【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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中忍なりたて若イルカ君と暗部のお話。
20✕16とかこの辺りの年代のカカイルが好きすぎてね!
÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷
はじめての
中忍に昇格して初めての任務は、本陣への物資輸送とそのまま後方支援という、いかにも戦忍らしいものだった。
全員中忍だったが、俺ともう一人の中忍以外はベテランばかりのフォーマンセル二小隊という編成で、二人の新人の訓練任務も兼ねていたように思う。
先輩たちにが里発の物資輸送は駐屯地間と違って安全だと笑ってくれてたが、俺たち新人はもちろん緊張していた。
最後の休憩地点まで来ると、隊長があと一息だと背中を叩いてくれた。ちょうど竹筒の水を飲んでいたところだったので、思いきりむせた俺を指差して笑った先輩がいきなり前に倒れた。
「敵襲だ! フォーメーションB!」
隊長の声で全員が散る。倒れた先輩を隊長が抱えて跳んだのを横目に、俺は自分の班の先輩に続いて茂みに転がり込んだ。
突然放り込まれた戦闘にもかかわらず、全員がよく健闘したと思う。だが相手が悪かった。
たまたま通りかかった敵などではなく、恐らくは上忍も混じった奇襲のために編成された隊だった。背中合わせに防戦していた先輩ともいつしか引き離され、大木の下に追いつめられてしまう。
すると目の前の敵の背後に隊長が降り立った。
「うみの! お前が一番足が早い! 救援を呼んでこいっ」
「はいっ!」
追いすがろうとする敵を隊長が起爆符で足止めする。
駈けながら振り返ると、煙の向こうから人影が飛び出した。
──敵だ。
「行け、うみの! 走れっ」
隊長の怒号を背に、チャクラを足裏にこめて駆け出した。
樹上を跳び、地をジグザグに駆ける背後から執拗に敵が迫ってくる。
得意のトラップなど仕掛けてる暇なんてない。飛んでくる手裏剣を避けながらひたすら駆けていると、頭上から何かが降ってきたので闇雲にクナイを振る。足元がおろそかになったところに投網付きクナイが飛んできた。辛うじて避けられたものの、続いて飛来する手裏剣が腕と腿をかすめる。
もうすぐ目的地だが、このままだと本陣の位置を知られてしまう。万が一情報を持ったまま敵に逃げられてしまったらと、クナイをぎゅっと握って応戦する覚悟を決めた。
振り返ったとたん、忍刀が振り下ろされる。
あからさまな実力差に、相手が口元をニヤリと歪めた。
ぎゅうと瞑った瞼の裏を父ちゃん、母ちゃんの顔がよぎる。
「諦めるな。最期の瞬間まで目を開けていろ」
耳元で囁いたのは死神だろうか。
目を開くと同時に白銀の光が疾走った。
そこに焦点が合った時には、もう全てが終わっていた。
倒れ伏した敵を背に立つのは狗面の暗部。
忍刀を一振りして血振りすると、背に戻す。
「よく頑張ったね。もう大丈夫」
場違いなほど柔らかな声音に、今さらながら足が震えて崩れ落ちる。
そこで残してきた仲間のことを思い出し、慌てて駆けてきた方を指した。
「まだ仲間が!」
「そっちは二人行ってるから安心して」
「良かった……」
安心したとたん、腕と足の傷が痛み出した。暗部がそれに気付いて検分してくれる。
「毒が塗られてるね。耐性は?」
「Cの下です」
「うーん、じゃあこれ飲んで」
鉤爪の付いた手で差し出されたのは、真っ赤な丸薬だった。
「毒々しいけど効果はお墨付きだから」
苦笑交じりに渡され、そのまま飲み込む。舌が痺れるくらい苦かったが我慢していると、面の奥から含み笑いが漏れた。
「それものすごく苦いのに、ちゃんと我慢できて偉いね」
子供相手のような言い方にムッとして、命の恩人だというのについ言い返してしまった。
「当たり前です、中忍なので」
慌てて口をふさぐと、今度こそ暗部が声を上げて笑った。
「それだけ元気なら大丈夫だね。医療天幕まで歩ける?」
自分の反応こそ子供っぽかったと、恥ずかしくなって小さく頷いた。
「医療忍には真っ赤な丸薬を飲んだって言えば分かるから。じゃあね」
そう言って立ち去ろうとする暗部に、そういえばまだお礼も言ってないことに気付いた。
「あの、ありがとうございました!」
「ん」
この真っ赤な丸薬は今まで見たことがないから、多分戦忍用か暗部用なんだろう。貴重な薬を貰ってしまったことが申し訳なくて、慌ててポーチを探ると糖分補給用の飴玉が二個出てきた。
よろよろと立ち上がって暗部の腕を掴み、手に握らせる。
「えっと、お礼です……こんなものしかなくてすみません」
見上げた面の奥の目が真ん丸になる。
左は縦に走った傷のせいか閉じているが、右は深い青と灰色の混じった不思議な色合いで、つい見惚れてしまった。
「……ありがと」
そう呟いた暗部は、煙を上げて消えてしまった。
あれから数年、狗面の暗部は上忍師として俺の前に現れた。
カカシ先生はきっと覚えてないと思ったのに。
「それでね、俺の手をぎゅっと握って、ありがとうございますってプレゼントしてくれたでしょ? あんな情熱的なプロポーズ、初めてで……」
受付でキャーーーーっと頬を染めるこの男は、あの時の暗部と本当に同一人物なんだろうか。
「遅くなっちゃったけど、謹んでお受けします♡」
抱えていた真っ赤な薔薇の花束が押し付けられる。
「あの、あれはお礼の気持ちで」
「照れちゃってかわいい! それともずいぶん待たせたから拗ねてるの?」
「違いますっ!」
違うけど、そう違くはない。
プロポーズしたつもりはまったくなかったが、近い内にお付き合いしてしまう未来は見える。
なぜなら。
あの暗部の男は、俺の初恋だったから。
【完】
20✕16とかこの辺りの年代のカカイルが好きすぎてね!
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はじめての
中忍に昇格して初めての任務は、本陣への物資輸送とそのまま後方支援という、いかにも戦忍らしいものだった。
全員中忍だったが、俺ともう一人の中忍以外はベテランばかりのフォーマンセル二小隊という編成で、二人の新人の訓練任務も兼ねていたように思う。
先輩たちにが里発の物資輸送は駐屯地間と違って安全だと笑ってくれてたが、俺たち新人はもちろん緊張していた。
最後の休憩地点まで来ると、隊長があと一息だと背中を叩いてくれた。ちょうど竹筒の水を飲んでいたところだったので、思いきりむせた俺を指差して笑った先輩がいきなり前に倒れた。
「敵襲だ! フォーメーションB!」
隊長の声で全員が散る。倒れた先輩を隊長が抱えて跳んだのを横目に、俺は自分の班の先輩に続いて茂みに転がり込んだ。
突然放り込まれた戦闘にもかかわらず、全員がよく健闘したと思う。だが相手が悪かった。
たまたま通りかかった敵などではなく、恐らくは上忍も混じった奇襲のために編成された隊だった。背中合わせに防戦していた先輩ともいつしか引き離され、大木の下に追いつめられてしまう。
すると目の前の敵の背後に隊長が降り立った。
「うみの! お前が一番足が早い! 救援を呼んでこいっ」
「はいっ!」
追いすがろうとする敵を隊長が起爆符で足止めする。
駈けながら振り返ると、煙の向こうから人影が飛び出した。
──敵だ。
「行け、うみの! 走れっ」
隊長の怒号を背に、チャクラを足裏にこめて駆け出した。
樹上を跳び、地をジグザグに駆ける背後から執拗に敵が迫ってくる。
得意のトラップなど仕掛けてる暇なんてない。飛んでくる手裏剣を避けながらひたすら駆けていると、頭上から何かが降ってきたので闇雲にクナイを振る。足元がおろそかになったところに投網付きクナイが飛んできた。辛うじて避けられたものの、続いて飛来する手裏剣が腕と腿をかすめる。
もうすぐ目的地だが、このままだと本陣の位置を知られてしまう。万が一情報を持ったまま敵に逃げられてしまったらと、クナイをぎゅっと握って応戦する覚悟を決めた。
振り返ったとたん、忍刀が振り下ろされる。
あからさまな実力差に、相手が口元をニヤリと歪めた。
ぎゅうと瞑った瞼の裏を父ちゃん、母ちゃんの顔がよぎる。
「諦めるな。最期の瞬間まで目を開けていろ」
耳元で囁いたのは死神だろうか。
目を開くと同時に白銀の光が疾走った。
そこに焦点が合った時には、もう全てが終わっていた。
倒れ伏した敵を背に立つのは狗面の暗部。
忍刀を一振りして血振りすると、背に戻す。
「よく頑張ったね。もう大丈夫」
場違いなほど柔らかな声音に、今さらながら足が震えて崩れ落ちる。
そこで残してきた仲間のことを思い出し、慌てて駆けてきた方を指した。
「まだ仲間が!」
「そっちは二人行ってるから安心して」
「良かった……」
安心したとたん、腕と足の傷が痛み出した。暗部がそれに気付いて検分してくれる。
「毒が塗られてるね。耐性は?」
「Cの下です」
「うーん、じゃあこれ飲んで」
鉤爪の付いた手で差し出されたのは、真っ赤な丸薬だった。
「毒々しいけど効果はお墨付きだから」
苦笑交じりに渡され、そのまま飲み込む。舌が痺れるくらい苦かったが我慢していると、面の奥から含み笑いが漏れた。
「それものすごく苦いのに、ちゃんと我慢できて偉いね」
子供相手のような言い方にムッとして、命の恩人だというのについ言い返してしまった。
「当たり前です、中忍なので」
慌てて口をふさぐと、今度こそ暗部が声を上げて笑った。
「それだけ元気なら大丈夫だね。医療天幕まで歩ける?」
自分の反応こそ子供っぽかったと、恥ずかしくなって小さく頷いた。
「医療忍には真っ赤な丸薬を飲んだって言えば分かるから。じゃあね」
そう言って立ち去ろうとする暗部に、そういえばまだお礼も言ってないことに気付いた。
「あの、ありがとうございました!」
「ん」
この真っ赤な丸薬は今まで見たことがないから、多分戦忍用か暗部用なんだろう。貴重な薬を貰ってしまったことが申し訳なくて、慌ててポーチを探ると糖分補給用の飴玉が二個出てきた。
よろよろと立ち上がって暗部の腕を掴み、手に握らせる。
「えっと、お礼です……こんなものしかなくてすみません」
見上げた面の奥の目が真ん丸になる。
左は縦に走った傷のせいか閉じているが、右は深い青と灰色の混じった不思議な色合いで、つい見惚れてしまった。
「……ありがと」
そう呟いた暗部は、煙を上げて消えてしまった。
あれから数年、狗面の暗部は上忍師として俺の前に現れた。
カカシ先生はきっと覚えてないと思ったのに。
「それでね、俺の手をぎゅっと握って、ありがとうございますってプレゼントしてくれたでしょ? あんな情熱的なプロポーズ、初めてで……」
受付でキャーーーーっと頬を染めるこの男は、あの時の暗部と本当に同一人物なんだろうか。
「遅くなっちゃったけど、謹んでお受けします♡」
抱えていた真っ赤な薔薇の花束が押し付けられる。
「あの、あれはお礼の気持ちで」
「照れちゃってかわいい! それともずいぶん待たせたから拗ねてるの?」
「違いますっ!」
違うけど、そう違くはない。
プロポーズしたつもりはまったくなかったが、近い内にお付き合いしてしまう未来は見える。
なぜなら。
あの暗部の男は、俺の初恋だったから。
【完】
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