【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
↑new ↓old
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――まただ。また『あれ』がきた。
一人でカカシの部屋にいたイルカは、いつもより強い背中の違和感を感じてソファーから身を起こした。
カカシに見てもらいたいと思ったのだが、残念ながら十日ほど前から大事な用があるとどこかへ単身出かけてしまっている。
イルカは仕方なく立ち上がると壁掛け鏡を外し、バスルームに持ち込んだ。鏡を洗面台に置くとこっそり着ていたスケアのシャツを脱ぎ、もう一度鏡を持って洗面台の鏡に背を向け、合わせ鏡で背中を見た。
イルカの背には肩甲骨を覆うくらいの、そこだけ肌の色が抜けたかの如く白い雪の結晶のような紋様が浮かび上がっている。
『六花結晶』
イルカが魔物へと生まれ変わった日に、カカシの父サクモの眠る城のある第二十六階層に降り注いだという雨の結晶の形だ。
なぜその形の紋様が背に浮かび上がったのかは、カカシにも分からないようだった。ただ、恐らくイルカがまだしてない幻獣化に関わるものではないかとは言っていた。
この紋様は時々、背中だけ急に冷水に浸けられたようにぞわりと冷たくなることがある。今がそうだった。
そうすると紋様のある辺り一帯の肌がぐにゃりと溶け出すような、自分と空気の境目が曖昧になってしまうような心許ない感覚に陥るのだ。その感覚は徐々に強まり、範囲も背中から広がっている気がしていた。
イルカは壁掛け鏡を洗面台に置くと、目の前の大きな鏡を覗き込んだ。
かつてスケアに付けられた鼻筋を横切る傷痕もようやく見慣れてきてはいたが、頭頂部から左のこめかみに落ちる一筋の銀髪は、数ヶ月経った今でも時折はっとさせられる。
カカシと同じ、白銀に輝く髪。
魔物になっても角も牙も生えることなく、何一つ変わってないように見える自分の体も、少しずつ背中から……内側から変化していっているのだろうか。
イルカは鼻傷にそっと触れてみた。
薄皮一枚下で水を湛えたように、ふよふよとした弾力が指先に伝わってくる。カカシには破れてしまいそうだからあんまり触らないでと言われているのだが、指先を押し返す感触が楽しくて、つい突ついてしまうのだ。
すると傷痕の内側の揺らぎに合わせ、背中の紋様も呼応するように大きくさざめいた。
カカシは今回はちょっと長く不在にすると言っていたが、その間に幻獣化してしまったらと思うと不安が滲み出してくる。
「カカシ……早く帰ってきてくれよ………」
思わず小さく声にしてしまうと余計に不安が募って、イルカは両手で顔をパンパンと叩いた。
こういう考え事ばかりの時は、体を動かすに限る。
イルカはシャツを羽織ると、最近ようやく書けるようになった魔界の文字でメモをしたためてサイドテーブルに置く。それからバルコニーに出て、カカシの使い魔の白烏クロを呼んだ。
カカシは数日をかけ、第九十九階層からイルカの待つ第十五階層のテンゾウの城へと向かっていた。
今回は使い魔のクロの身には厳しい旅程だったので、白銀の獅子のキメラの姿で単独で最下層に赴いたのだ。
あと一息という帰路の途中、父サクモの城のある第二十六階層を通り過ぎようとすると、信じられないことにイルカの気配を感じた。カカシは疾風の如き羽ばたきを緩め、サクモの城へと方向を変える。
城の自室のバルコニーへと降り立ち、人型へ姿を転じるとガラス扉を開けてイルカの気配を探した。
イルカはこの城がカカシの生家と知ってから、時間を作ってはクロやテンゾウの使い魔のサイ、サスケを伴い掃除や片付けに精を出していた。
今回の召喚はイルカには詳しいことを告げず、おとなしく留守番しているようにとだけ伝えておいたのが仇となったのかと眉を潜めた。カカシが完全体に戻ってから周囲が何かときな臭く、イルカの不用意な外出は危険だった。またオビトの時のようにさらわれたりしたらどうするんだと、足音も荒く自室を出て城の中を探す。
すると最上階のサクモの眠る大広間から、イルカ一人の気配が感じられた。カカシは螺旋階段を駆け上がると、大きな音を立てて扉を開く。
イルカは大広間の中央で布を手に石像と化したサクモを拭いているところだったらしく、ぱっと振り返るとカカシの姿を認めて嬉しそうに破顔した。
「カカシ! もう帰れたんだな!」
イルカは布を放り出してカカシの元へ駆け寄り飛びついた。
こんなあからさまな愛情表現をするイルカは珍しく、カカシは不安も苛立ちも忘れてここぞとばかりにきつく抱きしめ、首元に顔を埋めて胸いっぱいにイルカの匂いを吸い込んだ。
「ただいまイルカ、遅くなってごめん」
思えばイルカが魔界に来てから十日以上も離れていたのは初めてだった。早くイルカに会いたくて帰りは急いできたのだが、それで首柱バアルに押し付けられた難題を思い出し、抱きしめる腕がさらに強まる。
イルカが痛そうに身をよじったのに気付いて力を緩め、少しだけ体を離すとカカシの長い舌ならではの深い口づけを交わした。イルカの舌を絡めとるようにして柔らかく温かい唇と咥内を存分に貪ると、唇をずらして頬に、耳から首筋にと性急な愛撫を加えていく。
と、息の上がったイルカがカカシの顔を両手で掴んで引き剥がし、緋色の双眸を覗き込んできた。気遣わしげな表情を浮かべるイルカの黒い瞳の中に、追いつめられたようなカカシの顔が映る。
「どうしたんだよカカシ。何か嫌なことでもあったのか?」
「うん、ちょっとね。……イルカ、抱きたい」
言葉少なに欲望を伝え、腰を掴んで兆し始めた下半身を押し付けると、イルカはいったん目を伏せてから。
潤んでほんのりと赤く染まった目元でカカシを見返した。
子供部屋だった頃の名残はそのままに、埃っぽかったカカシの部屋は見違えるように綺麗に調えられている。
イルカと共にサクモの城で過ごす時間も増え、カカシは正式に管理する者を入れることを検討し始めていた。
新調されたベッドの上で、二人は一緒に選んだ真新しい藍色のリネンを乱していた。
イルカの衣類は全てはぎ取られ、カカシの手や唇によって余すところなく触れられ開かれていく。
いつもなら口だけでも嫌がる素振りを見せるのに、今はイルカも自ら迎え入れるように足でカカシの下半身を抱え込み、腕を回してぴたりと抱き付いていた。
「寂しかったの?」
それに答える代わりに、イルカは肌の上を這い回るカカシの手を取ると指を絡め口づけを落とす。そして口を尖らせたまま見上げると、ぷいとそっぽを向いた。
「分かりきったこと聞くなよ」
「そうだよね、寂しくてスケアのシャツを着ちゃうくらいだもんね。ボタンが面倒っていつもは着ないのに……いたたたッ」
気付かれていたことへの照れ隠しなのか、イルカがカカシの腕にがぶりと噛みついた。
「抱きたいんだろ? いいから早くしろよ」
腕の内側にくっきりと付いた歯型が愛情の証のようで、カカシはたまらず頬を緩める。
「うん、さっきよりもっと抱きたくなった。覚悟してね」
そう宣言するとカカシは再びイルカに覆い被さった。
何度か体勢を入れ替え、それぞれ幾度か達し、今はうつ伏せになって腰を高く上げたイルカを揺さぶっていた。
その背には六花結晶型の紋様が広がり、カカシの律動に合わせて艶かしく揺れ動いている。紋様のシダ植物にも似た六花の一つをなぞるように舌を這わせると、イルカの内側が大きくうねり、奥深くへ誘い込むかの如くざわめく。
「んんぁ、うん……ッ」
イルカが背をしならせ、さらに腰を高く上げて押し付けてきた。
いつにないイルカの痴態に、下半身に集まった熱がさらに爆発的に高まるのを感じ、カカシは眩暈すら覚えた。
「イルカ、もっと声を聴かせて」
前に手を伸ばして絶え間なく蜜を垂らすイルカの肉茎を握ると、指で翻弄しながら上下にしごいた。
「ひ、ぁ、あ、それ、ダメぇ……っ」
イルカが首を上げて大きくのけ反ると、柔肉もぎちぎちと締め上げてくる。
「……っく」
カカシは息を詰め、辛うじて絶頂感をやり過ごした。長く会えなかった分、まだまだイルカの中に留まっていたかった。
体を倒して黒髪の合間から覗くうなじに強く吸い付き、先ほどのお返しとばかりに痕を残す。それでも完全には波が引かず、思い余って加減した牙を立てるとイルカがびくりと身体を跳ねさせた。
「ぁう! ン、……、……っ」
何度か腰を震わせるのにカカシの手の中のモノは弾けることのないまま、イルカは「くふ……ぅん」と仔犬が鼻を鳴らすような声を上げてシーツにくたりと倒れ込んだ。
翌朝カカシはベッドで眠るイルカを残し、街へと出ていた。
イルカが魔物に生まれ変わった時に降り注いだ六花結晶型の雨は第二十六階層の深い霧を晴らし、長らく主なき城だった城下街にも徐々に住民が戻ってきていた。街には小規模ながら朝市も立ち、焼き立てのパンや朝採り野菜に新鮮な果物のジュース、産みたての卵に香ばしい匂いを振りまくチキンなどが売られている。
カカシはまだ人出の少ない市場で朝食を手早く仕入れると、城に戻ってイルカの許に運んだ。
昨夜ドライで達して気を失ったまま眠っていたはずのイルカは、食べ物の匂いにぱちっと音がするほどの勢いで目を開くと、挨拶もそこそこに大口を開けて片っ端から放り込んでいく。
辛うじてカカシの分を残して一通り食べ尽くすと、イルカは口元のパン屑を拭いながら口を開いた。
「……で、カカシは何をそんなに悩んでたんだ?」
不意打ちで訊ねられ、思わず飲んでいた果物のジュースにむせたカカシは、うまく誤魔化すこともできずにありのままをイルカに話して聞かせた。
九柱のこと、九尾の竜や封印媒体の少年ナルトのことなどを黙って聞いていたイルカは、腕を組むと目を閉じてうーんと唸った。
魔界の歴史やシステムに詳しくないイルカにも、カカシが無理難題を押し付けられたことは理解できる。
そしてバアルの真の狙いはカカシが九柱になることだというのも、それをカカシが長年避け続けていたことも。
イルカはしばらく俯いて唸っていたが、「よし!」と一声上げると勢いよく顔を起こしてカカシを覗き込んだ。
「あのさ、どうにもならないなら相談してみれば? テンゾウさんとかオビさんとか、あとアス何とかさんって蛇の人? これは一人で解決できる問題じゃないだろ」
「テンゾウやアスタロトはともかく、オビトにも? あいつに相談して何か建設的な案が出るとも思えないんだけど」
「大丈夫だって。三人寄れば文殊の知恵って言うし、俺も入れれば四人だぞ。絶対どうにかはなるって。な?」
イルカがにかりと笑って、カカシのむき出しの背をバンと叩いた。
馬鹿力の励ましはかなり痛かったが、同時にその痛みがカカシには頼もしく感じられて。
困った時に誰かを頼るという発想は今まで全くなかったのだが、今回ばかりは素直に相談してみようと思えた。
一人でカカシの部屋にいたイルカは、いつもより強い背中の違和感を感じてソファーから身を起こした。
カカシに見てもらいたいと思ったのだが、残念ながら十日ほど前から大事な用があるとどこかへ単身出かけてしまっている。
イルカは仕方なく立ち上がると壁掛け鏡を外し、バスルームに持ち込んだ。鏡を洗面台に置くとこっそり着ていたスケアのシャツを脱ぎ、もう一度鏡を持って洗面台の鏡に背を向け、合わせ鏡で背中を見た。
イルカの背には肩甲骨を覆うくらいの、そこだけ肌の色が抜けたかの如く白い雪の結晶のような紋様が浮かび上がっている。
『六花結晶』
イルカが魔物へと生まれ変わった日に、カカシの父サクモの眠る城のある第二十六階層に降り注いだという雨の結晶の形だ。
なぜその形の紋様が背に浮かび上がったのかは、カカシにも分からないようだった。ただ、恐らくイルカがまだしてない幻獣化に関わるものではないかとは言っていた。
この紋様は時々、背中だけ急に冷水に浸けられたようにぞわりと冷たくなることがある。今がそうだった。
そうすると紋様のある辺り一帯の肌がぐにゃりと溶け出すような、自分と空気の境目が曖昧になってしまうような心許ない感覚に陥るのだ。その感覚は徐々に強まり、範囲も背中から広がっている気がしていた。
イルカは壁掛け鏡を洗面台に置くと、目の前の大きな鏡を覗き込んだ。
かつてスケアに付けられた鼻筋を横切る傷痕もようやく見慣れてきてはいたが、頭頂部から左のこめかみに落ちる一筋の銀髪は、数ヶ月経った今でも時折はっとさせられる。
カカシと同じ、白銀に輝く髪。
魔物になっても角も牙も生えることなく、何一つ変わってないように見える自分の体も、少しずつ背中から……内側から変化していっているのだろうか。
イルカは鼻傷にそっと触れてみた。
薄皮一枚下で水を湛えたように、ふよふよとした弾力が指先に伝わってくる。カカシには破れてしまいそうだからあんまり触らないでと言われているのだが、指先を押し返す感触が楽しくて、つい突ついてしまうのだ。
すると傷痕の内側の揺らぎに合わせ、背中の紋様も呼応するように大きくさざめいた。
カカシは今回はちょっと長く不在にすると言っていたが、その間に幻獣化してしまったらと思うと不安が滲み出してくる。
「カカシ……早く帰ってきてくれよ………」
思わず小さく声にしてしまうと余計に不安が募って、イルカは両手で顔をパンパンと叩いた。
こういう考え事ばかりの時は、体を動かすに限る。
イルカはシャツを羽織ると、最近ようやく書けるようになった魔界の文字でメモをしたためてサイドテーブルに置く。それからバルコニーに出て、カカシの使い魔の白烏クロを呼んだ。
カカシは数日をかけ、第九十九階層からイルカの待つ第十五階層のテンゾウの城へと向かっていた。
今回は使い魔のクロの身には厳しい旅程だったので、白銀の獅子のキメラの姿で単独で最下層に赴いたのだ。
あと一息という帰路の途中、父サクモの城のある第二十六階層を通り過ぎようとすると、信じられないことにイルカの気配を感じた。カカシは疾風の如き羽ばたきを緩め、サクモの城へと方向を変える。
城の自室のバルコニーへと降り立ち、人型へ姿を転じるとガラス扉を開けてイルカの気配を探した。
イルカはこの城がカカシの生家と知ってから、時間を作ってはクロやテンゾウの使い魔のサイ、サスケを伴い掃除や片付けに精を出していた。
今回の召喚はイルカには詳しいことを告げず、おとなしく留守番しているようにとだけ伝えておいたのが仇となったのかと眉を潜めた。カカシが完全体に戻ってから周囲が何かときな臭く、イルカの不用意な外出は危険だった。またオビトの時のようにさらわれたりしたらどうするんだと、足音も荒く自室を出て城の中を探す。
すると最上階のサクモの眠る大広間から、イルカ一人の気配が感じられた。カカシは螺旋階段を駆け上がると、大きな音を立てて扉を開く。
イルカは大広間の中央で布を手に石像と化したサクモを拭いているところだったらしく、ぱっと振り返るとカカシの姿を認めて嬉しそうに破顔した。
「カカシ! もう帰れたんだな!」
イルカは布を放り出してカカシの元へ駆け寄り飛びついた。
こんなあからさまな愛情表現をするイルカは珍しく、カカシは不安も苛立ちも忘れてここぞとばかりにきつく抱きしめ、首元に顔を埋めて胸いっぱいにイルカの匂いを吸い込んだ。
「ただいまイルカ、遅くなってごめん」
思えばイルカが魔界に来てから十日以上も離れていたのは初めてだった。早くイルカに会いたくて帰りは急いできたのだが、それで首柱バアルに押し付けられた難題を思い出し、抱きしめる腕がさらに強まる。
イルカが痛そうに身をよじったのに気付いて力を緩め、少しだけ体を離すとカカシの長い舌ならではの深い口づけを交わした。イルカの舌を絡めとるようにして柔らかく温かい唇と咥内を存分に貪ると、唇をずらして頬に、耳から首筋にと性急な愛撫を加えていく。
と、息の上がったイルカがカカシの顔を両手で掴んで引き剥がし、緋色の双眸を覗き込んできた。気遣わしげな表情を浮かべるイルカの黒い瞳の中に、追いつめられたようなカカシの顔が映る。
「どうしたんだよカカシ。何か嫌なことでもあったのか?」
「うん、ちょっとね。……イルカ、抱きたい」
言葉少なに欲望を伝え、腰を掴んで兆し始めた下半身を押し付けると、イルカはいったん目を伏せてから。
潤んでほんのりと赤く染まった目元でカカシを見返した。
子供部屋だった頃の名残はそのままに、埃っぽかったカカシの部屋は見違えるように綺麗に調えられている。
イルカと共にサクモの城で過ごす時間も増え、カカシは正式に管理する者を入れることを検討し始めていた。
新調されたベッドの上で、二人は一緒に選んだ真新しい藍色のリネンを乱していた。
イルカの衣類は全てはぎ取られ、カカシの手や唇によって余すところなく触れられ開かれていく。
いつもなら口だけでも嫌がる素振りを見せるのに、今はイルカも自ら迎え入れるように足でカカシの下半身を抱え込み、腕を回してぴたりと抱き付いていた。
「寂しかったの?」
それに答える代わりに、イルカは肌の上を這い回るカカシの手を取ると指を絡め口づけを落とす。そして口を尖らせたまま見上げると、ぷいとそっぽを向いた。
「分かりきったこと聞くなよ」
「そうだよね、寂しくてスケアのシャツを着ちゃうくらいだもんね。ボタンが面倒っていつもは着ないのに……いたたたッ」
気付かれていたことへの照れ隠しなのか、イルカがカカシの腕にがぶりと噛みついた。
「抱きたいんだろ? いいから早くしろよ」
腕の内側にくっきりと付いた歯型が愛情の証のようで、カカシはたまらず頬を緩める。
「うん、さっきよりもっと抱きたくなった。覚悟してね」
そう宣言するとカカシは再びイルカに覆い被さった。
何度か体勢を入れ替え、それぞれ幾度か達し、今はうつ伏せになって腰を高く上げたイルカを揺さぶっていた。
その背には六花結晶型の紋様が広がり、カカシの律動に合わせて艶かしく揺れ動いている。紋様のシダ植物にも似た六花の一つをなぞるように舌を這わせると、イルカの内側が大きくうねり、奥深くへ誘い込むかの如くざわめく。
「んんぁ、うん……ッ」
イルカが背をしならせ、さらに腰を高く上げて押し付けてきた。
いつにないイルカの痴態に、下半身に集まった熱がさらに爆発的に高まるのを感じ、カカシは眩暈すら覚えた。
「イルカ、もっと声を聴かせて」
前に手を伸ばして絶え間なく蜜を垂らすイルカの肉茎を握ると、指で翻弄しながら上下にしごいた。
「ひ、ぁ、あ、それ、ダメぇ……っ」
イルカが首を上げて大きくのけ反ると、柔肉もぎちぎちと締め上げてくる。
「……っく」
カカシは息を詰め、辛うじて絶頂感をやり過ごした。長く会えなかった分、まだまだイルカの中に留まっていたかった。
体を倒して黒髪の合間から覗くうなじに強く吸い付き、先ほどのお返しとばかりに痕を残す。それでも完全には波が引かず、思い余って加減した牙を立てるとイルカがびくりと身体を跳ねさせた。
「ぁう! ン、……、……っ」
何度か腰を震わせるのにカカシの手の中のモノは弾けることのないまま、イルカは「くふ……ぅん」と仔犬が鼻を鳴らすような声を上げてシーツにくたりと倒れ込んだ。
翌朝カカシはベッドで眠るイルカを残し、街へと出ていた。
イルカが魔物に生まれ変わった時に降り注いだ六花結晶型の雨は第二十六階層の深い霧を晴らし、長らく主なき城だった城下街にも徐々に住民が戻ってきていた。街には小規模ながら朝市も立ち、焼き立てのパンや朝採り野菜に新鮮な果物のジュース、産みたての卵に香ばしい匂いを振りまくチキンなどが売られている。
カカシはまだ人出の少ない市場で朝食を手早く仕入れると、城に戻ってイルカの許に運んだ。
昨夜ドライで達して気を失ったまま眠っていたはずのイルカは、食べ物の匂いにぱちっと音がするほどの勢いで目を開くと、挨拶もそこそこに大口を開けて片っ端から放り込んでいく。
辛うじてカカシの分を残して一通り食べ尽くすと、イルカは口元のパン屑を拭いながら口を開いた。
「……で、カカシは何をそんなに悩んでたんだ?」
不意打ちで訊ねられ、思わず飲んでいた果物のジュースにむせたカカシは、うまく誤魔化すこともできずにありのままをイルカに話して聞かせた。
九柱のこと、九尾の竜や封印媒体の少年ナルトのことなどを黙って聞いていたイルカは、腕を組むと目を閉じてうーんと唸った。
魔界の歴史やシステムに詳しくないイルカにも、カカシが無理難題を押し付けられたことは理解できる。
そしてバアルの真の狙いはカカシが九柱になることだというのも、それをカカシが長年避け続けていたことも。
イルカはしばらく俯いて唸っていたが、「よし!」と一声上げると勢いよく顔を起こしてカカシを覗き込んだ。
「あのさ、どうにもならないなら相談してみれば? テンゾウさんとかオビさんとか、あとアス何とかさんって蛇の人? これは一人で解決できる問題じゃないだろ」
「テンゾウやアスタロトはともかく、オビトにも? あいつに相談して何か建設的な案が出るとも思えないんだけど」
「大丈夫だって。三人寄れば文殊の知恵って言うし、俺も入れれば四人だぞ。絶対どうにかはなるって。な?」
イルカがにかりと笑って、カカシのむき出しの背をバンと叩いた。
馬鹿力の励ましはかなり痛かったが、同時にその痛みがカカシには頼もしく感じられて。
困った時に誰かを頼るという発想は今まで全くなかったのだが、今回ばかりは素直に相談してみようと思えた。
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