごと頭を引き寄せた。
 そして耳元に囁く。
「俺のことを好きって顔で、俺を見て」
 イルカ先生の瞳に写っていた俺みたいな顔で、俺を見て。
 ガタッと椅子を鳴らして先生が俺から飛びのく。
「は……っ、恥ずかしいこと言うの禁止です!」
「いいよ~、イルカ先生も俺の体目当てに呑みに誘うの禁止~」
「なっ、そんなことしてない! 嘘つくの禁止!」
「じゃあ先生も嘘つくの禁止ね」
 俺はイルカ先生に手を伸ばして、二の腕に触れた。
 そして、そういう意図で撫で上げる。

「こういう風に触るの、禁止?」

 腕がびくりと震えた。
 でもその頬を熱くさせてるのは、羞恥心だけじゃないはず。
 この答えは別の場所で聞こうと、カウンターに飲み代を置いてイルカ先生を抱え上げると瞬身の印を組んだ。
 

【完】
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。