【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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ナルトとあなたと、俺と。
いつだってこの問題は難しいと思うんです。
でもね。


 無理難題


「え……? あの、カカシさん、それはどういう意味で……」
「分かってるのに惚けないで。言葉通りの意味ですよ」
 俺の取り付く島もない言い様に、イルカ先生の顔が険しくなる。
 そういう表情は初めて見たけど、良いね。もっといろんな顔を見せてよ。朗らかでおおらかで爽やかなイルカ先生ばかりじゃなくてさ。
 もう少し苛めても大丈夫そうかな? だって俺はいっぱい我慢したし、今のアンタよりも傷付いたんだから。
 ナルトナルトナルトナルトナルトナルトナルトナルト。
 そんなにナルトが大事なら、最初から俺のことなんて視界にすら入れなければ良かったのに。
 だから、ねぇ先生。
「俺と、ナルト。どちらかを選んで」
「そんなの無理に決まってるでしょう!」
 やっと俺の本気が伝わったのか激昂するイルカ先生を、気持ちが鈍らないように勢いを付けながら立ち上がる。
「期限は一週間。ちゃんと考えた答えを教えてください」
「待って、カカシさんっ」
 今これ以上聞くべきものは無いので、真ん丸に見開かれた眼の、こんな時でも魅力的なイルカ先生を右眼に焼き付けてから、先生の部屋をあとにした。

※※※

 あなたが好きだと、一緒にいたいと伝えたのは俺からだった。
 イルカ先生は驚いたけど、嫌だという気持ちはないので少し考えさせてくださいと言った。
 そして「よろしくお願いします」と答えてくれたのが、今回俺が区切った期限と同じ一週間後だった。イルカ先生は覚えてないだろうけど。
 その後俺のことを好きになりましたと言ってくれた言葉は、嘘じゃなかったと思う。ただ、それ以上にナルトが大事なだけだ。そうでしょ?
 あなたはあれくらいの子供なんてすぐ巣立ってってしまうんですよなんて言うけど、それなら俺だってすぐ死んじゃうかもしれない。
 イルカ先生の持つ秤に乗せる、片方が俺の命。
 それにミナト先生とクシナさんの大切な大切な子供であるナルトなら、十分に釣り合いが取れると思う。
 あとはイルカ先生がどちらを選ぶか、それだけだ。
 あなたはどんな答えを聞かせてくれるの?
 さぁ、

「イルカ先生、答えを」

 いつものように先生の部屋の窓から入ると、強張った顔のイルカ先生が卓袱台の前にきちんと正座をしている。
 もうその顔を見ただけで、答えが決まったのが分かる。もうこのまま聞かないで帰ってしまおうか。どうせアンタの口から出てくるのはナルトだ。
「まずは座ってください」
 イルカ先生が自分の向かい側を指すので、なぜか逆らえずにすとんと座る。
 すると先生が目を閉じて、ふぅーっと息を吐いた。
 どうしよう、やっぱりあんなこと聞くんじゃなかった。今さらだけど無かったことにできないかな。なんで俺かナルトかなんて言っちゃったんだろう。俺のバカ!
「カカシさんの質問ですが、俺の答えは──」
 ナルト? それともカカシ?
 どっちも母音がアだから口の開け方じゃ分からない。
 イルカ先生がばちりと目を開けた。
 俺を見つめる。じっと。
「カカシさんは俺とナルト、どっちを選ぶんですか? です」
「は?」
 言ってる意味が分からなくてまじまじと先生を見ると、俺以上にまじまじと見返された。
「…………そんなの答えじゃないでしょ」
「質問で返すなとは言われませんでしたから。俺の考え抜いた答えはこれです。さぁ、答えてください。それともカカシさんも一週間必要ですか」
 イルカ先生とナルト。
 二人のどちらか。
 どちらか、一人。
 そんなの──
「俺には選べない。これで満足?」
「いいえ、ショックです。選べないなんて」
「それじゃあ、アンタは選べるって言うの⁈ 最初から答えないなんて卑怯だ」
 すっとぼけた顔で肩をすくめるイルカ先生に、思わず苛立ちを露わにしてしまう。
 でも本当に卑怯なのは俺だ。
 自分でも答えられない無理難題を押し付けて、先生がどちらを選んでも後悔が残るような、俺の気持ちの落とし所をイルカ先生に委ねた。
「俺は……ごめんなさい。もういいです」
 帰ろう。恋人として会うことはもうないだろうけど、遠くから好きでいることくらいは許されるよね。俺って本当にダメだ。
 立ち上がろうとしたら腕を引っ張られ、口布を乱暴に下ろされて、それで。
 キスされた。

「いいですか、俺がこういうことや、もっとその……やらしいことをしたいのはカカシさん、あなただけです」

 キラキラした眼が俺を見つめる。
 その眼の中には間抜けな、でもやっぱりキラキラした眼の俺が映ってる。
「そんなに難しく考えないでください。でも、寂しがらせてしまったのはごめんなさい」

 うん。
 答えはとてもシンプルだった。

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