【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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五大国に勇名を馳せる誉が先生の前ではただの恋する男になっちゃうのがほんっっと大好きなんですよ。


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 『半分ちゅ』



 夜風が肩を並べて歩く二人の間を吹き抜ける。
 隣の沈黙が重い。
 ──こんなはずじゃなかったのに。
 カカシは内心でため息をついた。

 最初からカカシの一目惚れだった。
 緩やかに距離を詰め、「付き合ってください」という言葉にイルカがようやく頷いてくれたのが先月の頭で。
 その頃冷たかった風は春の気配を含んでいるというのに、二人の間は冬に戻ったみたいだった。
 背中をばんばん叩いて笑ってくれた人は、ぎくしゃくとぎこちなく微笑むだけになってしまい、付き合うのはまだ早かったのかもしれないと子供一人分は空いている隣の空間に目を落とす。

「あ、の……それでは」

 気付くともうイルカの住む中忍寮の目の前まで来ていて、本当に護衛のように送るだけの道中になってしまっていた。

「うん、おやすみなさい」

 カカシの声にイルカは目を逸らしながら小さく頷く。
 そしてくるりと背を向けると、カンカンカンと音を立てて階段を上っていった。
 ドアを閉めるまで見送ろうか迷ったが、前回のように一度も自分を振り返らずに視界から消えられてしまうのは嫌だな、とカカシも振り切るように背を向ける。
 イルカが変わってしまった二人の関係に緊張しているのは、十分に分かっていた。
 好意も少なからずあると信じているが、それでも分厚い壁をずっと感じさせられているのはきつい。だからといって別れてやる気などさらさらないが、突破口を見出だせない現状をどうにかする策も浮かばなかった。
 戦場ならもっと厳しい状況でも引っくり返せたし、強引に進めるんだけどねと足元を見ながら歩いていると、後ろからすごい勢いで駆け寄ってくる気配がある。
 ──まさか、ね?
 振り返ったカカシは、ベストの立ち襟をむんずと掴まれた。
 真っ赤な顔のイルカに。

「俺だってこのままじゃダメだって分かってるんです! だから……っ」

 イルカは掴んだ立ち襟をぐいと引き寄せ、唇をぶつけてきた。
 勢い余ったせいか、唇がずれて半分しか合わさらなかったが、キスはキスだ。

「今は、半分だけで」

 上ずった声を絞り出すと、唖然としているカカシを置いてまた駆け出してしまった。
 あっと言う間に遠ざかるイルカの背を見送りながら、今の言葉を反芻する。
 『半分だけ』
 あれはずれたのではなかった。
 意図的に半分だけのキスをしたのだ。
 イルカもイルカで、ちゃんと二人の事をどうにかしたいと考えてくれていたのだ。
 それで飛び出した策が半分だけのキス……『今は』。

「もう……なんなのあの人」

 片手で覆った顔が熱い。
 可愛すぎでしょ、と呟いたカカシもまた、溢れ出す愛おしさにたまらず駆け出した。
 イルカを追って。
 中忍寮の階段を三段飛ばしで駆け上がる。
 半分だけ抱きしめるのってどうやればいいんだろうと考えながら。

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