【Caution!】
全年齢向きもR18もカオス仕様です。
★とキャプションを読んで、くれぐれも自己判断でお願い致します。
★エロし ★★いとエロし! ★★★いとかくいみじうエロし!!
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弐
水中から急速に浮かび上がるように目覚めたイルカが見たのは、見慣れた自室の天井だった。
「え、俺の家……?」
慌てて起き上がるも、覚悟していたような腰の痛みも違和感も無く、あるのは怠さだけで。あれだけぐちゃぐちゃになったはずなのに、体もさっぱりと綺麗になって支給服のアンダーとズボンに着替えさせられている。いったいどうやって自宅まで運ばれたのかなどは、考えるだけ無駄だろう。相手は火影なのだ。
最後の記憶はイルカの腿を使って達したカカシの、背にかかる熱い吐息だった。
それにしても前日一睡もしていなかったとはいえ、途中で眠ってしまうとは伽役失格なんじゃないだろうかと不安になったが。
あの香だ、と不意に思い出す。
床の間の手前に置いてあった、うっすらと煙をたなびかせる香炉。匂いから判断したところ弱い催淫作用があったようだが、中身を途中で変えられたのか、時限式で催眠作用に変わるものだったのか。たとえ寝所であったとしても、任務の途中で熟睡してしまうなどあまりにも不自然だった。
――そういえば、カカシさんは結局服を着たままだったな。
怠い体のあちこちに残る熱を感じながら、ぼんやりと思い返す。
肌を晒さないのは火影として当然の警戒だが、それでも。
手甲すら外さず、行為を最後までせず、朝まで共寝さえも許さなかったカカシに、イルカは少し泣いた。
それから二週間ほど経った。
カカシからの接触は一切無く、あれは夢だったのではないかと思い始めたところに、前触れもなくまたカラスアゲハが訪れる。
イルカの手で式に変わった至極色の紙面に記されているのは、やはり場所と時間だけで。
やはり伽役など何か気の迷いか、或いは実際にイルカを前にして男同士で性交など無理だと気付いたから最後までしなかったかで、てっきりもうお役御免かと思っていたところだったのに。
指定の時間は夜なので、受付の業務終了後に別邸に向かうことになる。アカデミーはもうすぐ夏休みで、その後は時々任務とアカデミーの当直も入るが、実質受付だけのようなものだった。ならば伽の方も今後は遠慮なく呼ばれるかもしれない。
イルカはこの二週間で何度目か分からない重いため息を落とした。
受付の業務終了間際、そわそわしていると同僚から資料室に巻物の返却を頼まれた。
「なんだ、早く帰りたいのか。それが終わったら直帰でいいぞ~」
「おう、サンキュー……ってけっこうな山じゃねぇか」
まぁまぁと宥められながらカバンを斜め掛けにして、巻物の山を抱えて資料室によろよろと歩いていく。ドアの前で塞がった両手に、巻物を一旦床に置いて開けるかこのまま強行突破するか迷っていると、背後から男の手が伸びてきてドアを開けてくれた。
「わ、すみません、ありがとうございます!」
「すごい量だな、半分持ってやろう」
男は外勤のベテラン上忍で、受付で何度も任務のやり取りをしている顔見知りだった。イルカが恐縮しても気にすんなとおおらかに笑顔を返し、一緒に資料室に入る。とりあえず巻物を机に置いてからカバンを外して上忍にもう一度礼を言うと、「ついでだから手伝ってやるよ」と巻物を一つずつ見ながら所定の場所に戻していく。イルカが慌てて遠慮してもどんどん片付けていくので、仕方なく手伝ってもらうことにした。
里の新しい居酒屋情報などを話しながら、これなら伽の時間にも余裕を持って行けるな、と内心ほっとしながら最後の一つを手に奥の薄暗い一角に向かうと、手が空いたのか上忍もついてくる。
「よし、これで終わりです。本当に助かり……」
振り返ろうとしたイルカを、上忍がいきなり抱きすくめた。
何だ? と驚いているイルカの耳に低い声が落ちる。
「なぁ、……いいだろ?」
何がいいのか本当に分からなくて戸惑っていると、上忍の手がイルカの股間に伸びた。
「何を……やめ、」
口を塞がれ、拘束から抜け出そうともがくも壁に押し付けられて身動きが取れず、ズボンのファスナーを下ろされてしまう。
「お前何だか最近やけにやらしいんだよな。こんな所で誘うなんて、こういうの手慣れてるのか」
ふざけんな、誘った覚えなどないと言い返そうと開いた口に、上忍の指がねじ込まれた。
「いいか、騒ぐなよ。これから楽しいことしよ……痛っ!」
上忍の体が弾かれたかの如くイルカから離れる。
庇うように押さえている上忍の右手からは、紫煙が立ち上っていた。
「クソッ、火花が消えねぇ! 何だこれは……カカシの奴のチャクラ……? お前、六代目の専属だったのか⁉」
上忍はなおも呻きながらイルカからじりじりと後退していくと、恐ろしいものでも見たのか「ヒィ」と悲鳴を上げながら資料室から飛び出していく。
一人残されたイルカは、この数分間で何が起きたのかまだよく分からなかった。上忍の手が口にねじ込まれた時、舌の奥が熱くなったような気もする。
そこでカカシの言っていた呪印の話を思い出した。
これは火影の伽役の証だと。名乗ることはできなくとも、見れば分かるようになっていると。
それだけでなく、不逞の輩から身を守る幻術か何かも施してあったらしいと上忍の反応から気付いた。とにかく伽役としての貞操は守れた、いや守られたらしい。普通にいい人だと思っていた上忍の、突然の豹変ぶりにはまだ実感が湧かないが。
今まで自分がそういう対象で見られることなどなかったのに男を誘うと、やらしいと言われた。最近、とも。
呪印のおかげで身は守られたが、カカシの伽役になったことでイルカがそういう目で見られるようになってしまったのだったら、そもそも原因はイルカではなくカカシにある。
上忍の手は汚らわしかった。嫌悪しかなかった。今さらながら、ぶるりと震えが走る。
だが。
手甲に覆われたままでも、カカシの手は優しく愛しかった。
酷くて愛しい男の手だから。
はは、と乾いた笑いが零れた。
「そうだ、伽……行かなきゃ」
ぼんやりと呟いたイルカは、よろよろと立ち上がるとカバンを掴んで駆け出した。
走って走って走って。
竹藪の中の別邸の前に立つと、カラリと引き戸が開いて烏が静かに佇んでいる。
「うみのイルカ様、お待ち申し上げておりました」
前回と全く同じ展開に、異界にでも迷い込んだかのような眩暈を感じながらイルカはそこへ――火影の別邸へと、弾む息のままに足を踏み入れた。
浴室に案内され、嫌な汗と上忍に触れられた感触をごしごしと洗い流す。そして薄衣に着替えを済ませると、やっと落ち着いた気がして寝所で畳にぺたりと座り込んだ。
うっすら肌の透ける至極色の紋紗、煙の立ち上る香炉、布をかけられた姿見、そして真紅の布団。
全て伽役としてのイルカのための調度だ。
「やけにやらしいんだよな」「手慣れてんのか」
上忍に言われた言葉を頭から振り払う。
今ならはっきり言える。火影の伽役は任務だが、叶わないはずだった自分の望みでもあった。
好いた男に求められて嬉しくないはずがない。
たとえ、身体だけでも。
図らずも資料室で襲ってきた上忍の手がそれを教えてくれた。カカシのイルカを求める手は、嫌だけど嫌じゃなかった。
ぼうっと座り込んでいると、いきなり襖が開いて六火ベストの火影服姿のカカシが足音も荒く入ってくる。
崩して横に流していた足を慌てて引き寄せて姿勢を整えようとすると、無言で腕を掴まれて布団に転がされた。
「あ、えっと、火影様のお情けを……」
「黙って」
今日のカカシはあからさまに不機嫌だ。何か失礼なことをしてしまったかと戸惑っていると、カカシはイルカの紋紗の胸元を乱暴に開き、検分するようにじろじろと眺めた。
「何があったんですか」
「あなたこそ何かありましたよね」
イルカの問いに答える言葉は丁寧だが、鋭い視線がイルカの体をあちこち突き刺す。
「何かって、……んむっ」
カカシが食らいつくようにイルカの唇を貪った。
舌が咥内を執拗に動き回り、顔を離すと二人の混じり合った唾液が糸を引く。
「他にどこを触られたの」
そこでようやく、資料室で襲われたことをカカシは知ってるのだと気付いた。
どういう仕組みか分からないが、舌の呪印から何か感知できるようになっているのかもしれない。或いはイルカの身に監視が付いているのか。
「あの、抱き着かれたのと、……腿です。すみません、俺の不注意でした……」
布の上からとは言え、さすがに股間とは言えなかった。任務としての火影の伽役なのだから、もっと身辺に気をつけるべきだったとイルカは唇を噛む。
するとカカシがイルカの紋紗の裾を大きくはだけさせた。
下着を身に着けてない下半身が晒され、イルカはとっさに脚を閉じようとしたが、カカシは構わず顔を寄せる。
「痛っ」
顔を上げたカカシの双眸には暗い炎が燃えていた。
イルカの脚の付け根に近い腿の内側には、鬱血痕がくっきりと残っている。
普段陽射しに晒されることもない内腿は、浅黒いイルカの肌の中でも際立って白い。そこに付けられた痕は、もう一つの呪印のように存在を主張していた。
「烏。ここに」
部屋の外に向かって呼びかけるカカシに、いきなり何を言い出したのかとイルカが戸惑っていると、おもむろに襖が静かに開かれて世話役の烏が入ってきた。
「……っ、やだっ」
情事の最中ではなくとも、今のイルカはそれを思わせる格好だ。とっさに半身を起こして顔を隠すようにカカシの胸にしがみつく。
カカシとの寝所という二人だけの場所に、今まで誰も入れたことがなかったのにとどこか裏切られた気持ちでいると、一度きつく抱きしめられてから引き剥がされた。
「あなたは誰のもの?」
真っ向から覗き込むカカシの目には、依然として炎が宿ったままで。
それに気圧されて声を出せないでいると、カカシは躊躇なくイルカの脚の間に手を突っ込んだ。そしてぴたりと後穴に指先を宛てがうと、ぐっと押し込む。
「ひっ、痛……っ」
潤滑油で濡らしてもいないそこは当然指先を受け入れるはずもなく、反射的にぎゅっと窄んで押し出してしまった。
「あなたは俺のものでしょ。……烏」
気配を断って静かに控えていた烏にカカシが声をかける。
ついその存在を忘れていたイルカは、息を呑んで大きく割られた裾を慌てて直した。
烏はそんなイルカを気にすることもなく障子の方に進むと、傍らに置かれた姿見を二人の近くに移動させて覆い布を引き上げる。
鏡の中には扱き帯のおかげで辛うじて薄衣が引っかかっている半裸のイルカと、きちりと火影服をまとったままのカカシと。
写り込む二人のその横に、並ぶようにして座る狐の半面を着けた烏と。
「ちゃんと見て。あなたは誰のものか」
身をよじらせて嫌がるイルカを押さえ付けるようにしたカカシの手が、イルカの口を開けさせると舌先をつまんでくいと引き出した。
舌の奥には、炎を象った呪印が静かに燃えている。
イルカが六代目火影の専属の伽役だと、その身体を望むがままに扱っていいのだという証が。
カカシの左手がイルカの胸の尖りをきゅっと摘まみ、その強さにイルカの背がしなる。
小さな呻き声に、イルカの溢れた唾液がカカシの手を伝った。それを見たカカシはぐいと顔を寄せ、イルカの舌の表面をべろりと舐める。
ただ舐められただけなのに、イルカの腹の奥がざわりと蠢いた。
同時に脚の間の雄がひくりと揺れ、先端の小穴から雫がぷくりと溢れる。
「んぁ、う……っ」
「ほら、感じてる」
違う、とは言えなかった。舌を押さえられて言葉を発せないことに感謝する。
するとカカシが舌から手を離し、イルカの顔の前に指を差し出した。
「舐めて」
有無を言わせない口調に恐る恐る舌を添わせて舐めると、指が二本に増やされた。
「もっとちゃんと。ちんこをしゃぶるみたいに」
下卑た言い方にイルカは唇を震わせたが、慣れないながらも指を手甲に覆われた境目まで口に含み、舌を這わせてちゅくちゅくと音を立てながら吸う。
カカシの指先がぞろりと呪印を撫で、またもや電流がびりりと背筋を駆け上がった。
「う、ふぅ……んっ」
必死にしゃぶっていると、イルカのぺニスも撫でられる。
呪印を撫でる指と連動して裏筋を上下に撫でられ、思わず腰を揺らすとカカシが含み笑いを漏らした。
「勃ってる。どっちが気持ちいいんだろうねぇ?」
覗き込みながら問う顔はいかにも嬉しげで、喜ばれていることにイルカは小さな被虐の悦びを感じてしまう。
するとカカシは口から指を抜き、露わになった股間に濡れた指先を伸ばした。慎ましく閉じていた後穴も、今度はゆるゆると指を受け入れる。抽送を模して出入りする指を、内側の肉襞が引き留めるように食い締めた。
「ここ、気に入ったんでしょ」
カカシの指先が一点をやわやわと揉むと、自由になったイルカの口から悲鳴のような嬌声が上がる。
「ぁあ、ンッ、や、は……ぁう”」
「気持ちいい?」
返事の代わりとでもいうように、だらだらと溢れた蜜が幹に浮き上がった静脈を伝いカカシの手甲を濡らす。
「くぅ……んあ”ッ」
艶声で応えるイルカに、カカシはいきなり指を引き抜いた。もう少しでイけたのにと、思わず恨みがましい目で見ると、カカシはイルカの両膝裏に手をかけて顔の両脇までぐいと押し上げる。
持ち上がったイルカの腰にぴたりと陣取ったカカシは、片手を伸ばして小箪笥から茶色の瓶を取り出した。そして瓶から潤滑油を直接後穴に垂らす。
「見てて」
腰を浮かせたカカシが、ベストすら脱がないままズボンのファスナーを開けた。
そこからぶるんと飛び出してきたのは、既に凶悪なまでに勃ち切ったカカシの肉棒で。てらりとした亀頭の割れ目からは物欲しげに涎を垂らしている。
切っ先をひくつく後穴に宛てがうと、ぐちゅぐちゅと音を立ててオイルを塗り込めるように会陰から後口まで往復させた。
初回は叶わなかったカカシの熱を受け入れる瞬間を、イルカは未知への恐怖と共にぎゅうと目を閉じて待ち構える。
「ちゃんと目を開けて。烏にも見てもらおうね。イルカが火影のものになるところを」
カカシに命じられたからではなく、驚きでイルカはばちりと目を開けた。
――烏。
それまでずっと姿見の横に座ったままだったのに、あまりの気配の無さにイルカはまたしても存在を忘れていた。
烏の半面の目の部分に穴は開いていない。だが耳はしっかりと聴こえているはずだ。玄関や浴室で、今まで何度も普通に会話をしていたのだから。
「なん、で……」
カカシとの秘め事を他人に見せなければならないのか。
「ぃ、や」
「あなたは火影の伽役なのに、他の男に身体を触れさせたでしょ」
その罰だと言外に匂わせるカカシに、イルカは再びきつく目を閉じた。つい勘違いしてしまいそうになるが、これは恋人との営みではないのだ。火影に抱かれるという『任務』なのだから。
烏の目の穴のない半面の向こうから、そんなはずはないのに強い眼差しを感じる。
野次馬的な好奇心でも下卑た欲望でもなく、ただ静かで純粋な興奮の眼差しを。
「ほら、目を開けて。入れるよ」
ぶくりと膨れ上がった部分が、イルカの中にゆっくりと呑み込まれていく。
限界まで引き伸ばされた襞は、ファスナーの合間から覗く鈍銀色の叢から伸びた肉棒に、巻き込まれるように共に沈んでいった。
「ちゃんと、息、して」
「……っく、ぅあ、カカシさ、んンぁ……っ、は、カカシさんっ」
圧倒的な質量がイルカの中を拓き、押し広げて進んでいく。
内臓を圧迫される苦しさと、自分が内側から変えられてしまうような恐ろしさと、恋しい男をこの身に受け入れているという喜びと。イルカは無我夢中でベストの背にしがみついて、昔のように名を呼んでいた。
それを聞いたカカシは、半分ほど進めたところで一旦動きを止める。
何かに耐えるような表情が面をよぎり、イルカを抱え込むように抱き寄せた。そしてふぅ、と深く息をつくと、腰を前後に揺らしながらさらに奥へと侵入していった。
「……すっごい、喰われそう」
悦びの滲む声にも、浅い呼吸を繰り返すイルカは答えることができない。
ただ、カカシの自分への欲望を体内ではっきり形として感じられることだけが、今のイルカのリアルな感覚だった。
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