【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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付き合ってない2人で上中。
ゆらゆら揺れていたのは誰だったのか。
÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷
ゆらゆら
好きにはいろいろ種類がある。
例えば目の前の卓上に並ぶ旬の料理。冬の鍋は好きだ。今日は鶏つくね鍋で、腕まくりをしたイルカ先生が、半割になった竹筒からヘラで生のつくねをぼとぼとと豪快に落としていく。
「カカシさんは魚だけかと思ってたけど、肉も好きなんですね」
「うん、好き」
ぐつぐつと煮立ちゆく鍋を、しばらく無言で眺めた。
と、イルカ先生が菜箸をサッと取り上げて左手を俺の方に突き出したので、阿吽の呼吸で俺の呑水を差し出す。
「葱とえのきと……豆腐は? 椎茸も大丈夫ですか?」
「うん、好き」
「あっ、〆はどうします? 先に注文だけはしとかないと。雑炊かうどんか」
「うーん、雑炊かなぁ」
本当はどっちでもいい。でもイルカ先生は何でも良いという答えを好まないので、聞かれたら二択だろうが三択だろうが必ず選ぶようになった。
イルカ先生は鍋奉行なので鍋に関しては全てを任せてるけど、俺たちはメシ友という対等な関係でもあるから、酒はそれぞれ手酌だ。
「やっぱり神無月も旨いですけど、綺羅の雫も気になりますね」
「そう? じゃあ次は綺羅の雫にしようか」
「やった! あれは熱燗向きじゃないけど俺、冬に鍋と冷やでやるのも好きなんですよ」
「うん、俺も好き」
冬の冷や酒もだけど、ご機嫌な笑顔で鍋を覗き込むイルカ先生のことが。
この『好き』は俺の中でなんとも微妙な位置にいる。
階級を超えた友だちでもあり、里での貴重な呑み友、メシ友でもあり、人間として好きなのはもちろん、最近ではもしかして性欲込みでも好きなのでは? という疑惑も浮かんできていた。
いろんな『好き』の振り子はゆらゆら、ゆらゆらと収まり悪く揺れ続けていて、一向に落ち着く様子を見せない。
いっそイルカ先生の方が何らかの『好き』の答えを見せてくれれば、俺も自分の気持ちが分かるんじゃないかと、そんな勝手なことまで思うくらいには煮詰まっていた。
友情の『好き』か、愛情の『好き』か、はたまた肉欲の『好き』か。
「……やっぱり肉欲は無いかなぁ」
「カカシさん、もう肉はいらないんですか?」
イルカ先生がつみれをいそいそと自分の呑水によそう。そっちの肉への欲はそんなにないから、特に訂正することもなく残りのつみれを譲った。
店を出ると途端に冷たい風が吹き付け、せっかくの温もりを容赦なく巻き上げていく。
「さっみぃ〜〜〜!」
前屈みで両腕を組んだイルカ先生が防御態勢で前を歩く。
俺は任務帰りに直行したから外套を着ていて、マフラーだけのイルカ先生より数倍は防寒力が高かった。
「カカシさん、ずりぃよ〜」
鼻を啜りながら笑うイルカ先生に、ふと悪戯心がぽんと浮かんだ。
「ほら、おいで」
外套の前を開け、イルカ先生を引き寄せて抱き込む。
「うお、あったけぇ!」
わははと豪快に笑うのは、多少酔ってるせいもあるんだろう。
二人羽織みたいな体勢で歩くのはなかなか難しくて、イルカ先生と「いっちに、さんし」と号令をかけながら夜の町を行く。お互いの足を踏まないよう、左右に揺れるイルカ先生に合わせて俺も「ごーろく、しちはち」と続けた。
しばらく進むと住宅街に差しかかって、あまり大騒ぎしながら歩くのは迷惑になるとボリュームを落として進む。
「いっちに、さんし」
「ごーろく」
イルカ先生のアパートに着くと、階段を上がって部屋の前に到着する。でもなんだか中途半端なカウントで止まってしまった。
イルカ先生は勢いが止まらないのか、その場で左右に揺れている。
ゆらゆら、ゆらゆら。
……もしかして俺が「しちはち」を言わないと止まれないのか?
「しち、はち」
揺れていた体がぴたりと止まった。やっぱりそうだったか。
酔っ払いのこだわりってよく分からないけど、合ってて良かったと抱え込んでた肩から両腕を離した。
すると、すぅと一つ、息を吸う音が聴こえて。
イルカ先生がくるりと振り返った。
頬が赤い。やっぱりけっこう酔ってたんだ。
「それじゃイルカ先生、おやすみなさ」
「俺はカカシさんのこと好きだけどカカシさんはどうですか」
一息に言い切ったイルカ先生の目には、ちゃんと理性の光が宿っていた。
ゆらゆら、ゆらゆら。
またあの振り子が急に揺れ出す。
答えなきゃ。
これは、この問いかけこそは、ちゃんと答えなきゃ。
好きではあるけど、どれだろう。
イルカ先生の顔が泣き笑いみたいな、今まで見たこともないおかしな歪み方をしてから、ふいと背けられた。
「ごめんなさい、忘れてください」
アパートのドアが開けられ、バタンと閉じられる。
「待って!」
そうだ。
この追いかけたい気持ちこそが答えだ。
あの泣き笑いみたいな顔のままでいてほしくないっていう、イルカ先生への気持ちが。
言わなきゃ。早く早く。
ドアノブを握りしめ、思いきり引き開けて。
振り返るあなたに。
ただ「好き」と。
ゆらゆら揺れていたのは誰だったのか。
÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷・÷÷÷÷÷
ゆらゆら
好きにはいろいろ種類がある。
例えば目の前の卓上に並ぶ旬の料理。冬の鍋は好きだ。今日は鶏つくね鍋で、腕まくりをしたイルカ先生が、半割になった竹筒からヘラで生のつくねをぼとぼとと豪快に落としていく。
「カカシさんは魚だけかと思ってたけど、肉も好きなんですね」
「うん、好き」
ぐつぐつと煮立ちゆく鍋を、しばらく無言で眺めた。
と、イルカ先生が菜箸をサッと取り上げて左手を俺の方に突き出したので、阿吽の呼吸で俺の呑水を差し出す。
「葱とえのきと……豆腐は? 椎茸も大丈夫ですか?」
「うん、好き」
「あっ、〆はどうします? 先に注文だけはしとかないと。雑炊かうどんか」
「うーん、雑炊かなぁ」
本当はどっちでもいい。でもイルカ先生は何でも良いという答えを好まないので、聞かれたら二択だろうが三択だろうが必ず選ぶようになった。
イルカ先生は鍋奉行なので鍋に関しては全てを任せてるけど、俺たちはメシ友という対等な関係でもあるから、酒はそれぞれ手酌だ。
「やっぱり神無月も旨いですけど、綺羅の雫も気になりますね」
「そう? じゃあ次は綺羅の雫にしようか」
「やった! あれは熱燗向きじゃないけど俺、冬に鍋と冷やでやるのも好きなんですよ」
「うん、俺も好き」
冬の冷や酒もだけど、ご機嫌な笑顔で鍋を覗き込むイルカ先生のことが。
この『好き』は俺の中でなんとも微妙な位置にいる。
階級を超えた友だちでもあり、里での貴重な呑み友、メシ友でもあり、人間として好きなのはもちろん、最近ではもしかして性欲込みでも好きなのでは? という疑惑も浮かんできていた。
いろんな『好き』の振り子はゆらゆら、ゆらゆらと収まり悪く揺れ続けていて、一向に落ち着く様子を見せない。
いっそイルカ先生の方が何らかの『好き』の答えを見せてくれれば、俺も自分の気持ちが分かるんじゃないかと、そんな勝手なことまで思うくらいには煮詰まっていた。
友情の『好き』か、愛情の『好き』か、はたまた肉欲の『好き』か。
「……やっぱり肉欲は無いかなぁ」
「カカシさん、もう肉はいらないんですか?」
イルカ先生がつみれをいそいそと自分の呑水によそう。そっちの肉への欲はそんなにないから、特に訂正することもなく残りのつみれを譲った。
店を出ると途端に冷たい風が吹き付け、せっかくの温もりを容赦なく巻き上げていく。
「さっみぃ〜〜〜!」
前屈みで両腕を組んだイルカ先生が防御態勢で前を歩く。
俺は任務帰りに直行したから外套を着ていて、マフラーだけのイルカ先生より数倍は防寒力が高かった。
「カカシさん、ずりぃよ〜」
鼻を啜りながら笑うイルカ先生に、ふと悪戯心がぽんと浮かんだ。
「ほら、おいで」
外套の前を開け、イルカ先生を引き寄せて抱き込む。
「うお、あったけぇ!」
わははと豪快に笑うのは、多少酔ってるせいもあるんだろう。
二人羽織みたいな体勢で歩くのはなかなか難しくて、イルカ先生と「いっちに、さんし」と号令をかけながら夜の町を行く。お互いの足を踏まないよう、左右に揺れるイルカ先生に合わせて俺も「ごーろく、しちはち」と続けた。
しばらく進むと住宅街に差しかかって、あまり大騒ぎしながら歩くのは迷惑になるとボリュームを落として進む。
「いっちに、さんし」
「ごーろく」
イルカ先生のアパートに着くと、階段を上がって部屋の前に到着する。でもなんだか中途半端なカウントで止まってしまった。
イルカ先生は勢いが止まらないのか、その場で左右に揺れている。
ゆらゆら、ゆらゆら。
……もしかして俺が「しちはち」を言わないと止まれないのか?
「しち、はち」
揺れていた体がぴたりと止まった。やっぱりそうだったか。
酔っ払いのこだわりってよく分からないけど、合ってて良かったと抱え込んでた肩から両腕を離した。
すると、すぅと一つ、息を吸う音が聴こえて。
イルカ先生がくるりと振り返った。
頬が赤い。やっぱりけっこう酔ってたんだ。
「それじゃイルカ先生、おやすみなさ」
「俺はカカシさんのこと好きだけどカカシさんはどうですか」
一息に言い切ったイルカ先生の目には、ちゃんと理性の光が宿っていた。
ゆらゆら、ゆらゆら。
またあの振り子が急に揺れ出す。
答えなきゃ。
これは、この問いかけこそは、ちゃんと答えなきゃ。
好きではあるけど、どれだろう。
イルカ先生の顔が泣き笑いみたいな、今まで見たこともないおかしな歪み方をしてから、ふいと背けられた。
「ごめんなさい、忘れてください」
アパートのドアが開けられ、バタンと閉じられる。
「待って!」
そうだ。
この追いかけたい気持ちこそが答えだ。
あの泣き笑いみたいな顔のままでいてほしくないっていう、イルカ先生への気持ちが。
言わなきゃ。早く早く。
ドアノブを握りしめ、思いきり引き開けて。
振り返るあなたに。
ただ「好き」と。
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