付き合ってるカカイルだけどイルカ先生は不在で先輩後輩だけ。
先生が不在だからこその会話でしょうねぇ。


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　ライバル



　あれ、テンゾウ一人だけ？　この時間の屯所で珍しいね。あー、はいはいヤマトねヤマト。
　それでさテンゾウ、ちょっと聞いてよ。昨日イルカ先生と外で呑んだんだけどさ。うん、最近は先生の家ばっかりだったから珍しいね。イルカ先生も久々の外呑みでけっこう量いってたのかな？　それでね、ふふっ。思い出し笑いくらいいいでしょ。スケベでけっこう。お前に言われたくないよ。
　そうそう、イルカ先生がね、ライバルは俺なんだって。
　え？　忍術とかそういうんじゃないのよ、当たり前でしょ。いや当たり前って中忍だから侮ってるとかじゃなくて。イルカ先生のこと、あんまり舐めてかからない方がいいよ。お前は表に出てないから知らないだろうけど、アカデミー教師も受付もエリートだからね？
　じゃあ何のライバルかって？　ふふふふふ。
　あのね、キモいとか言わないでくれる？　いいから聞きなさいよ。イルカ先生とね、どっちがより相手を大好きかで昨日言い争いになっちゃったのよ。それでイルカ先生がとうとうキレてね、ジョッキをダーンってテーブルに叩き付けてさ。
「そんなに言うんなら、今からあなたは俺のライバルですっ！　でも負けねぇですからね！　俺の方が絶対絶対ぜーーーったいカカシさんのこと大好きですからね！」
　は───、かわいい！
　あの人なんであんなに可愛いんだろう。テンゾウ分かる？　いや、お前は分からなくていいや。でも先生が可愛いって事は知っておけよ。だが想像はするな。
　それにしても参っちゃうよね。俺があの人を想うより、あの人の想いの方が強いんだって。
　負けたくないけど勝たなくてもいいって思える争いって、世の中にはあるんだよなぁ。
　どうしようね、テンゾウ。
　うるさいな、間抜け面は余計でしょ。
　でも、うん。俺、幸せよ？
　お前も俺に間抜け面って言われるような相手と出会えるといいね。
　ハハッ、確かに。後輩の幸せを祈れるようになるとはねぇ。ま、頑張んなさいよ。俺が幸せのライバルって言えるように、さ。