【Caution!】

全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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俺はゴミ捨て場に座って膝を抱えていた。

 拾ってください
(はたけ上忍に限る)

と書いた段ボールの札を首から提げて。
夜とはいえ、中忍アパート裏の道路はそこそこ人通りがある。
時々ぎょっとしたように見られるが、提げ札を見ると何かの罰ゲームかと思ってくれるのか「頑張れよ」と声をかけてくれた。
それ以外は暇なので、自分の部屋の窓を見上げる。
カカシさんはいつも、どんな気持ちであの窓を見ていたんだろう。一言かぁし兄たんだと名乗ってくれれば済んだ話なのに。
あれからカカシさんは家に来なくなった。
まさかもうゴミ捨て場に捨てられるのが嫌とか、そういうことじゃないよな?
まぁ、それは当然だと思うが、それ以上に気になることを言っていた。
主を持ちたくないと言った俺に、「それでいいと思う」と。
いや俺もそれでいいと思う。
思うんだが、俺の中の狗が良くないとずっとうるさいのだ。
ならば納得するようにしようじゃないかと、一応反省の意も含めてこんな所に座っているんだが。
さすがに初日は無理かなぁとまた窓を見上げると、少し離れた所に人の気配がした。

「……イルカ先生、何してるの?」

カカシさんだ。
やっぱりここに来てたんだ。家には乱入してこなくなったが、近くには来てるんじゃないかという読みは当たっていた。
もっとも、逆乱入してやろうにも自宅を知らないからここで待つしかなかった、ってのが本音だが。
一定の距離を保って近付いてこないカカシさんにしびれを切らし、段ボールの提げ札をずいっと掲げる。

「俺を拾ってください」

カカシさんはすっと息を一つ呑むと。

「当たり前でしょ」

一足飛びに目の前に立つと、俺を抱えて瞬身の印を切った。
ぐにゃんと体の中身が歪んだ感覚の後、飛んだ先は俺の部屋の中で。
カカシさんは抱えていた俺を離すと、ベッドの端に俺を座らせてから身の置きどころがないようにそわそわとし始めた。

「あの、今日は何にも持ってきてないんだけど……あっ、そうだ。ちょっと酒でも買ってくるね」

急いで玄関から出ていこうとするカカシさんの袖を掴み、ぐいっと引く。

「俺を拾ったんですよね? なら腹ァ括ってください」

ふぅ、と息を吐いて床にしゃがむと、そのまま床板を背に寝転んだ。ぶるっと震えが走ったのは、ベストを着てなくて寒いからということにしておこう。
俺は怪訝な顔をしているカカシさんの目から視線を逸らさず、支給服のアンダーと鎖帷子を裾からまくり上げて素肌の腹を見せる。
するとカカシさんの目が真ん丸になった。良かった、狗人との契約を知ってるようだ。
これは狗人にとって絶対服従の証だ。
筋肉に包まれているとはいえ柔らかく、骨に守られていない無防備な腹を晒す。
裂かれたらそれで終わりの急所を。

『あなたを信じてる』

言葉を持たない犬の、最大限の信頼の証。
狗人は話せるが、それでも体を預けて受け入れてほしいという気持ちを表す時には、犬と同じ気持ちになるのだろう。
十年以上前に同じことをした時は、狗人の習性に倣う部分が大きかった。
だが今は違う。
心の底から服従の証を見せていた。
俺はあんたの、はたけカカシの狗になりたいんだ。
「里の子供たちを守って戦う立派な狗人だ」と俺の在り方を認めてくれたあんたの。
俺を受け入れてほしい。俺はあんたを絶対に守り抜く。どんな脅威からも、誰の悪意ある手からも。
俺は中忍で、圧倒的に弱い。
それでもあんたにどこまでもついていくし、あんたの命令なら俺の命を捨てるのも厭わない。あんたの命は俺の命だ。俺の命はあんたのものだ。
その思いをこめてカカシさんを見上げる。
今度はふぅ、とひそやかな息が漏れた。
カカシさんの口から。

「いいの? 俺が主になっても」
「そういう約束だったじゃないですか」
「子供の頃の話でしょ。イルカ先生はもう主は持たないって」
「それはかぁし兄たんとまた会える前の話です。かぁし兄たんは俺の主になりたいって言ってくれた。そしてカカシさんは俺を一人前の狗として認めてくれた。俺の答はこれです」

カカシさんはまだ何か言い返そうとしたが、さらに服をまくり上げて胸まで晒すと、ひゅっと息を呑んだ。

「…………イルカ」

声音が低く変わる。
しつこいと叱られるかと思ったが、何かが違う。
何か……そう、とろりとした艶が含まれているような……?
カカシさんが膝を突き、俺に覆いかぶさるようにして顔を近付け、口布を下げる。
居酒屋では何とも思わなかったのに、なぜか今は鼓動が跳ねた。
なんだ?
自分でやっといてあれだが、何が起きてるんだ?
俺がしっかり握っていたはずの手綱が不意に取り上げられたような、形勢が逆転したような。
カカシさんを主にってことだからこれでいいはずなのに、何か取り返しのつかないことをしちまった気がする。

「そこまでの信頼を俺にくれるなら、これはもう愛情だよね」
「え、っと、そう……ですね?」

しっかりしろイルカ! 主従契約は二度目だろうが! 何そんなに緊張してるんだよ!
……あ、カカシさんの顔が近付いてくる。
焦点が合わないくらいに近付いたと思ったら、唇がふにっとなった。
いやキスは契約に必要ないはず! えっ、俺が知らないうちに変わったのか? そうなのか⁉

「嬉しい」

間近でふわりと微笑まれて、俺の心臓がズギャンとかドガンとか、とにかくなんかおかしくなった。
カカシさんの手が俺の腹に当てられる。
あっ、そうだった! 契約、契約!

「どこにする? 俺は首でも顔でもどこでもいいけど」

契約はお互いのチャクラを同時に相手に流し込んで成立する。主は狗の腹に手を当てて、狗は主に噛み付いて。
それから狗人の認識票代わりに、主のチャクラを込めた首輪を貰うのだ。
狗は相手に牙を突き立てることになるので、上忍の任務に支障が出ないように噛み付くのは腕が一般的だ。

「あー、……じゃあ腕で」
「手首ね」

カカシさんが左手の手甲を咥えて取り去ると、俺の口元に手をずいっと差し出した。
手首なんてめちゃくちゃ急所じゃねぇか! そんな所を簡単に晒すなよ。
さすがに手首に噛み付く気にはなれず、小指側から掌を挟むように咥える。

「じゃあ、いい?」

カカシさんの声が緊張のせいか、ちょっと強張っている。
俺の意思は変わらない。
返事ができないので、掌を咥えたまま首をこくこくと上下に振った。

「うみのイルカははたけカカシを主とし、はたけカカシはうみのイルカを狗とする。狗人と使い手の誇りにかけて、一生涯添い遂げることをここに誓う」

…………ん?
何かおかしな文言じゃなかったか?
一生涯の後は確か共にあるだったような。添い遂げるとか何とかって、それじゃまるで――
俺の懐疑的な目線を封じるように、腹から温かいチャクラがどっと流れ込んできたので、反射的にぐっと噛み締める。
ぶつりと皮膚を食い破る感触。
口の中に鉄の味が広がり、俺もチャクラを流し込む。
狗が主となる人間に牙を突き立てる、最初で最後の瞬間だ。
あ、そういえば初めて出会った時に、もう噛んじまってたんだっけ。あの時は指だった。
まさかおかしな上忍がかぁし兄たんだったなんて、思いもよらなくて。
つい出会いの時を思い出していると、体内を巡るカカシさんのチャクラを感じた。
ぼわっとあったかくて優しくて、もう大丈夫だと本能的に安心するチャクラを。

「ん、うぁ……っ」

耳と尻の辺りがむずむずする。
懐かしい感覚だ。
主となる人間のチャクラを受け、狗人の本来の姿に戻る感覚。
むずむずが強くなるといきなり耳と尻にボンッと衝撃が走り、腰が浮く。

「イルカ……黒だったんだね。かっこいい。可愛い」

カカシさんが俺の耳と尻尾をまじまじと見てから目を細める。

「尻尾もよく見せて」

腹と口から手を離したカカシさんが、俺の体をひっくり返して四つん這いにさせる。
ズボンのウエストのゴムから飛び出た尻尾はくるりと巻かれていて、ふりふりと左右に振られていた。
カカシさんがその根元に手を置き、肌と毛の境目を撫でる。

「おめでとう、イルカ。それから……ありがとう。俺の狗になってくれて」
「カカシさんこそありがとうございます。俺の主になってくれて。俺のマスター」

するとカカシさんがちょっと顔をしかめた。

「うーん、マスターじゃなきゃ駄目? できれば違う呼称で呼んでほしいな。御主人とか旦那とか、まぁ名前だけなら俺が奥さんでもいいけど」

そうか、マスターだとウツボ上忍と同じだもんな。
だが御主人様や旦那様だと、なんかあれだ。メイドとか執事とかそんな感じに聞こえる気がしてこっぱずかしい。
それに奥様って。そもそもカカシさんは男だし論外だろ、新婚さんじゃないんだから。

「じゃあ、カカシ様?」
「様はやめてよ」

くくくっと苦笑したカカシさんの体がぐっと伸び上がってきて、またチュッと音を立ててキスをする。

「あのぉ、それ。さっきもだけど、契約の方法が変わったんですか?」
「ん、キス? だって誓いのキスは必須でしょ」

そうなのか⁉ くノ一同士ならまだいいかもしれないが、男同士の契約でキスが必須になるとちょっと厳しいんじゃないか?
最近の狗人事情は知らないが、みんなキスするようになったのか……。十年前にこの契約方法じゃなくて、本っっ当に良かった。
ウツボ上忍とキスしてたかもしれない過去にゾッとしてると、尻の辺りから本当にぞわぞわと何か悪寒のようなものが駆け上がってきた。

「ひっ! ちょっと、どこの匂い嗅いでるんだよ!」
「んん~? お尻のチェック」
「いやいや主はそんな事しなくていいんで……ひゃあ!」

尻尾を掴んだカカシさんは、あろう事か俺のズボンとパンツまでずり下げると、尻にチュッチュッとキスをし始めた。
これは絶対契約と違うよな⁉

「カカシさん!」
「なぁに?」

顔を上げたカカシさんの唇から黒子にかけて、赤い筋が伸びている。
――カカシさんの血だ。
俺が噛み付いて口に付いた血が、カカシさんの唇を汚している。
なぜかそれが恐ろしいほどいやらしく見え、さっきとは違うものが背筋を駆け上がった。
カカシさんがそれに気づいたのか、ぺろりと唇を舐めた。

「俺とイルカの味が混ざってる」
「駄目ですよ、舐めたら」

綺麗にしてあげなきゃ。だって俺の大事な主が汚れてる。
体を起こすとカカシさんのあごを舐め上げた。唇もだ。ぺろぺろ舐め回すと、カカシさんの唇が両脇にきゅうっと引き上げられた。

「綺麗にするの上手だね。積極的なイルカも大好きだよ」

褒められたのが嬉しくて、思わず尻尾をぶんぶん振り回す。
するとカカシさんが俺の顔を両手で挟んでわしわしと撫でてくれた。

「どうかな、イルカは交尾も上手にできるかな?」

こうびってメスとするやつだよな? ちょっとどころか全然自信がない。
これじゃ褒めてもらえない。ぺしょりと耳が倒れる。

「大丈夫、俺の言う通りにして」

今から?
どっかの知らないメスと交尾するのはイヤだなぁ。しかも主の目の前でなんて、と口を尖らせると、カカシさんがふわりと笑った。

「違う違う、俺とだよ。俺がイルカに他のメスなんか宛てがう訳ないじゃない」

カカシさんはもう笑ってなかった。
笑ってないし、俺よりよっぽど獰猛な獣に見える。
その大型獣は俺を軽々と抱え上げると、優しくベッドに転がした。そして俺の脱げかけのアンダーとズボンを引っこ抜き、自分のベストとアンダーもばさばさと脱ぎ捨てる。
その左手にまだ血が滲んでるのに気が付いた。
まだチャクラで止血してなかったのか。手のかかる主だなぁと、手をとって傷口をぺろぺろと舐める。

「……イルカ、俺だけのものになって」
「俺はカカシさんだけの狗ですよ」

カカシさんがこの上なく幸せそうに笑ったから、俺も嬉しくて。
舐めていた手を、今度はそっと甘噛みした。



あれ、なんでだ?
なんでこんなことになったんだ?
俺の中にカカシさんがいる。
四つん這いになった俺の、丸見えになった尻の中に文字通り入ってる。
そういえば交尾をするって言ってたけど、本当にやるなんて。
オス同士なのに。
ゆさゆさと揺さぶられて、その度に俺の口からはっ、はっと息が押し出される。
片手で俺の尻尾を持ったカカシさんが、また根元の毛と肌の境目をすりすりと撫でた。

「今、きゅうっと締まったよ。ここ気持ちいいんだね」
「ぅうう、……っあ」

その手はいやらしく俺の尻を這い回り、尻たぶを掴むと繋がってる処をぐっと押し広げた。

「しっかり俺のこと掴んでる。お利口さんだねぇ」
「やだっ、そこ……見るな、ぁ」
「見るよ? 俺はイルカの主だもの。イルカが俺を離さないようにしてるか、ちゃんと見ないと」
「離さないからぁ! ひ、ぁあっ」

ずりゅうと抜け出そうとしたカカシさんのモノに、体の内側が勝手にぎゅうっとしがみつく。

「うん、上手だね。イルカはいい子」

カカシさんの声にほっとすると、今度はずぶりと奥まで突き入れられた。

「んあああっ」
「鳴き声もかわいいね」
「ひっ、ぅうう」

でかいのが出たり入ったり、ぞわぞわしてびりびりして。
おかしくなりそうでイヤだ。
でも、困ったことに本当はイヤじゃない。
半分くらい抜いたカカシさんの、ぼこりと張り出た部分が俺の中の何か変なところをすりすりと撫でる。

「あぁ、ここ。これ好きなんだね?」
「ぅん、ンンッ」

背中がどさりと重くなって、のしかかってきたカカシさんが耳を優しく噛みながら囁く。

「イルカ、ちゃんと俺に教えなさい」
「~~~っ、……ぁ、……っくぅ」

目の前が真っ白に弾ける。
しまった、答える前に出ちまった。
なんて恥ずかしいことを、きっと叱られるとぎゅっと目をつむると。

「かわいいよ……ちゃんとイケてお利口さんだねぇ」

カカシさんが褒めてくれた。
良かった、俺、ちゃんとできたんだ。
ぼんやりとしながらも尻尾を振ろうとしたが、カカシさんの腹で潰されてできない。
うーうー唸ってると、また中をごしごし擦られた。

「も、や……ぁ」
「ん、ごめんね、俺もイきたい」
「あ、う、ぅうっ」

ぐったりした俺の肩に、びりっと痛みが走る。
噛まれたと気付いたのと、中に熱いのが弾けたのが同時だった。
……人間も噛むんだなぁ。
ぼうっとした頭の片隅でそう思いながら、顔の横でシーツを握りしめているカカシさんの手に、俺の手を上から重ねた。
俺の主の、優しくてちょっと酷くて、とてもあったかい手を。