【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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上中で終わり良ければ全てよしみたいな
できごころ
──それは本当にちょっとした出来心だった。
ある日の午後の受付。
はたけカカシの忍犬を、なぜかイルカが預かることになった。
それ自体はほんの一時のことで済んだのだから、ラッキーなハプニングだったと良い思い出にしてしまえば良かったのに。
何を隠そうイルカは以前、キャーキャー騒ぐくノ一たちに混じってうっかり惚れてしまったのだ。はたけカカシに。
なのでそんなイルカにとって、カカシの忍犬を預かるというのはとてもとても得難い機会だった。
イルカの座る席の隣にぴったりと寄り添う忍犬を見ながら、「お前はいいなぁ、はたけ上忍といつも一緒にいられて。俺も契約してぇよ」と思わず呟いてしまうくらいには。
本当にちょっとだけ。
心の声が漏れてしまっただけだったのだ。
程なくして急用を済ませたカカシが受付に戻ってきて、イルカに礼を言いながら忍犬を引き取る。
「受付業務で忙しいのにすみません、ありがとうございました」
「いえ、お疲れさまでした」
せっかくの好機なのだから忍犬のことなどを話題に少しは会話をすればいいのに、恋愛ごとに不慣れで奥手なイルカはつい話をバッサリと簡潔に終わらせてしまう。
カカシも特に会話を膨らませることもなく、忍犬に引きずられるようにして、そそくさと受付を出ていった。
その猫背に見えて隙のない一流の忍の、だがイルカにとっては大好きなただの一人の男の背を見送ると、深々とため息をついた。
ほんのひとときでも、わずか一言でもいつもと違う時間を過ごせたのだ。これ以上を望むのは贅沢というものだ。これからまた挨拶と任務に関する事務的な会話だけになっても、それが普通なのだと胸の内で自分に言い聞かせる。
よし、と自らの両頬をバチンと叩いて喝を入れると、再び業務に戻った。
……はずだったのに。
「「イルカ先生っ!」」
目の前でボフン、ボフッと煙が上がったかと思うと、去ったはずのカカシと忍犬が受付机の前に現れた。
ガタッと椅子を鳴らしてとっさに下がろうとするイルカに、カカシがその手をガッチリと握って引き戻す。
「はたけ上忍⁉ 何か不備でもありましたか?」
動揺しながらも問いかけるイルカに、なぜか忍犬までがイルカの手に前脚を重ねる。
「あの、俺も同じ気持ちです」
流暢に言葉を話す忍犬に、そういえば優秀なものは人間と同じように会話できるのだったと思い出す。
だが同じ気持ちとは? となったところで、先ほど自分が忍犬に対して呟いたことが甦った。なるほど、忍犬もはたけ上忍と契約して一緒にいられることが嬉しいのだ。
「そうか、分かってくれるか!」
「もちろんです! なのでこちらに署名捺印をお願いします」
共感を示したイルカに答えたのは、なぜかカカシの方で。
もしかしたら、あまりにも優れた主従というのは喜怒哀楽も共にするのかもしれないと、契約獣を持たないイルカは勝手に理解した。
なのでカカシが机上にスッと差し出した契約書も、カカシが忍犬の気持ちに応える為に作成した、はたけカカシの契約獣となる書類だと判断した。
「俺みたいな中忍でも、はたけ上忍と契約して宜しいんでしょうか」
「俺はイルカ先生とずっと一緒にいられたら嬉しいです」
またしても返事をしたのは忍犬の方だったが、そこまで言われるならと、イルカは書類に氏名を書き込み印鑑を捺した。
どこかで見た書類形式だなと思ったが、何しろ今までの人生でまったく縁の無かった物なので、それが何の契約をする書類なのか気付かなかった。
「ありがとう、イルカ先生と結婚できるなんて夢みたい」
忍犬がべろりとイルカの口を舐めた。
「結婚……? どういうことだ?」
契約書ははたけカカシと主従契約を結ぶものではないのか。それにイルカが好きなのはカカシであって、忍犬ではない。
何から問えば、とおろおろするイルカの前で、またしても煙がボフン、ボフッと上がった。
ボフッと煙が上がって消えたのは、カカシ。
ボフンと上がった煙が晴れて現れたのも、カカシ。
「ごめんなさい、騙したみたいで。先生とお近付きになりたくて、ちょっとした出来心でその……変化してたんです」
つまりは忍犬なんて初めからいなくて。
そこにいたのは、恋する男が二人だけだったという。
今はもう婚姻関係にある二人だけど、めでたしめでたしとなったかは、休日の猿飛川の河原に行ってみればいい。
運が良ければ、イルカとカカシと本物の忍犬たちがみんなで散歩してるところを見られるかもしれないから。
できごころ
──それは本当にちょっとした出来心だった。
ある日の午後の受付。
はたけカカシの忍犬を、なぜかイルカが預かることになった。
それ自体はほんの一時のことで済んだのだから、ラッキーなハプニングだったと良い思い出にしてしまえば良かったのに。
何を隠そうイルカは以前、キャーキャー騒ぐくノ一たちに混じってうっかり惚れてしまったのだ。はたけカカシに。
なのでそんなイルカにとって、カカシの忍犬を預かるというのはとてもとても得難い機会だった。
イルカの座る席の隣にぴったりと寄り添う忍犬を見ながら、「お前はいいなぁ、はたけ上忍といつも一緒にいられて。俺も契約してぇよ」と思わず呟いてしまうくらいには。
本当にちょっとだけ。
心の声が漏れてしまっただけだったのだ。
程なくして急用を済ませたカカシが受付に戻ってきて、イルカに礼を言いながら忍犬を引き取る。
「受付業務で忙しいのにすみません、ありがとうございました」
「いえ、お疲れさまでした」
せっかくの好機なのだから忍犬のことなどを話題に少しは会話をすればいいのに、恋愛ごとに不慣れで奥手なイルカはつい話をバッサリと簡潔に終わらせてしまう。
カカシも特に会話を膨らませることもなく、忍犬に引きずられるようにして、そそくさと受付を出ていった。
その猫背に見えて隙のない一流の忍の、だがイルカにとっては大好きなただの一人の男の背を見送ると、深々とため息をついた。
ほんのひとときでも、わずか一言でもいつもと違う時間を過ごせたのだ。これ以上を望むのは贅沢というものだ。これからまた挨拶と任務に関する事務的な会話だけになっても、それが普通なのだと胸の内で自分に言い聞かせる。
よし、と自らの両頬をバチンと叩いて喝を入れると、再び業務に戻った。
……はずだったのに。
「「イルカ先生っ!」」
目の前でボフン、ボフッと煙が上がったかと思うと、去ったはずのカカシと忍犬が受付机の前に現れた。
ガタッと椅子を鳴らしてとっさに下がろうとするイルカに、カカシがその手をガッチリと握って引き戻す。
「はたけ上忍⁉ 何か不備でもありましたか?」
動揺しながらも問いかけるイルカに、なぜか忍犬までがイルカの手に前脚を重ねる。
「あの、俺も同じ気持ちです」
流暢に言葉を話す忍犬に、そういえば優秀なものは人間と同じように会話できるのだったと思い出す。
だが同じ気持ちとは? となったところで、先ほど自分が忍犬に対して呟いたことが甦った。なるほど、忍犬もはたけ上忍と契約して一緒にいられることが嬉しいのだ。
「そうか、分かってくれるか!」
「もちろんです! なのでこちらに署名捺印をお願いします」
共感を示したイルカに答えたのは、なぜかカカシの方で。
もしかしたら、あまりにも優れた主従というのは喜怒哀楽も共にするのかもしれないと、契約獣を持たないイルカは勝手に理解した。
なのでカカシが机上にスッと差し出した契約書も、カカシが忍犬の気持ちに応える為に作成した、はたけカカシの契約獣となる書類だと判断した。
「俺みたいな中忍でも、はたけ上忍と契約して宜しいんでしょうか」
「俺はイルカ先生とずっと一緒にいられたら嬉しいです」
またしても返事をしたのは忍犬の方だったが、そこまで言われるならと、イルカは書類に氏名を書き込み印鑑を捺した。
どこかで見た書類形式だなと思ったが、何しろ今までの人生でまったく縁の無かった物なので、それが何の契約をする書類なのか気付かなかった。
「ありがとう、イルカ先生と結婚できるなんて夢みたい」
忍犬がべろりとイルカの口を舐めた。
「結婚……? どういうことだ?」
契約書ははたけカカシと主従契約を結ぶものではないのか。それにイルカが好きなのはカカシであって、忍犬ではない。
何から問えば、とおろおろするイルカの前で、またしても煙がボフン、ボフッと上がった。
ボフッと煙が上がって消えたのは、カカシ。
ボフンと上がった煙が晴れて現れたのも、カカシ。
「ごめんなさい、騙したみたいで。先生とお近付きになりたくて、ちょっとした出来心でその……変化してたんです」
つまりは忍犬なんて初めからいなくて。
そこにいたのは、恋する男が二人だけだったという。
今はもう婚姻関係にある二人だけど、めでたしめでたしとなったかは、休日の猿飛川の河原に行ってみればいい。
運が良ければ、イルカとカカシと本物の忍犬たちがみんなで散歩してるところを見られるかもしれないから。
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