【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし 
★★いとエロし!
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~『天狗と天使とテンゾウ』までのみちのり~

#裸の推しにフォロワーさんから言われたものを足してく
という絵師さん向けのタグがTwitterにありましてね。
如月も祓華さんのタグにリクした訳ですよ、『天狗の面』を。
他にも幾つかリクが集まって祓華先生の描かれた絵がこちらだ!

天狗と天使
祓華さん Twitter

ヤバいでしょ天才でしょ⁉
いや知ってたけども!
この異世界は何なの⁉それでいてこれが正しいっていう説得力wwwwww
とりあえずカカイルに絶対普通の衣類は提供しないぞという皆さんの強固な意思を感じる…

ちなみにリク詳細はこちらです。
みんな無茶ぶり大会の優勝目指してんの⁉⁉⁉

天狗と天使タグ付き

実はリクお願いしたタイミングが遅くて、股間はもう埋まってたんですよ。
それでやむ無く天狗の面は頭に装着されたんですがね。
とりあえず祓華さんと天狗の面の装着位置の認識に齟齬がなくて良かったです!
天狗の面は股間!!!!
常識ですよね(・∀・)ノ

それでは長くなりましたが、表題のSSはこのスッゲェ絵を元に書いたよ!って解説でした。
もう絵だけでもお腹いっぱいな気はするけど、まぁ良かったら読んでみてくださいね~!


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  天狗と天使とテンゾウ


いまいちぱっとしないミステリ作家の大和テンゾウは、南方の小島にバカンスに来ていた。
バカンスというと響きはいいが、ようは逃避である。
学生時代の後輩の実家が南の小島で民宿を経営してると聞いて、ぱっとしない日常に疲れていたテンゾウは、半ば強引に訪れさせてもらうことにしたのだ。
後輩によるとその島には珍しい伝承があるらしい。

『満月の夜、ヤシの木の根元に酒を供えると、天狗と天使が海の彼方からやってくる』

という、珍しいというか色々混ざったようなインチキ臭い伝承だ。
それでも小説のネタになるかもと、テンゾウは缶ビールを片手に満月の海辺をあてどなく歩いていた。
海辺には確かにヤシの木がまばらに生えている。
このどれでもいいのかと迷い、一番大きなヤシの木の根元に半分以上呑んでしまった缶ビールを置いてみた。そして海の方を振り返ったが、凪いだ海面が月の光を反射しているだけだった。

「ふふ、僕もたいがいだなぁ」

ほろ酔いに任せた行動だったが、この景色だけでも来る価値はあったと缶ビールを拾い上げようとすると、ザァーッという波の音が聴こえてきた。
もう一度振り返ると、満月を浴びて大きな丸太のようなものが浜辺に近付いてくる。そしてその上には二人の人影。

「まさか……」

テンゾウが立ち尽くしている内にもその丸太はどんどん近付いてきて、……いや、丸太と思っていた物はバナナボートだった。
リゾートでよく見かけるようなバナナボートの上には、褌一丁の色白な天狗がポップコーンを小脇に抱えて仁王立ちしている。
その後ろに座っているのは、

「天使だ……」

思わず呟いてしまったが、よく見ると女物の下着のような(あれはランジェリーだかベビードールといったか)物を身に付け、ふわふわの耳当てをしていて、なぜか下は大きな葉っぱ一枚をパンツ代わりにしている。
天使の衣裳ってあんなだったっけ? と首を傾げていると、バナナボートが接岸して天狗が砂浜に降りてくると左手を突き出し、「酒」と言った。
未だ現状を把握しきれないテンゾウがぼうっと突っ立っていると、天狗はテンゾウの手から缶ビールを奪い取り、天狗の面をずらして更に口元を覆ったベールを持ち上げると、一息に呑み干した。
ずいぶんと念の入った顔の隠し方なのは何故だろう、というか天狗じゃなくて天狗の面を被った変質者じゃないか、などとテンゾウが不審者を見る目で天狗もどきを見つめていると、そいつは不満げに呟いた。

「なんだ半分か。しかもビールなんてしけてるなぁ」
「すみません、まさか本当に現れると思わなくて」

思わず普通に謝ってしまったが、天使はさておき、いかにも変質者の出で立ちの天狗には自分が謝る筋合いはないような気がした。
だがテンゾウはまだ混乱の最中にあったらしく、真っ先に口を突いて出たのは訳の分からない質問だった。

「あの、天狗さんはなぜ褌に足袋だけなんですか?」
「ん~、これ? これはねぇ」

なぜか天狗は嬉しそうに声を潜めてテンゾウに耳打ちする。

「イルカとしたい時にすぐできるように、服は脱いじゃったの」

この流れでいくと、イルカとは天使のことだろうか。
イルカはバナナボートに跨がったまま、こちらには見向きもせずに足元の蟹に夢中だ。

「カカシ、今日は一楽のラーメンがいい」

なんとなく気付いてはいたが、声を聞く限り天使はどうやら男らしい。
天狗は男色家なのか。いやでも天使って無性別じゃなかったっけ、とテンゾウが首を傾げていると、天使がもう一度声を発した。

「カカシ、ラーメン!」
「あぁ、ゴメンね。このしけた奴がショボい酒しか供えないから、今日はラーメンは無理なの」
「ええええっ⁉ ラーメン! ラーメン!」

バナナボートの上に引っくり返った天使が、駄々っ子のように手足をばたばたさせて泣き出す。その勢いで股間の葉っぱがずれ、立派なおいなりさんがちらりと見えた。
女物の下着を着けてるわりには体格も良いし胸もないし、やっぱり男だったのかとテンゾウがぼんやり見つめていると、バリバリッと突然雷に打たれたような衝撃が走り抜けた。

「……見たな」

天狗が低い声で囁きかけた。
その手は青白い稲光のようなものに覆われ、表情はずらした天狗面よりも恐ろしい。

「ええっ、見たっていうか見えちゃったっていうか、でも不可抗力ですよね⁉」
「本来なら万死に値するが、今日はイルカがラーメンを欲している。最近供え物をする奴もいないし、もっと酒を持ってきたら許してやろう」

青白い光に覆われたままの手を突き出され、テンゾウは後ずさった。
このまま逃げても仮にも天狗と天使だ。きっとどこまでも追ってくるだろう。テンゾウはこくこくと頷くと、慌てて缶ビールの自動販売機に走った。



缶ビールを両腕に抱えたテンゾウが駆け戻ってくると、二人はバナナボートの上でイチャイチャしていた。
濃厚なキスをしながらお互いの体をまさぐり合い、天使のベビードールは前のリボンもほどかれてほとんど全裸だ。
邪魔していいものかその場に突っ立っていると、天狗が天使がテンゾウに気付いてまたも片手を突き出す。その手に缶ビールのプルタブを開けて渡すと、天狗はゴッゴッゴッと喉を鳴らして次々に呑み干した。

「よし、イルカ。これでラーメンを食べに行けるよ」
「わぁい、ラーメンラーメン!」

不意に天使がテンゾウの方を向き、ひらひらと手を振る。

「ありがと、テンゾウ」

にこりと笑った天使の顔はまさに天使だった。
そして二人がバナナボートに跨がると、ボートがふわりと宙に浮く。
そのままバナナボートは高く浮き上がり、満月を背にどこかを目指して飛んでいってしまった。
ただ一人海辺に取り残されたテンゾウは、ぼんやりとそれを見送った。



あの二人は奇天烈な格好でおかしなことばかり言っていたが、それでも天狗と天使だったのかもしれない。
なにしろ一度も名乗っていなかったのに、天使は躊躇いなくテンゾウの名を呼んだのだから。
――また会えるだろうか。
天狗と天使とテンゾウ。
テン繋がりでこれからも縁は繋がるんじゃないかと、確信めいた予感を抱く。
今度ここにくる時は缶ビールじゃなくて、焼酎でも持参してくるか。
我知らず笑みを浮かべながら、テンゾウは宿の方へと踵を返した。
最後にもう一度、名残惜しげに夜空を見上げてから。



【完】



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ところでですね。
なんやかんやあって(雑な説明)この続編を書いてとご所望されたので、超大作を描きました!

1573103607450_2019-11-13-19-14-41.png

絶対に意味が分からないと思うので、一応解説しておきます。
焼酎『天狗ころり』とラーメンを持参して再び小島を訪れたテンゾウ。
可愛い天使に秘かに横恋慕して大好物のラーメンを献上するも、天使のイルカは当然ラーメンだけに夢中。
天狗は天狗で、イルカに相手にしてもらえず天狗ころりでやけ酒かっくらって爆睡中。
顔が真っ赤だけど死んでませんよ?
べろんべろんなだけです!!!
死んでるのは如月の画力!_(:3」∠)_

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